定期的な植栽管理をご依頼頂いているお客様より
コウライシバの芝張り工事のご依頼を頂きました。
目黒区中根で行った、高麗芝(コウライシバ)の芝張り工事の記録です。除草・耕耘・黒土の客土による下地づくりから、ベタ張り、目砂(目土)、張ったあとの散水までの手順を、公園の芝生の仕様書や芝生の維持管理マニュアルの内容とあわせて紹介します。
芝張りの下地づくり──除草・耕耘・黒土の客土
雑草もあり、不陸(地面の高さが凸凹)の状態になっている為、
除草、耕耘、黒土客土の下地作りから始まりました。
- 芝生工事
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芝生の根は主に地表から10cmくらいの深さまでに集中する為、
特に10cmの範囲内を集中的に改良を行いました。
東京都教育委員会の芝生のマニュアルは、育った芝生の手入れでも、芝生に穴を開けて根に空気を送るエアレーションを深め(10cm程度)に行うと、締め固まった土を柔らかくし、根の伸びをよくする効果が高まるとしています。張る前の下地づくりは、芝の根が伸びていく土を、張る前のうちに整えておく作業です。
不陸(凸凹)を残したまま張ると、低い所に水がたまり、高い所は乾きやすくなります。公園の芝生の仕様書でも、目土をかけるときは芝生の面の不陸を整えながら行うこととしています。

図: この現場の芝張りの手順と、張ったあとの断面(出典: 東京都建設局「街路樹等維持標準仕様書 緑地管理編」3-2-4・3-2-7、手順は記事の本文から当社作成)
ベタ張りと目砂(目土)
整地が完了後、
「ベタ張り」にて隙間なく芝を張っていきます。
曲線になっている部分などは芝を鋏で切りながら合わせていきます。
芝を張り終えた後は、芝の上に目砂(目土)を行います。
コテやホウキを使い満遍なく
目地(芝と芝の間の隙間)や芝表面に均していきます。
- 芝生工事 張り付け コウライシバ
- 芝生工事 張り付け コウライシバ
- 芝生工事 張り付け コウライシバ
- 芝生工事 張り付け コウライシバ
芝の張り方には、芝と芝の間に目地を空けて張る方法と、目地を空けずに隙間なく張るベタ張りがあります。横浜市の公園の標準図では、張芝の目土の厚さは2cmを標準としています。
目砂(目土)のはたらきについて、東京都教育委員会のマニュアルは、新芽やほふく茎(横に伸びる茎)を踏まれる傷みから守る、芝生の根の層を厚くして密度を上げる、表面の凹凸を直す、乾燥を防ぐ、などを挙げています。東京都建設局の仕様書は、目土には植物の根やがれきが混じらない、ふるいを通した良質な土を使い、むらなく均一にすり込むこととしています。この現場で、コテやホウキで目地と表面に均したのも、同じ考え方です。
張ったあとの散水と、乾燥への注意
板で踏みつつ、散水をし馴染ませていきます。
芝張り直後は乾燥しやすい為、注意しながら灌水を行います。
お客様にも実際に灌水方法を見て頂きながらレクチャーさせて頂きました。
板で踏むのは、芝と下の土をよく密着させるためです。東京都建設局の仕様書も、公園の芝生の補植で芝を張るときは、周りの芝と同じ高さになるよう調整して転圧し、目土を施して、よくかん水することとしています。
水やりのこつとして、東京都教育委員会のマニュアルは、土の全体がしっかり湿るように1回でたっぷり与えること、朝の散水が効果的なことを挙げています。水が足りないと、夏芝の葉は針のように丸まるとしています。同じマニュアルは、校庭の芝生で補植をした所は毎日散水するとしています。
- 芝生工事 張り付け コウライシバ
- 芝生工事 張り付け コウライシバ
既存の芝生とのつなぎ目と、コウライシバの1年
既存の芝生のエリアもあり今後手入れ作業の中で
目砂と芝刈を行いながら徐々に繋がりの部分を慣らしていきます。
コウライシバは、暖かい時期に育つ夏芝の一つです。東京都教育委員会のマニュアルによると、夏芝は主に4月から10月にかけて緑色を保ち、それ以外の季節は地上部が茶色くなって休眠します。コウライシバは横に伸びる茎(ほふく茎)で広がる芝で、葉が小さく、きめ細かい芝生になるとされています。新しく張った芝と既存の芝のつなぎ目も、ほふく茎が伸びる生育期に、目砂と芝刈りを重ねながらなじませていきます。

図: 夏芝の1年と、芝刈り回数の例(東京都教育委員会のマニュアルの校庭の例。記事 7775 の図)
同じマニュアルは、芝生全体に目砂をかけるときの量の目安を3mm程度とし、厚くかけすぎると芝生の生育に悪い影響が出ることがあるとしています。目砂を続けると芝生の地面が高くなっていくので、凹んだ所だけに部分的にかける方法も示しています。張るときの目土と、育った芝生の手入れの目砂とでは、量の考え方が違います。
ご依頼頂きありがとうございました。
株式会社トシ・ランドスケープ
植栽管理、造園工事だけでなく、外構エクステリアなど景観に関わる工事も対応可能です。
地域密着で丁寧な提案、施工を心がけております。
まとめ
不陸と雑草のあった場所を、除草・耕耘・黒土の客土で整え、芝の根が集まる地表から10cmの範囲を重点に改良してから、コウライシバをベタ張りで張りました。張ったあとは目砂(目土)を目地と表面に均し、板で踏みながら散水してなじませています。張った直後は乾燥しやすいので、灌水の方法をお客様にも見ていただきました。既存の芝生とのつなぎ目は、これからの手入れの中で目砂と芝刈りを重ねてなじませていきます。
よくある質問
Q1. 芝を張ったあとに目砂(目土)をかけるのはなぜですか。
東京都教育委員会のマニュアルは、目砂のはたらきとして、新芽やほふく茎を踏まれる傷みから守る、根の層を厚くして密度を上げる、表面の凹凸を直す、乾燥を防ぐ、などを挙げています。
Q2. 芝を張った後の水やりは、どのようにしますか。
同じマニュアルは、土の全体がしっかり湿るように1回でたっぷり、朝に与えるのが効果的としています。張った直後は乾燥しやすいので、とくに注意が要ります。
Q3. 高麗芝(コウライシバ)が緑になるのはいつごろですか。
コウライシバは夏芝の一つで、東京都教育委員会のマニュアルでは、夏芝は主に4月から10月にかけて緑色を保ち、それ以外の季節は休眠するとされています。
出典・参考情報
・東京都教育委員会「園庭・校庭における芝生維持管理マニュアル」(平成30年3月)p.10〜11、p.18〜19、p.22〜23
・東京都建設局「街路樹等維持標準仕様書 緑地管理編」(平成25年4月)3-2-4 目土かけ、3-2-7 補植
・横浜市環境創造局「公園緑地施設標準図集 2 植栽」2-6 張芝(コウライシバ)(平成30年4月)
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