樹木医勉強会・金原塾
in 神代植物公園 植物多様性センター
調布市の都立神代植物公園で開かれた、樹木医と歩く観察会に参加した記録です。神代植物公園と植物多様性センターのあらまし、樹木医と樹木医補の制度、造園技能士の実技試験で樹種名を答える「判断等試験(旧・要素試験)」についても、公的な資料をもとに書き添えます。
樹木医と歩く観察会──金原塾
不定期開催の金原樹木医と歩く観察会です。
- 樹木医 勉強会 観察会
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弊社トシ・ランドスケープからも樹木医を目指す
若手社員4名(樹木医補含む) + 未来の樹木医候補生のこども2名で参加しました。
樹木医と樹木医補
樹木医は、一般財団法人日本緑化センターが認定・登録している資格です。日本緑化センターは、樹木医を、樹木の診断・治療や保護・育成・管理、落枝や倒木による被害の抑制、知識の普及・指導などを行う専門家としています。樹木医補は、登録された大学などで樹木の基礎を修めた卒業生が認定を受ける資格で、樹木医の研修を受ける道の一つになっています。
| 項目 | 資料にあること |
|---|---|
| 樹木医の認定 | 1991年度(平成3年度)に始まった、現在は一般財団法人日本緑化センターが実施 |
| 樹木医の登録者数 | 全国3,244名(令和7年12月1日時点) |
| 樹木医補 | 日本緑化センターに登録された大学などで所定の科目を修めた卒業生が対象(平成16年度以降) |
| 樹木医の研修を受けられる人 | 樹木の業務経験5年以上の人、または樹木医補の認定後1年以上の人など |
出典: 一般財団法人日本緑化センター「樹木医制度」「樹木医・樹木医補」「樹木医になるまで」、広島県「樹木医制度について」(令和7年12月1日時点の登録者数)
観察会の様子──園内の樹木を見て、聞いて、記録する
先輩樹木医のお話を聞いたり、質問したり、一生懸命写真や、メモを取ったり、
業務としての植栽管理とはまた違う視点での考察を行うことが出来、
素晴らしい時間を過ごせました。
こどもたちも樹木医の方々と交流しながら、
実を集めたり、虫を観察したりとても楽しむことができました。
- 深大寺 水車
写真の水車は、公園の近くにある調布市の「深大寺水車館」です。調布市の案内によると、この場所には明治時代の後半から水車小屋があり、地元の農家が穀物をついたり粉にひいたりしていました。昭和30年ごろに使われなくなり、平成4年7月31日に水車小屋と展示回廊が開館しています。
神代植物公園と植物多様性センター
神代植物公園内の植物には、樹名板がついているものが多く、
若手のスキルアップには最適です。
神代植物公園は、もとは東京の街路樹などを育てるための苗圃でした。東京都公園協会によると、戦後に「神代緑地」として公開され、昭和36年10月20日に、都内唯一の植物公園として開園しています。園内には約4,800種類、10万本・株の植物が植えられています。
記事の題にある施設は、正式には「神代植物公園 植物多様性センター」です。2012年(平成24年)4月29日に開園した入園無料の施設で、東京都に自生する野生植物を、奥多摩・武蔵野・伊豆諸島のゾーンに分けて展示し、植物の保全にも取り組んでいます。
| 項目 | 神代植物公園 | 植物多様性センター |
|---|---|---|
| 開園 | 昭和36年(1961年)10月20日 | 平成24年(2012年)4月29日 |
| もとの姿・ねらい | 東京の街路樹などを育てる苗圃、都内唯一の植物公園として開園 | 東京都に自生する野生植物の展示と保全 |
| 植物 | 約4,800種類、10万本・株 | 奥多摩・武蔵野・伊豆諸島のゾーンに分けて展示 |
| 所在地 | 東京都調布市深大寺元町ほか | 東京都調布市深大寺北町1-4-6 |
出典: 公益財団法人東京都公園協会「神代植物公園」「神代植物公園 植物多様性センター」(2026年10月12日に確認)
造園技能士の実技試験──枝葉を見て樹種名を答える
特に造園技能士を目指す方の勉強には最適な場所です。
造園技能士には学科試験と実地試験があります。
その実地試験の中に要素試験といわれる試験があります。
長さ40~50cm程度に剪定された枝葉をみて樹種名を特定する試験です。
2級造園技能士は115種類の中から15問が出題されます。
1級造園技能士はそれに加えて46種類の中から5種類が出題されます。
あらかじめリストになって決まっている中から選ぶ試験ですが、
ここで不合格となる若い職人さんを何人も見てきました。
造園技能士は、国の技能検定の一つです。厚生労働省が定める試験科目では、1級・2級の実技試験に「樹種の判定ができること」が挙げられています。この試験は、今は「判断等試験」と呼ばれています(埼玉県花と緑の振興センターの案内では「判断等試験(旧要素試験)」)。
中央職業能力開発協会の令和7年度の試験問題で確かめると、2級は「樹種名一覧」の115種から15本、1級は20本で、そのうち5本が1級だけの46種の表から出題されています。記事に書いた数は、今の試験でも同じです。

図: 造園技能士の判断等試験(旧・要素試験)の出題の数(出典: 中央職業能力開発協会 技能検定試験問題〈令和7年度〉、埼玉県花と緑の振興センター、厚生労働省の資料をもとに当社作成)
樹種のリストが決まっていても、試験で見るのは枝葉の一部だけです。樹名板の付いた木が多い植物公園は、名前と枝葉を見比べながら覚えられる場所です。
まとめ
神代植物公園での観察会には、樹木医を目指す若手社員4名と子ども2名で参加しました。先輩樹木医の話を聞き、写真とメモで記録しながら、植栽管理の業務とは違う視点で樹木を見る時間になりました。樹名板の多い園内は、造園技能士の判断等試験に向けて樹種を覚える場としても役立ちます。
金原樹木医
そして勉強会を企画調整してくださった
川瀬樹木医ありがとうございました。
株式会社トシ・ランドスケープ
樹木医 中村雅俊
樹木医 髙尾聡司
よくある質問
Q1. 神代植物公園の「植物多様性センター」とは、どんな施設ですか。
2012年4月29日に開園した、神代植物公園の施設です。東京都に自生する野生植物を、奥多摩・武蔵野・伊豆諸島のゾーンに分けて展示し、植物の保全にも取り組んでいます(東京都公園協会)。
Q2. 造園技能士の「要素試験」とは何ですか。
実技試験のうち、枝葉を見て樹種名を答える試験です。今は「判断等試験」と呼ばれています。令和7年度の試験問題では、2級は115種から15本、1級は20本(うち5本は1級だけの46種から)が出題されています。
Q3. 樹木医補とは、どんな資格ですか。
日本緑化センターに登録された大学などで所定の科目を修めた卒業生が認定を受ける資格です。樹木医補の認定後1年以上の人は、樹木医の研修を受ける対象になります(日本緑化センター)。
出典・参考情報
・公益財団法人東京都公園協会「神代植物公園」「神代植物公園 植物多様性センター」
・調布市「深大寺水車館」
・一般財団法人日本緑化センター「樹木医制度」「樹木医・樹木医補」「樹木医になるまで」
・広島県「樹木医制度について」
・厚生労働省職業能力開発局「造園技能検定試験の試験科目及びその範囲並びにその細目」(平成21年3月)
・中央職業能力開発協会 技能検定試験問題公開サイト(造園 1級・2級、令和7年度)
・埼玉県花と緑の振興センター「技能検定(造園)実技試験のうちの『判断等試験』対象樹木の園内展示状況」
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