社寺の樹木・社叢の点検と保全

TREE RISK ASSESSMENT

ツリーリスクアセスメント部門

鳥居の脇に立つ注連縄を巻いた御神木
SHRINE & TEMPLE TREES

社寺の樹木・社叢の点検と保全

神社の御神木やお寺の霊木、境内の大径木や社叢は、長い年月をかけて守られてきた樹木です。「社寺の樹木・社叢の点検と保全」は、こうした樹木を、傷をできるだけ小さくする診断で点検し、伐らずに守る手当てを考え、剪定・ケーブリング・土壌の手当てまで、樹木医が一貫してお引き受けするサービスです。

当社は、寛永寺様・豊川稲荷東京別院様をはじめ、社寺の樹木の年間管理をお引き受けしています(一覧は会社概要)。お寺や神社の樹木を診させていただくときは、その土地と社寺がたどってきた時間を、できるだけ調べてから伺うようにしています。

GENTLE DIAGNOSIS

傷めない診断

大切にされてきた樹木ほど、診断で付ける傷はできるだけ小さくしたいものです。まず外観をよく見て、次に幹の断面を面でとらえるピカスで内部の様子をつかみ、確かめたい部位だけをレジ(Resi PD)で点として測ります。機器を使う前に外観で絞り込むことで、樹木に触れる回数そのものを減らします。

01注連縄を巻いた御神木の枝の付け根を柵の外から双眼鏡で見上げる樹木医

外観診断

樹勢、枝の付け根、幹の傷や腐朽、キノコ、根元の踏み固めなどを、柵の外や参道から一つずつ確かめます。

02樹木の根元にピカスのセンサーを並べて電子ハンマーでたたく樹木医

ピカスで内部を面でとらえる

細い釘を浅く打つだけで測れるピカスで、幹や根元の断面の様子を画像にします。

03樹木医がレジ(Resi PD)で幹の穿孔抵抗を測る様子

必要な部位だけレジで確かめる

ピカスの画像で気になった部位に限って、細い針で木材の硬さを測ります。

高い所の枝の診断ROPE ACCESS

  • 地上から見えにくい高い所の枝の付け根や幹の傷は、ロープとハーネスで樹上に登って、近くで外観診断を行うことがあります
  • 保存樹木の高所の外観診断と、樹上での機器診断の実績があります

判断の考え方JUDGEMENT

  • 機器の画像や数値だけで、伐るかどうかを決めることはしません
  • 樹勢、樹種の特性、腐朽菌の種類、根元の環境、参拝の方の動線との距離を合わせて判断します
KEEP WITHOUT FELLING

伐らずに守る手当て

診断で弱っているところが見つかっても、すぐに伐ることにはなりません。一本の樹木に、いくつかの手当てを組み合わせて、危険を下げながら残す道を探します。

手当ては、枯れ枝を除く、枝先を軽くする、ケーブリングで枝どうしをつなぐ、柵を広げて立ち入る範囲を見直す、根元の土を手当てする、などです。どれを組み合わせるかは、樹木の状態と、祭礼や参拝の方の動線を合わせて決めます。

1本の御神木に、枯れ枝の除去・枝先を軽くする剪定・ケーブリング・柵の見直し・根元の土の手当てを組み合わせる例
  • 01

    剪定とケーブリング

    大きな樹木の剪定は、ロープとハーネスで樹上に登って行います。枝どうしをロープでつなぐケーブリングも、樹上で取り付けます。詳しくは高木・特殊伐採&ケーブリング。

  • 02

    根元の土の手当て

    参道や根元の土が人に踏み固められると、土の通気性や透水性が悪くなります(東京都建設局「令和3年度 街路樹診断等マニュアル」表Ⅳ-1・2。踏み固めを防ぐ方法は表Ⅳ-1・6)。土の状態を調べたうえで、土の手当てや、根元に人が入らないようにする工夫を考えます。詳しくは土壌調査。

  • 03

    経過を見る

    すぐに手を加えない樹木は、次に診る時期を決めて、同じ部位を同じように診て変化を確かめます。

DAILY CARE

日々の見回りと、樹木医の診断

境内の樹木を毎日見ているのは、神職や総代の方です。埼玉県神社庁は「神社境内における樹木安全点検実施のすすめ」で、神職や氏子総代などの役員が中心になって、点検票と台帳を使って樹木を定期的に見回り、専門家の診断が必要と判断したときに樹木医などによる外観診断や詳しい調査を行い、問題があれば保全の目標を決めて手当てをする、という流れを示しています。

ふだんの見回りで気づいたことは、診断のいちばんの手がかりになります。当社は、伺ったときにこれまでの手当てや祭礼の日の人の流れをお聞きし、日々の見回りで見ていただきたいところをお伝えします。

境内で宮司さんと総代の方に祭礼の日の人の流れとこれまでの手当てを伺う樹木医

出典: 埼玉県神社庁「神社境内における樹木安全点検実施のすすめ」(2012年)。点検の手順書とチェックシートが同じページに掲載されています。

FLOW

ご依頼の流れ

  1. 01

    お問い合わせ

    お問い合わせページ、またはメールから。気になる樹木の写真があれば添えてください。

  2. 02

    お話を伺う

    樹木の由緒、これまでの手当て、祭礼や参拝の方の動線を伺います。

  3. 03

    現地の確認とお見積り

    現地で樹木と周りの状況を確かめ、診断の範囲と内容を決めてお見積りします。

  4. 04

    診断とご報告

    外観診断と、必要に応じて機器診断を行い、報告書でお渡しします。役員会などでのご説明も承ります。

  5. 05

    手当てと経過の確認

    伐らずに守る手当てを進め、次に診る時期に合わせて経過を確かめます。

費用について。樹木診断は有償です。費用は、主に、診断する樹木の本数と幹の太さ(単価は幹の太さを基準にしています)、外観診断だけか機器診断も行うか、樹上など高い所での作業の有無、報告書の形(診断カルテ、総合的な報告書、役員会などでのご説明の資料)で決まります。現地の状況を見たうえでお見積りします。

FAQ

よくある質問

Q1御神木の診断で、樹木に傷を付けることはありますか?
機器診断では、ピカスで細い釘を浅く打ち、レジで細い針を通すため、小さな傷は付きます。外観診断とピカスで確かめたい部位を絞り込み、レジは必要な部位だけに使うことで、傷をできるだけ小さくしています。
Q2弱っていると言われた御神木を、伐らずに残すことはできますか?
診断の結果によります。枯れ枝の除去、枝先を軽くする剪定、ケーブリング、立ち入る範囲の見直し、根元の土の手当てなどを組み合わせて、危険を下げながら残せることがあります。機器の結果だけで決めず、樹勢や根元の環境、人の動線を合わせて判断します。
Q3神職や総代でできる、ふだんの見回りはありますか?
埼玉県神社庁の「神社境内における樹木安全点検実施のすすめ」に、点検の手順書とチェックシートが掲載されています。見回りで気になる樹木があれば、写真を添えてご相談ください。
Q4天然記念物や保存樹木に指定されている樹木も、診断できますか?
できます。手当ての内容によっては、指定をしている自治体などの窓口へのご相談が必要になることがあるため、指定の有無をお知らせください。
Q5祭礼の前に診てもらうことはできますか?
祭礼の日程をお知らせいただければ、日程に合わせて診断と手当ての段取りを考えます。

出典: 埼玉県神社庁「神社境内における樹木安全点検実施のすすめ」(2012年)/東京都建設局「令和3年度 街路樹診断等マニュアル」。

CONTACT

御神木・境内の樹木の診断のご相談

御神木や境内の大きな樹木のことで気がかりがあるときは、ご相談を承ります。樹木の種類、気になる症状、祭礼の予定をお知らせいただくと、話が早く進みます。お問い合わせページ、またはメールで承ります。