3級造園技能士の試験は、竹垣・縁石・敷石と植栽を標準2時間で作る実技と、60種の中から10本の枝葉を見分ける判断等試験、30問の学科でできています。令和7年度の試験問題をもとに、課題の中身、材料と工具、学科の範囲を、1級造園技能士でもある樹木医がまとめました。
造園技能士の制度の全体と、1級・2級・3級の比べ方は、造園技能士とは 1級・2級・3級の実技と受検資格、取得のメリットにまとめています。この記事は、3級を受ける人が試験の当日までに知っておきたいことを、1本にまとめたものです。試験問題は、中央職業能力開発協会の技能検定試験問題公開サイトで見られます。閲覧だけが認められた公開なので、この記事では問題文や図面を写さず、中身を当社の言葉と模式図でまとめました。数字は2026年10月16日に確認したものです。
3級造園技能士とは ― 初級の技能者の基準
厚生労働省が定める試験の基準では、3級は「造園職種における初級の技能者が通常有すべき技能及びこれに関する知識の程度」を基準にしています(1級は上級、2級は中級)。合格すると3級造園技能士を名乗ることができ、合格証書は都道府県知事名で交付されます。
| 項目 | 3級造園技能士 |
|---|---|
| 主な受検資格 | 造園の実務の経験がある人(年数の定めなし)/造園に関する学科に在学している人・職業訓練を受けている人 など |
| 試験 | 実技試験(製作等作業試験・判断等試験)と学科試験 |
| 合格基準 | 100点満点で、原則として実技試験60点以上、学科試験65点以上 |
| 実施の時期 | 年2回(前期・後期) |
| 次の級 | 3級に合格すると2級を受けられる/3級に合格した後、実務の経験が4年以上で1級を受けられる |
出典: 厚生労働省職業能力開発局「造園技能検定試験の試験科目及びその範囲並びにその細目」、職業能力開発促進法施行規則 第64条の2〜第64条の4、中央職業能力開発協会「技能検定のご案内」
建設業の主任技術者になれる資格や、経営事項審査で点数になる資格として法令に挙がっているのは1級と2級で、3級は入っていません(建設業法施行規則 第7条の3、国土交通省「経営事項審査の主な改正事項(令和3年4月1日改正)」)。3級は、2級・1級へ進む最初の一歩になる級です。
試験の流れ ― 学科、製作等作業試験、判断等試験
3級の試験は、次の3つでできています。
| 試験 | 内容 | 時間 |
|---|---|---|
| 学科試験 | 30問(真偽法)/マークシート | 1時間 |
| 実技 製作等作業試験 | 区画の中に竹垣を作り、縁石・敷石を据えて、低木と下草を植える | 標準2時間、打切り2時間30分 |
| 実技 判断等試験 | 10種類の枝葉を見て樹種名を答える | 5分(1本30秒) |
出典: 中央職業能力開発協会編「令和7年度技能検定 3級造園(造園工事作業)」の学科試験問題・実技試験(製作等作業試験)問題・実技試験(判断等試験)問題

3級の試験の流れ(東京都知事の公告と、中央職業能力開発協会の令和7年度の試験問題をもとに当社作図)
東京都の令和8年度前期では、申請の受付が4月6日〜4月17日、3級の学科試験が7月12日、3級の合格発表が8月28日でした。実技試験は、東京都職業能力開発協会が指定する日に行われます。実技試験の問題は6月3日に公表されると告示されていました。手数料は、実技試験18,200円(35歳未満は9,200円、在校生は12,100円・35歳未満なら3,100円)、学科試験3,100円です(東京都知事「令和8年度技能検定前期実施について」令和8年3月2日)。
実技 製作等作業試験 ― 令和7年度の課題を詳しく
令和7年度の3級の課題は、幅2m・奥行1.5mの区画の中に、竹垣、縁石・敷石、植栽の順に作業するものでした。標準時間は2時間で、超えると、超えた時間に応じて減点されます。

3級の製作等作業試験の課題(令和7年度前期の試験問題の施工図をもとに当社が描いた模式図)
| 作るもの | 位置と大きさ(施工図から) | 仕様の要点 |
|---|---|---|
| 竹垣 | 区画の奥の左寄り/柱の間0.9m、高さ0.9m | 胴縁2段と立子4本を、立子ごとに決められた結び方でシュロ縄で結ぶ |
| 縁石 | 区画の中央から左手前 | 自然石5個を施工図のような曲線に並べ、細長い縁石2本とつなぐ |
| 敷石 | 区画の手前の中央と右 | 3枚を平らに据える |
| 植栽 | 区画の左と、縁石・敷石のそば | 低木1株と下草3株を施工図の位置に植える |
出典: 中央職業能力開発協会編「令和7年度技能検定 3級造園(造園工事作業)実技試験(製作等作業試験)問題」の仕様と施工図を、当社がまとめたもの
竹垣 ― 立子ごとに結び方が決まっている
3級の竹垣は、丸太柱2本の間に胴縁を2段渡し、縦の立子4本を結ぶ、目の大きな垣です。施工図の詳細図では、柱の間が0.9m、地面から柱の頭までが0.9mで、胴縁は地面から約0.2mと約0.5mの2段、柱の外へ0.15mずつ出ます。立子は、柱のすぐ脇の2本(立子b)と、その間に0.3m間隔の2本(立子a)です(寸法は詳細図から当社が読み取ったもの)。
| 部材 | 支給される材料 | 使い方の主な指定 |
|---|---|---|
| 丸太柱 | 末口6cm・長さ約1.4mが2本 | 天端は切りそろえる |
| 胴縁・立子 | 唐竹 15〜20本じめ(4節上り、回り7〜9cm)2本 | 胴縁は元と末を交互に使い、末節止めにして丸太柱にくぎで止める/立子は末節止め |
| シュロ縄 | 径3mm・長さ25m(黒)1束 | 試験場に水の入ったバケツが用意される |
| くぎ | 長さ65mm 5本 | 胴縁を丸太柱に止める |
出典: 同上(仕様と支給材料の表)
結束は、立子ごとに結び方が決まっています。中の2本(立子a)はシュロ縄2本使いの裏綾掛けいぼ結び、柱の脇の2本(立子b)はシュロ縄2本使いの裏二の字いぼ結びで、どちらも、しりはいぼの上端から20mmで切りそろえます。胴縁を柱に掛ける所(くい掛け)も、シュロ縄2本使いです。
| 立子 | 結び方(試験問題の仕様) |
|---|---|
| 立子a(中の2本) | シュロ縄2本使いの裏綾掛けいぼ結び(しりはいぼの上端から20mm) |
| 立子b(柱の脇の2本) | シュロ縄2本使いの裏二の字いぼ結び(しりはいぼの上端から20mm) |
出典: 同上(仕様(1))

3級の竹垣のつくり(令和7年度前期の試験問題の詳細図と仕様をもとに当社が描いた模式図)
受ける人にいちばん伝えたい難所は、この竹垣の結束です。立子ごとに違う結び方を、どの交わりでもそろった形で締めるところに、手の確かさが出ます。私は3級を受けずに2級から受けましたが、3級の竹垣の結びは、2級の四つ目垣、1級の竹垣へとつながる土台になります。

竹と鉈(なた)、シュロ縄を使う作業(当社の現場)
縁石と敷石 ― 曲線と高さをそろえる
| 材料 | 寸法 | 数量 |
|---|---|---|
| 縁石(自然石) | 径15〜20cm程度・厚さ5cm以上 | 8個(予備を含む) |
| 縁石(石材又はコンクリート製) | 長さ60cm×幅10cm×厚さ10cm程度 | 2個 |
| 敷石(石材又はコンクリート製) | 30cm×30cm・厚さ6cm程度 | 3個 |
出典: 同上(支給材料の表)
仕様では、縁石と敷石は平らに、施工図に示すように据えます。自然石の縁石は5個を使って、施工図のような曲線にします。施工図の断面図では、縁石を地面から5cm、敷石を地面から3cm出す形です。掘り出した土は、区画の中の整地に使います。
植栽
低木1株(サツキツツジ等、高さ0.3m・幅0.3m)と下草3株(ヤブラン・オオバジャノヒゲ等、3芽立ち、コンテナ径10.5cm)を、施工図の位置に植えます。低木は区画の左、自然石の縁石の奥に植える配置です。
持っていく工具
使える工具は、試験問題の「使用工具等一覧表」に書かれたものだけです。同じ種類のものを予備として持っていくことはできます。
| 用途 | 持っていく工具など |
|---|---|
| 測る・位置を出す | 巻尺、水糸(糸巻も可)、水平器、遣方杭(位置出し棒/ピンポール相当品)、鉛筆 |
| 竹垣 | のこぎり、竹ひきのこ、金づち、くぎ抜き、くぎ袋、きり(三つ目きり/充電式ドリルも可)、木づち(このきり) |
| 石・土 | スコップ(剣スコ/両面スコップ・移植ごて・手ぐわも可)、つき棒(きめ棒)、こうがい板(かき板/250〜300mm/地ならし用)、れんがごて(地ごても可) |
| 植栽・片付け | 木ばさみ(剪定ばさみも可)、手ぼうき、箕 |
| 身なりなど | 作業服等、保護帽(ヘルメット)、作業用手袋(使用は任意)、飲料(熱中症対策・水分補給) |
出典: 同上(使用工具等一覧表)。用途の分け方は当社による
試験中は、メモや参考書を見ること、携帯電話・スマートフォン・ウェアラブル端末(電卓の機能を含む)を使うことが禁じられています。危ない作業を続けると、試験を中止して失格になることがあります。
令和5〜7年度の課題の移り変わり ― 前期・後期の6回とも同じ配置
3級は前期と後期の年2回あります。技能検定試験問題公開サイトで見られる令和5年度・6年度・7年度の前期と後期、6回分の施工図を比べると、どれも同じ配置でした。
| 年度 | 区画 | 竹垣 | 石の仕事 | 植栽 | 時間 |
|---|---|---|---|---|---|
| 令和5年度(前期・後期) | 2m×1.5m | 柱の間0.9m・高さ0.9m、立子4本 | 自然石5個の曲線と細長い縁石2本、敷石3枚 | 低木1株・下草3株 | 標準2時間 |
| 令和6年度(前期・後期) | 同じ | 同じ | 同じ | 同じ | 同じ |
| 令和7年度(前期・後期) | 同じ | 同じ | 同じ | 同じ | 同じ |
出典: 中央職業能力開発協会編「技能検定 3級造園(造園工事作業)実技試験(製作等作業試験)問題」令和5年度・6年度・7年度の前期・後期
ただし、課題は年度で変わることがあります。受検する回の試験問題で必ず確かめる必要があります。
判断等試験 ― 60種の中から10本を見分ける
判断等試験では、会場に並ぶ10種類の枝葉を見て、樹種名を別表「樹種名一覧」の中から選び、その番号を答えます。令和7年度の3級は、別表60種の中から出る形でした。試験時間は5分で、1本の判定時間は30秒です。

判断等試験の出題と、各級の本数・試験時間(中央職業能力開発協会の令和7年度前期の試験問題などをもとに当社作図)
別表(3級)60種
| 1 アオキ | 2 アカギ | 3 アカマツ |
| 4 アジサイ | 5 イスノキ | 6 イチイ |
| 7 イチョウ | 8 イヌツゲ | 9 イヌマキ |
| 10 イロハモミジ | 11 ウメ | 12 カイズカイブキ |
| 13 ガジュマル | 14 カツラ | 15 キャラボク |
| 16 キンモクセイ | 17 クスノキ | 18 クチナシ |
| 19 クロマツ | 20 ケヤキ | 21 コウヤマキ |
| 22 コナラ | 23 サクラ類 | 24 サザンカ |
| 25 サツキツツジ | 26 サルスベリ | 27 サワラ |
| 28 サンゴジュ | 29 シダレヤナギ | 30 シャクナゲ |
| 31 シュロ類 | 32 シラカシ | 33 ジンチョウゲ |
| 34 スギ | 35 センリョウ | 36 タイサンボク |
| 37 ドウダンツツジ | 38 トチノキ | 39 トドマツ |
| 40 ナツツバキ | 41 ナナカマド | 42 ハナミズキ |
| 43 ヒノキ | 44 ヒマラヤスギ | 45 フクギ |
| 46 フジ | 47 プラタナス類 | 48 ベニカナメモチ |
| 49 ムクゲ | 50 メタセコイア | 51 モクマオウ |
| 52 モッコク | 53 モモタマナ | 54 ヤブツバキ |
| 55 ヤマモモ | 56 ユキヤナギ | 57 ライラック |
| 58 リュウキュウコクタン | 59 リュウキュウマツ | 60 レンギョウ類 |
※ 23「サクラ類」はソメイヨシノ・エゾヤマザクラ・カンヒザクラ、31「シュロ類」はワジュロ・トウジュロ、47「プラタナス類」はアメリカスズカケノキ・モミジバスズカケノキ、60「レンギョウ類」はレンギョウ・シナレンギョウ・チョウセンレンギョウのいずれか
出典: 中央職業能力開発協会編「令和7年度技能検定 3級造園(造園工事作業)実技試験(判断等試験)問題」別表「樹種名一覧」
樹種は、現場で覚えつつ、神代植物公園など、樹名板のある公園で勉強しました。
学科試験 ― 30問・1時間、測量は無い
3級の学科試験は、真偽法(正しいか誤りかを答える)の30問です。試験時間は1時間で、マークシートに答えます。合格基準は、原則として100点満点で65点以上です。
出題の範囲は、厚生労働省の試験の基準で、次の6つの科目と決められています。1級・2級にある「測量」は、3級にはありません。令和7年度前期の問題30問を、当社がこの6つに分けて数えた目安も添えました。
| 科目 | 主な範囲(細目から) | 令和7年度前期の問題数(当社が数えた目安) |
|---|---|---|
| 施工法 | 造園工事の機械と道具、地割り・地ごしらえ・植栽・支柱・生垣と四つ目垣・飛石・芝生などの工法、剪定・病害虫防除・施肥などの管理、玉掛け、土工事・コンクリート工事 | 12問 |
| 材料 | 造園樹木、地被植物、草花、土壌、肥料、農薬、垣根と支柱の材料、庭石と石材 など | 6問 |
| 庭園及び公園 | 日本庭園の種類・構成・特徴、都市公園と自然公園の種類、植栽・垣根・飛石・つくばい・花壇などの主要な部分 | 5問 |
| 関係法規 | 都市公園法・自然公園法・建設業法の定義などのうち造園工事に関するところ | 3問 |
| 安全衛生 | 労働安全衛生法の関係条項、機械・工具の危険性、保護具、作業手順 など | 3問 |
| 設計図書 | 平面図・立面図・断面図の種類 | 1問 |
出典: 厚生労働省職業能力開発局「造園技能検定試験の試験科目及びその範囲並びにその細目」(平成21年3月)、中央職業能力開発協会編「令和7年度技能検定 3級造園(造園工事作業)学科試験問題」(前期)。科目への分け方は、問題の主題から当社が判断したもの

令和7年度前期の3級の学科試験 科目ごとの問題数(当社が数えた目安。中央職業能力開発協会の学科試験問題と厚生労働省の試験科目をもとに当社作図)
施工法が12問と4割を占め、四つ目垣を作る順序、支柱、幹巻き、施肥、玉掛けのワイヤロープなどが並びます。庭園の様式や名園、公園の法律の基本を問う問題も、合わせて8問ありました。
3級を取った後 ― 2級、そして1級へ
3級に合格した人は、2級を受けられます。2級に合格した後、実務の経験が2年以上あれば1級を受けられ、3級に合格した後に実務の経験が4年以上あっても1級を受けられます。
3級は造園の実務の経験があれば年数を問わずに受けられるので、入社した年から受けることもできます。株式会社トシ・ランドスケープでは、資格を取った社員に資格手当があります。竹垣工事のように、技能検定の課題と重なる仕事も手がけています。
造園の仕事に関心のある方からのご応募を、採用情報のページでお待ちしています。
よくある質問(Q&A)
Q1. 3級造園技能士は、未経験でも受けられますか?
A. 造園の実務の経験が要りますが、年数の定めはありません。造園に関する学科に在学している人や、職業訓練を受けている人も受けられます(職業能力開発促進法施行規則)。
Q2. 3級の実技試験は、どのような課題ですか?
A. 令和7年度は、幅2m・奥行1.5mの区画に、竹垣を作り、自然石の縁石を曲線に並べ、細長い縁石と敷石3枚を据えて、低木1株と下草3株を植える課題でした。標準時間は2時間、打切り時間は2時間30分です。
Q3. 3級の竹垣の結び方は決まっていますか?
A. 令和7年度の仕様では、中の2本の立子はシュロ縄2本使いの裏綾掛けいぼ結び、柱の脇の2本の立子はシュロ縄2本使いの裏二の字いぼ結びと決まっていました。しりは、どちらもいぼの上端から20mmで切りそろえます。
Q4. 3級の試験は年に何回ありますか?
A. 前期と後期の年2回です。公開サイトで見られる令和5年度から7年度までの前期・後期6回の課題は、同じ配置でした。課題は変わることがあるので、受検する回の試験問題で確かめる必要があります。
Q5. 3級の判断等試験では、何種類の中から出ますか?
A. 令和7年度は、別表60種の中から10種類が出る形でした。試験時間は5分で、1本の判定時間は30秒です。
Q6. 3級の学科試験は、どのような形式ですか?
A. 真偽法の30問を、1時間で解きます。科目は施工法・材料・庭園及び公園・設計図書・関係法規・安全衛生の6つで、1級・2級にある測量はありません。合格基準は原則として65点以上です。
株式会社トシ・ランドスケープ
樹木医 中村雅俊
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出典・参考情報
- 中央職業能力開発協会「技能検定試験問題公開サイト」(造園(造園工事作業)3級の実技試験(製作等作業試験)問題 令和5〜7年度の前期・後期、判断等試験問題・学科試験問題 令和7年度前期。閲覧のみ)
- 中央職業能力開発協会「技能検定のご案内」「令和8年度(前期)技能検定実技試験問題の概要」
- 厚生労働省職業能力開発局「造園技能検定試験の試験科目及びその範囲並びにその細目」(平成21年3月)
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- 東京都知事「令和8年度技能検定前期実施について」(令和8年3月2日)
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- 国土交通省「経営事項審査の主な改正事項(令和3年4月1日改正)」






















