先に答え
発芽抑制剤は、雑草が生えそろう前に土に散布して、これから芽を出す雑草を抑える除草剤(土壌処理剤)です。すでに生えている雑草を枯らす茎葉処理剤とは、使う時期と役割が違います。当社では、手作業の除草に手間と費用がかかる場所に限って、農薬登録のある製品をラベルの使用方法どおりに使い、事前の周知と散布の記録も行っています。
マンションの除草に手間と費用がかかる場面
植栽や緑地の管理をしていく中で
最も美観の面で大きな影響があるものが雑草の除草になります。
美観上、皆さまが気にされる点であることと合わせて、
管理の手間・費用も非常に重要なポイントとなります。
例えばマンションの植栽管理作業を行っていく中でも、
・砂利が敷かれていても、砂利の下に雑草の生えにくくするシートが施工されておらず、
砂利の間から雑草がたくさん生えてしまっている環境の為、
機械の使用が出来ずに、手作業で雑草を抜く必要がある。
・駐車場のすぐわきに芝地など植栽地があり、
車への養生作業が必須となっている環境の為、
機械での除草をする為に、養生を行うスタッフがもう1名必要となる。
・専用庭やベランダに面した植栽エリアの為、
除草や草刈であまり騒音や、ホコリを舞う事が出来ない環境の為、
養生を行うスタッフの配置や、除草作業後の清掃作業が別途必要になる。
など、養生や清掃、作業を行うスタッフの労力が必要な場面が多くあり、
管理費用の増大にも繋がっています。
そういった環境下で弊社では、
雑草の抑制の為の除草剤や発芽抑制剤の使用を
ご提案させて頂く場合が御座います。
- 除草剤 発芽抑制剤散布 芝生 植栽 雑草
- 除草剤 発芽抑制剤散布 芝生 植栽 雑草
- 除草剤 発芽抑制剤散布 芝生 植栽 雑草
発芽抑制剤とは 除草剤(茎葉処理剤)との違い
除草剤は、使う時期によって大きく2つに分けられます。雑草が生える前に土に散布する「土壌処理剤」と、生えている雑草の茎や葉に散布する「茎葉処理剤」です(公益財団法人 日本植物調節剤研究協会)。発芽抑制剤は前者の土壌処理剤にあたり、これから芽を出す雑草を抑えるのが役割です。すでに大きく育った雑草を枯らす目的には向かないため、生えている雑草には茎葉処理剤を使い分けます。
土壌処理剤(発芽抑制剤)と茎葉処理剤の違いを表にまとめると、次のとおりです。
| 項目 | 土壌処理剤(発芽抑制剤) | 茎葉処理剤 |
|---|---|---|
| 散布する所 | 土の表面 | 生えている雑草の茎や葉 |
| 散布の時期 | 雑草が芽を出す前、大きく育った雑草には向かない | 雑草が生えてから |
| 効き方 | 土の表層に薬剤の層をつくり、芽を出した雑草の芽や根が触れて枯れる | 茎や葉にかけた薬剤で、生えている雑草を枯らす |
| 当社での使い方 | 当社の現場での目安として、3月ごろと10月ごろの年2回 | すでに生えている雑草に使い分ける |
出典: 公益財団法人 日本植物調節剤研究協会「除草剤って何だろう?」、沖縄県 宮古農林水産振興センター農業改良普及課「雑草対策は「予防」から」(土壌処理剤の効き方)、当社での使い方は当社の現場での目安
公園や駐車場、宅地、のり面などの雑草管理に使う除草剤は、「緑地管理用除草剤」と呼ばれています(同協会)。
当社の現場での目安として、春から夏の雑草に向けては3月ごろ、秋から冬の雑草に向けては10月ごろの、年2回の散布を基本にしています。実際の時期と回数は、製品ごとの登録内容(使用時期・使用回数)の範囲で決めます。

芝生に使う製品の選び方(ラベルの作物名)と、散布の当日に守ることは、都内湾岸地域の緑地で行った散布の記録「緑地管理における芝生用除草剤・発芽抑制剤の散布」にまとめています。
除草剤・発芽抑制剤の安全性と農薬登録
除草剤や発芽抑制剤は農薬であり、
自然志向がさけばれる昨今では
使用しないに越したことはありません。
しかし農薬は、野菜作物の生産等を含めて
我々の生活に広く関わりを持っています。
国が定める安全基準を守りながら、適切に使用することが出来れば
景観や生活の質を向上させることが出来ます。
マンションの管理組合様などからも、
除草剤や発芽抑制剤の毒性について多くの質問を頂きます。
農薬登録のある除草剤は、
人畜や環境に対する安全性や効能が試験され、
国の機関に登録されたものになります。
農薬登録のために、メーカーは農林水産省に効能や毒性などについて申請を行い、
これを農薬取締法、毒物及び劇物取締法、食品衛生法などに基づいて、
審査し登録されます。
農薬は、
■特定毒物
■毒物
■劇物
■普通物
に分類されています。
弊社トシ・ランドスケープでご紹介している
除草剤や発芽抑制剤は、農薬の取り扱い上、
すべて「普通物」とされています。
「普通物」は、毒物及び劇物に該当しないものを指していう通称で、各製品のラベルや資料にもそう書かれています。普通物であっても農薬であることに変わりはないため、ラベルの使用方法と注意事項を守ることが前提です。
4つの区分と判定の目安、容器の表示を表にまとめると、次のとおりです。
| 区分 | 判定の目安(口から取った場合の急性毒性、半数致死量) | 容器や包装の表示 |
|---|---|---|
| 特定毒物 | 毒物のうち、毒性が極めて強く、広く使われるなどして危害のおそれが著しいもの | 「医薬用外」の文字と、赤地に白字の「毒物」 |
| 毒物 | 体重1kgあたり50mg以下 | 「医薬用外」の文字と、赤地に白字の「毒物」 |
| 劇物 | 体重1kgあたり50mgをこえ、300mg以下 | 「医薬用外」の文字と、白地に赤字の「劇物」 |
| 普通物 | 上のどれにも当たらないもの | 毒物・劇物の表示は無い(農林水産省の農薬登録情報提供システムでは、製剤毒性の欄が「普」) |
判定は、口から取った場合のほか、皮膚から・吸い込んだ場合の値や、皮膚・眼への刺激なども合わせて行います。出典: 千葉県「農作物病害虫・雑草防除指針」(令和8年度)Ⅳ 農薬安全使用に関する参考資料(2)ア 毒性、「毒物及び劇物取締法」第2条・第12条(e-Gov 法令検索)、農林水産省「農薬登録情報提供システム」
除草剤、発芽抑制剤は、上記の様に登録をされ農薬登録番号を取得してある薬剤を
適切な使用方法で使用をすれば、一般的に思われているほど危険なものではありません。
住宅地・マンションで使うときのルール
学校や公園、街路樹、住宅地に近い場所で農薬を使うときの考え方は、農林水産省と環境省の通知「住宅地等における農薬使用について」(平成25年4月26日)に示されています。通知では、定期的に散布するのではなく、日常の観察で雑草の発生を早く見つけ、機械除草などの物理的な方法で対応するよう最大限努めることとされています。
そのうえで農薬を使う場合は、使用の目的・散布日時・農薬の種類・連絡先を前もって幅広く周知すること、立て看板や立入制限で散布中と散布直後に人が入らないようにすること、使用した年月日・場所・農薬の名称・希釈倍数などを記録して保管することが求められています。マンションの植栽でも、この考え方に沿って、薬剤を使う場所を絞り込んでいます。
通知が公園・街路樹・住宅地の近くの植栽で守るよう求めている主な事項を、散布の前・最中・後の順に並べると、次のとおりです。
- 散布の前: 雑草の有無にかかわらない定期的な散布をやめ、日ごろの観察で雑草の発生を早く見つけ、機械除草などの物理的な方法で対応するよう最大限努める
- 散布の前: やむを得ず使うときも、散布は最小限の区域にとどめる
- 散布の前: 農薬登録のある、その植物に適用のある農薬を、ラベルの使用方法(回数・量・濃度など)と注意事項を守って使う
- 散布の前: 使用の目的、散布日時、農薬の種類、連絡先を、時間に余裕をもって周りの方へ広く知らせる(近くに学校や通学路があれば、時間帯にも配慮する)
- 散布の前: いくつかの農薬を現場で混ぜる「現地混用」はしない
- 散布中: 風の弱い日や時間帯を選び、飛散を抑えるノズルを使い、風向きとノズルの向きに注意する
- 散布中と直後: 立て看板や立入制限の範囲を決め、散布する人以外が入らないようにする
- 散布の後: 使った年月日、場所と対象の植物、農薬の名称、単位面積あたりの使用量か希釈倍数を記録し、一定期間保管する(委託している場合は、委託した側も写しを保管する)
- 散布の後: 体調が悪いという相談があれば、農薬中毒にくわしい病院や日本中毒情報センターの窓口を紹介する
出典: 農林水産省・環境省「住宅地等における農薬使用について」(25消安第175号・環水大土発第1304261号、平成25年4月26日)別紙1の前文と(2)〜(9)を要約
散布につきましては様々なご意見があると思いますが、
子どもやペットが遊ぶ植栽地なのか
もしくは
鑑賞目的の植栽なのか
によって使用する散布する範囲を限定しながら
管理を行っている現場も御座います。
安全性と美観、管理費用の削減、省力化は
常に植栽の管理を行う中でバランスが求められる部分になります。
よくある質問
Q1. 発芽抑制剤と除草剤は、何が違うのですか。
除草剤は、使う時期によって土壌処理剤と茎葉処理剤に分けられます。発芽抑制剤は土壌処理剤にあたり、雑草が生えそろう前に土に散布して、これから芽を出す雑草を抑えます。すでに生えている雑草を枯らすのは、茎葉処理剤の役割です。
Q2. 発芽抑制剤は、いつ散布するのですか。
雑草が芽を出す前が基本です。当社の現場での目安として、春から夏の雑草に向けては3月ごろ、秋から冬の雑草に向けては10月ごろの年2回を基本にし、製品ごとの登録内容(使用時期・使用回数)の範囲で時期と回数を決めています。
Q3. 子どもやペットがいる場所でも使えますか。
当社が使う除草剤・発芽抑制剤は、いずれも毒物・劇物に該当しない「普通物」ですが、農薬であることに変わりはありません。子どもやペットが遊ぶ場所では散布する範囲を限り、事前に周知したうえで、散布中と散布直後は立入りを制限して行います。
Q4. 樹木や芝生の近くで使っても、枯れませんか。
薬剤によって効く植物の範囲が違うため、植えている樹木・芝・地被植物に影響の少ない製品を、登録内容の範囲で選びます。あわせて濃度・散布量・気温を調整し、樹木が傷むリスクを抑えています。
Q5. マンションで除草剤を使うとき、管理組合は何を決めればよいですか。
国の通知では、まず機械除草などの物理的な方法を検討し、農薬を使う場合は目的・日時・農薬の種類・連絡先を事前に周知し、散布区域への立入りを制限し、使用の記録を保管することが求められています。どの場所で薬剤を使い、どの場所を手作業や機械で除草するかを、管理組合と業者で取り決めておくことが大切です。
出典・参考情報
- 公益財団法人 日本植物調節剤研究協会「除草剤って何だろう?」(土壌処理剤と茎葉処理剤、緑地管理用除草剤)
- 農林水産省・環境省「住宅地等における農薬使用について」(平成25年4月26日)
- 農林水産省「農薬登録情報提供システム」(各製品の登録内容)
適切な薬剤の選択や使用できる環境など
今後の植栽管理作業について検討されていらっしゃる場合には
ご相談をお待ちしています。
関連する記録
・マンションの植栽管理に関する考え方について(このテーマのまとめ)
・樹木医による植栽管理における雑草のケミカルコントロール
・緑地管理における芝生用除草剤・発芽抑制剤の散布(当社の事例)
・マンションの雑草管理(ケミカルコントロール)について 神奈川県横須賀市(当社の事例)
・マンション 植栽管理コンサルティング
当社は、マンション・施設・社寺・行政の植栽管理の中で、病害虫の調査と対策を行っています。大きく育った樹木の診断や、高木の剪定もあわせてご相談いただけます。
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