植栽基盤調査・樹勢回復 無料モニター募集 東京・埼玉・神奈川・千葉

株式会社トシ・ランドスケープでは、樹木の根が育つ土の状態を調べる植栽基盤調査と、その結果にもとづく樹勢回復の施工を無料で行うモニターを募集します。対象は東京都・埼玉県・神奈川県・千葉県の御神木や名木などで、施工は2027年1月〜3月、施工後に月1回の定点写真をご共有いただける方に限らせていただきます。

2026年5月から、樹木診断 無料モニターとして、レジ、アーボソニック3D、ピカスの3種の診断機器で幹の内部を調べ、その結果を比較検証するモニターを募集しています。今回はその続きとして、目を幹から根元の土へ移します。

 

樹勢の衰えを、根元の土から考える

修業時代から身についた「樹木は植えた時がスタート」という考え方が、私が樹木医を目指したきっかけでした。御神木や名木は、植えられてから何十年、何百年と同じ場所で根を張り続けています。その間に、根元の舗装や周辺の工事、人が歩くことによる土の踏み固めなど、根のまわりの環境は少しずつ変わっていきます。

植栽基盤とは、植物の根が正常に伸び、水分や養分を吸収できる条件を備えた土の層のことです。一般社団法人日本造園建設業協会は、その条件として、根が伸びるだけの深さと広がりがあること、水はけ・硬さ・水持ちが適度であること、有害な物質を含まず酸度と養分量が適度であることを挙げています。同協会は、植栽された植物の生育不良や枯死の原因の多くが、固い地盤や排水不良といった土壌環境の不良によるものといわれている、とも説明しています。

植栽基盤とは イラスト 有効土層 排水層 根系

植栽基盤とは(イラスト)。根が伸びる広がりと深さがあり、その下に余剰水を排出できる地盤があること

葉が小さくなった、枝先が枯れ込むようになったという変化は地上に現れますが、原因が根元の土にあるときは、枝葉の手入れだけでは手当てが届かないことがあります。私は樹木医であると同時に、同協会が認定する植栽基盤診断士の資格も持っています。地上の樹木と地下の土を分けずに見ることが、今回のモニターの出発点です。

 

植栽基盤調査で調べること──長谷川式の器具とpH・EC測定

土の中は掘らなければ見えませんが、御神木や名木の根元を大きく掘り返すわけにはいきません。そこで当社の土壌調査では、掘る範囲が小さくて済む専門の器具を使い分けています。

植栽基盤診断 イラスト 長谷川式 土壌調査 樹木医

植栽基盤調査の様子(イラスト)。長谷川式の器具で、根元まわりの土の硬さや水はけを調べる

・長谷川式土壌貫入計
2kgのおもりを50cmの高さから落とし、先端の円錐コーンが土に入っていく深さを一回ずつ記録して、地表から深さ100cmまでの土の硬さを連続して測ります。根が伸びにくい固い層が、どの深さにどれくらいの厚みであるのかが分かります。

長谷川式土壌貫入計 使い方 イラスト 土壌硬度

長谷川式土壌貫入計の使い方(イラスト)。おもりを落として円錐コーンを土に貫入させ、一回ずつの貫入量を記録する

・長谷川式簡易現場透水試験器
少ない水量で、その場所の水はけを確かめます。水はけが悪い土では、根腐れや衰退が起きやすくなります。

簡易現場透水試験 使い方 イラスト 透水性 植栽基盤

長谷川式簡易現場透水試験器の使い方(イラスト)。試験孔に水を注ぎ、水位が下がっていく時間を計る

・長谷川式大型検土杖
おもりを落として長さ35cmのサンプラーを打ち込み、深さ1mまでの土を3回に分けて採取します。土の色や層の重なり方、コンクリート片などの混じりものを、実際の土で確かめます。

長谷川式大型検土杖 使い方 イラスト 土層調査

長谷川式大型検土杖の使い方(イラスト)。深さ35cm・70cm・100cmの3回に分けて土を採取する

・pH・EC測定
土の酸度と、土に溶けている肥料分や塩分の量を測ります。

土壌 pH EC 測定 イラスト 植栽基盤調査

土壌のpH・EC測定(イラスト)。採取した土と水を混ぜ、その液体を測定する

必要に応じて、根元を部分的に掘って根の張り方を確かめる根系試掘調査も行います。調査の結果は報告書にまとめ、測定値をグラフにしてご説明します。

植栽基盤調査 長谷川式土壌貫入計 土壌硬度 植栽基盤診断士 樹木医

 

調査の結果から選ぶ樹勢回復の方法──割竹挿入法・水圧穿孔法・エアレーション法

土の直し方はひとつではありません。土が固いのか、水が抜けないのか。調査の数字を見てから、次の方法を組み合わせて決めます。

・割竹挿入法
根元のまわりに縦穴を掘り、割った竹を筒にして挿し込み、改良資材を混ぜた土で埋め戻します。竹の筒が土の中の空気と水の通り道になります。

割竹挿入法 イラスト 土壌改良 樹勢回復

割竹挿入法の流れ(イラスト)。縦穴に割竹の筒を挿し込み、改良資材を混ぜた土で埋め戻す

・水圧穿孔法
水圧の力で固く締まった土をほぐし、土の中に空間をつくりながら改良資材を入れていきます。掘って土壌改良をするだけのスペースがない場所に向いています。

水圧穿孔法 イラスト 土壌改良 樹勢回復

水圧穿孔法(イラスト)。土に差し込んだノズルから水圧をかけ、固く締まった土をほぐす

・エアレーション法
圧縮空気で土に孔をあけて空気の通りを良くし、同時に肥料や土壌改良資材を充填します。当社ではエアーインジェクターのドドンパと、圧縮エア式スコップを使っています。高圧の空気で細い根を切ることはありますが、重機やスコップで掘るよりも根を傷めにくく、狭い植栽帯や低木が密集した場所でも施工できます。一方で広い面積の改良には向かないため、ほかの方法と使い分けています。

エアレーション ドドンパ イラスト 土壌改良 樹勢回復

エアレーション法(イラスト)。エアーインジェクター(ドドンパ)で土に孔をあけ、同時に肥料や土壌改良資材を充填する

圧縮エア式スコップ イラスト 土壌改良 根系

圧縮エア式スコップによる土壌改良の流れ(イラスト)

国土技術政策総合研究所の資料でも、樹勢を回復させる目的で行う土壌改良として、縦穴への割竹の挿入や、圧入装置によるエアーレーションなどが紹介されています。

どの方法を選び、どこまで行うかは、樹木と土の状態によって変わります。調査の結果、土壌改良より先に剪定や支柱などの対応が必要だと判断した場合は、その理由を添えてご説明します。施工の内容と範囲は、報告書をもとにご相談のうえ決めさせていただきます。

割竹挿入法 土壌改良 樹勢回復 通気性 透水性

エアレーション法 土壌改良 圧縮空気 樹勢回復 樹木医

 

施工を1月〜3月に行う理由と、月1回の定点写真をお願いする理由

施工を1月〜3月に限らせていただくのは、根元の土に手を入れる作業を、樹木の活動が落ちている冬のうちに済ませておきたいからです。落葉樹は休眠期にあたり、常緑樹も冬は生長がゆるやかになります。根への負担が小さい時期に土を改良し、春の芽吹きと新しい根が伸びはじめる時期に間に合わせる。これまでの現場の経験から、私たちはこの順番を大切にしています。土が凍っている日や大雨の直後は作業を避け、日程はご相談しながら調整させていただきます。

樹勢回復は、施工したその日に結果が見えるものではありません。変化が見えてくるのは多くの場合翌春の芽吹きからで、葉の大きさや量、色、枝先の伸び、秋に葉を落とす時期などに少しずつ現れます。その樹木を日々見ているのは、所有者様や管理をされている方です。月に1回、同じ場所から撮った写真を並べていくと、施工前との違いを季節ごとに比べることができます。

いただいた写真は、植栽基盤調査の数値や選んだ改良方法とあわせて記録し、この先の保全や管理の提案に生かしていきます。定点写真をご共有いただける方に限らせていただくのは、そのためです。

 

モニターの内容と対象となる樹木

植栽基盤調査の費用、報告書の作成費用、樹勢回復の施工費用はすべて無料です。
作成した報告書はそのままお客様にご提供いたします。調査結果と定点写真は、弊社ウェブサイトやSNS等で事例として公開させていただきますが、「調査の数値は非公開にしたい」「所在地が分からないようにしたい」といった条件については、個別にご相談のうえ柔軟に対応いたします。

以下のいずれかに該当する樹木を対象とします。
・神社の御神木
・お寺の霊木
・国または自治体指定の天然記念物
・地域の名木(巨樹、巨木)
・学校など教育施設内の保存樹木、保護樹木

加えて、次のような様子が見られる樹木を想定しています。
・以前と比べて葉が小さい、葉の量が少ない、葉の色が薄い
・枝先の枯れ込みが増えている
・根元の土が踏み固められている、根元のまわりが舗装されている、近くで工事があった

幹の内部の腐朽や空洞も気になる場合は、樹木診断 無料モニターへのご応募もあわせてご検討ください。

 

募集要項と応募から施工までの流れ

募集対象:樹木の所有者様、自治体関係者様
対応範囲:東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県
施工時期:2027年1月〜3月
募集人数:1名様まで
応募期限:2026年12月末日
応募条件:施工の後3年間、月1回、樹木の定点写真を継続してご共有いただける方

応募から施工までの流れ
1. メールまたはお問い合わせフォームからご応募
2. いただいた写真と情報をもとに、樹木医が対象樹木を選ばせていただき、ご連絡
3. 施工前に現地で樹木の外観を確認し、植栽基盤調査を実施
4. 報告書をもとに、施工の方法と範囲をご説明・ご相談
5. 2027年1月〜3月に樹勢回復の施工
6. 施工後3年間、月1回の定点写真のご共有
7. 施工から約3年後、施工前と比べてご報告

定点写真について
・撮影は月1回、施工の月から3年間を予定しています。施工前の写真もあると比べる基準になりますので、ご応募の時点から撮っていただけると助かります。
・毎回同じ位置、同じ向きから、樹木の全体が入るように撮影していただきます。撮影の位置は、植栽基盤調査で伺った際に一緒に決めさせていただきます。
・全体の写真に加えて、枝先の葉の様子が分かる写真もあると、変化がより読み取りやすくなります。
・写真はメールでお送りいただく形を考えています。

応募の前にご確認いただきたいこと
・国指定の天然記念物は、その現状を変更したり保存に影響を及ぼす行為をしたりする場合、文化財保護法第125条にもとづき文化庁長官の許可が必要になります(維持の措置などの例外があり、許可の権限の一部は都道府県・市の教育委員会に委ねられています)。都県や市区町村が指定した天然記念物も、それぞれの文化財保護条例で手続きが定められている場合があります。手続きには時間がかかりますので、該当する場合はご応募の段階でお知らせください。指定元の教育委員会への確認から、一緒に進めさせていただきます。
・自治体の保存樹木、保護樹木に指定されている場合も、施工の前に指定元の自治体へ確認させていただきます。
・自治体関係者様からのご応募は、樹木の所有者様・管理者様のご了承を得たうえでお願いいたします。
・根元の近くに水道管やガス管、電気の配線、散水設備などが通っている場合は、分かる範囲でお知らせください。掘削を伴う作業のため、所在地によっては自治体への事前確認が必要になることもあり、施工前に一緒に確認させていただきます。

 

応募・お問い合わせ

ご応募、ご質問は、弊社メールアドレス:info@toshilandscape.co.jp もしくは、弊社ウェブサイトのお問い合わせフォームよりご連絡をお待ちしています。
次の情報を添えていただけますと、ご案内がスムーズです。
・樹木の所在地と樹種(分かる範囲で)
・樹木の全体と根元の写真
・気になっている症状と、それがいつ頃からか
・天然記念物、保存樹木などの指定の有無

樹木の衰えは、地上の枝葉より先に、目に見えない土の中で進んでいることがあります。土を調べ、冬のうちに手当てをし、3年かけて見届ける。その記録を一本ずつ積み重ねていくことが、樹木を残していくための提案の確かさにつながると考えています。

根元の土から、大切な樹木の手当てをお手伝いできれば幸いです。ご応募をお待ちしております。

株式会社トシ・ランドスケープ
樹木医 中村雅俊

 

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