垣根工事、石工事に引き続き
港区南麻布のお客様のマンションの
バルコニーの茶庭作庭の植栽工事を行いました。
港区南麻布のマンションのバルコニーで、竹垣・石工事に続いて、アカマツ・ツバキ(ワビスケ)・イロハモミジを鉢に植えた茶庭の植栽の記録です。茶庭(露地)の植栽の考え方、益子焼の鉢、植えたあとの水やりについて、用語辞典や行政の資料をもとに書き添えます。
竹垣、石工事に続く、茶庭の植栽
このバルコニーの茶庭は、3回に分けてつくってきました。最初に人工竹垣(建仁寺垣)を設置し、次に甲州鞍馬石の飛石や伊勢砂利、国産の織部灯篭を据え、今回の植栽で仕上げています。

図: 南麻布のバルコニーの茶庭ができるまで(当社の記事 3520・4856・5303 の公開月と本文をもとに作成。工事の日付ではありません)
洋から和、和から洋への
移り変わるバルコニーの世界観があります。
お客様とともに茶庭でありながらも
奥に見える高台の六本木ヒルズから
渋谷川に下る地形のイメージを
バルコニーに落とし込みながら
植栽、石を配置し施工致しました。
植えた木と、茶庭(露地)の植栽
植栽した樹種は
H2.5m アカマツ
H2.3m 椿・侘助 (ツバキ・ワビスケ)
H2.0m イロハモミジ
H1.5m イロハモミジ
になります。
茶庭は露地(ろじ)とも呼ばれ、茶室に入るために通る庭です。日本建築・美術の用語辞典 JAANUS によると、露地には主に常緑の自然な植物が植えられ、華やかな花は避けられてきました。園路の近くに植える木は「袖摺(そですり)の木」と呼ばれ、袖摺の松が好まれるとされています。もとは一つの庭だった露地は、のちに外露地と内露地に分かれた二重露地へと発展しました。茶庭は中門で二つに、垣を足すと三つに区切られます。
| 植えた木 | 高さ(H) | 記事と資料にあること |
|---|---|---|
| アカマツ | 2.5m | 常緑の針葉樹、大きな鉢に植えた |
| ツバキ(ワビスケ) | 2.3m | 椿・侘助 |
| イロハモミジ | 2.0m | 春に新芽を展開する |
| イロハモミジ | 1.5m | 同上 |
出典: 樹種と高さは本文。アカマツが常緑の針葉樹であることは、国土技術政策総合研究所「街路樹の倒伏対策の手引き 第2版」図-2.23(p.1-71)の区分による
植え付けと搬入
養生を行いエレベーター、廊下、室内と
搬入が大変でしたが無事に植栽が出来ました。
マンションのバルコニーへの搬入では、お部屋の中だけでなくエレベーターや通路も養生します。前回の石工事で行った養生の重ね方や、バルコニーの床が支えられる重さ、管理規約で確かめることは、記事「バルコニー 茶庭工事 港区南麻布」に書いています。
益子焼の鉢
プランターはお客様が益子焼の鉢等
雰囲気に合うものをご用意頂きました。
益子焼は、栃木県の真岡市・益子町・茂木町・市貝町を産地とする陶器で、昭和54年(1979年)8月3日に国の伝統的工芸品に指定されています。栃木県のページによると、指定の決まりでは、成形はろくろ・型起こし・手ひねりのいずれかで行い、釉薬には並白釉・柿赤釉・黒釉などを使うとされています。
鉢に植えた木の水やり
植えたばかりの木は、まだ根が鉢の土に広がっていません。国総研の「街路樹の倒伏対策の手引き」は、植え付けのときの水ぎめで水を与えるだけでなく、葉のしおれなどの状態を見ながら水やりをするよう書いています。鉢植えは地面に植えた木と違って、根の伸びる範囲が鉢の中に限られます。植えたあとも、葉の様子を見ながら水を切らさないことが大切になります。
これからの手入れの時期
鉢に植えた3種類の木は、手入れに向く時期がそれぞれ違います。埼玉県の「街路樹剪定マニュアル」は街路樹のための資料ですが、剪定の時期の考え方は木の性質にもとづいています。落葉樹は休眠している冬に剪定し、寒さに強い常緑針葉樹の枝抜きや軽い切り詰めも冬が適期としています。花木は冬にはすでに花芽ができているため、花が終わった直後から1か月以内の、翌年の花芽ができる前に剪定するとしています。
| 植えた木 | マニュアルの区分 | マニュアルにある剪定の時期の考え方 |
|---|---|---|
| アカマツ | 常緑針葉樹 | 寒さに強い常緑針葉樹の枝抜きや軽い切り詰めは冬期が適期 |
| ツバキ(ワビスケ) | 花木 | 花が終わった直後から1か月以内、翌年の花芽ができる前 |
| イロハモミジ | 落葉樹 | 休眠している冬期 |
出典: 埼玉県県土整備部道路環境課「街路樹剪定マニュアル」(令和2年12月)p.5-3・5-5。区分の当てはめは当社によるもの。松の手入れは「松の伝統技術「短葉仕立て」とは」でも紹介しています
バルコニーの茶庭から見た景色
今日は空気も澄んでいた為か、
富士山がクッキリと見えバルコニーのお庭越しに
素晴らしい景色を堪能させて頂きました。
- 茶庭 作庭 モミジ
- 茶庭 作庭 モミジ
- 茶庭 作庭 モミジ
春には2本のイロハモミジも新芽を展開し
さらにお庭に彩りを足してくれることと思います。
改めましてご依頼頂き感謝申し上げます。
資材のご相談、手配ににつきましては、
山十さん、森田園さんに大変お世話になりました。
いつもありがとうございます。
まとめ
港区南麻布のマンションのバルコニーで、竹垣、石工事に続いて茶庭の植栽を行いました。アカマツ、ツバキ(ワビスケ)、2本のイロハモミジを、お客様がご用意くださった益子焼などの鉢に植えています。六本木ヒルズの高台から渋谷川へ下る地形のイメージをバルコニーに落とし込み、植栽と石を配置しました。
よくある質問
Q1. 茶庭(露地)には、どんな木を植えるのですか。
用語辞典 JAANUS によると、露地には主に常緑の自然な植物が植えられ、華やかな花は避けられてきました。園路の近くの木は「袖摺の木」と呼ばれ、袖摺の松が好まれるとされています。
Q2. 益子焼とはどんな焼き物ですか。
栃木県の真岡市・益子町・茂木町・市貝町を産地とする陶器で、昭和54年に国の伝統的工芸品に指定されています(栃木県のページ)。
Q3. 鉢に植えた木は、植えたあとどう水やりをしますか。
植え付けのときの水だけでなく、葉のしおれなどの状態を見ながら水やりをします(国総研「街路樹の倒伏対策の手引き 第2版」)。鉢植えは根の伸びる範囲が鉢の中に限られるので、植えたあとも水を切らさないようにします。
出典・参考情報
・JAANUS(日本建築・美術用語辞典)「roji 露地」「chaniwa 茶庭」
・埼玉県県土整備部道路環境課「街路樹剪定マニュアル」(令和2年12月)
・栃木県「益子焼」(栃木県の伝統的工芸品のページ)
・国土技術政策総合研究所「街路樹の倒伏対策の手引き 第2版」(国総研資料 第1059号、2019年2月)p.1-71・1-72
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