9月28日 東京都公園協会「暮らしに役立つ樹木講座」(日比谷公園)で樹木医・中村雅俊が講師を務めます

2026年9月28日(月)、日比谷公園の緑と水の市民カレッジで開かれる東京都公園協会様の「暮らしに役立つ樹木講座 ~樹木で生活を豊かに~」で、樹木医の中村雅俊が講師を務めさせていただきます。樹木の木陰がもたらす涼しさと、実際の植栽管理の事例についてお話しする予定です。受講は無料、先着30名です。

この講座は東京都都市緑化基金の事業として開かれるもので、暑さ対策や住環境の向上に関心のある方、マンション・集合住宅の管理に携わる方、自治体職員の方などに向けた内容です。13時30分から16時30分までの3時間、樹木医として普段の現場で見てきたことを、なるべく分かりやすくお伝えできればと考えています。

 

東京都都市緑化基金と「暮らしに役立つ樹木講座」

東京都都市緑化基金は、1985年(昭和60年)に東京都公園協会の中に創設された基金です。都民の皆さんと一緒に都内の民有地の緑を増やすことを目的に、民間施設の緑化工事やボランティア団体の緑化活動への支援、都市緑化への理解を広げる普及啓発活動を続けてこられました。今回の講座もその普及啓発の一つで、樹木が私たちの暮らしにもたらすさまざまな効果を学ぶ場として企画されたものです。

会場の緑と水の市民カレッジ日比谷公園の中にある施設で、緑や水に関する講座や企画展示のほか、公園緑地に関する図書や資料を集めた専門図書館「東京グリーンアーカイブス」の運営もされています。公園の緑に囲まれた場所で樹木の話をさせていただけるのは、ありがたいことです。

 

木陰に入ると、なぜ涼しいのか

昨今の夏の暑さの中で、現場で樹木の下に入ると、日なたとの違いを体で感じます。この違いには、はっきりした理由があります。

環境省の「まちなかの暑さ対策ガイドライン」(令和4年度部分改訂版、2023年3月)では、盛夏に樹木の陰に入ると、頭上からの日射と足元からの赤外放射が大幅に減り、日向に比べて暑さ指数(WBGT)が2程度、体感温度(SET)が7℃程度低くなる場合があるとされています。暑さ指数(WBGT)は、気温だけでなく湿度や日射・輻射熱の影響を合わせて、熱中症の危険度を表す指標です。

ここで見ておきたいのは「足元からの赤外放射」です。真夏の日中、日射を受けた舗装や建物の表面はかなりの高温になり、そこから出る熱が下から身体を温めます。樹木の葉は、上からの日差しを遮るだけでなく、地面や壁が熱くなること自体を防いでくれます。木陰の涼しさは、この「上」と「下」の両方が抑えられて生まれるものです。

普段、植栽管理の現場で作業をしている立場からすると、この数字は実感とよく合います。気温計の数字以上に、木陰に入った時の身体の楽さの方が大きいと感じることが多いからです。

 

木陰の効果は、樹木が健全であってこそ

ただ、この効果は、葉がしっかり茂った健全な樹木があって初めて成り立ちます。樹勢が衰えて枝葉が少なくなった樹木や、強い剪定を繰り返して葉の量が減った樹木では、同じ「木陰」でも働きは小さくなります。これは文献の数字というより、現場での経験からそう感じていることです。

一方で、大きく育った樹木には、枝の落下や倒木への備え、落ち葉や日照をめぐる住民の皆さんの声など、管理上の課題もついて回ります。マンションや集合住宅では、こうした課題と木陰の恩恵をどう両立させるかが、毎年の植栽管理の中で問われます。危険性があるからという理由だけで安易に伐採に傾くのではなく、かといって安全を後回しにもしない。その間で判断を重ねていくのが、樹木医の仕事だと思っています。

講座の後半では、こうした実際の樹木の管理事例をお話しする予定です。樹木医が定期的に樹木の状態を点検し、その結果をもとに中長期の管理計画を立て、剪定の強さや時期を決めていく。この積み重ねが、結果として木陰を保つことにつながります。

株式会社トシ・ランドスケープでは、2018年の設立以来、グリーンメンテナンス(植栽管理)、ツリーリスクアセスメント(樹木診断)、ランドスケープコンサルティング(植栽コンサルティング)を一貫して手掛けてきました。管理の現場で気づいたことを診断につなげ、診断の結果を中長期の計画に反映させる。この3つの仕事がどうつながっているかも、事例の中でお伝えできればと思います。

 

開催概要・お申し込み

講座名 暮らしに役立つ樹木講座 ~樹木で生活を豊かに~
開催日時 2026年9月28日(月)13:30〜16:30(受付は13:00より)
会場 日比谷公園 緑と水の市民カレッジ 2階 講習室(東京都千代田区日比谷公園1-5)
定員 先着30名
受講料 無料
講師 中村雅俊(樹木医・株式会社トシ・ランドスケープ 代表取締役)
主催・お問い合わせ 公益財団法人東京都公園協会 公園事業部 公益事業推進課 緑の基金担当 TEL 03-5510-7183(平日9:30〜17:00)

お申し込みは、東京都公園協会様の講座案内ページにある「参加申込フォーム」からお願いいたします(参加申込フォームはこちら)。

暑さ対策や住環境の向上に関心のある方、マンション・集合住宅の管理に携わる方、自治体職員の方はもちろん、身近な樹木に少し関心のある方にもお気軽にご参加いただけたらと思います。講座の帰り道に日比谷公園の樹木の下を歩いてみると、その日にお話しした内容を身体で確かめていただけるかもしれません。

東京都公園協会様、このような機会をいただきありがとうございます。当日、会場でお会いできるのを楽しみにしています。

株式会社トシ・ランドスケープ
樹木医 中村雅俊

 

出典・参考情報

・公益財団法人東京都公園協会「9/28「暮らしに役立つ樹木講座 ~樹木で生活を豊かに~」を開催します」 https://www.tokyo-park.or.jp/public/greening/news/2026/park_info.html
・公益財団法人東京都公園協会「東京都都市緑化基金」 https://www.tokyo-park.or.jp/public/greening/
・公益財団法人東京都公園協会「緑と水の市民カレッジ」 https://www.tokyo-park.or.jp/college/index.html
・環境省「まちなかの暑さ対策ガイドライン(令和4年度部分改訂版)」 https://www.wbgt.env.go.jp/doc_city_guideline.php(本文PDF: https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/city_gline/city_guideline_full.pdf)

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