新緑が美しい個人邸のお庭で地被植物の植え替えと補植作業を行いました。築10年以上になり、植栽も馴染んできながらも、
場所場所で衰退する植物もあるため植栽の改修のご提案をさせて頂いておりました。
この記事では、植え替えの記録とあわせて、植えた9種の地被植物の性質、植える前に地面を平らに均す理由、タマリュウマットの枚数の数え方を、行政の仕様書や植物園の資料をもとに説明します。
植え付けた9種の地被植物
今回は下記の地被植物を中心に植え付けを行いました。
・タマリュウ
・スノーフレーク
・セキショウ
・ユキノシタ
・ギボウシ
・センリョウ
・フウチソウ
・ツワブキ
・クサソテツ
9種の性質を、英国王立園芸協会(RHS)やノースカロライナ州立大学の園芸の資料で確かめて表にしました。学名と科は、キュー王立植物園のデータ(WCVP)によります。
| 植物 | 学名 | 科 | 資料にある性質 |
|---|---|---|---|
| タマリュウ | Ophiopogon japonicus(ジャノヒゲ)の仲間 | キジカクシ科 | 常緑の多年草、濃い緑の葉、日陰と踏まれることに耐える |
| スノーフレーク | Leucojum aestivum | ヒガンバナ科 | 球根の多年草、夏は休眠して葉がなくなる、日陰に耐える |
| セキショウ | Acorus gramineus | ショウブ科 | 根茎で広がる多年草、つやのある緑の葉、湿った土を好む |
| ユキノシタ | Saxifraga stolonifera | ユキノシタ科 | 半常緑の多年草、葉に銀白色の葉脈、裏は赤みを帯びる、半日陰から日陰 |
| ギボウシ | Hosta 属 | キジカクシ科 | 秋の終わりに地上部が枯れ、春まで休眠する、日陰でよく育つ |
| センリョウ | Sarcandra glabra | センリョウ科 | 常緑の小さな低木、日陰を好み、強い日なたでは葉が焼けることがある |
| フウチソウ | Hakonechloa macra | イネ科 | 日本(本州)に自生、冬は地際まで枯れる、秋に赤茶色を帯びる |
| ツワブキ | Farfugium japonicum | キク科 | 常緑の多年草、つやのある濃い緑の葉、半日陰を好む |
| クサソテツ | Matteuccia struthiopteris(WCVP では Onoclea struthiopteris) | チャセンシダ科(WCVP) | 冬に葉を落とすシダ、明るい緑の葉、湿った土を好む |
出典: 英国王立園芸協会(RHS)の植物のページ、ノースカロライナ州立大学 Extension「Plant Toolbox」、キュー王立植物園 World Checklist of Vascular Plants(GBIF で公開しているデータ)
表のとおり、冬も葉が残るもの(タマリュウ・センリョウ・ツワブキ)、冬に地上部がなくなるもの(ギボウシ・フウチソウ・クサソテツ)、夏に休むもの(スノーフレーク)が混ざっています。日陰に耐える種類が多い組み合わせで、季節ごとに足元の表情が入れ替わります。
- タマリュウ植え替え
- タマリュウ植え替え
植える前の地ならし──不陸をなくす
既存の衰退した植栽の場所の土を鋤取り、タマリュウ植栽の為の地ならしをしていきます。
地面にデコボコの不陸が出来てしまうと、雨などの際に凹んだ部分に水が溜まり、
タマリュウなど地被植物は衰退してしまうので、丁寧に均します。
不陸(ふりく)は、地面や舗装の表面が平らでなく、凸凹になっている状態を指す言葉です。東京都建設局の「街路樹等維持標準仕様書(緑地管理編)」は、芝生の補植について、植える所を周りと同じ高さになるよう整えて押し固め、目土を施してよく水をやることとし、目土をすり込むときに不陸があれば、それを直しながら行うこととしています(3-2-4・3-2-7)。芝生以外の地被類については、地被類の役割と地被植物の特性を十分考えて作業すること、生育の悪い株は抜き取ることを求めています(3-3-1・3-3-4)。
- タマリュウマット
- タマリュウマット
- タマリュウマット 目砂
タマリュウマットと目砂
タマリュウはマットタイプの為、広範囲にタマリュウを植栽する場合に適しています。
暑さ、寒さにも強く、日陰でも育ち冬でも緑があるため定番のグラウンドカバーの植栽になります。
タマリュウは、ジャノヒゲ(Ophiopogon japonicus)の仲間です。英国王立園芸協会は、ジャノヒゲを高さ30cmほどの常緑の多年草で、根茎で広がり、濃い緑の葉を持つと説明しています。ノースカロライナ州立大学の資料も、日陰を好み、強い日陰や踏まれることに耐えるとしています。

タマリュウ 水やり
最後にタマリュウの隙間を埋める為の目砂をタマリュウと均すために、
十分に水やりをします。
1㎡あたりのタマリュウマットの枚数
マットタイプは、マット1枚がおよそ60cm×30cmになります。
その為、1㎡(平米)の面積に植えつける場合には、
タマリュウマットが6枚 必要になります。
マット1枚の面積は0.6m×0.3m=0.18㎡なので、1㎡を覆うには1÷0.18=約5.6枚分になり、端数を切り上げて6枚になります。植える面積が分かれば、面積×6枚がおおよその枚数の目安です。

図: 1枚約0.18㎡のマットで1㎡を覆うには、約5.6枚分、つまり6枚がいる(記事のマットの寸法からの計算)
- 砂利敷き
- タマリュウ植栽 ビフォーアフター
- タマリュウ植栽
最後に砂利の補充を行い、タマリュウと砂利の境界をはっきりと出し
メリハリをつけ完成となりました。
よくある質問
Q1. タマリュウマットは、1㎡に何枚必要ですか。
マット1枚がおよそ60cm×30cm(0.18㎡)なので、1㎡には約5.6枚分、端数を切り上げて6枚が必要です。
Q2. 地被植物を植える前に、地面を平らに均すのはなぜですか。
地面にデコボコの不陸があると、雨のときに凹んだ部分に水が溜まり、タマリュウなどの地被植物が衰退してしまうためです。
Q3. 植えた地被植物は、冬も緑ですか。
タマリュウ・センリョウ・ツワブキは冬も葉が残ります。ギボウシ・フウチソウ・クサソテツは冬に地上部がなくなり、スノーフレークは夏に休眠します(英国王立園芸協会などの資料)。
ご依頼いただきありがとうございました。
引き続き管理作業でお世話になります。
株式会社トシ・ランドスケープ
個人のお宅では、大きく育った高木の剪定や特殊伐採、樹木医による樹木診断を承っています。お問い合わせフォームからのご相談をお待ちしています。
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出典・参考情報
・東京都建設局「街路樹等維持標準仕様書(緑地管理編)」(平成25年4月)3-2-4 目土かけ、3-2-7 補植、3-3-1 地被類管理 一般事項、3-3-4 地被植物等
・英国王立園芸協会(RHS)の植物のページ: Ophiopogon japonicus、Leucojum aestivum、Saxifraga stolonifera、Hosta、Hakonechloa macra、Farfugium japonicum、Matteuccia struthiopteris
・ノースカロライナ州立大学 Extension「Plant Toolbox」: Ophiopogon japonicus、Acorus gramineus、Sarcandra glabra
・キュー王立植物園 World Checklist of Vascular Plants(GBIF で公開しているデータ)






























