このたび、東京都北区に鎮座する由緒ある神社より、御神木であるムクノキの剪定作業のご依頼をいただきました。
- 御神木ムクノキの樹上のクライマー
- 社殿のそばのムクノキと2人のクライマー
- 空洞のある大枝の上のクライマー
- 樹冠の中のクライマー
- 根元でロープを扱う地上スタッフ
神社の境内には地域の自然と信仰が息づいており、樹齢を重ねた木々は長年にわたり、多くの参拝者の心に安らぎと敬意をもたらしてきました。
ムクノキ(椋木)は、幹の根元から大きく広がる「板根(ばんこん)」が大きな特徴です。
まるで大地に手のひらを広げてしっかりと根を張っているかのようなその姿は、風雨や自然の脅威に耐えてきた生命力を感じさせます。
その力強く神聖な立ち姿は、参拝者に深い印象を与え、長く地域の守り神として親しまれてきました。
ムクノキと人々の暮らし
ムクノキは、自然の中にあるだけでなく、古くから人々の暮らしにも深く関わってきました。
ザラザラとした葉の表面は、かつて紙やすりの代用品として利用されていたほか、木材はしなやかさと強靭さを兼ね備えています。
このしなやかで折れにくい性質は、長い年月をかけて幹の根元に張り出す板根と通じるものがあり、自然の摂理が生んだ優れた素材であることを改めて感じさせてくれます。
ケヤキの健康診断と最新技術「アーボソニック3D」
- アーボソニック3Dによるケヤキの診断
今回のご依頼では、境内のムクノキに加えて、保護樹木として大切に管理されているケヤキの樹木診断も樹木医の髙尾が併せて実施いたしました。
ケヤキは地域の象徴として長年そびえ立ち、多くの人々の記憶と共にありますが、樹齢を重ねるにつれて空洞化や内部腐朽といったリスクも高まります。
そこで、当社では樹木の健康状態を正確に把握するため、最新の診断技術「アーボソニック3D」を活用しました。
アーボソニック3Dは、幹の周りに付けたセンサーを軽く叩いて起こす振動(応力波)が伝わる時間を測り、樹木内部の状態を画像にする診断機器です。
これにより、外見からは判断が難しい空洞の有無や腐朽の進行度などを科学的に分析し、最適な管理・処置を行うことが可能となります。
伝統と未来をつなぐために
私たちは、ツリークライミング技術によるロープワークと最先端の診断技術を組み合わせることで、
ただ木を「守る」のではなく、その背景にある歴史や想い、そして未来へと続く命の連なりまでも守り続けていきたいと考えています。
- 逆光の樹冠とクライマー
- 枝の上に立つツリークライマー
これからも、多くの方が訪れる神社の御神木や保護樹木が、安全で健全な姿を保ち続けられるよう、誠心誠意取り組んでまいります。
このたびは、貴重なご依頼をいただき、誠にありがとうございました。
株式会社トシ・ランドスケープ
樹木医 中村雅俊
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※ 「ツリークライミング」は、株式会社ツリークライミングワールドの登録商標です。当社の記事では、ロープとハーネスで樹木に登って作業する技術を指す言葉として使っています。




























