港区のお客様より
マンションのバルコニーでの
茶庭作庭のご依頼を頂きました。
港区のマンションのバルコニーに茶庭をつくる工事の第一弾として、タカショー製の人工竹垣で建仁寺垣を設置した記録です。建仁寺垣のつくりと、高さ1400mmの竹垣で和室からの眺めを整えた考え方を、日本建築の用語辞典などの資料とあわせてご紹介します。
第一弾は、人工竹垣の建仁寺垣
第一弾としてタカショー製・人工竹垣での建仁寺垣を
搬入、設置させて頂きました。

施工前のバルコニー。タイル張りの床と、装飾の付いた手すり

設置の準備。タイル床に置いたレーザー墨出し器とスライド丸ノコ
建仁寺垣とは
建仁寺垣は、京都の建仁寺に名の由来がある竹垣です。日本建築・美術の用語辞典 JAANUS は、建仁寺垣を竹垣を立てるときの基本の組み方ともされる垣とし、江戸時代以降に広まったと説明しています。柱と控柱を立て、幅3cmほどの割竹を縦にすき間なく並べ、表に丸竹の押縁を4〜5段渡して、シュロ縄で結びます。竹がすき間なく並ぶので、向こうが見えない目隠しの垣になります。
| 部材 | JAANUS にある形と役目 | このバルコニーの竹垣 |
|---|---|---|
| 柱 | 垣を支える柱、控柱を添える | 柱を立てて電動ドライバーで固定 |
| 立子(割竹) | 幅3cmほどの割竹を縦にすき間なく並べる | タカショー製の人工竹垣のパネル |
| 押縁 | 表に横に渡す丸竹、4〜5段 | 横の押縁に縄の飾り結び |
出典: JAANUS(Japanese Architecture and Art Net Users System)「kenninjigaki 建仁寺垣」。右の列はこの記事の写真の説明から。天然の竹で組んだ建仁寺垣は「竹垣工事 建仁寺垣 穂垣」でご紹介しています
高さ1400mmの竹垣で、和室からの眺めを整える
高さが1400mmの竹垣になります。
和室に着座した際に
外のマンションやビルなどが
ちょうど竹垣によって遮蔽され
見えなくなりつつも
空への抜け感はある為
閉塞感はあまり感じない空間となりました。
バルコニーでの設置作業

床を段ボールで養生し、柱材を加工する作業員

人工竹垣のパネルを手すりの内側に合わせる作業員2名

柱を立て、人工竹垣を取り付けている途中

柱を電動ドライバーで固定する作業員
この工事では、バルコニーの床を段ボールで養生し、その上で柱材を加工しました。国土交通省の「マンション標準管理規約」では、バルコニーは区分所有者が専用使用権を持つ場所で(第14条)、コメントの別添2は、バルコニーに物品を固定する工事(あらかじめ決められた場所への設置でないもの)を理事会の承認が要る工事の例に挙げ、次のことを確かめるとしています。
| 制限すべき影響 | 確かめること |
|---|---|
| 避難などの障害(ほかの住戸に影響) | 避難上の支障などがないか |
| 防水機能の破壊(ほかの住戸に影響) | 防水層、排水に悪い影響がないか |
| 躯体の損傷 | 躯体にボルトなどを打ち込まないか |
出典: 国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)」第14条、「同コメント」別添2(令和7年改正)。実際の手続きは、それぞれのマンションの管理規約によります
また、小さな子どものいる住まいでは、一般には、ベランダの手すり付近に足場になるようなものを置かないようにするとされています(出典: 消費者庁「窓やベランダからの子どもの転落事故に御注意ください!」)。
完成した建仁寺垣

設置を終えた建仁寺垣(タカショー製の人工竹垣)。高さ1400mm

建仁寺垣の押縁と、縄の飾り結びの近景

タカショー 竹垣 建仁寺垣
次回お客様とご一緒に石材を吟味し、
作庭に入らせて頂きます。
ありがとうございました。
バルコニーの茶庭づくりの流れ
茶庭は露地(ろじ)とも呼ばれ、茶室に入るために通る小さな庭です。JAANUS は、江戸時代の典型的な露地を、飛石・灯籠・蹲踞・中門と常緑の植栽で構成されたものと説明し、茶庭は中門で2つに、垣を足すと3つに分けられるとしています。垣は、茶庭をかたちづくる要素の一つです。
このバルコニーの茶庭は、竹垣から始めて、石、植栽の順に進めました。当社の記事の公開日の順に並べると次のとおりです。
| 記事の公開 | 工事 | 内容 | 記事 |
|---|---|---|---|
| 2020年9月 | 竹垣 | タカショー製の人工竹垣で建仁寺垣、高さ1400mm | この記事 |
| 2021年1月 | 石 | 甲州鞍馬石、伊勢砂利、国産の織部灯篭 | 4856 |
| 2021年2月 | 植栽 | アカマツ、ツバキ(侘助)、イロハモミジ | 5303 |
出典: 当社の記事の本文、JAANUS「roji 露地」「chaniwa 茶庭」。この続きは「バルコニー 茶庭工事 港区南麻布」「バルコニー作庭工事 港区南麻布」でご紹介しています
まとめ
港区のマンションのバルコニーに茶庭をつくる第一弾として、タカショー製の人工竹垣で建仁寺垣を搬入・設置しました。高さは1400mmで、和室に座ると外のマンションやビルが竹垣に隠れ、空への抜け感は残るので、閉塞感をあまり感じない空間になりました。
株式会社トシ・ランドスケープ
よくある質問
Q1. 建仁寺垣とは、どんな竹垣ですか。
京都の建仁寺に名の由来がある竹垣で、幅3cmほどの割竹を縦にすき間なく並べ、表に丸竹の押縁を4〜5段渡して縄で結びます(JAANUS)。向こうが見えない目隠しの垣です。
Q2. 高さ1400mmの竹垣で、眺めはどう変わりましたか。
和室に座ると、外のマンションやビルがちょうど竹垣に隠れて見えなくなり、空への抜け感は残るので、閉塞感をあまり感じない空間になりました。
Q3. 茶庭(露地)とは、どんな庭ですか。
茶室に入るために通る小さな庭です。JAANUS は、江戸時代の典型的な露地を、飛石・灯籠・蹲踞・中門と常緑の植栽で構成されたものと説明しています。
Q4. マンションのバルコニーに竹垣を設けるときは、何を確かめますか。
国土交通省のマンション標準管理規約のコメントは、バルコニーに物品を固定する工事について、避難上の支障などがないか、防水層や排水に悪い影響がないか、躯体にボルトなどを打ち込まないかを確かめるとしています。手続きは、それぞれのマンションの管理規約によります。
出典・参考情報
・JAANUS(Japanese Architecture and Art Net Users System)「kenninjigaki 建仁寺垣」「roji 露地」「chaniwa 茶庭」
・国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)及び同コメント」別添2(最終改正 令和7年10月17日)
・消費者庁「窓やベランダからの子どもの転落事故に御注意ください!」
個人のお宅では、大きく育った高木の剪定や特殊伐採、樹木医による樹木診断を承っています。お問い合わせフォームからのご相談をお待ちしています。
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