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サービス樹木とともに都市景観の未来を切り拓く
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グリーンメンテナンス部門、ツリーリスクアセスメント部門、ランドスケープコンサルティング部門の3部門が連携し、専門知識と技術を融合して、中⾧期的に植物を育成・管理します。これにより、景観や資産の付加価値を創造します。
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スイスのチューリッヒで、ルツェルンを拠点に活動されているアーバンフォレスターのNaomi Zürcherさんにお会いしました。
日本人のアーボリストと直接言葉を交わすのは今回が初めてだと伺い、ただありがたく思いました。限られた時間の中で、ご自身の歩みと考えを惜しみなく話してくださいました。
Naomiさんはニューヨークのご出身で、1996年にISAの認定アーボリストとなり、現在はISA認定のコンサルティングアーボリスト、米国i-Treeチームのアフィリエイトメンバーとして活動されています。ご自身の実践の場として「Arbor Aegis」という名前を掲げておられますが、Aegisは「盾」、ローマ神話の女神Dianaが自らの守る森のために持っていた守りの盾に由来するそうです。
2022年にはSpringerから『Connecting Trees with People: Synergistic Strategies for Growing the Urban Forest』を単著で出版されています。都市の樹木と人の関係、市民参加による都市林業を扱った全6章・約200ページの専門書で、「Future City」シリーズの第16巻にあたります。同じ2022年には英国のArboricultural Association(AA)の全国アメニティ会議で登壇され、アムステルダムで開かれた欧州i-Tree会議でも発表されています。AAの会員誌には多くの記事を寄稿してこられ、2025年からはAAの選出理事も務めておられます。
アーボリストの道を考え始めたきっかけは、CODIT理論で知られるAlex Shigoに勧められたことだったと、ご本人から伺いました。Shigoの樹木生物学を土台に据えて仕事をしてこられた方です。
話のメインは、研究と現場の隔たりでした。学校や初期の訓練を終えたあとも研究を読み続けなければいけない、ヨーロッパの現場では研究の成果が十分に生かされていない、というお話です。研究を読むときには「何に効果があるのか」「本当に有効なのか」「現場で使えるのか」「どの条件で使えるのか」を考えることが大事だと言われていました。ご自身も研究をもとに作業手順や仕様書を書き起こし、同業者に文書として渡しながら現場で助言もされているそうです。私たちも診断や年間管理の仕様書を書く立場ですので、この四つの問いは、そのまま日本に持ち帰って考えたいと思います。
建設工事と樹木の保護にも長く取り組んでこられました。工事の現場を確認し、必要な対応を助言して文書にまとめる。保護が不十分なまま工事が進んで被害が出ることに、繰り返し改善を求めてきたと話されていました。ルツェルンでは、1880年から市の保護樹となっているナツボダイジュ(Tilia platyphyllos)の根系回復と土壌再生のプロジェクトも監理されたそうです。根の状況を掘らずに把握し、守るべき場所と問題のある場所を見分ける道具としてTreeRadarにも触れておられました。被害が起きてから手当てをするのではなく、工事で樹木を傷つけさせないこと。この順番の置き方が、Naomiさんの仕事の芯にあるのだと感じました。
i-Treeについては、2016年からベルンの会社と協働してスイスへの導入を進めてこられたそうで、今週スペインのマラガで開かれる欧州i-Tree会議でも発表される予定だと伺いました。現地調査のために、何をするか、どこに立つか、どう見るか、どう測るかを確認できる英語の手引きも作っておられるとのことです。弊社でもi-Tree Ecoを使い始めたところですので、測定者が手順を思い出すための資料という発想は、そのまま社内に生かせそうだと思いました。
樹木診断を仕事にしている私たちにとって、少し耳の痛い話もありました。樹木の危険性ばかりを前面に出すと、人々に「木は危ないものだ」という印象を与えてしまう。リスクの説明だけを樹木管理の一番前に置かないようにしている、と言われていました。倒木のような問題も、樹木そのものだけでなく、根の損傷や不適切な剪定、土壌の締め固めといった、人が与えてきた被害に目を向ける必要があるというお考えです。診断の結果をどう伝えるかは、私たちがいつも悩むところです。改めて考える材料をいただきました。
幹の白い塗装についても、日焼け防止の目的は理解しつつ、一律に塗ることには慎重なお考えでした。苗畑で密植されて育った木は、購入時に北側に印を付けてもらい、植えるときに元の方位を合わせるという方法も提案されているそうです。
コメント欄へ続く
Pflanzen-Kölleという大型ガーデンセンターのミュンヘン店へ、 @arbo_care に連れてきていただきました。
Pflanzen-Kölleは1818年に創業した古い園芸の名門のお店です。全国に13店舗を展開し、従業員は約1,500名というドイツ有数の規模のチェーンです。ミュンヘン店(Goteboldstraße 9)はとにかく広く、苗木の種類も豊富でした。
目を引いたのは、日本ではあまり見かけない苗木が、ごく普通に並んでいたことです。セイヨウトチノキ(Aesculus hippocastanum)、オーク=ヨーロッパナラ(Quercus robur)、そして枝が流れるように垂れるシダレブナ(Fagus sylvatica `Pendula`)。いずれもドイツの街路や公園、ビアガーデンでおなじみの樹種で、家庭の庭木としても流通しています。セイヨウトチノキは白い花穂が見事で、「Kuratorium Baum des Jahres(年間の樹木を選ぶ委員会)」が2005年の「その年の樹木」に選んだ人気者だそうです。一方で、キバガの一種であるモモンガ…もといチャバネの潜葉性のガ、Kastanienminiermotte(セイヨウトチノキの葉に潜って食害するガ)に悩まされている樹でもあり、街の樹木が抱える課題も垣間見えました。
面白かったのは、日本の園芸を象徴する盆栽や日本庭園が、ドイツではマイナーで、各地に立派な日本庭園やボンサイの専門園はあり熱心な愛好家もいるのですが、一般的な園芸の中心ではないという印象でした。
逆に人気なのが錦鯉です。ただ、質の良い鯉はとても高価で、ドイツの販売店の目安でも、庭の池向けの普及クラスが10〜50ユーロほどなのに対し、色や模様の整ったショー品質になると300ユーロから数千ユーロに跳ね上がります。趣味として本格的にのめり込む方がいる一方で、気軽に手を出せるものではないな、という空気を感じました。
国が変われば、庭に求めるものも憧れの対象も当然変わることを、園芸を通して文化の違いを見た気がしてとても興味深かったです。
@freeworker.de のショップに続いて、同社の倉庫・配送拠点にも連れて行っていただきました。ここでは運営責任者(Betriebsleiter)のHolger Finkさんが、わざわざ倉庫の中を案内してくださいました。お忙しい中ありがとうございました!
棚に整然と並んだロープやカラビナ、ヘルメット、ケーブリング資材。ヨーロッパ中のアーボリストへ、ここから道具が届いていくのだと思うと、物流の背骨を見せてもらったようでした。残念ながら倉庫内は撮影禁止だったので、ショップの写真のみの紹介になります。
Freeworkerは、1999年にミュンヘン近郊グレーベンツェルの倉庫で始めた会社です。いまではギルヒングに拠点を構える従業員約50名の企業に育ち、樹木ケアとロープクライミング技術の分野でヨーロッパ最大級の専門商社のひとつに数えられます。
ただ道具を売るだけでなく、専門的な相談に乗り、講習会や競技会にも関わっていらっしゃるそうです。こうした「専門店がアーボリスト業界を支える」構造がしっかりあるのは、ドイツの層の厚さだと感じます。
道具が身近に、しかも専門家の助言つきで手に入る環境は、そのまま現場の安全と技術の底上げにつながります。樹上での作業は、道具ひとつが命綱です。良い道具を選べること自体が、プロの仕事の質を決めるという当たり前のようでいて、日本ではまだこれから将来性のある部分だと、改めて感じました
@freeworker.de
@arbo_care
貴重な機会をいただきありがとうございました!
@arbo_care Ingoさんに、連れて行っていただいたのが @freeworker.de のショップです。ここはアーボリスト向けの専門店で、ツリークライミング用のロープやハーネス、切創防止ウェア、そして樹木を支えるケーブリング資材まで揃うお店です。
Freeworkerは1999年からこの分野を手がけていて、樹木ケアとロープクライミング技術のヨーロッパ最大級の専門商社のひとつだけあって、本来の品揃えは相当なものです。私も何度か日本から注文させていただきました。
現在ちょうど店内は改装中で、しかも別のイベントに出展している最中とのことで、商品も店員さんも少なめでした。それでも社員の方のお話をたくさん伺えました。
今回その中でケーブリング製品についてご紹介します。
お店で扱う樹木用ケーブリング(ドイツ語でKronensicherung=樹冠の固定)は、大きく分けて四つの系統があります。
cobra、boa、treeSave、そしてGEFAです。日本ではcobraはよく知られていますが、あとの三つは日本語の情報が少ないかと思います。
cobraは1993年に販売が始まって以来、世界中で使われている定番です。ポリプロピレンの中空ロープ(Hohltau)に、ゴム製のショックアブソーバー(Ruckdämpfer)を差し込む構造で、風で樹木が揺れる動きを残しながら支える「動的(dynamic)」なシステムです。このゴムダンパーが、枝が動いて止まる瞬間の衝撃(Fangstoß)をメーカー公表値で約20%やわらげます。わずか10kgほどの弱い力から伸び始め、およそ20cmの「低荷重時の揺れ幅」を確保してくれるので、そよ風程度の揺れを許すことで樹木自身が反応材(Reaktionsholz)をつくり、 自らを補強できるのが利点です。金具を使わず、ロープを編み込む「クイックスプライス」だけで結束できます。開発したのは樹木静力学の研究者Lothar Wessolly博士とHans Vetter(EU特許EP0623277)で、動的挙動の試験データが技術的な裏づけになっています。ゴムダンパーを外せば、割れてしまった枝を動かさずに支える静的(static)な補強にも転用でき、 より伸びの少ないDyneema製のultrastaticという選択肢もあります。
boaは、そのcobraを開発した本人(Wessolly博士)が2005年に発展させた後継システムです。最大の売りは「同一部品コンセプト(GKK)」で、ショックアブソーバー・スプライス補助バンド・擦れ防止スリーブ・年度識別ディスクといった部品が、2t・4t・8tすべての太さで共通して使えることで太さごとに部品を揃える必要がなく、在庫も運搬も驚くほどシンプルになります。 ダンパーを入れれば動的、外せば静的と、バーナーも工具も使わずに切り替えられる点 もcobraからの進化です。ロールから引き出したときにロープがねじれにくい「クセ取り済み」の巻き方が採用されている のも、現場では地味にありがたい工夫かと思いました。
treeSaveは、DRAYER社が開発したシステムです。保持ループに幅50mm・75mmといった幅広ベルト(Gurtband)を使い、樹皮と形成層(Kambium)への面圧を広く分散するのが基本思想。 いちばん面白いのは「過負荷インジケーター(Überlastanzeige)」で、システムに75%を超える力がかかると縫い目(Sollbruchstelle)が裂けて、隠れていた赤い標識が飛び出す仕組でした。地上からの目視で「点検が必要」と一目で分かり、しかも標識が出た後もシステムの保持機能はそのまま保たれます。強度は20/40/80/120kNの各システムがあり寿命は8年だそうです。
GEFAは、若木のアンカーや根系管理、灌水製品を長く手がけてきたメーカーの製品です。中空ロープ(Hohlseil)を軸にした構成で、素材はポリエステルとより伸びるポリアミドが選べ、静的用途にはDyneemaロープも用意。 強度は2t・4t・7t・8t・10t、 さらにDyneemaで12t・20tまであり、 大径木や重量枝にも対応できるのが強みです。ロープには破断インジケーター糸が織り込まれ、最大破断力のおよそ80%で切れて点検の目安を教えてくれます。幅50/75/100mmの帯で樹皮への面圧を分散する考え方はtreeSaveと共通で、単一部品としても多部品システムとしても組めます。
ドイツでは、枝が裂けそうなときは揺れを残す動的固定、すでに割れている枝を落とさないための静的固定、と使い分ける考え方が明確です。ZTV-Baumpflegeでは動的が原則で、 樹木が補償成長(Kompensationswachstum)で自らを強くできるよう、あえて動きを残す。 静的固定はV字の裂けなどですでに損傷がある場合に限るという整理されており、日本でもここまで製品と考え方が体系化されているのは、素直に学ぶべき点だと感じました。
freeworker様には撮影許可をいただいております。
ありがとうございました。
ドイツにアーボリスト視察に訪れています。
ドイツ・バイエルン州のフライジングという街に、Ingo von Wurmbさんという方がいます。今回ドイツに訪れるにあたり、ご縁があって声をかけていただき、丸一日、車であちこちの現場や施設へ連れて行っていただきました。お忙しい中本当にありがとうございます。
Ingoさんは長くBMWでエンジニアとして働かれたのち、いまはArbocare @arbo_care という樹木ケアの会社をサポートされています。会社のオーナーのMoritz von Wurmb さんとみなさんご一緒に写真を撮らせていただきました。
Baumpflege(樹木の手入れ)、Baumkontrolle(樹木の点検)、Baumgutachten(診断・鑑定)、そしてBaumkataster(樹木台帳の作成)までを手がける専門会社です。
フライジングはミュンヘンの北にある、ミュンヘン工科大学のヴァイエンシュテファン(Weihenstephan)キャンパスを擁する街で、林学や造園の教育・研究の拠点でもあります。Arbocareの案内にも、チームがヴァイエンシュテファンで林学を修めたと書かれていて、地の利を感じました。
日本と大きく違うと感じたのは、資格と基準がきちんと整っていることです。ヨーロッパにはEuropean Tree Worker、European Tree Technicianという共通資格があり、ドイツにはFLL認定のBaumkontrolleur(樹木点検士)やFachagrarwirt Baumpflegeという専門資格もあります。
ArbocareもこれらとISA(国際樹芸協会)ドイツ支部の会員であることを掲げ、ZTV-Baumpflegeという樹木管理の技術基準に沿って仕事をしています。 背景には、土地の所有者が樹木の安全を保つ義務(Verkehrssicherungspflicht=交通安全確保義務)を負うという、判例で確立された考え方があり、点検と記録が仕事として根づいています。樹木を「守るべき都市の資本」として扱う文化を、初日から強く感じとても刺激のある1日でした。
次回、日本からもいつもツリーワークの用品の注文でお世話になっているfreeworkerに訪れたことについてお伝えします。
都内の湾岸沿いの現場で、ヤマモモにチャドクガがついていました。
登り込んで剪定していたクライマーが「おや?何か痒い」と思って伸びた若い枝の先を見ると数匹。葉の縁が茶色く食われた跡と一緒に見つけました。
頭が橙色で、背中に黒い点が対になって並び、脇に白い線、白く長い毛。中齢のチャドクガの特徴とよく合っています。見た目の近いドクガの仲間もいますので断定は控えますが、まず間違いないと思っています。
一般的な認識としては、チャドクガはツバキ科につく虫で、発生する樹種はツバキ、サザンカ、チャなどのツバキ科となります。
ところが同じ種を「茶毒蛾」として扱う中国・湖南省林業局の資料では、寄主に油茶や茶樹のほか、柑橘、サクランボ、柿、ビワ、ナシまで挙がっていました。本来はツバキ科を強く好みながら、科をまたいで食べる幅を持っていることが改めてわかりました。
以前にカナメモチにチャドクガがついていたことがあり、その時は何かの勘違いだろうと思っていましたがあながち間違いではなかったかもしれません。
日本でツバキ科ばかりに見えるのは、庭や生垣にツバキ・サザンカが圧倒的に多いという環境のせいかもしれません。ちなみに先日樹木診断で訪れた大島ではツバキの生産が盛んで、街中にもツバキがたくさん植栽されており、それらにもたくさんのチャドクガがついていました。
今回のヤマモモで、卵からここで育ったのか、根元に植栽されていたハイカンツバキから移ってきたのかは分かりませんでした。この幼虫は終齢まで集団で暮らします。遠くから群れごと来たとは考えにくく、隣の枝から移ったか、ヤマモモに直接産卵されたかのどちらかだと思います。葉裏にカスリ状の若齢の食害痕や卵塊の跡が残っていれば判断できますが今回はそこまで確認できませんでした。
もう一つ気になっていることがあります。
この数年、私の感覚では東京都内の現場でチャドクガをほとんど見かけていませんでした。まとまった統計は見つけられなかったので、仮説としてですが、一つはウイルスや寄生蜂による自然の抑え込みです。
チャドクガには核多角体病ウイルスがあり、防除にも使われているという情報がありました(PubMed収載のゲノム解析論文、2009年)。卵に寄生するタマゴバチは雌成虫の体に乗って産卵場所まで運ばれる習性が報告されています(Arakaki ら 1995、Applied Entomology and Zoology)。宮島では1973年から76年にかけて大発生した記録もあり(Mizuta 1981)、もともと増減の波が大きい虫です。
二つ目は気候です。ただし温暖化は昆虫の越冬生存率を上げ、年間の世代数を増やす方向に働くとされていて(日本植物防疫協会「植物防疫」)、減る理由にはなりにくいので謎が残ります。ここ数年の夏の暑さが8〜9月の幼虫に厳しかったのではないかとも思いますが、チャドクガ自体で暑さの影響を調べた資料は見つけられず、これは私の推測です。
三つ目は寄主の減少です。生垣のツバキやサザンカが減り、毛虫を嫌って伐られる例も増えました。数が減れば、残った虫が別の樹木に手を伸ばす場面も出てくるのかもしれません。
ツバキ科がないからチャドクガは無いから安心とは言い切れなくなりそうなので今後の動向を気にしていきたいと思います。
どなたかチャドクガの事でご存知の方とか現場の体感の事で情報あれば是非教えてください。
株式会社トシ・ランドスケープ
樹木医 中村雅俊
那須塩原の現場で引き続き植栽工事を進めています。
昨日から据え付けを進めていた枕木の設置が完了しました。溝を掘って砕石を敷き、突き固めてから枕木を据え、水平器を当てながら合わせていきます。雨のあとで足元はぬかるんでいましたが、予定していた枕木はすべて据わりました。
今回は若手がベテランの笠井親方から直接指導を受けながら作業にあたりました。砕石の締め方や水平の出し方など、言葉にしにくいところを手を動かしながら教わる時間は、若手にとって良い刺激になったようです。こうした現場での積み重ねが、技術として社内に残っていくのだと思いました。
来週、改めて植栽の植え付けに入ります。引き続きどうぞよろしくお願いします。
株式会社トシ・ランドスケープ
樹木医 中村雅俊
栃木県那須塩原にあるエフティーエス様のテクニカルセンター敷地で、1期目の植栽工事に入っています。
エフティーエス様は、私たちが樹木診断で使っているResi PDとアーボソニック3Dの代理店です。機器のことでは日頃からお世話になっているお客様でその敷地に今度は、自分たちが樹木を植える側として入らせていただくことになり大変嬉しく思っております。
1期目は、植栽の土台づくりです。10t車で植栽土を運び込み、客土として敷き込んで整地をし、あわせて枕木を据えていきます。枕木は、いつもお世話になっている品川の山十さん @yamaju1 に注文していたものが届き、設置の施工に入りました。
樹木を植える仕事というと、苗木を穴に入れる場面を思い浮かべる方が多いかもしれません。けれど実際に時間と手間がかかるのは、その前の土づくりです。根がどこまで伸びられるか、雨のあとに水が抜けるか。その多くはこの段階で決まると考えています。土が硬く締まっていて根が張れず、年を追うごとに弱っていく樹木は、診断の仕事の中でも少なくありません。植える側に回るときは、そこを先回りして整えておきたいというのが正直なところです。
那須塩原はあいにくの空模様ですが、作業は順調に進んでいます。まずは1期目の下地作りを丁寧に仕上げます。
株式会社トシ・ランドスケープ
樹木医 中村雅俊
マンションのシンボルツリーとして親しまれてきた株立ちのケヤキを伐根させていただきました。
豆知識的なお話ですが、ケヤキの名前は「けやけき木」、つまり際立って目立つ木という言葉が由来とされています。箒を逆さにしたような樹形が特徴で、大きなものは樹高40m近くまで育ち、樹齢数百年の巨木も各地に残っています。材は硬く木目が美しいので、神社仏閣の建材や太鼓の胴にも使われてきました。街路樹や寺社の境内、地域のシンボルとして古くから親しまれてきた、日本を代表する落葉広葉樹です。本来は1本の幹でまっすぐ立ち上がる樹木ですが、マンションや庭では、苗木の段階で幹を数本立てた「株立ち」の仕立てもよく植えられています。
今回のケヤキは、幹が合わさる株元が「入り皮」になっていました。株立ちの樹木は、幹どうしが根元で押し合いながら太っていくうちに、間に樹皮を挟み込んだまま一つにまとまることがあり、これを入り皮と呼んでいます。入り皮の部分は材がつながっていないので、そこから水や土が入り込み、腐朽の入口になりやすい箇所です。
樹木医として幹を1本ずつ切り分けてみると、外側の材は白くしっかり残っている一方で、隣の幹と接していた側は色が変わり、崩れかけた部分が株元まで続いていました。ケヤキはこれからも大きくなる樹木ですので、株元から折れる心配もあり、住民の皆様から親しまれてきたケヤキですが、今回は伐根して新しい樹木に植え替えさせていただくことになりました。シンボルツリーを伐るのは私たちにとっても簡単な判断ではありませんが、切り株の断面を見て、この時期に手を入れておいてよかったと思いました。
作業は、周りの舗装や植栽を汚さないようシートで養生したうえで、根を掘り出しながら幹を切り分けて進めました。根には照明の配線が絡んでいましたので、配線を傷めないようリボンテープを巻いて目印にしながら周りの土は手作業で少しずつ掘り分けています。
株立ちの樹形は見た目に柔らかく、マンションの植栽でもよく使われる樹形ですが、根元の合わさり方は年数が経ってから効いてくる部分だと思います。今回のように外側の材が残っていても、合わせ目の内側で腐朽が進んでいることもあります。株元を定期的に確認しておくことの大切さを、改めて感じた現場でした。
来春前に新しい樹木を植えさせていただきます。
引き続きどうぞよろしくお願いします。
株式会社トシ・ランドスケープ
樹木医 中村雅俊
港区南麻布の廣尾稲荷神社の境内で、お祭り前の樹木の手入れに入らせていただきました。私にとっては子どもの頃から通っていた地元の神社で、その境内の樹木を樹木医として任せていただいていることに身が引き締まります。
社伝では、慶長年間に二代将軍秀忠公が鷹狩りの折にこの地へ稲荷を勧請したと伝わります。拝殿の脇に立つのが御神木のイチョウで、樹齢は400年を超えると伝えられています。年輪の測定などの裏付けがあるわけではないので数字は伝承として受け止めていますが、この場所で長い時間を過ごしてきた樹木であることは、立ち姿から伝わってきます。
このイチョウには、弘化2年の大火で幹の内側が炎にさらされたという話が残っています。実際、幹の中心はすでに大半が朽ちて空洞になっていて、今は支柱で支えながら生きています。それでも毎年枝を伸ばし、葉を茂らせます。中が空いていても、外側に残った健全な部分が水を上げ、樹木を立たせてくれています。
今回は、剪定と合わせて樹勢の維持と回復を目的に根の周りの土壌改良を行いました。空洞のある樹木を支えるのは支柱だけではなく、根が呼吸できて水が入り、細い根が更新できる土が土台になります。幹の中を元に戻すことはできませんが、根の環境は手を入れることで変えられる部分だと考えています。
剪定については、風で受ける力をやわらげるために枝先の重さを落としつつ、樹勢とのバランスを見ながら進めました。空洞のある幹に大きな樹冠が乗っていると、強風の時にそこへ力が集まります。かといって強く切ると、葉の量が減って樹勢を落とすことがあります。枯枝と折れそうな枝を優先し、重さの乗った枝は分岐まで切り返して、葉はしっかり残します。支柱で支え、土を整え、枝を軽くする。この三つを別々の工事としてではなく、一本の樹木の負担をどう分け持たせるかを手入れとして考えています。
御神木だから何があっても手を触れない、という考え方は取りません。空洞があるから危ない、とも考えません。この樹木が今持っている力を見きわめて、必要な分だけ手を入れ、また来年同じ場所から様子を見る。それを続けていくことが、今の私たちにできることだと思っています。
株式会社トシ・ランドスケープ
樹木医 中村雅俊
わたしたちの会社について
グリーンマネジメント
①自社で一貫した管理
②科学的な知見(アーボリカルチャー / arboriculture)と現場の融合
③長期的な植栽管理メンテナンスの計画/プランニング
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