街路樹診断カルテは、どこから読めばよいのか。東京都建設局「令和3年度 街路樹診断等マニュアル」の記載例(外観診断判定 B2)を使い、基本情報、活力診断、周囲長比率、部位診断、所見、判定、機器診断、処置、診断概要図、次回診断までを、樹木医が表と裏の順に1欄ずつ解説します。
樹木診断を委託すると、1本の木につき表と裏の2ページのカルテが届きます。表にはチェックの付いた四角が並び、裏には木のスケッチと写真が貼られています。チェックの数は多いのに、結局この木は危ないのか、何をすればよいのかが分かりにくい。そう感じたことのある管理者の方は少なくないと思います。カルテは、上から順に読むと、診断した人がどう考えて判定にたどり着いたかが追えるように作られています。
この記事では、マニュアルに載っている「街路樹診断カルテ記載例」(様式Ⅲ-2・1、2、p.48・49)を、欄ごとに読んでいきます。マニュアルの記載例は、外観診断で B2(著しい被害が見られる)と判定され、機器診断まで行われた木で、カルテのほとんどすべての欄が埋まっています。診断項目の中身(木槌の打診や鋼棒の刺し方など)は樹木医は街路樹診断で何を見ているか(前編)に書きました。ページ番号は、すべて上記マニュアルのものです。
街路樹診断カルテはどんな書類か 表と裏の12の欄
下の2枚は、マニュアルに載っている街路樹診断カルテの記載例(表 p.48、裏 p.49)です。カルテの画像はマニュアルのページを加工せずに引用し、左の❶〜⓬の番号と線だけを当社が付けました。この記事では、この番号の順に欄を読んでいきます。

街路樹診断カルテ記載例(表)。出典: 東京都建設局「令和3年度 街路樹診断等マニュアル」p.48 様式Ⅲ-2・1 より引用(ページの画像は加工せず、左の番号と線は当社が付記)

街路樹診断カルテ記載例(裏)。出典: 東京都建設局「令和3年度 街路樹診断等マニュアル」p.49 様式Ⅲ-2・2 より引用(ページの画像は加工せず、左の番号と線は当社が付記)
カルテは1本の木につき1組で、表(様式Ⅲ-2・1)と裏(様式Ⅲ-2・2)の2ページです。外観診断は、樹木全体を見て樹勢と樹形から活力を診る活力診断と、根元・幹・骨格となる大枝の状態を診る部位診断から成り、カルテの項目に沿って診断し、その結果から外観診断判定を出します(p.15)。表の上から下へ、裏の上から下へと読むと、診断の順番と判定の理由がそのまま追えます。
マニュアルは、カルテの欄ごとに書き方を定めています。とくに、外観診断の活力診断・部位診断・外観診断判定の欄はすべて埋めること、処置の欄は原則としてすべての木について書くことが決まりです(p.45)。
❶ 基本情報 どの木を、いつ、誰が診たか

カルテ記載例の❶ 基本情報の欄(出典: 東京都建設局「令和3年度 街路樹診断等マニュアル」p.48 より引用)

樹高・幹周・枝張(イラストは当社作成)
いちばん上には、事務所名、路線名、樹木医、診断日、樹木番号、樹高、幹周、枝張、樹種名を書き、植栽形態と支柱の状態にチェックを入れます(p.45)。記載例は、樹高8.1m、幹周165cm、枝張10.2m、植栽形態は植栽帯、支柱はなし、です。
樹高と枝張は木の大きさ、幹周は地上1.2mの高さの幹の太さを表します。この3つの数字は、後で出てくる周囲長比率や機器診断の数字を読むときの物差しになります。支柱の欄の「なし」は、支柱が無くても問題が無いという意味ではなく、今の状態をそのまま書いたものです。支柱が要るかどうかは、裏の処置の欄で判断されます。
❷ 活力診断 樹勢と樹形を5段階で診る

カルテ記載例の❷ 活力診断の欄(出典: 東京都建設局「令和3年度 街路樹診断等マニュアル」p.48 より引用)
活力診断では、樹勢(枝の伸び、梢の枯れ、葉の大きさや色など)と、樹形(主幹や骨格となる大枝の枯れや欠け、枝の密度と配置など)を、それぞれ1(良)から5(不良)の5段階で評価します(p.18・19)。活力度が3以上の木は、所見を必ず書く決まりで、書かれていないカルテは成果品として認められません(p.18)。

活力度の5段階(イラストは当社作成)
樹勢と樹形の数字から、次の表で活力判定を出します。
| 樹勢・樹形の活力度 | 活力判定 |
|---|---|
| どちらも1か2 | 健全か健全に近い |
| 3がある(4・5はない) | 注意すべき被害 |
| 4はあるが、5はない | 著しい被害 |
| 5がある | 不健全(撤去・植え替え) |
出典: 東京都建設局「令和3年度 街路樹診断等マニュアル」p.18 表Ⅲ-2・1
記載例は樹勢3・樹形3で、活力判定は「注意すべき被害が見られる」です。所見には「枝先・梢端に枯れが多い」「歩道側の枝が少なく、偏った樹形になっている」とあります。樹勢の3の理由が梢の枯れ、樹形の3の理由が枝の偏り、と1行ずつ対応しているのが分かります。なお、活力判定の時点で「不健全」になった木は、部位診断で問題が無くても外観診断判定は不健全になります(p.18)。
❸ 周囲長比率 被害の幅は、その高さの周囲の何割か

カルテ記載例の❸❹ 部位診断の欄(出典: 東京都建設局「令和3年度 街路樹診断等マニュアル」p.48 より引用)

周囲長比率の求め方。数字は記載例のもの(東京都建設局「令和3年度 街路樹診断等マニュアル」p.21・p.48 をもとに当社作図。断面は模式図)
部位診断の最初の3行(樹皮枯死・欠損・腐朽、芯に達していない開口空洞、芯に達した開口空洞)は、被害の大きさを「周囲長比率」で表します。被害のある所の幅を測り、その高さでの幹の周囲の長さで割った値です。1/3未満か1/3以上かにチェックを入れ、3項目のうち最も大きい被害について、計算の式を書きます(p.21・23・24)。
記載例では、根元が 10cm ÷ 180cm = 5.6%、幹が 15cm ÷ 150cm = 10.0% です。どちらも1/3(約33%)未満です。ここで、基本情報の幹周は165cmなのに、根元は180cm、幹は150cmになっている点に気づかれると思います。周囲長比率の分母は「その部位における周囲長」(p.21)、つまり被害のある高さで測った周囲です。根元は地際に向かって太く、幹の上の方は細くなるので、地上1.2mで測る幹周とは別の数字になります。

樹皮欠損の幅を測る(イラストは当社作成)
1/3と1/2は、判定の大きな境目です。樹皮の枯死・欠損と、芯に達していない開口空洞では、幹や根元で周囲長比率が1/2以上で被害が進んでいれば「不健全」とし、芯に達した開口空洞では1/3以上で被害が進んでいれば「不健全」とします(p.21・23・24)。同じ1/3以上でも、被害が進んでいるか、回復に向かっているかで判定が変わる点も、表の読みどころです。
❹ 部位診断 根元・幹・大枝の「なし・あり」と括弧の中
部位診断は、根元・幹・骨格となる大枝の3列に、項目ごとに「なし」「あり」をチェックし、「あり」のときは括弧の中に中身を書きます。根元は、ルートカラーの部分(地際から高さ20cm程度まで)を指します(p.20)。括弧に何を書くかは、マニュアルで決まっています(p.46)。
| 項目 | 括弧に書くこと(マニュアル) | 記載例の書き込み |
|---|---|---|
| キノコ(子実体) | 種類など | 根元: コフキタケ/大枝: シイサルノコシカケ |
| 木槌打診(異常音) | 異常音の程度(大小)と範囲(地面からの高さ) | 根元: 大 G.L.0〜0.2m/幹: 大 G.L.0.2〜1.8m |
| 虫穴・虫フン・ヤニ | 種類など | 大枝: コスカシバ |
| 根元の揺らぎ | 揺らぎの程度(大小) | 小 |
| 鋼棒貫入異常 | 鋼棒が入った深さ(cm)、芯に達していれば「芯達」 | 32/60cm 芯達 |
| 巻き根 | 切除できるかどうか | 切除可 |
| ルートカラー | (見えないとき)深植えや盛土の深さ・高さ | 見える |
| 不自然な傾斜 | 傾斜の程度と方向 | 小 |
| 枯枝 | 元口の直径(φ、cm)と長さ(L、m) | φ35cm、L1.5m |
| スタブカット | 切除できるかどうか | 切除可 |
| 建築限界越え | 枝は越えている長さと高さ、幹は越え幅と高さ | 車道側の枝: GL4.0mで0.1m越え |
出典: 東京都建設局「令和3年度 街路樹診断等マニュアル」p.46 表Ⅲ-2・23、p.48 様式Ⅲ-2・1(記載例)
ここからは、記載例に書かれた所見を、根元・幹・骨格となる大枝の部位ごとに、絵で1つずつ見ていきます。カルテの文字だけでは想像しにくい「その木で何が見つかったのか」が分かると、判定と処置の理由が読みやすくなります。
根元 キノコ・樹皮欠損・鋼棒の芯達・揺らぎ・傾斜・巻き根

根元のキノコは、土を10cmほど掘り下げて腐朽の状況を確かめます(イラストは当社作成)
根元には、コフキタケ(コフキサルノコシカケ)が出ていました。コフキタケは、傘が半円形で表面が灰白色〜灰褐色、粉をふくように放たれた胞子に覆われてチョコレート色に見えるキノコです(参考資料 p.122)。根元にキノコが出ているときは、木に傷を付けないように気をつけながら、シャベルで10cmほど掘り下げて腐朽の状況を確かめます(p.28)。コフキタケは腐朽させる力が強く、根元や幹の下の方に出ると根返り(倒木)のおそれにつながるため、機器診断が必要とされています(p.29)。そのすぐそばには、10cm×10cmの樹皮欠損(その高さの周囲180cm)もありました。表の周囲長比率の根元の式(10÷180)は、この傷の数字です。

鋼棒貫入異常の「32/60cm 芯達」。幹の直径60cmに対して、鋼棒が水平に32cm入り、中心を越えている(イラストは当社作成)
鋼棒貫入異常は「芯達」です。括弧の「32/60cm」は、幹の直径60cmに対して、鋼棒が水平に32cm刺さった、という書き方です。半径の30cmを超えて入っているので「芯達」、つまり根株の中心まで腐朽が及んでいるおそれがある、という記録になります。鋼棒が芯に達していれば根株診断が必要とされ、判定は「著しい被害」です(p.37)。鋼棒は、根元に腐朽や空洞が推測される形が見られたときだけ刺します。必要以上に刺すと、健全な根株を傷つけるおそれがあるからです(p.37)。

揺れは、押す人と地際を見る人の2人で確かめます(イラストは当社作成)
根元の揺らぎは「小」、不自然な傾斜は「小」で、所見では「樹幹傾斜(小:歩道側)」と方向まで書かれています。傾きの方向は、裏面の立地平面図にも矢印で描かれています。

巻き根(イラストは当社作成)
巻き根は「切除可」です。巻き根は、根元の幹を締め付けるように巻き付いて伸びる根のことで、括弧には切除できるかどうかを書きます(p.46)。切除の作業は、処置の欄の「剪定(巻き根)」につながります。
幹 打診の異常音・芯に達した開口空洞・ガードパイプとの接触

木槌打診の異常音の範囲は、地面からの高さ(G.L.)で書きます。記載例の幹は「大 G.L.0.2〜1.8m」(イラストは当社作成。高さの比率は説明用の目安)
木槌打診の範囲は、根元が G.L.0〜0.2m、幹が G.L.0.2〜1.8m で、どちらも異常音は「大」です。根元を地際から20cmまでとする決まり(p.20)どおりに、0.2mの所で根元と幹の欄が分けて書かれていて、二つを合わせると地際から1.8mまで、切れ目なく音が濁っていることが分かります。G.L.(グラウンドライン)は地面の高さのことで、G.L.1.8mは地面から1.8mの高さです。裏面の診断概要図では、この帯の中の1.2〜1.6mが「極大」と書かれています。

ウレタンが詰められた幹の開口空洞の大きさを測る(イラストは当社作成)
幹には、芯に達した開口空洞があります。診断概要図には「幹・空洞(芯達)(ウレタン充填) 123×15(150)×26/39」とあり、空洞の口は縦123cm・幅15cm、その高さの周囲は150cmです。過去に空洞へ発泡ウレタンが詰められていることも分かります。続く「26/39」は鋼棒貫入異常と同じ書き方で、幹の直径39cmに対して鋼棒が26cm入った、つまり芯に達していることを表しています。芯に達した開口空洞は、周囲長比率が1/3未満でも、被害が進んでいれば「著しい被害」になります(p.24)。

所見の「幹のガードパイプ接触あり」(イラストは当社作成)
所見の1行目には「幹のガードパイプ接触あり」とあります。部位診断の項目には無い内容ですが、周りの事情として所見に書く決まりです(p.45)。幹が太るにつれて、接触した所の樹皮がすれたり、幹が管を包み込んだりします。
骨格となる大枝 枯枝とキノコ・スタブカット・コスカシバ

太い枯枝と、枯枝に出たキノコ(模式)。破線は切る位置(イラストは当社作成)
大枝には、元口の直径35cm・長さ1.5mの枯枝があり、同じ枝にキノコ(シイサルノコシカケ)が出ていました。中枝・大枝や長さ30cm以上の枯枝は、落ちたときの危険から「著しい被害」とされます(p.26)。所見は「要剪定」で、診断概要図には切る位置が線で書き込まれています。剪定の位置に配慮が要る枯枝は、診断概要図に望ましい剪定位置を書く決まりです(p.26)。上の絵のキノコは、枯枝に出る棚状のキノコを模式的に描いたものです。

スタブカット(イラストは当社作成)
スタブカット(切り残した枝)は、診断概要図では直径7cm・長さ0.2mです。直径3cm以上や長さ20cm以上のスタブカットは、落ちたときの影響が大きくなるおそれがあるので「著しい被害」とし、速やかに切除するのが望ましいとされています(p.27)。所見は「要切除」です。

コスカシバの食痕。穴から褐色の虫フンの混じったヤニが出る(イラストは当社作成)
大枝には、コスカシバの食痕が多数ありました。コスカシバはサクラ類などの幹や枝の樹皮の下を幼虫が食べる穿孔性の害虫で、穿入孔などから、褐色の虫フンの混じったヤニ状のものが出てきます。被害が多くなると樹勢が衰え、枯れる場合もあります(参考資料 p.128)。診断概要図には、コスカシバの食痕による樹皮欠損が「15×10 2ヶ所」「20×5 2ヶ所」と書かれています。
建築限界と周りの事情

建築限界越え。車道側は高さ4.5m、歩道側は2.5m(イラストは当社作成)
建築限界越えは、車道側の枝が「GL4.0mで0.1m越え」です。車道側の建築限界は高さ4.5m(重要物流道路は4.8m)で、その内側に枝が入っていることを、越えている枝の長さと高さで書いています(p.7・p.46)。所見の最後の行には「歩道側にぶつ切り剪定が多い」ともあり、これまでの剪定のしかたも記録されています。

根上がり・舗装クラック(イラストは当社作成)
所見の1行目の「根系による縁石の持上げ及び舗装への乗上げあり」も、部位診断の項目には無い周りの事情です。根が舗装や縁石を壊している場合は補修が必要になる、とされています(p.45)。
❺ 所見 チェックの中身を文章で読む

カルテ記載例の❺ 所見の欄(出典: 東京都建設局「令和3年度 街路樹診断等マニュアル」p.48 より引用)
所見欄には、部位診断で「なし」「見える」以外にチェックした項目について、被害の形・寸法・範囲・程度を分かりやすく書きます。剪定などを速やかに行うべき場合はその旨を書き、項目に無いこと(小枝の枯れ、根による舗装の持ち上げ、周辺の工事による根の傷みなど)も書く決まりです(p.45)。
記載例の所見は10行あり、根元から幹、大枝、建築限界の順に並んでいます。そのうち、次の行が「次に何をするか」を指しています。
| 所見の書き込み | 次の作業 |
|---|---|
| 根元にキノコ(コフキタケ)あり 鋼棒貫入異常(芯達)あり 根元に樹皮欠損あり 要根株診断 |
根株診断(機器診断) |
| 根元から幹にかけて広範囲に木槌打診音異常(大)あり 要腐朽診断(G.L.1.2m) |
地上1.2mでの腐朽診断(機器診断) |
| 枯枝(大)あり 同枝にキノコ(シイサルノコシカケ)あり 要剪定 |
枯枝の剪定 |
| スタブカットあり 要切除 |
スタブカットの切除 |
| 巻き根あり(切除可) | 巻き根の切除 |
出典: 東京都建設局「令和3年度 街路樹診断等マニュアル」p.48 様式Ⅲ-2・1(記載例)
「要〜」という書き方は、診断した人から次の作業への申し送りです。所見の中で「要」の付いた行を拾うと、その木に必要な作業の一覧になります。ほかの行(根による縁石の持ち上げ、ガードパイプとの接触、歩道側のぶつ切り剪定など)は、判定や処置を考えるときの周りの事情として読みます。
❻ 部位判定 部位ごとに、最も悪い項目の判定を採る

カルテ記載例の❻ 部位判定の欄(出典: 東京都建設局「令和3年度 街路樹診断等マニュアル」p.48 より引用)
部位判定は、根元・幹・骨格となる大枝のそれぞれに、「健全か健全に近い」「注意すべき被害が見られる」「著しい被害が見られる」「不健全」の4段階でチェックを入れる欄です。その部位の診断項目のうち、最も悪い判定を採ります(p.44)。項目ごとの判定の基準は、マニュアルの各項目の判定基準の表(p.21〜43)に決められています。
記載例は、根元・幹・大枝のどれも「著しい被害が見られる」です。根元は鋼棒貫入異常(芯達)とコフキタケ、幹は打診の異常音(大)、大枝は太い枯枝(φ35cm)とスタブカットが、それぞれの判定基準の表で「著しい被害」に当たります(p.26・27・30・32・37)。幹には芯に達した開口空洞(1/3未満)もあり、こちらは被害が進んでいるかどうかで「注意すべき被害」か「著しい被害」かが分かれます(p.24)。
部位判定の下には、「剪定が必要」「機器診断が必要」の2行があります。記載例では、大枝に「剪定が必要」、幹に「機器診断が必要」のチェックがあります。所見の「要〜」と合わせて読むと、どの部位にどの作業が要るのかがはっきりします。
❼ 外観診断判定 活力判定と部位判定の悪い方

カルテ記載例の❼ 外観診断判定と判定理由の欄(出典: 東京都建設局「令和3年度 街路樹診断等マニュアル」p.48 より引用)

記載例の判定の流れ(東京都建設局「令和3年度 街路樹診断等マニュアル」p.18・p.44・p.65〜67 をもとに当社作図)
外観診断判定は、活力判定と部位判定の悪い方を採ります(p.44)。記載例は、活力判定が「注意すべき被害」(B1 相当)、部位判定が「著しい被害」(B2 相当)なので、外観診断判定は B2 です。判定の基準は次のとおりです。
| 判定 | 基準(要約) |
|---|---|
| A 健全か健全に近い | 樹勢・樹形の活力度が1か2で、ほかの項目に異常が無いか、軽微で処置の必要が無い |
| B1 注意すべき被害が見られる | 活力度が3、または今後の活力の低下や腐朽の進行が予測され、簡易な処置が必要 |
| B2 著しい被害が見られる | 活力度が4、または幹や根の腐朽が進み、何らかの処置が必要 |
| C 不健全 | 活力度が5、または幹や根の腐朽が著しく回復の見込みが無い、倒木や幹折れの危険がある |
出典: 東京都建設局「令和3年度 街路樹診断等マニュアル」p.44 表Ⅲ-2・22(要約)
判定理由の欄には、判定の根拠を活力診断と部位診断の結果から書きます(p.44)。記載例の判定理由は「根元にコフキタケあり。鋼棒貫入異常(芯達)あり。根元から幹にかけて木槌打診音異常が認められ、内部に腐朽空洞が広がっていると考えられる。枯枝は大きく、腐朽が進行しており、落枝による危険性が高い。」です。見えている事実(キノコ・鋼棒・打診音・枯枝)から、見えない内部の状態(腐朽空洞の広がり)と、起こりうること(落枝)を推し量る、という順で書かれています。カルテを受け取ったら、まずこの判定理由を読むと、その木の要点がつかめます。
❽ 機器診断 測定データと t/R率

カルテ記載例の❽ 機器診断の欄(出典: 東京都建設局「令和3年度 街路樹診断等マニュアル」p.48 より引用)
外観診断で機器診断が必要とされた木は、機器で幹や根株の内部を測り、その結果をこの欄に書きます。記入するのは機器診断を行った人です(p.45・65)。記載例には、2か所の測定データがあります。
| 測定データ | 部位 | 腐朽空洞率 | t/R率(①〜④の4方向) |
|---|---|---|---|
| 1 | G.L.1.2m(幹) | 31.2% | 0.441、0.453、0.423、0.435 |
| 2 | 根株 | 30.1% | 0.727、0.180、0.244、0.659 |
出典: 東京都建設局「令和3年度 街路樹診断等マニュアル」p.48 様式Ⅲ-2・1(記載例)
所見の「要腐朽診断(G.L.1.2m)」と「要根株診断」が、そのまま測定データ1と2になっていることが分かります。腐朽空洞率は断面のうち腐朽や空洞が占める割合の目安、t/R率は残っている健全な材の厚さ(t)を半径(R)で割った値です。t/R率が0.3未満の場合は折損の危険性が高い場合があるので注意を要する、とされています(p.66 表Ⅲ-4・2)。記載例の根株は、②0.180と③0.244の2方向が0.3を下回っていて、腐朽空洞率の数字だけでは見えない偏りが読み取れます。
この2つの数字の出し方と読み方は、レジ(Resi PD)のカルテを例に、レジ(Resi PD)の診断カルテの読み方とレジ(Resi PD)の根株診断カルテの読み方で詳しく書きました。
❾ 総合判定 外観と数字を合わせて、最後は人が決める

カルテ記載例の❾ 総合判定の欄(出典: 東京都建設局「令和3年度 街路樹診断等マニュアル」p.48 より引用)
総合判定は、外観診断判定と機器診断の腐朽空洞率をもとに、総合的に判断して出します(p.65)。腐朽空洞率には、判定ごとの参考基準値があります。
| 総合判定 | 腐朽空洞率の参考基準値 |
|---|---|
| A | 10%未満 |
| B1 | 10%以上30%未満 |
| B2 | 30%以上50%未満 |
| C | 50%以上 |
出典: 東京都建設局「令和3年度 街路樹診断等マニュアル」p.66 表Ⅲ-4・1
記載例は、外観診断判定が B2、腐朽空洞率が31.2%と30.1%で、総合判定は B2 です。判定理由は「根元にコフキタケや鋼棒貫入異常が見られ、機器診断の結果、大きな腐朽空洞が認められた。」です。
マニュアルは、機器の測定値は腐朽の大きさや形によって実際と差が出ることがあり、t/R率と合わせて確かめること、沿道の条件や歩道の幅、植栽の環境や土地利用も考えて判定することを求めています(p.65)。さらに、機器診断で腐朽空洞が確認できなかったとしても、機器診断の結果だけで総合判定を出さず、外観診断の結果と合わせて考えるよう注意しています(p.65 注1)。数字は判断の材料で、決めるのは診断した人です。なお、機器診断を行わない木は、外観診断判定がそのまま総合判定になります(p.45)。
❿ 処置 裏面の最初に、何をするかが書かれている

カルテ記載例の❿ 処置の欄(出典: 東京都建設局「令和3年度 街路樹診断等マニュアル」p.49 より引用)
裏面のいちばん上は処置の欄です。処置の欄は、原則としてすべての木について書きます(p.45)。記載例は次のとおりです。
| 欄 | 記載例 |
|---|---|
| 必要性 | あり |
| 緊急性 | なし |
| 観察 | 要観察(短期周期) |
| 内容 | 剪定(枯枝、支障枝、風圧軽減、スタブカット、巻き根) |
| 摘要 | 樹木全体のバランスをとるため、公園入り口側に伸びる枝を強く剪定する 風圧軽減のため、樹高を2/3程度に低減する必要がある |
出典: 東京都建設局「令和3年度 街路樹診断等マニュアル」p.49 様式Ⅲ-2・2(記載例)
処置の方針は総合判定ごとに決められていて、B2 の木は、職員による日常的な観察や委託作業の中での点検に加え、各種の適切な処置を行い、必要に応じて植え替え(撤去)も検討する、とされています。観察は短い周期で行い、剪定の種類として枯枝剪定、支障枝剪定、風圧軽減剪定、スタブカット切除、巻き根切除が挙げられています(p.68 表Ⅳ-1・1)。記載例の処置は、この方針に沿った組み合わせです。
「必要性」と「緊急性」は分けて読みます。記載例は、処置は必要だが、今すぐ立ち入りを止めるような緊急性は無い、という判断です。摘要の「樹高を2/3程度に低減」は、腐朽空洞を抱えた幹と根株にかかる風の力を減らすための剪定で、木を残しながら危険を下げる処置の考え方です。
処置は、マニュアルでは次の7つに分けられています(p.68〜88)。記載例で選ばれたのは①観察と②剪定ですが、ほかの処置も、カルテの処置の欄に同じ形でチェックが入ります。
① 観察 短い周期と長い周期

観察(イラストは当社作成)
観察は、職員による日常的な観察や、ほかの委託作業の中での点検で、落枝や倒木、枯死木など、異常や危険が見つかったら報告するものです(p.70)。B1 は長い周期、B2 は短い周期の観察が方針で、記載例は B2 なので「要観察(短期周期)」です(p.68)。
② 剪定 枯枝・支障枝・風圧軽減・スタブカット・巻き根

風圧軽減剪定。点線は剪定前の樹冠、矢印は剪定前後の高さ(イラストは当社作成)
記載例の処置は、剪定の5つすべてにチェックが入っています。枯枝や折れ枝などの支障枝は、幹の組織を傷つけず、切り残しが生じない正しい位置で切り戻し、直径5cm以上の切り口には癒合剤を塗ります(p.70)。風圧軽減剪定は、根の張り具合に対して樹冠が大きい場合などに、切返し剪定による樹冠の縮小や、枝抜き剪定による間引きで行うものです。マニュアルは、いきなり強剪定で樹冠を詰めるのではなく、目標の樹形を定め、数年かけて計画的に樹高や枝張りを縮小していくことを求めています(p.73)。摘要の「樹高を2/3程度に低減」も、その目標として読むのが自然です。

スタブカットは枝の付け根の正しい位置で切り直す(イラストは当社作成)
スタブカットは、枝の付け根の正しい位置で切り直して取り除きます。

巻き根の切除。切除できるのは直径2cm程度未満の根(イラストは当社作成)
巻き根の切除は、切断できる巻き根(直径2cm程度未満の根)を、ほかの根や幹を傷つけないように剪定ばさみや鋸で切り、切り口に癒合剤を塗ります(p.73)。
③ 樹体保護 支柱の設置

樹体保護(支柱)(イラストは当社作成)
樹体保護は支柱の設置です。マニュアルは、支柱はあくまでも倒木防止の応急処置で、その後の経過観察で根元の揺らぎなどが改善されない場合は、更新などを検討する必要があるとしています(p.75)。括弧には支柱の種類を書きます(p.46)。
④ 植栽基盤の改善 土を直す

植栽基盤の改善(マルチング)(イラストは当社作成)
植栽基盤の改善は、客土・土壌改良、過湿や乾燥への対策、踏圧の防止、施肥などです(p.68)。乾燥が著しい場合は、保水材を混ぜたり、堆肥などで土の表面をマルチングしたりして、水分の蒸散を抑える方法が有効とされています(p.81)。括弧には改善の方法(酸素管、マルチング、施肥、樹木保護盤など)を書きます(p.46)。
⑤ 根上がり 根の伸び方を誘導する

根上がりの対策(防根シート)(イラストは当社作成)
根上がりの対策には、S.S.M工法による根の誘導、防根シートによる根の伸びの制御、植栽用エッジング、縁石を使った根上がりの防止、根系の切除と補修があります(p.68)。防根シートは、折り曲げられるポリエステルやポリプロピレンのシートで根の伸びを制御し、根上がりなどを防ぐものです(p.85)。
⑥ 病虫害防除

病虫害防除(イラストは当社作成)
農薬の使い方は農薬取締法で定められていて、飛散を防ぐ措置も求められています。枝葉の限られた病虫害には被害枝の剪定などが有効で、大量の発生が予想される場合は、樹幹注入も検討するとされています(p.88)。括弧には、防除の対象とする病虫害の名前と方法を書きます(p.46)。
⑦ 更新 撤去と植え替え

更新(植え替え)(イラストは当社作成)
更新は、撤去と植え替えです。植え替えるときは、歩道・車道の幅や沿道の土地利用、植栽基盤や風・日照などの立地条件を考えて、その場所に合った樹種を選びます。同じ場所で植えた木が不健全になることが続く場合は、更新のときに原因を取り除いておく必要がある、とされています(p.88)。C 判定の木の処置方針は更新で、B2 の木は必要に応じて検討します(p.68)。
⓫ 立地平面図・診断概要図・写真 異常の位置を絵で確かめる

カルテ記載例の⓫ 立地平面図と診断概要図の欄(出典: 東京都建設局「令和3年度 街路樹診断等マニュアル」p.49 より引用)

1本の木で、外観診断が見る傷みの場所(イラストは当社作成)
処置の下には、立地平面図、診断概要図、写真を貼ります(p.47)。
立地平面図は、木の位置、植樹桝を含む周りの様子、方角、沿道、根元の状態が分かるように描く図です。記載例には、車道と歩道、ガードパイプ、標識、電柱、マンホール、隣の公園、そして根による縁石の持ち上げと舗装への乗り上げ、巻き根、歩道側への傾斜(小)の向きが描き込まれています。所見の文章で書かれた周りの事情を、地図の上で確かめられます。
診断概要図は、木全体の樹形をスケッチし、腐朽や空洞など異常のある箇所を書き込む図です。枝が道路の境界を越えている場合などは、望ましい剪定の位置も書き込みます(p.47)。記載例のスケッチには、次のような書き込みがあります。
- 枯枝「φ35、L=1.5m キノコ(シイサルノコシカケ) 要剪定」と、切る位置を示す線
- 大枝のスタブカット「φ7、L=0.2m 要切除」
- 幹の空洞「(芯達)(ウレタン充填) 123×15(150)×26/39」。123×15は空洞の口の縦と幅(cm)、(150)はその高さの周囲(cm)で、表の周囲長比率の幹の式(15÷150)と同じ数字です。続く「26/39」は鋼棒貫入異常と同じ書き方で、幹の直径39cmに対して鋼棒が26cm入った、つまり芯に達していることを表しています
- 根元の樹皮欠損「10×10(180)」、根元のキノコ(コフキタケ)、巻き根、鋼棒貫入異常(芯達)
- 木の横の縦の帯「異音(大)0.0〜1.8m」と、その中の「1.2〜1.6m 極大」
- 「R」の印(1.2mと根株)。機器診断で測った位置
表の所見と部位診断の書き込みが、診断概要図ではどこにあるかを1つずつ指でたどると、木のどの高さのどちら側に何があるのかが立体的に分かります。打診の帯の中に「1.2〜1.6m 極大」とあり、腐朽診断の測定位置(R)がちょうど1.2mにあることも、スケッチを見ると納得がいきます。

カルテ記載例の⓫ 写真の欄(出典: 東京都建設局「令和3年度 街路樹診断等マニュアル」p.49 より引用)
写真は、異常のある箇所を貼り、必ず説明を付けます(p.47)。ベッコウタケ、ナラタケ、ナラタケモドキ、コフキタケが出ている場合は、必ず写真を貼って説明を書く決まりです(p.16)。記載例では、根元のコフキタケ、枯枝、巻根の3枚が貼られています。カルテに収まらない写真は、別紙に貼って添付します(p.16・47)。
⓬ その他特記事項・次回診断・位置座標

カルテ記載例の⓬ その他特記事項・次回診断・位置座標の欄(出典: 東京都建設局「令和3年度 街路樹診断等マニュアル」p.49 より引用)
裏面のいちばん下は、その他特記事項、次回診断、位置座標です。特記事項は、所見欄に書ききれないことや項目に無いことを書く欄です(p.47)。
次回診断は、総合判定に応じて内容と時期が決まります(p.67)。
| 総合判定 | 次回の診断 | 時期 |
|---|---|---|
| A | 外観診断 | 5〜10年後 |
| B1 | 外観診断(前回の被害の変化に注意) | 5〜10年後 |
| B2 | フォローアップ診断(必要に応じて機器診断) 5年以上続けたら外観診断 |
1〜3年後 |
| C | ―(更新=撤去・植え替え) | ― |
出典: 東京都建設局「令和3年度 街路樹診断等マニュアル」p.67 表Ⅲ-4・3
B2 の時期は、被害の状況に応じて1年から3年の範囲で決めます。著しい樹勢の衰えや穿孔虫の被害のように短い期間で進むおそれがある場合や、腐朽空洞率が50%に近い場合は1年後、30%程度でほかに大きな被害が無く活力が旺盛な場合は3年後、が例として挙げられています(p.67)。記載例は、フォローアップ診断(要機器診断、測定部位 G.L.1.2m・根株)を2年後に行う、としています。腐朽空洞率が30%台で、根株に t/R率0.3未満の方向がある木に、間の2年を選んだ、と読めます。
位置座標は、世界測地系(WGS84)の緯度・経度を書きます(p.47)。台帳の番号と位置座標がそろっていると、次の診断で同じ木にたどり着けます。
カルテを受け取ったら確かめたいこと

根元を確かめながら、カルテに書き込む(イラストは当社作成)
最後に、カルテを受け取った管理者の方が、表と裏を通して確かめておきたい点をまとめます。
- 判定理由が書かれているか。問題や異常があるのに所見や判定理由が書かれていないカルテは、成果品として認められないとされています(p.65)。活力度3以上の所見も同じです(p.18)
- 所見の「要〜」と、処置・機器診断の欄がそろっているか。申し送られた作業が、処置の内容や測定データに反映されているか
- 所見と診断概要図・写真が対応しているか。文章に書かれた異常が、スケッチのどこにあり、どの写真に写っているか
- 総合判定と次回診断がそろっているか。B2 なら、フォローアップ診断の時期と年度が書かれているか(p.67)
現場での経験から言うと、カルテは判定の A から C だけを見て終わりにされがちです。けれども、同じ B2 でも、記載例のように剪定と短い周期の観察で残していく木もあれば、植え替えを検討する木もあります。その違いは、判定の記号ではなく、所見と判定理由と処置の欄に書かれています。
診断のご相談、仕様書づくり、イラストの使用について
当社の樹木診断は、診断して判定を出すところで終わりません。判定に合った剪定や支柱、植栽基盤の改善といった処置、その後の経過観察や長期の管理計画まで、同じ樹木医が一貫してお受けしています。カルテの内容を「次に何をするか」までつなげたい管理者の方は、ご相談ください。
また、自治体・行政の方からの、樹木診断の仕様書や点検要領の作成に関するご相談にも対応しています。この記事に載せた当社の透かし入りのイラストを、仕様書や説明資料などに使用されたいご希望があれば、あわせてお問い合わせページからお知らせください。
よくある質問(Q&A)
Q1. 街路樹診断カルテには、何が書かれているのですか?
A. 1本の木の外観診断と、その後の機器診断・総合判定・処置・次回診断までの記録です。東京都建設局の令和3年度 街路樹診断等マニュアルの様式では、表に基本情報、活力診断、部位診断、所見、部位判定、外観診断判定、機器診断、総合判定を、裏に処置、立地平面図、診断概要図、写真、次回診断、位置座標を書きます。
Q2. 外観診断判定の A・B1・B2・C は、どう決まるのですか?
A. 樹勢と樹形の活力度から出す活力判定と、根元・幹・骨格となる大枝ごとに最も悪い項目を採る部位判定の、悪い方を採って決めます。A は健全か健全に近い、B1 は注意すべき被害が見られる、B2 は著しい被害が見られる、C は不健全です。
Q3. 周囲長比率とは何ですか?
A. 樹皮の枯死・欠損や開口空洞の幅を、被害のある高さで測った幹の周囲の長さで割った値です。1/3未満か1/3以上かをカルテに記入し、被害が進んでいるかどうかと合わせて判定します。分母は被害のある高さの周囲なので、地上1.2mで測る幹周とは数字が違うことがあります。
Q4. 外観診断判定と総合判定は、何が違うのですか?
A. 外観診断判定は、目視と道具による外観診断だけで出した判定です。総合判定は、外観診断判定に機器診断の腐朽空洞率などを合わせ、沿道の条件や立地も考えて出す最終的な判定です。機器診断を行わない木は、外観診断判定がそのまま総合判定になります。
Q5. B2 と判定された木は、次にいつ診断するのですか?
A. 東京都のマニュアルでは、B2 の木は1年から3年後に、前回の被害に焦点を当てたフォローアップ診断を行い、必要に応じて機器診断も行います。時期は被害の状況で決め、短い期間で被害が進むおそれがある場合や腐朽空洞率が50%に近い場合は1年後、30%程度でほかに大きな被害が無い場合は3年後が例として挙げられています。
出典・参考情報
東京都建設局「令和3年度 街路樹診断等マニュアル」第Ⅲ章 街路樹診断について 2 外観診断(p.14〜49。様式Ⅲ-2・1、2 街路樹診断カルテ記載例 p.48・49)、4 総合判定(p.64〜67)、第Ⅳ章 1 樹木の処置について(p.68)。本文のページ番号はすべて同マニュアルのものです。カルテの記載例(p.48・49)の画像は、解説のために同マニュアルから引用しました(ページの画像は加工しておらず、❶〜⓬の番号と線は当社が付記)。周囲長比率・判定の流れの図は、同マニュアルをもとに当社が作図しました。
記事中のイラストは、株式会社トシ・ランドスケープの説明用イラストです。診断の手順は上記マニュアルで確かめて描いていますが、絵は説明のための簡略化で、実際の判定はカルテの基準と現地の状況によります。
関連記事
樹木医は街路樹診断で何を見ているか(前編) 東京都の街路樹診断等マニュアルの流れで、樹木点検と外観診断の18項目を解説
樹木医は街路樹診断で何を見ているか(後編) 機器診断のt/R率と腐朽空洞率、総合判定、処置、フォローアップ診断
レジ(Resi PD)の診断カルテの読み方 実際のカルテで、9つの欄を樹木医が1つずつ解説
レジ(Resi PD)の根株診断カルテの読み方 俯角40度・補正直径・未測定部分を、実際のカルテで樹木医が解説
樹木点検表の読み方 15項目の○と点検結果の決まり方を、樹木医が1欄ずつ解説します
※ 「レジストグラフ」は、穿孔抵抗測定器を指す通称として、日本の樹木診断の現場で広く使われています。ただし、RESISTOGRAPH® は RINNTECH 社(ドイツ)の登録商標で、当社が使用している「レジ(Resi PD)」は IML 社(ドイツ)の製品です。両者は製造しているメーカーが異なります。呼び名の違いは「レジストグラフ・貫入抵抗測定器とは何か」で説明しています。
株式会社トシ・ランドスケープ
樹木医 中村雅俊




















