ルートディテクター(Root Detector)は、根元をたたいた音が土に差したセンサーへ届く速さを幹の周りで測り、太い根のありかを図にするファコップ社の機器です。測り方と、土を掘って確かめた研究から分かった得意・不得意を、ほかの根の調べ方とあわせて樹木医が解説します。
ハンガリーのFakopp(ファコップ)社の樹木診断機器をひとつずつ取り上げる連載の第9回です。前回は、自然の風で揺れる根元の傾きから根の支えを見るダイナルートを取り上げました。根の支えの強さは数字で見積もれても、「どちらの向きに、太い根が張っているか」は、その方法では分かりません。今回は、土を掘らずに根のありかを探す機器、ルートディテクターを、メーカーの公開資料と研究論文をもとに紹介します。
先に答え
- ルートディテクターは、根元に付けたセンサーをハンマーでたたき、その音が土に差したセンサーへ届くまでの時間を測る機器です。音は土の中より根の中を速く伝わるので、速く届いた位置の近くに太い根があると考えます。
- 土のセンサーを、ひもで幹からの距離をそろえながら、幹を囲む円の上で少しずつ動かして測ります。1回の測定は約1時間とされています。
- 結果は、速さを白から黒の濃淡で並べた図になります。濃い点が続く向きが、太い根の張っている向きの見当です。
- 土を掘って確かめた研究では、捉えやすいのは地表から約30cmまでの浅い根でした。根のある所を根と出せたのは6割弱で、隣の木の根を拾った例もあります。
- 根の位置の見当をつける道具で、根の強さ(倒れにくさ)を直接測るものではありません。強さは、静的負荷試験(引張り試験)やダイナルートの役目です。

根元をたたいた音は、土の中より根の中を速く伝わる。太い根の近くに差したセンサーには、音が早く届く(イラストは当社作成)
根は、見えないところで木を支えている
木の倒れ方には、幹が折れる倒れ方と、根元から根ごと倒れる根返りがあります。根返りを心配するとき、知りたいのは土の中の太い根の張り方ですが、それは外からは見えません。
国土技術政策総合研究所の「街路樹の倒伏対策の手引き」(第2版)は、根株の腐朽や土との隙間、根の切断、土の盛り上がりといった弱点が外観で見つかり、腐朽などが疑われるときは、土を掘って根を調べるとしています。掘るのは根株の周りの地表から30cm程度の深さで、植樹帯のような狭い所では根が絡み合っていることが多いので、傷めないよう注意が要るとも書かれています。最近は、圧縮空気で土を吹き飛ばす方法(手引きでは「エアースコップ」)が多く使われています。
東京都の「街路樹診断等マニュアル」も、太い根が根上がりの原因になっているときは、試掘などで根の伸びる範囲をつかんでから対策を選ぶのが望ましいとしています。
掘れば根を直接見られますが、手間がかかり、舗装や埋設物のある街なかでは掘れない場所も少なくありません。掘る前に、太い根のありそうな向きの見当をつけたい。その求めに応えるのがルートディテクターです。
ルートディテクターとは──根は、土より音を速く伝える
ファコップ社の製品ページは、この機器の考え方を「音は土より根の中を速く伝わる」と一言で説明しています。この方法を開発した大学の研究者の解説(Buza & Divós 2016)によると、土の中の音の速さは土の種類と水分によって約250〜400m/s、根の中は2,000〜4,000m/sです。根が土のセンサーの近くにあると、音は根を通って早く届き、伝わる時間が大きく縮みます。
この方法は、ハンガリー・ショプロンの西ハンガリー大学(当時)で開発され、大学の植物園で試されました。幹の断面を音で描くアーボソニック3Dと同じく、「音が伝わる時間」を使う機器です。
製品ページによると、単独の機器としても、アーボソニック3Dの一式に足す形でも売られています。
構成と仕様
取扱説明書(2026年7月版)と製品ページによると、一式は次の部品でできています。
| 部品 | 役目 |
|---|---|
| スタートセンサー | 根元の幹に、とげを根の方へ向けて付ける、ハンマーでたたいて音を出す側(SD02 ピエゾセンサー、6mのケーブル) |
| ソイルセンサー | 土に差して音を受ける側(高周波のジオフォン)、釘と一体の型と、2023年からの交換式の釘(30cm・80cm)に磁石のヘッドを付ける型がある |
| アンプボックス(黒) | 2つのセンサーをつなぐ箱、つなぐ順番は問わない |
| バッテリーボックス(灰) | 9V電池で動き、パソコンへ測った時間を送る |
| ハンマー2本 | スタートセンサーをたたく100gの鋼のハンマーと、ゴムハンマー |
| ひも・巻尺 | ひもは径5mm・長さ8m、幹に回して、ソイルセンサーと幹の距離をそろえる |
| 解析ソフト | パソコンで、位置ごとの時間と速さを記録し、図にする |
出典: Fakopp「Root Detector Manual」(2026年7月7日)p.1〜3、製品ページ(2026年10月に確認)

ルートディテクターの一式。灰色のバッテリーボックス、黒いアンプボックス、根元に付けるスタートセンサー、土に差すソイルセンサー、鋼のハンマー、ひも(イラストは当社作成)
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 1回の測定にかかる時間 | 約1時間(製品ページ) |
| ハンマー | 100g |
| 時間の精度 | ±2µs(100万分の2秒) |
| センサーの数 | 2つ(発信1・受信1) |
| パソコンとの接続 | Bluetooth(2024年以降の機器は BLE で、ペアリング不要)、USB ケーブル |
出典: 製品ページの技術データ、取扱説明書 p.3
交換式のソイルセンサーは、磁石のヘッドを釘に付けるとき、ぱちんと吸い付かせず、端から当ててゆっくり付けるよう取扱説明書は求めています。ヘッドは鉄なので、使ったあとは拭いて乾かし、さびを防ぎます(釘はステンレスです)。

ソイルセンサーは、先を木の方へ向けて斜めに土へ差す。交換式の型は、釘に磁石のヘッドをゆっくり付ける(イラストは当社作成)
測り方
取扱説明書から、測定の流れをまとめると次のとおりです。
- 根元の直径を入れる: 幹の根元の直径をソフトに入れます。キャリパーが無ければ、幹周を円周率で割って求めます。
- 測る円(リング)を決める: 幹の中心からソイルセンサーまでの半径と、隣の測定位置との間隔(cm)を決めます。間隔を広げると点が減り、細かさが下がります。円は複数作れます。
- センサーを付ける: スタートセンサーを根元に付け、ソイルセンサーを先が木の方を向くように斜めに差します。幹に回したひもで、幹との距離をそろえます。
- たたいて記録する: 100gのハンマーで、手首の力を抜いて鋭くたたき、はね返らせます。1か所で少なくとも3回たたいてから記録し、ソイルセンサーを次の位置へ動かします。
- 上から見て時計回りに一周する: 最初の点を北など分かる方角にしておくと、あとで向きが分かります。1本の円を測り終えるたびに保存します。

上から見た配置。リングの半径は幹の中心から測り、センサーどうしの距離は「半径 − 根元の直径の半分」になる。例は根元の直径0.50m、半径1.05mで、距離0.80m(計算で描いた図。当社作成)

根元に付けたスタートセンサーを、100gの鋼のハンマーで鋭くたたく。1か所で3回以上(イラストは当社作成)
スタートセンサー1か所で受け持てる範囲は、幹の太さで変わります。
| 幹の直径 | 1か所で受け持つ範囲 | 一周に要るスタートセンサーの位置 |
|---|---|---|
| 80cm未満 | 120° | 3か所 |
| 80cm以上 | 90° | 4か所 |
出典: 取扱説明書 p.6〜8
ソイルセンサーが円を回るのに合わせて、スタートセンサーも付け替えます。ソフトが示す次の位置の角度を見て、付け替えの時を決めます。

スタートセンサーの受け持ち。幹の直径80cm未満は120°ずつ3か所、80cm以上は90°ずつ4か所で一周する(取扱説明書 p.6〜8 をもとに計算で描いた図。当社作成)

測定の全景。幹に回したひもを張ったまま、ソイルセンサーを円に沿って少しずつ動かし、位置ごとにたたいて記録する(イラストは当社作成)
結果の読み方
ソフトは、位置ごとに、センサーどうしの距離、平均の時間、速さ、たたいた回数、ばらつき(%)を表にします。速さは「距離 ÷ 時間」です。たとえば距離0.80mで時間が1,000µsなら800m/s、4,000µsなら200m/sです。
| 距離 | 伝わる時間 | 速さ | 見方の例 |
|---|---|---|---|
| 0.80m | 4,000µs | 200m/s | 土の中を伝わった速さに近い |
| 0.80m | 2,000µs | 400m/s | 土の速さの上の方 |
| 0.80m | 1,000µs | 800m/s | 根を通った可能性がある |
計算の例(当社作成)。土の速さ約250〜400m/sは Buza & Divós(2016)による。判定の線は測る場所で変わる

速さは「センサーどうしの距離 ÷ 伝わる時間」。同じ0.80mでも、根を通ると時間が縮み、速さが大きくなる(計算で描いた図。当社作成)
図は、遅い点を白、速い点を黒とする濃淡で、測った位置に点を並べます。白と黒の境の値(v_min と v_max)は、土の種類や水分、根の太さで大きく変わるため決まった値が無く、測るたびに合わせます。取扱説明書は、まず「v_max = 測った最大の速さ × 0.8、v_min = v_max ÷ 2」から始めて調整するよう勧めています。取扱説明書は、2つの測定位置の速さがともに範囲の真ん中より速いとき、ソフトがその2点を黒い線で結ぶと説明しています。説明書の画面の例では、線は根元の円から内側の円の濃い点へ、さらに外側の円の濃い点へと伸びています。濃い点と線が外へ続く向きが、太い根の張っている向きの見当になります。

結果の図の見方。中央の茶色の円が根元、点の濃さが速さ。濃い点が外のリングまで続く向きに、太い根がありそうだと読む(模式図。値は説明のための例。当社作成)。【2026-10-13 再確認2で描き直し】前の版は同じリングの隣どうしを結び根元からの線が無かったので、取扱説明書の画面の例に合わせて線と凡例を直した(作業用/draw_figures.py の root_map。前の版は 旧版/rootdetector-root-map_2026_1012同じ円の隣どうしを結ぶ版.jpg。入稿メモ【要確認】8)
図と表は、画像や Excel に書き出せます。表の「ばらつき」は同じ位置でたたいた時間の変動係数で、大きく外れた値は消してたたき直せます。
研究から見る、得意と不得意
開発者の解説(2016年)
Buza氏とDivós氏の解説は、先行の報告を引いて、直径4cmからの根を捉え、20cm以上離れた2本の根を見分けられ、深さは最大50cmまでとしています。円に沿って10〜15cm刻みで測り、円を広げて繰り返す使い方です。一方で、4cm未満の根は見えず、深さは約0.5mまでという限界も、はっきり書いています。
同じ研究者らがまとめた教材(Divós ほか 2021)には、根の地図から安全率を出してみた試みも載っています。ナラタケの被害の有無が違う2本のドイツトウヒで、根のありかから根鉢の広さを見積もって安全率を計算すると、値は引張り試験の半分にも届きませんでした。2本の比(引張り試験1.68、根の地図1.53)は近く、傾向は合っていたとしていますが、教材自身が「根の地図と安定性との相関はごく限られる」と注意しています。
オリーブを掘って確かめた研究(2020年)
イタリアのProto氏らは、22年生のオリーブ2本で、幹の表面から40・80・120cmの3つの円の上を10°ごとに測り(1本108点)、そのあと圧縮空気で深さ約1mまで土を除いて、根の形を3次元で記録しました。1本は、深さ0〜30cmの層で、音の速さと根の量(密度)がよく対応しました(相関係数は最大0.718)。深くなると対応は弱まり、もう1本はどの深さでも対応が見られませんでした。根の太さとは、ほとんど対応しませんでした。
著者らは、捉えやすいのは深さ30cmまで(横に張る根の量の35%より多くがその層にある場合)、幹からの距離は胸高直径の約6倍までとしています。160cmの円は、速さが半分ほどに落ちてばらつきも大きく、使えませんでした。2本だけの試験だという限界も、著者ら自身が書いています。
アガチス6本の正解率(2025年)
インドネシアのTaufiqurrachman氏らは、アガチスの6本(根が地表に出た3本と、埋まった3本)で、幹の中心から80cmの円を10°ごと(約14cm)に36点測り、そのあと半径100cm・深さ30cmを手で掘って照らし合わせました。速さ400m/sを超えることなどを根の目安にしています。
| 項目 | 結果 |
|---|---|
| 全体の正解率(216点) | 82.87% |
| 根がある所を根と当てた率 | 57% |
| 根の無い所を土と当てた率 | 90% |
| 根の直径と速さの相関係数 | 0.456(3つの要素の中で最も高い) |
| 捉えた根 | 直径5cm以上の根に加えて、2cm未満・2〜5cmの根も一部 |
| 気を付ける点 | 根が埋まった木では隣の木の根も拾った、土を根と誤った点はすべての木にあった |
出典: Taufiqurrachman ほか(2025)
全体の正解率は8割を超えますが、中身を見ると、根の無い所はよく当たり、根のある所の当たり方は6割に届きません。また、製品ページは「他の木の根や管に乱されない」と書いていますが、この研究では隣の木の根も拾っています。根の太さとの関係も、2020年の研究とは結果が分かれました。

研究で示された、捉えやすい範囲の目安。深さは約30cmまで(開発者の解説では最大50cm)、幹からの距離は胸高直径の約6倍まで(Proto ほか 2020、Buza & Divós 2016 をもとに当社作成)。【2026-10-13 再確認2で作り直し】図の下の出典の行を、原文(more than 35%)に合わせ「35%以上」から「35%より多く」に直した(作業用/compose_range.py。Codex の絵は同じ。色付き・白黒/・透かしなし/ を作り直し、前の版は 旧版/…_2026_1012出典35%以上.jpg。入稿メモ【要確認】8)
ほかの根の調べ方との違い
| 方法 | 分かること | 気を付ける点 |
|---|---|---|
| 土を掘る(手掘り・圧縮空気) | 根の位置・太さ・腐朽を直接見られる、腐朽が疑わしい根は貫入抵抗測定器やドリルで健全な厚さも測れる | 手間がかかる、舗装や埋設物のある所では難しい、掘るときに根を傷めない注意が要る |
| 探り棒(先の丸い金属の棒を土に押し込む) | 当たった手応えと音で、浅い根の通り道を地面に印せる | 棒の長さ(多くは1.5m未満)より深くは探れない、舗装の下は探れない |
| ルートディテクター(音の速さ) | 掘らずに、浅い所の太い根の向きの見当がつく | 深い根や細い根は捉えにくい、根があっても出ないことがある、土を根と出すこともある |
| 地中レーダ(電波の反射) | 台車を押して歩くように測れる、舗装の下の根を捉えた研究もある | 水分の多い土で効きにくい、乾いた根は捉えにくく、枯れた根や空の管は根と見分けにくい、近い2本の根を1本と見ることがある |
| 電気抵抗の画像(電極を並べる) | 土の層ごとの変化から、太い根や土の水分の動きを見られる | 根の調査としては、まだ試験的な方法とされる |
出典: 国総研「街路樹の倒伏対策の手引き」第2版 4.2.6、Divós ほか(2021)p.96〜104、Buza & Divós(2016)、Proto ほか(2020)、Taufiqurrachman ほか(2025)
地中レーダは、使う電波の周波数で見え方が変わります。上の教材は総説(Guo ほか 2013)を引いて、周波数の高いものは約0.25cmの細かさで地表から35〜70cmまで、低いものは約4cmの細かさで深さ250cmに届くこともあると紹介しています。また、900MHzの地中レーダで直径1.9cmより太い根ははっきり捉えた一方、近くに並んだ2本の根は1本と見分けられなかった、という研究も引いています。
音の方法の利点として開発者が挙げるのは、測っている木の根元から出た音を受けるので、「その木の根」を捉えられる点です。ただ、上のとおり隣の木の根を拾った報告もあるので、木が密に植わった場所では、結果を慎重に読む必要があると考えます。
当社の考え方
当社は、根元の様子を外観診断で診て、根株の腐朽が疑われるときはレジ(Resi PD)で根株を測っています(根株診断カルテの読み方)。ただ、レジやピカス、アーボソニック3Dが診るのは幹や根株の材の中で、土の中の根がどの向きに張っているかまでは分かりません。
ルートディテクターは、根の強さを数字で出す機器ではなく、「掘る前に、根のありそうな向きをつかむ」ための機器だと読みました。研究が示すとおり、捉えやすいのは浅い所の太い根で、根があっても出ないことや、「根がある」と出た点が外れることもあります。根の調べ方の中で使うなら、結果だけで根の有無を決めず、外観の観察や、必要な所の試掘と組み合わせる使い方が合っていると考えます。当社も、根を直接確かめる必要があるときは、圧縮空気で土を吹き飛ばして根を出す調べ方(エアースコップ)を行っています。根の支えの強さを数字で見るには、静的負荷試験(引張り試験)やダイナルートが別にあります。
静的負荷試験(引張り試験)の考え方は、IML社の機器を扱った連載のツリーキネティックの回でも紹介しています。
株式会社トシ・ランドスケープのツリーリスクアセスメント(樹木診断)部門では、樹木医が外観診断から機器診断、報告書の作成、その後の管理計画までを一貫して担当しています。根上がりや根元の傾きなど、根が心配な樹木がありましたら、樹木診断のサービスページをご覧のうえ、お問い合わせフォームからのご相談をお待ちしています。
次回は、木材グレーダーなど樹木診断の周辺の製品と、この連載のまとめです。
株式会社トシ・ランドスケープ
樹木医 中村雅俊
よくあるご質問(ルートディテクター Root Detector について)
Q1. ルートディテクターでは何が分かりますか?
A. 根元をたたいた音が、土に差したセンサーへ届く速さを、幹を囲む円の上で測ります。速く届いた位置の近くに太い根があると考え、太い根の張っている向きの見当をつけます。
Q2. どのくらいの太さと深さの根まで分かりますか?
A. 開発者の解説は、直径4cmからの根を、深さ最大50cmまでとしています。土を掘って確かめた研究では、捉えやすいのは地表から約30cmまでの浅い根でした。それより細い根を捉えた研究もありますが、当たる率は太い根より低くなりました。
Q3. 隣の木の根や埋設管と見分けられますか?
A. メーカーは、他の木の根や管に乱されないとしています。一方で、根が埋まった木で隣の木の根も拾ったという研究があります。木が密に植わった場所では、結果を慎重に読む必要があります。
Q4. 測るのにどのくらい時間がかかりますか?
A. 製品ページは1回の測定を約1時間としています。オリーブの研究では、3つの円で1本108点を測り、設置と記録に1人で約45分かかったと報告されています。
Q5. 測定で木や根を傷めませんか?
A. 土を掘らずに測る方法です。根元の幹にセンサーのとげを刺して付け、土には金属の棒のセンサーを差します。掘って根を出す調べ方に比べると、根に触れる範囲はずっと小さくなります。
Q6. 根返りへの安全率まで分かりますか?
A. この機器は根のありかの見当をつけるもので、安全率を直接は出しません。開発した研究者らの教材も、根の地図と安定性との相関はごく限られると注意しています。根の支えの強さを数字で見積もるには、静的負荷試験(引張り試験)や、自然の風で根元の傾きを測るダイナルートを使います。
Q7. 地中レーダとは何が違いますか?
A. 地中レーダは電波の反射で土の中の物を探すため、枯れた根や空の管などを根と見分けにくいとされます。ルートディテクターは、測っている木の根元から出た音を受ける点が違います。ただし、浅い所の太い根に向くなど、得意な範囲には限りがあります。
出典・参考情報
メーカーの資料(いずれも2026年10月に確認)
・Fakopp「Root Detector」製品ページ(英語) 原理、使い方、パッケージ、技術データ
・Fakopp「Root Detector Manual」2026年7月7日(PDF・英語) 構成(p.1〜2)、原理(p.2)、接続(p.3〜4)、根元の直径とリングの設定(p.4〜5)、センサーの置き方とたたき方(p.6〜8)、表の欄(p.9)、表示の濃淡(p.10)、書き出しと片付け(p.13)
行政の手引き
・国土交通省 国土技術政策総合研究所「街路樹の倒伏対策の手引き」第2版(2019年2月、国総研資料第1059号)4.2.6 詳細診断の方法(根系診断)、別冊 p.1-54・1-59
・東京都建設局「令和3年度 街路樹診断等マニュアル」p.83(根上がり)
研究
・Divós, F., Buza, Á.K., Bejó, L., Kolařík, J. ほか (2021) Advanced tree assessment – manual for professionals: Instrumental tree assessment(Erasmus+ Tree Assessor 事業の教材。PDF・英語) 根の探し方(p.96〜104)、根の地図と安全率の試み(p.106〜107)
・Buza, Á.K. & Divós, F. (2016) Root stability evaluation with non-destructive techniques. Acta Silvatica et Lignaria Hungarica 12(2): 125–134
・Proto, A.R., Di Iorio, A., Abenavoli, L.M. & Sorgonà, A. (2020) A sonic root detector for revealing tree coarse root distribution. Scientific Reports 10: 8075
・Taufiqurrachman, M., Syafitri, U.D., Chun, G.M. & Karlinasari, L. (2025) Assessing the accuracy of a root detector in mapping radial tree root distribution. Journal of Forest Science 71(8): 406–415
樹木診断機器(ピカス・レジ・アーボソニック3D)の記事
機器の解説・導入・研修
・ダイナルート(DynaRoot)の仕組みと根切りの影響──自然の風と根元の傾きから根返りの安全率を見積もる方法と、根を切ると安全率がどう下がるかを樹木医が解説
・ダイナツリー(DynaTree)の仕組みと考え方──自然の風で根元の傾きと幹の伸び縮みを測り、根返りと幹折れの安全率を見積もる方法を樹木医が解説
・ファコップ(Fakopp)の静的負荷試験(引張り試験)──根元の傾きと幹の伸び縮みから根返りと幹折れの安全率を見積もる方法と、動的な試験との違いを樹木医が解説
・マイクロセコンドタイマー(Microsecond Timer)の仕組みと使いどころ──幹の2点間を音が伝わる時間を測るファコップ社の機器と、ツリーソニックタイマー・ウルトラソニックタイマーを樹木医が解説
・ブルートゥースキャリパー(Fakopp Bluetooth Caliper)の役割と測り方──センサーどうしの距離で幹の形を登録する道具を、校正から太い幹の測り方まで樹木医が解説
・アーボエレクトロ(ArborElectro)の仕組みと測り方──電気の通りやすさで幹の断面を描き、腐朽の初期を探るインピーダンストモグラフを樹木医が解説
・アーボソニック3D(ArborSonic 3D)の仕組みと得られる結果──センサーの数、測れる太さ、断面画像と安全率の読み方を樹木医が解説
・ファコップ社とは──アーボソニック3Dをつくるハンガリー・ショプロンの樹木診断機器メーカーと、製品の全体像を樹木医が解説
・IML社の樹木診断機器の点検・校正とセミナー──連載のまとめとして、外観診断から総合判定までの流れで機器の使いどころを樹木医が解説
・IML社の樹木診断機器のソフトウェアとクラウド──IML Tree InspectionとPD-Tools Proで、測ったデータを診断の材料にする方法を樹木医が解説
・フラクトメーター(IML Fractometer)の仕組みと考え方──成長錐で抜いた木材の芯を折り、腐朽による強さの低下と壊れ方を読む方法を樹木医が解説
・マイクロハンマー(IML Micro Hammer)の仕組みと使いどころ──幹の2点間を音が伝わる時間で内部を推し量る予備調査の機器を樹木医が解説
・テンション(PiCUS Tension)の仕組みと使いどころ──土の水の取りにくさをpFで記録し、植栽直後の潅水を判断する方法を樹木医が解説
・ツリーモーション(PiCUS TreeMotion)の仕組みと使いどころ──自然の風で根元の傾きを測り、根の支えを読む方法を樹木医が解説
・ツリーキネティック(PiCUS TreeQinetic)の仕組みと考え方──ロープで木を引き、根返りと幹折れの安全率を見積もる静的負荷試験(引張り試験)を樹木医が解説
・キャリパー(PiCUS Calliper 3)の役割と測り方──幹の形を三角測量で測り、断面画像の精度を上げる方法を樹木医が解説
・トロニック(PiCUS TreeTronic 3)の構成と測り方──電気抵抗で断面を描き、音波の画像と重ねて読む方法を樹木医が解説
・ピカス(PiCUS Sonic Tomograph 3)の構成と測り方──測定点の数、キャリパーの扱いを樹木医が解説
・IML-RESI FシリーズとMD300──ワックス紙に曲線を刻むレジと、手で感じる機械式の穿孔器を樹木医が解説
・IML-RESI PowerDrill(PDシリーズ)の機種とオプション──レジ(Resi PD)7機種の違いと選び方を、樹木医が解説
・IML社とは──レジ(Resi PD)とピカスをつくるドイツの樹木診断機器メーカーを、樹木医が解説
・レジ(Resi PD)の根株診断カルテの読み方 俯角40度・補正直径・未測定部分を、実際のカルテで樹木医が解説
・レジ(Resi PD)の診断カルテの読み方 実際のカルテで、9つの欄を樹木医が1つずつ解説
・樹木医は街路樹診断で何を見ているか(後編) 機器診断のt/R率と腐朽空洞率、総合判定、処置、フォローアップ診断
・樹木医は街路樹診断で何を見ているか(前編) 東京都の街路樹診断等マニュアルの流れで、樹木点検と外観診断の18項目を解説
・アーボソニック3Dの使い方を、道具から断面画像の色の見方まで──取扱説明書と現場の写真で樹木医が解説
・アーボソニック3Dとは何か 音で幹の断面を樹木診断する診断機器を、樹木医が一般の方向けに解説します
・レジストグラフ・貫入抵抗測定器とは何か。樹木医がレジ(Resi PD)で幹の中を「針」で診る機器診断を、一般の方向けに解説します
・ピカス(PiCUS)とは何か。音波と電気抵抗で幹の断面を診る樹木診断機器を、樹木医が解説します
・樹木診断機器Resi PD500の「Overload feed motor」エラー 原因は針でも設定でもなく、テレスコープ内のサポーターの曲がりでした
・音で、樹木の中を視る 非破壊樹木診断機器「ドクターウッズ」
・樹木診断 無料モニター募集
・PiCUS(ピカス)導入のお知らせ 樹木診断(機器診断) 非破壊診断×微破壊診断で、樹木診断を世界水準へ
・樹木診断機器 IML社製 レジ(Resi PD)について
・樹木模擬診断研修会を終えて 人の眼 × 機械の眼が拓く、新しい都市樹木管理のかたち
・東京都「街路樹診断等マニュアル」の要点と、国土交通省の点検・診断の指針(案)──大型化・老木化する街路樹・公園樹木の管理を樹木医が解説
・樹木医がイギリスの樹木診断に学ぶ ― 都市の樹木を守るための対話と発見
機器診断の記録
・山梨県都留市・西涼寺様 樹木医による霊木ケヤキの樹木診断 ピカス・ツリートロニック・レジとドローンで診た結果と、残すための3つの対策
・埼玉県内の伝統校 樹木医によるクスノキ2本の機器診断 ピカスで幹の内部を診る
・樹木医が街路樹エンジュの樹木診断と伐採後の腐朽具合の答え合わせ
・山形県での出張樹木診断 樹木医によるピカス、レジでの診断検証
・診断した木を、その日のうちに伐る──ピカス・アーボソニック3D・レジを同一木のサクラで比べた「樹木診断機器比較研修会」千葉県習志野市
・都有施設80万本の樹木一斉点検 約14,000本(速報)の「異状あり」を、樹木医はどう読むか
・港区三田 薬王寺様の境内 樹木診断 地上と樹上、樹木医がふたつの視点で木の内側を読む
・砧公園で4回目の倒木 樹木医として思うこと
・【ツリーケア最前線】樹木医が語るレジ(Resi PD)診断とロープワークの統合 相模原市での樹木診断レポート
・樹木医による都内の学校施設でのサクラの樹木診断 豊島区
・学校施設 ケヤキなど樹木医診断 東京都
・公園樹木診断 樹木医による機器診断・根株診断(レジ) 東京都
・マンション内のイチョウ(銀杏) 樹木医診断(機器診断) 東京都大田区
・公園のサクラ(桜)を樹木医が樹木診断(機器診断)しました
・樹木医 保護樹木サクラ等 樹木診断 東京都杉並区
・学校施設内 桜(サクラ)樹木医診断 東京都
・銀杏岡八幡神社 台東区浅草橋 樹木医診断
・樹木医 サクラ樹木診断(機器診断・レジ)
・樹木医がマンション植栽の危険木調査を行いました
サービス
・樹木診断(ツリーリスクアセスメント部門)
・GREEN MANAGEMENT
※ 「レジストグラフ」は、穿孔抵抗測定器を指す通称として、日本の樹木診断の現場で広く使われています。ただし、RESISTOGRAPH® は Frank Rinn 氏(ドイツ)の登録商標(製品は RINNTECH 社)で、当社が使用している「レジ(Resi PD)」は IML 社(ドイツ)の製品です。両者は製造しているメーカーが異なります。呼び名の違いは「レジストグラフ・貫入抵抗測定器とは何か」で説明しています。
※ この記事の製品名(Root Detector〈ルートディテクター〉、ArborSonic 3D〈アーボソニック3D〉、DynaRoot〈ダイナルート〉、PiCUS TreeQinetic、Resi PD)は、各社の商標または登録商標です。ルートディテクター・アーボソニック3D・ダイナルートは Fakopp 社(ハンガリー)の製品です。Bluetooth は Bluetooth SIG, Inc. の登録商標です。






















