今年も早いものでもう12月の年末です。
例年12月は個人のお客様の手入れのご依頼を頂く最もハイシーズンとなります。
年内にお庭を綺麗にして気持ちの良い新年を迎えたいですね。
今年もたくさんのお客様からご相談、ご依頼を頂き、
年末までほぼご予約でいっぱいの状況となりました。
ご依頼、ご相談いただきましたお客様に感謝申し上げます。
2021年12月に個人のお客様のお庭で行った、年末の手入れの記録です。モミジ・常緑ヤマボウシ・アラカシの透かし剪定、仕立てたイヌマキの剪定、生垣の刈込を写真でご紹介し、透かし剪定と刈込の違い、剪定の時期の考え方を、行政の剪定マニュアルをもとに書き添えます。
年末のお庭の手入れ
本日もお庭の手入れにお伺いしております。
透かし剪定──枝を間引いて、樹形を保ったまま軽くする
モミジ、常緑ヤマボウシ、アラカシは、透かし剪定で手入れをしました。埼玉県の「街路樹剪定マニュアル」は、枝透かし剪定を「混み合っている枝を間引いて枝葉の密度を下げる剪定」とし、幹から出る主枝、そこから分かれる枝という樹形の骨組みを保ったまま枝を抜くことだと説明しています。切った痕が不自然にならないよう、枝が分かれている所で切り取るのが要点です。抜く枝の位置によって、幹に近い方から「枝おろし」「大透かし」「中透かし」「小透かし」と呼び分けます。
このうち枝おろしは、主枝を幹の付け根から切り取る切り方で、じゃまになる下枝や枯れ枝を切るときにも使います。マニュアルは、枝の付け根のふくらみ(ブランチカラー)を傷つけない位置で切ることも求めています。

モミジの剪定をする作業スタッフ

脚立に乗り、常緑ヤマボウシを透かし剪定する作業スタッフ

アラカシの透かし剪定。塀の上と樹冠の上で作業する2名
透かし剪定の考え方と切り方は、「透かし剪定とは」でくわしく紹介しています。
仕立てたイヌマキの剪定
イヌマキは、形をつくって仕立てた木の手入れです。マニュアルは、樹木には樹種ごとに「その木らしさ」を感じさせる樹形があり、それは自然の樹形だけでなく、人の手でつくる樹形にも表れるとしています。仕立てた木は、つくってきた形を毎年の手入れで保っていきます。

仕立てたイヌマキの剪定。樹冠の上で作業する作業スタッフ
一般に、高さが2m以上の箇所で墜落のおそれがある作業では、足場などの作業床を設け、それが難しいときは墜落制止用器具を使うなど、墜落を防ぐ措置をとることとされています(労働安全衛生規則 第518条ほか)。
生垣の刈込──枝先を切り揃えて、面を整える
生垣は、バッテリー式のトリマーで刈り込みました。マニュアルは、側枝の先端を刈込鋏で切り揃える「刈込剪定」を、枝を途中で切って短くする切詰剪定の一種としています。枝の付け根で抜く透かし剪定とは、切る場所が違います。刈り込んだ生垣の奥や上には、紅葉したモミジの枝が見えています。

バッテリー式のトリマーで生垣を刈り込む作業スタッフ。奥にモミジの紅葉

ヒメシャラの枝越しに見るモミジの紅葉

紅葉したモミジなどの庭の木々

脚立に乗り、高枝トリマーで高い生垣を刈り込む作業スタッフ

バッテリー式のトリマーで生垣を刈り込む作業スタッフ。上に紅葉したモミジ
| 比べるところ | 透かし剪定 | 刈込 |
|---|---|---|
| 切る場所 | 枝が分かれている所(枝の付け根) | 側枝の先端 |
| ねらい | 混み合った枝を間引いて、枝葉の密度を下げる | 枝先を切り揃えて、外側の形を整える |
| マニュアルの区分 | 枝透かし剪定(枝おろし・大透かし・中透かし・小透かし) | 切詰剪定の一種 |
| この日の作業 | モミジ・常緑ヤマボウシ・アラカシ | 生垣 |
出典: 埼玉県県土整備部道路環境課「街路樹剪定マニュアル」(令和2年12月)p.5-8・5-12。「この日の作業」は本文と写真の説明から

左は刈込、右は透かし。外形の大きさは同じでも、中の密度が違う(イラスト)
紅葉の残るお庭で
この時期のお庭は様々の植物がたくさんの表情を見せてくれるので、
この空間に居られる時間が本当に幸せです。
剪定の時期の考え方──落葉樹と常緑樹
同じマニュアルは、剪定の時期について、樹木が活動している時期に剪定すると傷みが大きく、休眠期や生長の緩やかな時期に行えば痛手を最小限にできる、という考え方を基本にしています。落葉樹は休眠している冬に剪定し、枝のバランスを見ながら木全体の骨格をつくります。寒さに強い常緑針葉樹の枝抜きや軽い切り詰めも、この時期が適期とされています。
一方で、暖地性の常緑広葉樹は冬も葉をつけて活動を続けているため、特に寒さの厳しい時期の剪定は、切り口が寒さにさらされて枯れ込むおそれがあるとして、避けるよう書かれています。春の若葉が開く時期の剪定や、夏の強い剪定、秋の早すぎる剪定も避けるべきものに挙げられています。
常緑樹の枝抜きは、葉の生長が一時ゆるやかになる夏の頃も適期とされていますが、葉が付いている時期なので、切る枝葉の量は全体の3分の1以下にとどめるとしています。
| 時期 | マニュアルにある考え方 |
|---|---|
| 冬(休眠期) | 落葉樹の基本の剪定、寒さに強い常緑針葉樹の枝抜きや軽い切り詰めも適期 |
| 夏 | 常緑樹の枝抜きの適期、切る量は全体の3分の1以下 |
| 避ける時期 | 春の若葉の展開期、夏の強い剪定、秋の早い剪定、暖地性の常緑広葉樹の厳冬期 |
出典: 埼玉県県土整備部道路環境課「街路樹剪定マニュアル」(令和2年12月)p.5-3・5-4。表はマニュアルの文をもとに当社でまとめたもの
よくある質問
Q1. 透かし剪定と刈込は、何が違いますか。
透かし剪定は、混み合った枝を分かれ目で間引いて枝葉の密度を下げる剪定です。刈込は、側枝の先端を切り揃えて外側の形を整える剪定で、埼玉県の街路樹剪定マニュアルは切詰剪定の一種としています。
Q2. 落葉樹の剪定は、いつ行うのが基本ですか。
葉を落として休眠している冬が基本です。埼玉県の街路樹剪定マニュアルは、冬に枝のバランスを見ながら木全体の骨格をつくるとしています。
Q3. 常緑樹の剪定で、避けたほうがよい時期はありますか。
埼玉県の街路樹剪定マニュアルは、暖地性の常緑広葉樹の厳冬期の剪定を、切り口が寒さにさらされて枯れ込むおそれがあるとして避けるよう書いています。春の若葉が開く時期の剪定も避けるものに挙げられています。
出典・参考情報
・埼玉県県土整備部道路環境課「街路樹剪定マニュアル」(令和2年12月)p.3-7・5-2・5-3・5-4・5-8・5-9・5-12
・労働安全衛生規則 第518条・第520条(e-Gov 法令検索)
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