Official Instagram
公式インスタグラム
Service
サービス樹木とともに都市景観の未来を切り拓く
事業部門
グリーンメンテナンス部門、ツリーリスクアセスメント部門、ランドスケープコンサルティング部門の3部門が連携し、専門知識と技術を融合して、中⾧期的に植物を育成・管理します。これにより、景観や資産の付加価値を創造します。
公式インスタグラム
伊豆大島での樹木診断で、差木地のクダッチというバス停の脇に立つクロマツの並びに足を止めました。漢字では「下地」と書くそうですが、島の方の呼び名が先にあって、後から字を当てたらしいです。
大きなクロマツの幹が何本も連なって、電線の上にも力強い枝が差し交わしていました。
樹木の姿はその木の成長を表す履歴書のようなもので、低い位置から分かれた太い枝、同じ方向へ流れた幹の傾きなど、海からの風とともに生きてきた年月が感じ取れます。
クロマツは潮風の当たる痩せ地に立てる数少ない高木で、大島を含め海辺の暮らしでは防風や防潮を担う樹木として植えられ、守られてきました。
いつ頃からここに立っているのか気になって調べてみましたが、植栽の記録にははっきり行き当たりませんでした。しかしながら両腕に余るほどの幹回りと、亀甲状に厚く割れた樹皮からの推定で、樹齢はおよそ70年から100年、古い世代は昭和の初め頃までさかのぼる可能性があるのではと思っています。島を一周する道路の建設工事が進められていたのが1953年前後ですから、この松たちは、道が今の姿へ変わっていく時代をこの場所でずっと見てきたことになります。確かな年代背景については古い空中写真や管理の台帳、そして島の方の記憶と突き合わせて確認してみたい宿題です。
一方で、マツには心配事もあります。
マツ材線虫病、いわゆる松くい虫の被害(マツ枯れ)は1905年の確認から120年を経た今も国内最大の森林病虫害で、ここ数年は全国で再び増加に転じています。一度感染して枯れ始めたクロマツは回復しません。だからこそ、松脂の出方や葉色の変化を見る外観診断で、早く気づくことに意味があります。島は海で隔てられているぶん、入れさえしなければ守り切れる可能性のある場所です。各所で過去に樹幹注入がされた痕跡がありました。診断を終えて振り返ったとき、この並木が島でマツが大切にされてきたことの何よりの記録なのかもしれないと思い耽りました。
株式会社トシ・ランドスケープ
樹木医 中村雅俊
本日8月18日の朝、テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」に、樹木医・高尾聡司が生出演させていただきました。テーマは、各地で相次ぐ倒木の問題です。普段の樹木診断の現場でも着用してい作業着とビブス姿でスタジオに立つ高尾を同じ樹木医として頼もしく感じました。
番組でも紹介された国土交通省の集計では、都市公園と道路で起きた倒木事故は2021年度の266件から2023年度には572件へと増え、2024年度も11月時点で533件と高い水準でした。全国に約720万本ある街路樹だけを見ても、2018年からの5年間でおよそ2万6000本が倒れ、人や車などへの被害は約1700件にのぼり、残念ながら命に関わる事故も起きています。
スタジオで高尾がお伝えしたのは、原因はひとつではない、ということでした。高度経済成長期に植えられた樹木の多くが樹齢50年を超え、猛暑や雨の降り方の変化は樹木の抵抗力や、腐朽を進める害虫や菌類の働きにも影響しています。そこに、管理にあてられる人手や予算の不足が重なり、要因が複雑に絡み合っています。しかも腐朽は幹の内部で進むことが多く、外からはなかなか見えません。台風で倒れた宇都宮の樹木でも幹の内部が白く変色しており、徐々に支える力が失われていたのではないか、と高尾はお話ししました。
私たちが日々の樹木診断で向き合っているのも、この外から見えない部分です。それでも街路樹は、夏の木陰やヒートアイランドの緩和、災害時に延焼を防ぐ働きなど、都市に欠かせない存在だと考えています。危ないから伐るのではなく、まず状態を正しく知り、そのうえで計画的に手を入れていく必要があると考えています。今年3月には国土交通省から街路樹点検の初めての指針も示されました。
倒木の問題がこうして広く共有されることは、樹木を守るうえでも、人の安全を守るうえでも意味のあることだと思います。貴重な機会をいただき、ありがとうございました。
株式会社トシ・ランドスケープ
樹木医 中村雅俊
伊豆大島 夕焼け
向こうに美しく見えるのは
東伊豆、河津です
引き続き樹木診断のご依頼で伊豆大島入りしています。移動の途中の一周道路沿いに、高さ20メートルを超える縞模様の大きな崖が現れました。地元で「バウムクーヘン」と呼ばれている地層大切断面です。しばらく足を止めて眺めてきました。
歴史背景を調べてみると、1953年の道路工事で偶然姿を現した断面で、およそ1万8000年の間に100回を超える大噴火のたびに降り積もった火山灰やスコリアが重なってできたものだそうです。噴火の間隔は100年から200年ほどと言われています。
樹木医として気になったのは、この縞の一本一本分が積もるたびに、島の樹木が灰の下に埋もれたことです。伊豆大島では、噴火のあとの裸地にハチジョウイタドリなどの草が入り、根粒で空気中の窒素を取り込めるオオバヤシャブシが痩せ地に定着し、オオシマザクラが続いて、やがてスダジイの森へ移り変わる植生遷移が知られています。島に多いオオシマザクラはこの移り変わりの途中の若い森を好む樹木だそうで、噴火を繰り返してきた島であることと、桜の多い景色とがつながっているように思いました。
およそ8000年前の縄文時代から人の暮らしの跡が残る島でもあります。ソメイヨシノの片親とされるオオシマザクラも、椿油の文化を支えてきたヤブツバキも、埋もれてはまた育つことを繰り返してきた木々の子孫かと思うと、この日診断で向き合った樹木の立ち姿も少し違って見えてきます。樹木の一生を長い時間と感じることの多い仕事ですが、この崖の前では、それも縞の一本分ほどなのかもしれないと思いました。
明日も引き続きよろしくお願いいたします。
株式会社トシ・ランドスケープ
樹木医 中村雅俊
竹芝桟橋からジェット船に乗り、伊豆大島まで樹木診断出張です。海の上をおよそ1時間45分走ると、同じ東京都でありながら、樹木を取り巻く環境がずいぶん違う島に着きます。
大島は今も活動を続ける火山の島です。遮るもののない海からの潮風、とりわけ台風の時期や冬の強い西風とどう付き合うかが、人にとっても樹木にとっても暮らしの前提になってきました。
その付き合い方のひとつが椿です。島には約300万本のヤブツバキが自生していると言われています。火山灰やスコリアに覆われた水はけのよい土壌が生育に合っていたようで、縄文時代の遺跡の地層からは椿の印象化石も見つかっているそうです。厚くつやのある常緑の葉と、強くしなやかな幹枝は潮風によく耐えます。
島の方々は古くから家や畑のまわりに椿を植えて、防風林として暮らしを守ってきました。実からは椿油がとれ、幹や枝は炭にもなったと聞きます。風を防ぐ役目と暮らしの糧とが、ひとつの樹種の中で結びついています。
もうひとつ、島の名を背負う樹木がオオシマザクラです。ソメイヨシノの片親にあたる野生種で、桜餅を包む塩漬けの葉には、香りのよいこの桜の葉が使われてきました。泉津の山中には樹齢800年と推定される株が今も残り、国の特別天然記念物に指定されています。
樹木診断では樹木の現在の状態を一本ずつ確かめていきますが、この島では、その一本がどんな風を受けて育ってきたのかを併せて考えることも診断の一部なのかと感じました。
株式会社トシ・ランドスケープ
樹木医 中村雅俊
剪定を終えた木々の下に立って地面に散る光の加減を確かめるのが好きで眺めることがありますが、枝を抜いた分だけ影の中に光の粒が増えています。木漏れ日を眺めていると、谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』を思い出します。
谷崎はあの随筆で、日本の美は煌々とした明るさではなく、翳りの中で育ってきたのだと述べました。障子に漉された光や、薄暗がりでこそ艶の出る漆器を挙げながら、美しさは物そのものよりも、物と物とのあいだに生まれる明暗のあやに宿る、という趣旨のことを書いています。谷崎が語ったのは建築や器ですが、樹木医として、その原型はずっと前から自然の中の樹冠の下にあったのではないかと感じます。木漏れ日が外国語に訳しにくい日本語としてよく挙げられるのも、翳りの中の光にわざわざ名前を与えてきた感覚と地続きなのかもしれません。
私たちの剪定は、枝を抜いて風と光の通り道を作る仕事ですが、都市は年々明るくなり、深い影の居場所は減りました。そのなかで公園の樹木や庭の木々は、揺れる翳りを作ってくれる数少ない存在です。
株式会社トシ・ランドスケープ
樹木医 中村雅俊
30mを超える保存樹木ケヤキの樹木医高所診断
地上からの目視だけでは確認出来ない樹木の状態を、ドローンでの空撮と、クライマーが登り込んでの診断で安全性を確認します。
#樹木医 #arborist #treecare #御神木 #植木屋
このところ、植栽管理や樹木診断のお問い合わせを、以前より多くいただくようになりました。大変ありがたく思っています。
そこでこのたび、当社の業務をわかりやすくお伝えする資料として、3種類のパンフレットを製作しました。
グリーンメンテナンス(植栽管理)、ツリーリスクアセスメント(樹木診断)
、そして診断の内容を細かくご説明する資料の3つです。
初めてご相談いただく方にも、私たちがどのような業務を行っているのかが伝わるようにと考えてまとめました。ご相談やお打ち合わせの際には、こちらをもとにご説明させていただければと思います。
樹木のことで気になることがありましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。
株式会社トシ・ランドスケープ
先日、神奈川県のマンションで植栽の中長期計画立案のコンサルティングのご相談をいただき、初回の取り組みとして植栽委員会、そして住民の有志の皆様と一緒に敷地の木々を見てまわらせていただきました。
強い日差しの日でしたが、大きく育った桜の下に入ると、木陰で暑さがすーっと和らぎます。資料を手にした皆様と樹木を見上げながら、幹の様子や枝の伸び方から読み取れること、これまでの剪定など管理の具合、そしていまこの樹木がどういう状態にあるのかを、その場でご説明しました。報告書の写真や図面ではなかなか伝わらないことも、実際に見上げていただくと伝わるものだと、あらためて感じました。
マンションの植栽は、植えられてから数十年が経ち、当初の想定を超えて大きく育っていることが少なくありません。切るのか、残すのか、どう手入れを続けるのか。安全性、景観、費用、木の健全性と、判断の軸はひとつではなく、お住まいの方それぞれで見え方や考え方も違います。だからこそ、まず現状を知っていただいた上で、住民の皆様ご自身が納得して判断できるように材料を整えていく形をいつもとらせていただいています。ランドスケープコンサルティングの中身は、そうした地道なお手伝いだと考えています。
真夏の木陰の心地よさを感じながら、この木々とこれからどう付き合っていくかを一緒に考える時間を住民の皆様とご一緒できる仕事は、これからの社会でいっそう必要とされていくように思いました。
引き続きどうぞよろしくお願いします。
株式会社トシ・ランドスケープ
樹木医 中村雅俊
このアカマツは、お客様にとって長く庭園を見守ってきた大切な樹木です。昨年9月の追跡診断で樹勢の回復をご報告してから、およそ1年がたちました。今年も同じ方針でお世話を続けてきましたので、その後の経過になります。
振り返ると、2024年に樹木医診断した際は、葉の色がさえず、先端の小枝に枯れが見られました。
採取した枝葉を専門機関で調べたところ、主な原因は
「葉ふるい病(葉に斑点が出て落ちやすくなる病気)」
「ハダニ(葉の栄養を吸う微小なダニ)」
「マツモグリカイガラムシ(枝や葉の付け根に隠れて樹液を吸う虫)」の寄生も確認され、これらが木の力を奪い、病気が出やすい状態になっていました。
仕立てのマツのため、自然の中にあるマツに比べて、人の手による剪定となるため枝葉の量は少なくなり木が本来持つ抵抗力は常態的に弱っていた可能性がありました。「病害虫」と「仕立てることによる負担」という、二つの要因を抱えた状態でした。
2025年は「木の回復力を邪魔しない」ことを第一に、樹勢回復の計画を立てました。ハダニにはタイミングを分けて薬剤を散布し、マツモグリカイガラムシには潜んでいる場所まで薬が届くよう丁寧に処置しました。葉ふるい病には適した時期に殺菌剤を用い、感染源となる落ち葉はこまめに集めて回収しました。手入れは必要最小限にとどめ、木に余計な負担がかからない剪定に切り替え、土の状態も整えて、即効性のある液体肥料とゆっくり効く肥料を併用しながら、無理のない形で栄養を補いました。その結果、昨年9月の診断では新しく伸びた枝に勢いが戻り、葉色は健やかな濃い緑に近づいて、樹勢の回復をはっきり確認することができました。
今年の目標は、この状態を保つことでした。昨年ご提案した「やり過ぎない管理」を、そのまま続けています。特別なことは何もせず、増え始めの虫を軽く抑え、光と風の通り道を保つ手入れを繰り返す一年でした。
そして先日、今年の追跡診断を行ったところ、マツの状態は昨年よりさらに良くなっていました。
新しく伸びた枝は今年も勢いがありながら、むやみに伸びすぎることはなく、葉の量が増えて樹冠(木の上部)に厚みが出てきています。昨年「くすみが和らいだ」とお伝えした葉色は、濃い緑のまま安定しています。
昨年一部に残っていた虫の被害跡は、新しい葉に隠れてほとんど目立たなくなりました。ハダニはごくわずかで、カイガラムシの生きた個体も今回はほぼ見当たりません。葉ふるい病は2年続けて新しい発生が抑えられており、落ち葉の衛生管理と適期の薬剤散布が定着してきたと考えています。
枝先の枯れは新たに出ていません。風通しと日当たりの良い樹冠が保たれ、表土もほぐれた状態が安定して、真夏でも過湿・過乾に振れにくい土のままです。
一度きりの診断では、その時点の姿しか切り取れません。こうして年を追って同じ樹木を見せていただくと、回復が一時のものではなく、木自身の力として根づいてきたことが分かります。昨年が「治す」ための一年だったとすれば、今年は維持するための一年でした。木にとっては、今年のほうがずっと穏やかだったと思います。
今の状態であれば、引き続き緊急の処置は必要ありません。これからも過剰な手を入れず、季節ごとの観察と記録を重ねながら、木が自ら整える力を活かすお世話を続けてまいります。
引き続きよろしくお願いいたします。
株式会社トシ・ランドスケープ
樹木医 中村 雅俊
わたしたちの会社について
グリーンマネジメント
①自社で一貫した管理
②科学的な知見(アーボリカルチャー / arboriculture)と現場の融合
③長期的な植栽管理メンテナンスの計画/プランニング
ブログ