株式会社トシ・ランドスケープは法人設立から9年目を迎え、社員が20名を超えました。この節目に、人事労務の経験者と経営戦略の経験者を新しく募集します。緑の仕事がこれからどこへ向かうのか、なぜ今募集をすることになったのかを代表の私、中村が書かせていただきます。

渋谷区恵比寿で始めた植木屋が、20名の会社になるまで
私は渋谷区恵比寿で生まれ育ち、盆栽を嗜む祖父の影響で幼少のころから樹木が好きになり、この街で樹木の仕事を始めました。創業のころは、自分が現場に立てば会社が回る規模でした。いまは、日々の植栽の手入れを担うグリーンメンテナンス、木の健康と危険性を調べるツリーリスクアセスメント(樹木診断)、中長期での植栽計画をお客様とご一緒に計画するランドスケープコンサルティングの3部門で動いています。お客様はマンションの管理組合や寺社など様々です。ピカスやアーボソニック3D、レジといった樹木専門の診断機器を使う診断は、当社の柱のひとつに育ちました。特定建設業の許可も10業種で取得し、樹木医は3名。社員は20名を超え、そして多くの協力業者の皆様にもお力添えいただいております。このご時世にもかかわらず、たくさんのお客様からご相談、ご依頼をいただくことができ、社員の頑張りに日々支えられています。

デモンストレーションの参加者
3つの部門は連携して、診断・計画・施工・管理を自社のチームで一貫して担っています(採用情報のページ)。下の写真のベストにも、「樹木診断」「GREEN MAINTENANCE」の文字が見えます。

緑の仕事は、静かに変わりつつあります
緑の仕事と向き合う立場から、暑さの話から始めさせてください。気象庁の発表によると、2025年夏の日本の平均気温は基準値を2.36℃上回り、2023年、2024年に続く3年連続で、1898年の統計開始以来もっとも高い値になりました。夏の現場に立つ身として、この数字には実感があります。樹木の葉は日差しを遮るだけでなく、地面や壁が溜め込む熱、いわゆる輻射熱を抑えてくれます。都市の緑は「あると気持ちのいいもの」から「暑さから人を守るもの」としても必要不可欠な存在に、役割の重心を移しつつあると感じています。

制度も動きました。2024年11月に改正都市緑地法が施行され、質の高い緑地の取り組みを国土交通大臣が評価・認定するTSUNAG(優良緑地確保計画認定制度)が始まり、2025年3月には第1号として14件が認定されています。緑の「量」だけでなく「質」を国が測る枠組みができた、ということです。

植樹式で土を入れる参加者
お金の流れも変わり始めています。自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)の早期採用を宣言した企業は、2024年1月の公表時点で世界320社。うち80社が日本企業で、国別ではもっとも多い数でした。企業が敷地の緑の働きを財務の言葉で説明する時代が、すぐそこまで来ています。当社が樹木の生態系サービスを定量化するi-Tree Ecoの運用を始めたのも、樹冠被覆率(街の面積のうち樹冠が覆う割合)を提案の軸に据えたのも、この流れを現場から感じてきたからです。緑を維持費のかかるコストではなく、手をかけて価値を保つ資産として扱う。創業以来の当社のこの考え方が、ようやく制度や金融の言葉と噛み合い始めた実感があります。

一方で、樹木は生き物です。2025年から2026年にかけて、公園や街路での倒木が相次いで報じられました。都有施設の樹木80万本の一斉点検について書いた記事でも触れたとおり、点検と診断の需要はこれから増えていくと考えています。緑を活かすにも守るにも、木を診られる人と、それを支える組織が要ります。緑の仕事の先行きを、私は明るいと見ています。

ただし、担い手は足りていません
明るい見通しには裏側があります。造園工事業では熟練の技術者・技能者の高齢化が進み、新しく入る人の確保と定着が業界全体の課題になっています。需要が増えても、応える人が育たなければ緑は守れません。

高所作業車から枝を切る
私たちにできるのは、技術のある人が長く健康に働ける会社をつくることだと考えています。年々厳しくなる夏の安全衛生、無理のない工程、資格取得の後押し、熟練の技術を言葉にして引き継ぐ仕組み。どれも、現場の合間の片手間で担えるものではなくなりました。今回の募集は、ここにつながっています。

いまも、入社した人には、社会人としての基本と、安全・道具の扱いから学んでもらい、新人一人ひとりに専任の先輩が付いて、現場での同行と振り返りを重ねています。技術と役割のレベル表で、次に身につけることと等級がわかるようにしています(採用情報のページ「育てる仕組み」)。

なぜ、人事労務と経営戦略なのか
人事労務の経験者の方には、採用、育成、評価、労務管理、安全衛生までを担っていただきたいと考えています。私たちの現場は屋外で、季節に大きく左右されます。夏の熱中症対策、高所作業の安全、繁忙期の働き方。既製の制度をそのまま持ち込んだだけでは機能しにくい領域なので、現場の声を聞きながら仕組みを育てられる方だと心強いです。樹木医や造園技能士、造園施工管理技士など、資格取得を支える体制づくりもお願いしたい仕事のひとつです。

2人で樹上に上がってセンサーを設置
経営戦略の経験者の方には、会社の10年後をご一緒に設計していただきたいと考えています。当社には、今後10年先を見据えた経営計画があります。診断データの活用、業務のデジタル化、樹木リスク評価の標準化。テーマは現場にいくらでも転がっています。緑を資産として扱う考え方を、事業の形としていく仕事です。

放送の画面より(アーボソニック3Dの断面画像)
どちらの職種も、樹木の専門知識は問いません。入ってから覚えていただければ十分です。ただ、現場と、現場に立つ人への敬意だけは、お互いに確かめ合いたいと思っています。

アーボソニック3Dの測定
そしてもうひとつ、これは条件ではなく、私たちの願いです。
都市緑化の分野では、街の木々をひとつの森として計画的に育てるアーバンフォレストリーや、緑の働きを暑さへの備えや雨水の管理に活かすグリーンインフラという考え方が、少しずつ根を下ろし始めています。当社が目指すのは、その担い手であり続けることです。都市の緑を通じて社会に貢献したい──そう思ってくださる方と、机の上と現場の両方から、この仕事を進めていけたら嬉しく思います。

募集の概要
募集職種は、人事労務担当(CHRO候補)と、経営戦略担当(CSO候補)です。
いずれも経験者採用で、雇用形態は正社員です。
募集人数は決めていません。給与や勤務時間などの条件は、面談でご相談のうえ決めさせていただきます。
勤務地は東京都大田区久が原です。ご応募・お問い合わせはお問い合わせフォームからお願いいたします。
応募の前に話だけ聞いてみたい、という方のカジュアル面談も歓迎します。

支柱に使う竹と作業スタッフ
木を植えて、育てて、診る仕事は、10年、20年の単位で進みます。
会社も同じ時間の感覚で育てていくつもりです。
その途中に加わってくださる方のご連絡を、お待ちしています。
株式会社トシ・ランドスケープ
代表取締役 樹木医 中村雅俊
出典・参考情報
- 気象庁「日本の夏(6〜8月)平均気温偏差の経年変化」
- 環境省 脱炭素ポータル「2025年夏の記録的高温の要因とは?」
- 国土交通省 報道発表「優良緑地確保計画認定(TSUNAG認定)の申請受付がはじまります」
- 日経BP 新・公民連携最前線「TSUNAG(優良緑地確保計画認定制度)」
- 経団連自然保護協議会「日本企業80社が自然関連財務情報開示に取り組む」
- 一般財団法人建設物価調査会「造園工事業の現状と展望」
※ 「レジストグラフ」は、穿孔抵抗測定器を指す通称として、日本の樹木診断の現場で広く使われています。ただし、RESISTOGRAPH® は RINNTECH 社(ドイツ)の登録商標で、当社が使用している「レジ(Resi PD)」は IML 社(ドイツ)の製品です。両者は製造しているメーカーが異なります。呼び名の違いは「レジストグラフ・貫入抵抗測定器とは何か」で説明しています。
トシ・ランドスケープの会社と採用の記事
会社のお知らせと採用に関する記事を、公開の新しい順に並べました。
採用・スタッフ紹介
・【求人募集】事務スタッフを1名募集します
・2026年 インターンシップ、会社説明会の実施のご案内
・スタッフ紹介 笠原
・スタッフ紹介 福山
会社のお知らせ・取り組み
・9月28日 東京都公園協会「暮らしに役立つ樹木講座」(日比谷公園)で樹木医・中村雅俊が講師を務めました
・特定建設業許可取得 のおしらせ
・資本金 増資のお知らせ
・任意労災保険加入について
・株式会社トシ・ランドスケープ Q&A
・造園業務の効率化に向けて クラウド型スケジュール管理「サポスケ」を導入しました
・コーポレートカラーを「千歳緑」「御召茶」に決定
・第二回職人環境会議『未来への一手』 アーボジャパン×ユーエム工業
・樹木医として「木と生きる仕事」を語る 杉並区立大宮中学校 キャリアデザイン講座
・企業訪問学習受け入れ 福岡県立京都高等学校
・静かな管理作業の追求 ハスクバーナ バッテリーツール
・トシ・ランドスケープ オリジナルTシャツ 2022ver.
・杉並営業所 開設
・樹木医による園芸講習 東京都品川区
・オリジナル・ビブス
・トシ・ランドスケープの最近の取り組み
・静音バッテリー製品
・トシ・ランドスケープはどんな造園会社?
・会社設立1年を迎えました

































