CHEMICAL CONTROL
ケミカルコントロール
ケミカルコントロール(雑草管理)とは、造園業における雑草管理手法で、除草剤や発芽抑制剤を使用して雑草の発芽や成長を抑える方法です。発芽を防ぐ予防的アプローチにより、芝地や緑地などの美観を保ちつつ、雑草処理の労力やコストを削減します。適切な薬剤選択や計画には、専門知識が重要です。
除草剤
除草剤は、緑地管理において雑草の抑制と美観の維持に重要な役割を果たします。主に以下の2種類があります。
茎葉処理剤
目的
現在生育している雑草を枯らす
作用
雑草の茎や葉に直接散布し、薬剤が植物内部に吸収されることで効果を発揮
作用
・効果が速やかに現れ、既存の雑草を効果的に除去
・散布時の注意: 周囲の作物や植物への飛散による影響に注意が必要
・新たな雑草の発生を防ぐことはできない(土壌中の種子には効果がない)
土壌処理剤
目的
これから発芽する雑草を抑制
作用
土壌表面に薬剤を散布し、処理層を形成。雑草の種子が発芽・発根する際に薬剤を吸収し、成長を抑制
作用
・雑草の発生を未然に防ぐことができ、効果は3~4ヶ月持続
・土壌の種類や状態に影響されるため、適切な薬剤選択と散布が求められる
・既に生育している雑草には効果がないため、発生前の散布が重要
ケミカルコントロールの利点
管理コストの削減
除草剤を活用することで、草刈りや手作業の頻度が減り、維持管理コストを軽減します。
安定した景観維持
雑草の繁茂を効果的に防ぐことで、定期的な雑草処理が不要になり、美しい景観を継続的に維持できます。
居住者の時間と手間軽減
除草作業の頻度が減ることで、居住者有志が景観管理にかける時間や手間、事故リスクを大幅に軽減できます。
安全性
①国の認可を受けた薬剤の使用
使用する除草剤や発芽抑制剤は、「農薬取締法」「毒物及び劇物取締法」などに基づき国の認可を受けた製品です。これらは人体、動物、環境への影響が試験され、安全性が確認されています。
②適切な使用方法
農薬登録番号を取得した薬剤を適切な濃度や散布方法で使用することで、安全性を保ちながら効果的に雑草を管理します。使用環境や雑草の種類に応じた選択・調整により、影響を最小限に抑えています。
③安全対策と事前告知
薬剤散布時は、住民への事前告知を行い、窓閉めや洗濯物の取り込みを依頼するほか、人やペットがいる時間帯を避けて散布しています。
法面緑地の雑草管理(神奈川県)
マンション法面緑地の雑草管理(神奈川県)
現状課題
草刈の負担
①繁茂する雑草
法面には、チガヤなど草丈の高い植物も生えており、草刈りが大変です。
②月1回の草刈
居住者融資の皆様が月1回、草刈り作業を行っていますが、時間と労力を要します。
解決策
除草剤散布(年2回)
①1年草の抑制
散布により一年草の雑草を枯らし、草刈りの負担を軽減します。
②多年草の抑制
散布を継続することで、多年草の雑草の生育も抑制し、草丈を低くしていきます。
③草刈回数の減少
徐々に雑草量が減少し、草刈り回数を減らすことができます。
効果
作業・コスト負担の軽減
①作業負担軽減
月1回の草刈りが、2~3ヶ月に1回、0回と減少し、居住者の負担を軽減できます。
②コスト負担軽減
散布を継続することで、雑草の発生を抑制し、草刈り頻度を減らすことができます。結果として、長期的な管理コスト削減が期待できます。
使用薬剤
MCPP、シバゲン、トリビュート、ターザインプロDF、フルハウスターフフロアブル、石原ザイトロンアミン、ワンサイドP、ブラスコンM、ハイバーX、ラウンドアップマックスード、バスタ、カソロン