SOIL SURVEY
土壌調査
植栽基盤とは、植物の根が正常に伸び、水分や養分を吸収できる条件を備えた、植物を植栽するための土層です。
多くの個人邸や建物で良質な土が用意されていると思われがちですが、実際には土壌の締固めやコンクリートの混入など、植物の成長を妨げる問題が多く、これが原因で樹木が成長しない、水はけが悪いなどの問題が発生します。
植栽基盤調査では、こうした原因を特定し、適切な対処法を見つけることが重要です。
- 広がり
- 植物の根が充分に伸びることのできる面積があること。
- 深さ
- 植物の根が充分に伸びることのできる土壌厚があること。(有効土層)
- 物理性の条件
- 適正な硬度/良好な保水性/良好な透水性
- 科学性の条件
- 有害物質を含まない/適正な酸度/適正な養分
※一般社団法人 日本造園建設業協会より引用
SOIL SURVEY METHOD土壌調査方法
専門の診断器具を使用し、土の硬さ、水はけ、土壌成分など植栽に影響のある土の状態を調査します。
長谷川式 土壌貫入計
〜土の硬度調査〜
土の硬度調査イメージ
長谷川式 簡易現場透水試験器
〜土の透水調査〜
長谷川式簡易現場透水試験器は、従来の植穴透水試験とは違い、試験孔の掘削の範囲が限定的で、少ない水量で透水性の確認が可能です。透水性が悪いと、根腐れや衰退を起こしやすくなってしまいます。
土の透水調査イメージ
長谷川式 大型検土杖
〜土の土層調査(サンプリング)〜
人力の押し下げで土に貫入させる従来の検土杖とは異なり、落錘を落下運動させることによって、硬い地盤でも容易に貫入させることが出来ます。長さ35㎝のサンプラーによって、深さ1mまでの土壌サンプルが3回で採取することが可能です。サンプラー部分が大きいので、分析用試料も採取することが出来ます。
調査(サンプリング)地点で、下図の様に落錘止めに手をそえて
本体をできるだけ垂直に保ち、落錘を落下させることにより、
サンプラーを貫入させます。
土の土層調査(サンプリング)イメージ
pH・EC測定
〜土の成分調査〜
pH(ペーハー・ピーエッチ)
土壌のpHとは、酸性やアルカリ性の強さを測定する指標です。
植栽においては、植物が必要とする養分を効率よく吸収できるかどうかに大きく関わっており、適切なpHでないと根の生育が阻害されたり、養分の吸収が不十分になることがあります。そのため、樹木や草花を健全に育てるためには、植栽地のpHを把握し、必要に応じて調整することが重要です。
EC(導電率・電気伝導率)
EC(電気伝導度)とは、肥料成分や塩分濃度など、土壌に溶け込んだイオンの量を測定する指標です。
植物にとって必要な養分が適切に存在しているかを把握するために用いられますが、過剰な場合は根へのダメージや生育不良を招く恐れがあります。適切なEC管理は、肥料の効率的な施用や、土壌環境の維持に欠かせない要素となっています。
pH・EC 測定イメージ
SOIL IMPROVEMENT METHOD土壌改善方法
土壌改良の手法として、割竹挿入法、水圧穿孔法、エアレーション法の3種類を実施しています。
手法を組み合わせることで、植物が健やかに育つための最適な土壌環境を提供しています。
土壌表面より深さ100cmまでの土壌の硬さを連続的かつ簡便に測定できるように開発された土壌調査用小型動的貫入試験機です。本機は、2kgの落錘を50cm落下させ、そのエネルギ-で先端の円錐コ-ンを土中に貫入させ、その時の貫入抵抗から相対的な硬さを知るものです。土壌断面を掘らなくとも、土壌硬度の測定が可能です。
落錘(ランマー)を50cmの高さから落下させ、
そのエネルギーで先端の円錐コーンを土中に貫入させます。
その時の貫入深を読みとります。
割竹挿入法
~通気透水性~
樹幹周辺の通気性や透水性が悪い、木の樹勢が衰えている場合、割竹挿入法(土に竹の筒を挿し通気透水性を向上させる方法)にて改良資材を混ぜつつ、根が伸びやすい環境へと改善する方法を推奨しております。
土壌改善イメージ
水圧穿孔法
~固い土壌をほぐす~
樹幹周辺の土壌が固い、木の樹勢が衰えている場合、掘って土壌改良ができるスペースがない場合には、水圧穿孔法(固く締まった土壌をほぐすための方法)にて改良資材を混ぜつつ、水圧の力を利用して、土の中に空間を作り、根が伸びやすい環境へと改善する方法を推奨しております。
土壌改善イメージ
エアレーション法
~固い土壌をほぐす~
土壌に孔をあけて空気の通りを改善し、根の再生を促す工法です。この作業と同時に肥料や土壌改良資材を充填することで、施肥と土壌改良の効果を高めることができます。ある程度高圧の空気で細い根を切るものの、重機やスコップによる掘削より根を傷めにくく、狭い植栽帯や低木が密集した場所でも施工可能です。少人数で少ない労力で行える点も利点ですが、広い面積の土壌改良には不向きなため、他の工法と使い分けています。(使用機材:ドドンパ・圧縮エア式スコップ)
土壌改善イメージ