プランター植栽①
港区西麻布の店舗オープンに合わせて
プランター植栽での植栽ディスプレイのご依頼を頂きました。
シンプルで和モダンな
雰囲気を演出する為に、
黒竹をご提案させて頂きました。
港区で手がけたプランター植栽の2つの事例です。店舗前の黒竹(クロチク)と、マンションのテラスに5種の植物を組み合わせた植栽を紹介し、使った植物の性質と、プランターの水やりで気をつけたい根腐れのしくみを、研究機関や行政の資料をもとに書き添えます。
店舗前のプランターに黒竹(クロチク)
- クロチク 植栽 プランター
- クロチク 植栽 プランター
□黒竹(クロチク)
黒い幹と緑色の葉のコントラストが美しく、
昔から坪庭や鉢植えなどで利用されていました。
通常の竹よりも幹も太くなく
高さもあまり大きくならない為、
モダンな雰囲気があります。
日本では昔から掛軸や筆軸などの
伝統工芸品の一部として使用されて
愛されています。
- クロチク 植栽 プランター
- クロチク 植栽 プランター
- クロチク 植栽 プランター
- クロチク 植栽 プランター
クロチクとは──稈が緑から黒に変わる竹
クロチクは、イネ科マダケ属の竹です。植物の和名・学名の索引 YList では、学名を Phyllostachys nigra var. nigra とし、ハチクを同じ種の変種(または品種)として扱っています。中国の植物誌 Flora of China は、稈(竹の幹)は初めは緑色で、年がたつと紫褐色から黒褐色になると記載し、ニュージーランドの植物誌は、2年目に黒くなると記しています。
| 項目 | 資料にあること |
|---|---|
| 分類 | イネ科マダケ属、Phyllostachys nigra var. nigra(YList) |
| 稈の色 | 初めは緑色で、年がたつと黒くなる(Flora of China)、2年目に黒くなる(Flora of New Zealand) |
| 原産 | 中国(Flora of China・北海道大学の植物リスト) |
| 利用 | 床柱・茶道具・装飾材、和歌山県日高町は昭和の終わりに全国一の生産地とされた(和歌山県) |
出典: 米倉浩司・梶田忠「BG Plants 和名−学名インデックス(YList)」、Flora of China Vol.22 p.175(2006年)、Flora of New Zealand Vol.V(2000年)、和歌山県「名匠表彰」、北海道大学 露崎史朗「植物リスト」
マンションのテラスに5種の植物を組み合わせる
プランター植栽②
続きましてマンションのテラス・バルコニーへの植栽の設置事例になります。
コロナウィルスの影響もあるかもしれませんが、
プランター植栽のお問い合わせ、施工のご依頼も
大変多く頂くようになりました。
プランターでの植栽のご依頼は、
新型コロナウィルスでの自粛やリモートワークの関係のある為か
多くのご相談を頂いております。
同じく港区のお客様からテラスでのプランター植栽の
ご相談を頂きました。
すぐ隣りにある自然公園の樹木類との繋がり、
緑が充実した空間感が出せるように
植栽をセレクトしました。
□シイモチ
□シマトネリコ
□マホニアコンフューサ
□星斑入りハラン
□タマシダ
5種の植物の学名と、もともと生えている地域(自生地)を、植物誌や行政の資料で確かめると次のとおりです。日本に自生するものと、海外から入ったものが組み合わさっています。
| 植物 | 学名・科 | 自生地(資料にあること) |
|---|---|---|
| シイモチ | Ilex buergeri、モチノキ科 | 中国南部と日本 |
| シマトネリコ | Fraxinus griffithii、モクセイ科 | 中国南部・台湾・インド・東南アジア、日本では琉球 |
| マホニア・コンフューサ(流通名) | Mahonia eurybracteata(M. confusa はその異名)、メギ科 | 中国(広西・貴州・湖北・湖南・四川) |
| ハラン(星斑入りは園芸品種) | Aspidistra elatior、クサスギカズラ科(以前の分類ではユリ科) | 日本の大隅諸島(黒島・諏訪之瀬島・宇治群島) |
| タマシダ | Nephrolepis cordifolia、タマシダ科 | 本州(伊豆半島より西)・四国南部・九州・沖縄 |
出典: YList(学名・科)、Flora of China Vol.11・15・19・24、林野庁九州森林管理局「屋久島の植物図鑑」(タマシダ)
ファイバークレイ鉢とスポットライトの演出
プランターは
ファイバークレイ鉢 グレー色
で落ち着いた調和するものをしました。
背後のスポットライトで植物を照らし
さらに演出しています。
プランター植栽の水やりと根腐れ
設置環境により水やりの具合は異なりますので、
実際に水やりをしながら注意点などご説明させて頂きました。
プランター植栽では、水やりを気にしすぎて多く水をあげてしまい
根が腐ってしまう「根腐れ」で枯れてしまう事例を多くみてきております。
日照環境(日なた・日陰・室内)やプランターの大きさ(土の量)・植物のサイズ
などによっても水やりの具合は異なりますので注意が必要です。
根腐れは、土の中の水が多すぎて、根が使う酸素が足りなくなることで起こります。広島県の資料は、土壌の水分が多すぎると土の中が酸素不足になり、根腐れを起こすと説明しています。米国バージニア州の大学の普及機関(Virginia Cooperative Extension)の資料も、水が土のすき間を埋めると根に届く酸素が減り、根が伸びなくなってやがて枯れるとしています。

図: プランターの水やり──乾き方を変える条件と、根腐れのしくみ(出典: 広島県、Virginia Cooperative Extension SPES-804P と本文をもとに当社作成)
同じ資料は、小さい鉢は土の量が少ないので早く乾き、大きい鉢は水を多くためること、光が強い場所ほど植物が使う水が増えて土が乾きやすいことも挙げています。そのうえで、水のやりすぎは1回に与える量よりも、水をやる間隔の問題だとしています。本文に書いた日照環境・プランターの大きさ・植物のサイズの違いで水やりの具合が変わるのは、このためです。
まとめ
西麻布の店舗前には、シンプルで和モダンな雰囲気を出すために黒竹を、港区のマンションのテラスには、隣の自然公園の樹木とのつながりを考えて5種の植物を選びました。プランター植栽は、置き場所と鉢の大きさで水の乾き方が変わるため、実際に水やりをしながら注意点をご説明しています。
ご依頼頂きありがとうございました。
株式会社トシ・ランドスケープ
よくある質問
Q1. クロチクの幹は、初めから黒いのですか。
初めは緑色で、年がたつと黒くなります。植物誌には、稈(竹の幹)が2年目に黒くなるという記載があります(Flora of New Zealand)。
Q2. プランターの植物が根腐れするのはなぜですか。
水が多すぎて土のすき間が水で埋まり、根に届く酸素が足りなくなるためです(広島県、Virginia Cooperative Extension)。水のやりすぎは、1回の量よりも水をやる間隔の問題とされています。
出典・参考情報
・米倉浩司・梶田忠「BG Plants 和名−学名インデックス(YList)」
・Flora of China Vol.11(2008年)・Vol.15・Vol.19(2011年)・Vol.22(2006年)・Vol.24
・W.R. Sykes, Flora of New Zealand Vol.V(2000年)
・林野庁九州森林管理局「屋久島の植物図鑑」
・和歌山県「名匠表彰」(黒竹製作・日高町)
・広島県「花き(キク)の気象災害対策」
・Virginia Cooperative Extension「Properly Watering Container Houseplants」SPES-804P(2026年)
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