2026年10月、当社の取組「樹木医による診断と育成管理で守る都市の樹冠」が、東京都環境局の「Tokyo-NbSアクションメンバー」に登録されました。自然の働きを活かして社会課題に取り組む都の制度です。登録した取組の中身と、登録を申請した理由をご報告します。
登録の内容は、東京都環境局の「Tokyo-NbSアクションメンバー」のページに、当社が提出した登録様式とあわせて掲載されています。
Tokyo-NbSアクションとは
NbS(Nature-based Solutions)は、自然が持つ働きを活かして社会の課題を解決する考え方です。東京都環境局は「Tokyo-NbSアクション」として、こうした取組を進める企業・団体などをメンバーとして登録し、その取組を発信しています。根拠となる「Tokyo-NbSアクションメンバー登録規程」(令和6年1月31日付)は、第1条で2030年までに NbS となる取組を定着させることを目的に掲げています。
都の「東京都の緑の取組 Ver.3」でも、緑の多様な価値を活かす施策の一つに Tokyo-NbSアクションの推進が挙げられています。制度の位置づけは、連載「東京グリーンビズ」の第3回 活かすで詳しく書きました。
登録した取組──樹木医による診断と育成管理で守る都市の樹冠
登録した取組の名称は「樹木医による診断と育成管理で守る都市の樹冠 ―グリーンマネジメント(植栽資産の管理経営)」です。都内のマンション、社寺、公園、学校、街路樹などの樹木を「植栽資産」として診断し、育て、その働きを活かす取組として申請しました。
都市の樹冠(枝葉が広がる部分)には、木陰と蒸散による暑さの緩和、二酸化炭素の吸収、雨水の浸透、大気の浄化、鳥や昆虫のすみかといった働きがあります。当社はこの働きを失わないよう、外観診断と機器診断で幹の内部の腐朽や倒木のおそれを見極めます。伐採は最後の手段とし、剪定・土壌改良・根系の保護・樹勢回復によって樹冠を残すことを基本にしています。
登録様式では、取組が活かしている生態系の機能と、取組が応える社会の課題を選んで示しています。主なものは次のとおりです。
| 区分 | 登録様式で示した主な項目 |
|---|---|
| 活かしている自然の働き | 二酸化炭素の吸収、ヒートアイランド現象・暑熱環境の緩和、大気汚染や騒音の低下、災害の緩和(雨水の浸透など)、生き物の生息・生育環境の提供 |
| 応える社会の課題 | 防災・減災と気候変動への対策、都民の健康、コミュニティの形成、緑を活かした空間の創出と自然地の保全・管理 |
出典: 当社の Tokyo-NbSアクションメンバー登録様式(東京都環境局のページに掲載)から主なものを抜き出して作成
診断の結果を伝え、残し方を一緒に決める
樹木を残すには、管理する方々の納得が欠かせません。植栽委員会や住民説明会、講座などで、樹木の状態と管理の根拠をわかりやすくお伝えし、管理組合・住民・社寺・行政・研究者と話し合いながら、5〜10年の中長期の計画で管理していく。登録様式では、この進め方も取組の一部として書きました。

診断した木の前で、結果を説明する当社のスタッフ(周りの方の顔はぼかしています)
樹冠の働きを数字で示すことにも取り組んでいます。i-Tree Eco で樹木の生態系サービスを見積もり、樹冠被覆率の視点とあわせて、緑の価値を管理する方々と共有するためです。測れることとまだ測れないことは、第3回 活かすで整理しています。
登録を申請した理由
日々の現場では、倒木や枝の落下を防ぐことが、まちの防災・減災に直結すると感じています。夏の暑さをやわらげる木陰も、雨水を受け止める働きも、木が健全に長く育ってこそ生まれるものです。樹木を診て、育てて、残すという当社の仕事が、Tokyo-NbSアクションの「自然の働きを活かして課題を解決する」という考え方と重なると考え、登録を申請しました。
登録をきっかけに、東京都環境局やほかのメンバーの皆様と連携しながら、樹木診断と管理の取組をより多くの方に知っていただければと思います。2026年9月28日に東京都公園協会様の「暮らしに役立つ樹木講座」で講師を務めたように、講座や研修での普及啓発も続けていきます。
申請から登録まで丁寧にご対応いただいた東京都環境局の皆様、ありがとうございました。
よくある質問(Q&A)
Q1. Tokyo-NbSアクションメンバーとは何ですか?
A. 東京都環境局が、自然の働きを活かして社会の課題を解決する取組(NbS)を進める企業・団体などを登録する制度です。登録規程(令和6年1月31日付)は、2030年までに NbS となる取組を定着させることを目的に掲げています。登録された取組は、東京都環境局のページで登録様式とあわせて紹介されます。
Q2. トシ・ランドスケープは、どのような取組で登録されましたか?
A. 「樹木医による診断と育成管理で守る都市の樹冠 ―グリーンマネジメント(植栽資産の管理経営)」で、2026年10月に登録されました。都内のマンション、社寺、公園、学校、街路樹などの樹木を診断し、伐採は最後の手段として、剪定・土壌改良・根系の保護・樹勢回復で樹冠を残す取組です。
Q3. 樹木の管理は、なぜ防災・減災につながるのですか?
A. 幹の内部の腐朽などを診断で見極め、必要な手入れを行うことで、倒木や枝の落下のおそれを減らせるからです。あわせて、健全な樹冠を残すことで、木陰による暑さの緩和や雨水の浸透といった働きも保たれます。
株式会社トシ・ランドスケープ
樹木医 中村雅俊
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