渋谷区の個人邸のお客様から
プランター植栽の植え替えのご相談を頂きました。
明るい素敵な吹き抜けの空間です。
渋谷区の個人邸の吹き抜けで、地上と壁面のプランターの植物を植え替えた記録です。選んだ5種の植物の原産地と葉の特徴、植え付けの土に混ぜた黒土について、植物園や研究機関の資料をもとに書き添えます。
外壁とデッキ材に合わせて──シルバー系と斑入りの葉
吹き抜けの外壁やデッキ材の雰囲気が
さらに引き立つように
シルバー系や斑入りの植栽を中心にセレクトしました。

アカシア・フロリブンダ ブルーブッシュ シイモチ
プランターに植えた5種の植物
地上プランター
□アカシア・フロリブンダ
□アカシア・ブルーブッシュ
□アクメナ
□カレックス エベレスト
壁面プランター
□斑入りウエストリンギア
5種のうち4種はオーストラリアの植物で、カレックス エベレストは日本のスゲから選ばれた品種です。資料にある原産地と葉の特徴を並べると、次のとおりです。
| 植物 | 学名 | 原産地(資料) | 葉などの特徴(資料) |
|---|---|---|---|
| アカシア・フロリブンダ | Acacia floribunda | オーストラリア東部の海岸沿い、砂地や水辺 | 葉に見えるのは仮葉(葉柄が平たくなったもの)で、長さ5〜15cmの細長い形、花は淡い黄色〜白の円柱形 |
| アカシア・ブルーブッシュ | Acacia covenyi | オーストラリア南東部、石灰岩の斜面 | 仮葉は長さ3〜5cmで、白い粉をふいたような青みがかった色、花は明るい黄色の球形 |
| アクメナ | Acmena smithii | オーストラリア東部の雨林、水辺に多い | 葉は長さ3〜11cmで表に光沢、実は白〜紫の球形 |
| カレックス エベレスト | Carex oshimensis ‘Everest’ | 原種は日本(英名 Japanese sedge) | 常緑で、緑の葉に白い線の斑が入り、高さ45cmほど、英国王立園芸協会は鉢植え・コンテナ向きにも挙げる |
| 斑入りウエストリンギア | Westringia fruticosa の斑入りの品種 | オーストラリア南東部の海辺の崖 | 葉は長さ1〜3cmで4枚ずつ輪生し、裏に白い毛が密生する、白い花が一年を通して咲く |
出典: Royal Botanic Gardens Sydney「PlantNET」(Acacia floribunda、Acacia covenyi、Acmena smithii、Westringia fruticosa)、Royal Horticultural Society(Carex oshimensis、Carex oshimensis Everest)。原産地と特徴は原種の記載で、品種では葉の色や大きさが違うことがある
シルバー系に見える葉色には、それぞれ理由があります。ブルーブッシュの仮葉は表面が白い粉をふいたような青灰色で、ウエストリンギアは葉の裏の白い毛と斑で白っぽく見えます。濃い緑のアクメナと、白い線の入るカレックスを合わせると、同じプランターの中に明るさの濃淡ができます。
- アカシア プランター
- アカシア プランター
植え付け──既存の土を入れ替え、培養土・黒土・肥料を混ぜる
既存の植栽と鉢土を撤去しながら、
培養土、黒土、肥料を植栽に合わせて
ミックスして植え付けを行いました。
黒土は、名前のとおり黒い色の土です。日本の黒い土の代表に黒ボク土があり、農研機構の日本土壌インベントリーによると、主に火山灰を母材とし、有機物が集まって黒い色をしていることが多く、保水性や透水性が良いなど物理性が良好な土です。国土の31%程度を占め、主に北海道南部・東北北部・関東・九州に分布しています。
5種の自生地を資料で見ると、アカシア・フロリブンダは海岸沿いの砂地や水辺、アクメナは雨林の水辺、ウエストリンギアは海辺の崖の土の浅い所と、それぞれ違います。プランターは土の量が限られるので、植える植物に合わせて土を混ぜ分けます。英国王立園芸協会は、カレックス エベレストに向く土を、湿り気がありながら水はけの良い土か、水はけの良い土としています。
ご依頼頂きありがとうございました。
近年ではオージープランツなど海外植物の取り扱いもたくさん増えてきております。
オージープランツは、オーストラリア原産の植物をまとめて呼ぶ日本の園芸の通称です。オーストラリア国立植物園によると、オーストラリアの在来の維管束植物は、記載されたもので19,324種(推定では約21,645種)あり、その91.8%が固有種とされています(Chapman 2009)。アカシア属だけでも、およそ1,000種があります。
株式会社トシ・ランドスケープ
よくある質問
Q1. カレックス エベレストは、日本の植物ですか。
原種の Carex oshimensis は日本原産のスゲで、英名は Japanese sedge です。エベレストはその品種で、緑の葉に白い線の斑が入ります。英国王立園芸協会は、鉢植え・コンテナ向きの植物にも挙げています。
Q2. アカシアの葉は、ふつうの葉と違うのですか。
アカシア・フロリブンダやブルーブッシュで葉に見えるのは、葉柄が平たくなった仮葉です。オーストラリアの植物の資料(PlantNET)でも、葉ではなく仮葉(phyllode)として記載されています。
Q3. オージープランツとは何ですか。
オーストラリア原産の植物をまとめて呼ぶ日本の園芸の通称です。この記事の植え替えでは、アカシア・フロリブンダ、アカシア・ブルーブッシュ、アクメナ、斑入りウエストリンギアのオーストラリアの植物に、日本のスゲの品種カレックス エベレストを合わせました。
出典・参考情報
・Royal Botanic Gardens Sydney「PlantNET」Acacia floribunda、Acacia covenyi、Acmena smithii、Westringia fruticosa
・Royal Horticultural Society「Carex oshimensis」「Carex oshimensis Everest」
・Australian National Botanic Gardens「Australian flora statistics」(Chapman 2009 ほか)
・農研機構「日本土壌インベントリー 黒ボク土」
個人のお宅では、大きく育った高木の剪定や特殊伐採、樹木医による樹木診断を承っています。お問い合わせフォームからのご相談をお待ちしています。
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