造園技能士とは 1級・2級・3級の実技と受検資格、取得のメリットを造園会社の樹木医が解説

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造園技能士は、竹垣・石組み・植栽などの造園の技能を国が認める資格です。1級・2級・3級の受け方、実技の課題と樹種の判定、令和8年度の日程と手数料、資格が仕事でどう役に立つかを、1級造園技能士でもある樹木医が、東京の造園会社の現場の目線でまとめました。

造園の仕事に関わる資格には、木を診る樹木医、工事の施工を管理する造園施工管理技士、そして手の技を確かめる造園技能士などがあります。この記事では造園技能士について、試験の情報を厚生労働省・中央職業能力開発協会・東京都の公表資料で確かめながら書きます。数字は2026年10月16日に確認したものです。

 

造園技能士とは ― 手と目の技能を国が認める資格

造園技能士は、職業能力開発促進法に基づく技能検定「造園」に合格した人が名乗れる資格です。等級は1級・2級・3級の3つで、どの級も実技試験と学科試験があります。試験問題は中央職業能力開発協会が作り、受検の申請の受付と試験は、各都道府県の職業能力開発協会が行っています。

合格すると「技能士」と称することができ、合格証書は、1級が厚生労働大臣名、2級・3級が都道府県知事名で交付されます。

造園施工管理技士が工事の段取りと安全を受け持つ資格なのに対して、造園技能士が確かめるのは、竹を組む、石を据える、木を植える、枝を透かすといった手の技能と、枝葉を見て樹種を見分ける目です。造園の仕事に関わる主な資格の役目を、表にまとめました。私自身は、このうち樹木医、1級造園施工管理技士、1級造園技能士を持っています。

資格 主に確かめるもの 根拠・認定するところ
造園技能士(1級・2級・3級) 植栽・竹垣・石組み・敷石などの手の技能 職業能力開発促進法の技能検定(都道府県職業能力開発協会が実施)
造園施工管理技士(1級・2級) 造園工事の施工計画と、工程・品質・安全の管理 建設業法の技術検定(全国建設研修センターが実施)
樹木医 樹木の診断・治療と、保護・育成・管理 一般財団法人日本緑化センターの認定
街路樹・都市樹木診断士 街路樹・都市の樹木の健全度の診断 一般社団法人 街路樹・都市樹木診断協会の認定

 

1級・2級・3級の受け方 ― 実務の年数と、下の級の合格で受ける

造園技能士の受検資格は、職業能力開発促進法施行規則で決まっています。主なものをまとめると、次のとおりです。

等級 主な受検資格
3級 造園の実務の経験がある人(年数の定めなし)/造園に関する学科に在学している人・職業訓練を受けている人 など
2級 造園の実務の経験が2年以上/3級に合格した人 など
1級 造園の実務の経験が7年以上/2級に合格した後、実務の経験が2年以上/3級に合格した後、実務の経験が4年以上 など

出典: 職業能力開発促進法施行規則 第64条の2〜第64条の4、厚生労働省「技能検定の受検資格一覧表」

造園技能士 受検資格 1級 2級 3級 実務経験 技能検定

造園技能士の受け方(職業能力開発促進法施行規則、厚生労働省「技能検定の受検資格一覧表」をもとに当社作図)

造園施工管理技士の第一次検定は、令和6年度から年齢だけで受けられるようになりました。造園技能士はそれとは違い、学歴だけでは受けられず、造園の実務の経験か、下の級の合格が要ります。3級は実務の経験があれば年数を問わないので、現場に出て1年目から受けることができます。

実施の時期は、令和8年度の場合、1級・2級が年1回(前期)、3級は前期と後期の年2回です(中央職業能力開発協会の実施職種一覧)。

 

試験の中身 ― 実技は竹垣・飛石・植栽、そして樹種の判定

実技試験(製作等作業試験)

実技試験の中心は、決められた区画の中に、竹垣・石・植栽を時間内に仕上げる製作等作業試験です。令和8年度前期の課題の概要は、次のとおりでした。

等級 製作等作業試験の課題 時間
1級 竹垣製作、蹲踞・飛石・延段敷設、景石・植栽配置及び小透かし剪定作業 標準3時間、打切り3時間30分
2級 四つ目垣製作、縁石・飛石・敷石敷設、築山及び植栽作業 標準2時間30分、打切り3時間
3級 竹垣製作、縁石敷設及び敷石敷設、植栽の作業 標準2時間、打切り2時間30分

出典: 中央職業能力開発協会「令和8年度(前期)技能検定実技試験問題の概要」(試験時間・試験内容は一部変更されることがあると注記されています)

実技試験の問題は、試験の前に公表されます。東京都の令和8年度前期では、6月3日に東京都職業能力開発協会で公表すると告示されていました。課題が前もって分かるので、同じ課題を何度も作って練習することができます。

1級・2級・3級の実技の違い ― 作る垣と石の仕事、そして剪定

級が上がるほど、作るものが増えます。いちばん違うのは、作る竹垣と石の仕事です。下の絵は、令和7年度(前期)の試験問題の施工図をもとに、当社が3つの級の課題を同じ角度で描き直した模式図です。受検者向けの研修を開いている埼玉県花と緑の振興センターの令和8年度の実施要領でも、1級の実習を「建仁寺垣、つくばい、延べ段等の製作」、2級の実習を「四つ目垣、飛び石、縁石、築山等の製作」としています(どちらも樹種判定の実習つき)。

造園技能士 実技試験 1級 2級 3級 違い 竹垣 四つ目垣 蹲踞 延段 築山 縁石 飛石 敷石

1級・2級・3級の実技の課題の違い(上から1級・2級・3級。中央職業能力開発協会の令和7年度前期の試験問題の施工図をもとに当社が描いた模式図)

1級(令和7年度)は、幅2.5m・奥行2mの区画に、竹垣・蹲踞・飛石・延段を施工図どおりに作り、景石と植栽を決められた範囲に自由に配置して、小透かし剪定まで標準3時間で仕上げる課題でした。

  • 竹垣: 幅0.9m・高さ1m。丸太の柱を埋め込み、胴縁を渡し、立子を縦にすき間なくかきつけ、唐竹を二つ割りにした押縁と玉縁で押さえます。結束はシュロ縄で、結び方と結び目の位置まで指定されています
  • 蹲踞: 径35〜45cmの水鉢を中心に、ふち石(つなぎ石)の天端をそろえて囲みます。海は前石を基準に深さを決めて砂で仕上げ、水門石を4つ置き、施工図に示された筧を設置します
  • 飛石と関守石: 蹲踞から延段へ飛石を据え、平面図の位置に関守石を置きます
  • 延段: 区画の手前にごろた石を敷き詰め、端に板石を据えます。目地は土極めです
  • 自由配置: 景石3個(径25〜45cm)、中木1本(高さ1.5m)、低木2株(高さ0.3m)、下草14株(ヤブランなど5株・タマリュウなど9株)を、点線で囲まれた範囲に自由に配置します

2級は、令和3年度・令和7年度とも同じ配置で、幅2.5m・奥行2mの区画に、長さ1.5m・高さ約1mの四つ目垣、自然石と細長い縁石を並べた縁石、飛石3枚、敷石2枚、掘った土で盛る築山、中木1本・低木2株・下草を、施工図どおりに作る課題でした。四つ目垣の縦と横の竹の結束は、1段目と3段目を裏綾掛けいぼ結び、2段目をからみ結び(かいづる)と、結び方まで指定されています(中央職業能力開発協会編「令和3年度技能検定 2級造園(造園工事作業)実技試験(製作等作業試験)問題」)。

3級(令和7年度)は、幅2m・奥行1.5mの区画に、丸太の柱と竹で組む小さな竹垣、自然石5個と細長い縁石2本でつなぐ縁石、敷石3枚、低木1株・下草3株を、標準2時間で作る内容でした。厚生労働省のマニュアルが題材にした過去の課題も、同じ大きさの区画でした(厚生労働省「3級技能検定の実技試験課題を用いた人材育成マニュアル 造園工事作業編」平成30年3月)。

1級の竹垣は、立子を縦にすき間なく並べて押縁で押さえる、向こうが見えない垣です(研修の要領では建仁寺垣)。2級の四つ目垣は、縦と横に竹を組んで交わる所を縄で結ぶ、向こうが透けて見える垣です(日本建築・美術の用語辞典 JAANUS)。

比べる点 1級 2級 3級
区画の大きさ 2.5m×2m 2.5m×2m 2m×1.5m
竹垣 立子をすき間なく並べる竹垣(幅0.9m・高さ1m) 四つ目垣(長さ1.5m・高さ約1m) 丸太の柱と竹で組む小さな竹垣
石の仕事 蹲踞・飛石・関守石・延段、景石の配置 縁石・飛石・敷石 縁石・敷石
土と植栽 中木・低木・下草の自由配置 築山と植栽(中木・低木・下草) 植栽(低木・下草)
剪定 小透かし剪定 なし なし
製作等作業試験の時間 標準3時間(打切り3時間30分) 標準2時間30分(打切り3時間) 標準2時間(打切り2時間30分)
判断等試験 20本・10分 15本・7分30秒 10本・5分

出典: 中央職業能力開発協会編「令和7年度技能検定 1級・2級・3級造園(造園工事作業)実技試験(製作等作業試験)問題」「同(判断等試験)問題」、同「令和8年度(前期)技能検定実技試験問題の概要」、埼玉県花と緑の振興センター「令和8年度造園技術研修実施要領」。課題は年度で変わります

施工図(平面図・立面図・断面図)を含む試験問題そのものは、中央職業能力開発協会の技能検定試験問題公開サイトで、令和5年度から令和7年度までの分を見られます。閲覧だけが認められた公開で、転載や複製はできないため、この記事には図面そのものは載せていません。職種「造園」の1級・2級は「B02」、3級は「D02」の一覧から開けます。

研修の持ち物の一覧(技能検定の実技試験問題の記述に準じたもの)を見ると、1級だけに竹割り、くり針、ペンチ又はプライヤー、目地ごて、かなじめ(必要に応じて)があります。1級には、竹を割る作業や、石の目地を仕上げる作業があることが分かります。

判断等試験(要素試験)― 枝葉を見て樹種名を答える

実技試験には、会場に用意された樹木の枝葉を見て、樹種名を答える判断等試験もあります。以前は「要素試験」と呼ばれていました。出題される樹種の範囲は、試験問題の「樹種名一覧」で前もって示されます。令和7年度(前期)の試験問題では、3級は別表(60種)から10本を5分、2級は第2表(115種)から15本を7分30秒、1級は第1表(46種)から5本と第2表(115種)から15本の計20本を10分で答える形でした。どの級も、枝葉1本の判定時間は30秒です。

造園技能士 判断等試験 樹種判定 1級 2級 3級 出題数 要素試験 樹種名一覧

判断等試験の出題と、各級の本数・試験時間(中央職業能力開発協会の令和7年度前期の試験問題などをもとに当社作図)

試験の対象になる樹種は、次の3つの表のとおりです(令和7年度前期の試験問題の「樹種名一覧」。1級・2級の表は、埼玉県花と緑の振興センターが公開している令和3年度の一覧とも同じでした)。番号は試験問題のとおりで、解答はこの番号で書きます。表は年度で見直されることがあるので、受検する年の試験問題で確かめる必要があります。

判断等試験の樹種 第2表(1級・2級)115種

1 アオキ 2 アカギ 3 アカマツ
4 アコウ 5 アジサイ 6 アセビ
7 アベリア 8 アラカシ 9 イチイ
10 イヌシデ 11 イヌツゲ 12 イヌマキ
13 イロハモミジ 14 ウバメガシ 15 ウメ
16 エゴノキ 17 エゾマツ 18 エゾヤマザクラ
19 エノキ 20 エンジュ 21 オオデマリ
22 カイズカイブキ 23 カクレミノ 24 ガジュマル
25 カツラ 26 カヤ 27 カリン
28 カルミヤ 29 カンヒザクラ 30 キョウチクトウ
31 キンモクセイ 32 クスノキ 33 クチナシ
34 クヌギ 35 クロガネモチ 36 クロマツ
37 ゲッケイジュ 38 ケヤキ 39 コウヤマキ
40 コデマリ 41 コナラ 42 コブシ
43 サカキ 44 ザクロ 45 サザンカ
46 サツキツツジ 47 サルスベリ 48 サワラ
49 サンゴジュ 50 シダレヤナギ 51 シマトネリコ
52 シモツケ 53 シャリンバイ 54 シラカシ
55 シラカンバ 56 ジンチョウゲ 57 スギ
58 スダジイ 59 センリョウ 60 ソメイヨシノ
61 タイサンボク 62 タブノキ 63 チャボヒバ
64 デイゴ 65 トウカエデ 66 ドウダンツツジ
67 トキワマンサク 68 トチノキ 69 トベラ
70 ナツツバキ 71 ナナカマド 72 ナンテン
73 ニシキギ 74 ニセアカシア 75 ネズミモチ
76 ネムノキ 77 ハギ 78 ハクモクレン
79 ハナカイドウ 80 ハナスホウ(ハナズオウ) 81 ハナミズキ
82 ヒイラギ 83 ヒイラギナンテン 84 ヒサカキ
85 ヒノキ 86 ヒマラヤスギ 87 ヒメシャラ
88 ヒヨクヒバ(イトヒバ) 89 ピラカンサ 90 フクギ
91 ブラシノキ 92 プラタナス 93 ブルーベリー
94 ベニカナメモチ 95 ボケ 96 ポプラ
97 マサキ 98 マテバシイ 99 マンサク
100 マンリョウ 101 ムクゲ 102 ムクノキ
103 メタセコイア 104 モクマオウ 105 モチノキ
106 モッコク 107 モモ 108 ヤブツバキ
109 ヤマブキ 110 ユキヤナギ 111 ユズリハ
112 ユリノキ 113 ライラック 114 レンギョウ類
115 ロウバイ

※ 114「レンギョウ類」は、レンギョウ・シナレンギョウ・チョウセンレンギョウのいずれか。「ハナスホウ」は試験問題の表記のまま、かっこ内にハナズオウと添えた

出典: 中央職業能力開発協会編「令和7年度技能検定 1級造園(造園工事作業)実技試験(判断等試験)問題」第2表(F〜Tの樹木)、同「2級」の樹種名一覧。埼玉県花と緑の振興センター「技能検定(造園)実技試験のうちの『判断等試験』対象樹木の園内展示状況」(令和3年度出題)と同じ

判断等試験の樹種 第1表(1級だけ)46種

1 アオダモ(コバノトネリコ) 2 アキニレ 3 イスノキ
4 イタヤカエデ 5 ウメモドキ 6 オオシラビソ
7 オオハマボウ 8 オガタマノキ 9 オキナワキョウチクトウ
10 ギョリュウ 11 キンシバイ 12 ギンドロ
13 グミ類 14 サンシュユ 15 シナノキ
16 シャシャンボ 17 シロヤマブキ 18 ソヨゴ
19 タラヨウ 20 ツガ 21 テリハボク
22 ドイツトウヒ 23 トドマツ 24 ナギ
25 ナツハゼ 26 ナンキンハゼ 27 ニオイヒバ
28 ハクウンボク 29 ハマナス 30 ハルニレ
31 ヒイラギモクセイ 32 フウ 33 ブナ
34 プルメリア 35 ホルトノキ 36 ミツバツツジ
37 ミツマタ 38 ムクロジ 39 ムベ
40 モンパノキ 41 ヤブニッケイ 42 ヤマボウシ
43 ラクウショウ 44 ランタナ 45 リュウキュウマツ
46 リョウブ

※ 13「グミ類」は、ナツグミ・アキグミ・ナワシログミのいずれか

出典: 中央職業能力開発協会編「令和7年度技能検定 1級造園(造園工事作業)実技試験(判断等試験)問題」第1表(A〜Eの樹木)。埼玉県花と緑の振興センターの同じ資料(令和3年度出題)とも同じ

判断等試験の樹種 別表(3級)60種

1 アオキ 2 アカギ 3 アカマツ
4 アジサイ 5 イスノキ 6 イチイ
7 イチョウ 8 イヌツゲ 9 イヌマキ
10 イロハモミジ 11 ウメ 12 カイズカイブキ
13 ガジュマル 14 カツラ 15 キャラボク
16 キンモクセイ 17 クスノキ 18 クチナシ
19 クロマツ 20 ケヤキ 21 コウヤマキ
22 コナラ 23 サクラ類 24 サザンカ
25 サツキツツジ 26 サルスベリ 27 サワラ
28 サンゴジュ 29 シダレヤナギ 30 シャクナゲ
31 シュロ類 32 シラカシ 33 ジンチョウゲ
34 スギ 35 センリョウ 36 タイサンボク
37 ドウダンツツジ 38 トチノキ 39 トドマツ
40 ナツツバキ 41 ナナカマド 42 ハナミズキ
43 ヒノキ 44 ヒマラヤスギ 45 フクギ
46 フジ 47 プラタナス類 48 ベニカナメモチ
49 ムクゲ 50 メタセコイア 51 モクマオウ
52 モッコク 53 モモタマナ 54 ヤブツバキ
55 ヤマモモ 56 ユキヤナギ 57 ライラック
58 リュウキュウコクタン 59 リュウキュウマツ 60 レンギョウ類

※ 23「サクラ類」はソメイヨシノ・エゾヤマザクラ・カンヒザクラ、31「シュロ類」はワジュロ・トウジュロ、47「プラタナス類」はアメリカスズカケノキ・モミジバスズカケノキ、60「レンギョウ類」はレンギョウ・シナレンギョウ・チョウセンレンギョウのいずれか

出典: 中央職業能力開発協会編「令和7年度技能検定 3級造園(造園工事作業)実技試験(判断等試験)問題」別表「樹種名一覧」

学科試験と合格基準

学科試験は、1級・2級が○×式と選択式の25問ずつで50問、3級が○×式の30問です(東京都の技能検定の案内)。科目は、庭園及び公園、施工法(玉掛けの方法を含む)、材料、設計図書、関係法規、安全衛生で、1級・2級には測量も入ります(職業能力開発促進法施行規則の試験科目)。

合格基準は、100点満点で、原則として実技試験が60点以上、学科試験が65点以上です(中央職業能力開発協会「技能検定のご案内」)。

 

令和8年度の日程と手数料(東京都の例)

技能検定の日程と手数料は、都道府県が公告します。東京都の令和8年度前期は、次のとおりでした。ほかの道府県では日程が違うことがあります。

項目 東京都の令和8年度前期
申請の受付 4月6日〜4月17日(郵送のみ、必着)
学科試験 3級は7月12日、1級・2級は8月23日
実技試験 造園は11月11日までの間で、東京都職業能力開発協会が指定する日
合格発表 3級は8月28日、1級・2級は10月2日(実技試験を9月10日〜11月11日に行った場合は11月26日)

出典: 東京都知事「令和8年度技能検定前期実施について」(令和8年3月2日)

試験 等級 手数料
実技試験 1級 18,200円
実技試験 2級 18,200円(35歳未満は9,200円)
実技試験 3級 18,200円(35歳未満は9,200円)/在校生は12,100円(35歳未満は3,100円)
学科試験 各級 3,100円

出典: 同上

2級・3級の実技試験は、35歳未満なら手数料が半額ほどになります。

 

受検者数を数字で読む ― 年に3,500人前後が受ける

厚生労働省が公表している技能検定の実施状況から、造園の受検申請者数を並べました。

年度 受検申請者数
令和元年度 4,191人
令和2年度 1,922人
令和3年度 4,178人
令和4年度 3,795人
令和5年度 3,634人
令和6年度 3,482人

出典: 厚生労働省「令和6年度『技能検定』実施状況」(令和7年8月1日公表、8月4日訂正)。1級・2級・3級の合計

造園技能士 受検者数 推移 技能検定 造園 令和6年度

造園の技能検定の受検申請者数(厚生労働省「技能検定の実施状況」をもとに当社作図)

過去6年の平均は3,534人で、令和2年度だけがほかの年の半分ほどでした。令和6年度の合格者数は2,007人です。公表資料には職種別の合格率の欄が無いので、受検申請者数で割った値を出すと約57.6%になります。これは1級から3級までを合わせた数で、学科試験だけ・実技試験だけの申請も含む概算です。等級別の数は、公表資料にはありません。

 

資格が仕事で役に立つところ ― 主任技術者、建設業の許可、経審

現場の主任技術者・営業所技術者になれる

建設業者は、請け負った工事の現場に主任技術者を置き、営業所ごとに技術者(営業所技術者)を置く必要があります。造園工事業では、1級造園技能士と、2級造園技能士で合格した後に造園工事の実務の経験が3年以上ある人が、一般建設業の営業所技術者・主任技術者になれます(建設業法施行規則 第7条の3)。

いっぽうで、特定建設業の営業所技術者や監理技術者にはなれません。造園工事業は建設業法の「指定建設業」に入っていて、その役目は1級造園施工管理技士などの国家資格者に限られるためです。工事の規模が大きくなるほど、技能士と施工管理技士の両方が要る仕組みになっています。

公共工事の入札で会社の評価に関わる

公共工事の入札に参加する建設業者が受ける経営事項審査(経審)では、技術職員の資格が点数になります。1級の技能士は1人2点、2級の技能士で実務の経験がある人は1点です(国土交通省「経営事項審査の主な改正事項(令和3年4月1日改正)」)。

登録造園基幹技能者へ進める

1級造園技能士は、登録造園基幹技能者の講習を受ける資格の一つです。1級造園技能士か1級造園施工管理技士で、造園工事の実務の経験が10年以上、職長の経験が3年以上の人が受講でき、2日間の講習と試験で修了します。修了者は主任技術者の要件になり、経審では3点の区分です(一般社団法人日本造園建設業協会・一般社団法人日本造園組合連合会の受講申込要領、国土交通省の資料)。

比べる点 造園技能士 造園施工管理技士
確かめるもの 竹垣・石・植栽・剪定の手の技能と、樹種を見分ける目 施工計画と、工程・品質・安全の管理
等級 1級・2級・3級 1級・2級(それぞれ技士補と技士)
最初の試験を受ける条件 実務の経験(3級は年数を問わない) 年齢(2級は17歳以上、1級は19歳以上)
主任技術者・一般建設業の営業所技術者 1級、2級は合格後の実務3年以上で 1級・2級
監理技術者・特定建設業の営業所技術者 なれない 1級
経審の点数(1人あたり) 1級 2点、2級と実務の経験 1点 1級 5点(講習を受けた監理技術者は6点)、1級技士補 4点、2級 2点

出典: 建設業法施行規則 第7条の3、国土交通省「経営事項審査の主な改正事項(令和3年4月1日改正)」ほか本文の各資料

 

造園会社の現場から ― 私が1級を受けたときのこと

竹垣 施工 造園工事 造園技能士 トシ・ランドスケープ

当社の現場での竹垣の施工

私が1級造園技能士を取ったのは、独立する前の修業時代です。先に2級に合格し、その後に1級を受けました。

いちばん苦労したのは、時間内に仕上げることでした。今の1級の実技も、竹垣、蹲踞・飛石・延段、景石と植栽の配置、小透かし剪定までを、標準3時間で仕上げる課題です。一つひとつの作業はできても、すべてを時間内に、きれいにそろえて終えるには段取りが要ります。練習は、仕事の後に公表された課題を繰り返し作り、時間を測って詰めていきました。

石工事 ゴロタ石 擬木 施工 造園工事 造園技能士

当社の現場でのゴロタ石と擬木の施工

取ってから変わったことは、いくつもあります。竹垣・石組み・植栽を、決められた時間の中できれいに仕上げることに自信がつきました。任される仕事の幅が広がりました。独立して会社を立ち上げ、建設業の許可を受けるときにも役立ちました。そして、お客様に話を聞いていただけることが増えました。

植栽工事 地被 植え付け 庭 造園工事 造園技能士

当社の現場での地被の植え付け

当社で働く人と資格

株式会社トシ・ランドスケープには、1級造園技能士が在籍しています。当社は、診断・計画・施工・管理を、自社のチームで一貫して担っています。竹垣工事や作庭・石工事のように、造園技能士の実技の課題と重なる仕事も手がけています。

竹垣 石段 庭園 造園 造園技能士

石段沿いの竹垣

資格を取った社員には、資格手当があります。3級は造園の実務の経験があれば年数を問わずに受けられるので、入社した年から受けることもできます。

造園の仕事に関心のある方からのご応募を、採用情報のページでお待ちしています。

 

よくある質問(Q&A)

Q1. 造園技能士とはどんな資格ですか?

A. 竹垣・石組み・植栽などの造園の技能を国が認める資格です。職業能力開発促進法に基づく技能検定「造園」に合格した人が名乗れ、1級・2級・3級があります。どの級も実技試験と学科試験があり、受付と試験は都道府県の職業能力開発協会が行っています。

Q2. 未経験でも受けられますか?

A. 造園の実務の経験が要ります。ただし3級は年数の定めが無く、実務の経験があれば受けられます。造園に関する学科に在学している人や、職業訓練を受けている人も3級を受けられます。2級は実務2年以上か3級の合格、1級は実務7年以上などが条件です。

Q3. 何級から受けるのがよいですか?

A. 制度の上では、実務の年数を満たせばどの級からでも受けられます。3級に合格すると2級を受けられ、2級に合格すると、その後2年以上の実務で1級を受けられます。実務だけで1級を受けるには7年以上が要りますが、2級に合格していれば、その後2年以上の実務で受けられます。

Q4. 造園技能士と造園施工管理技士は、どう違いますか?

A. 造園技能士は、竹垣・石・植栽・剪定の手の技能と、樹種を見分ける目を確かめる資格です。造園施工管理技士は、施工計画と工程・品質・安全の管理を確かめる資格です。造園技能士は一般建設業の主任技術者にはなれますが、監理技術者になれるのは1級造園施工管理技士などに限られます。

Q5. 実技試験はどのような課題ですか?

A. 決められた区画の中に、竹垣・石・植栽を時間内に仕上げる製作等作業試験と、枝葉を見て樹種名を答える判断等試験があります。令和8年度前期の概要では、1級が竹垣製作から小透かし剪定までを標準3時間、2級が四つ目垣製作などを標準2時間30分で行う課題でした。

Q6. 合格基準は何点ですか?

A. 100点満点で、原則として実技試験が60点以上、学科試験が65点以上です。学科試験は、1級・2級が○×式と選択式の50問、3級が○×式の30問です。

Q7. 判断等試験(要素試験)では、何本の樹種が出ますか?

A. 令和7年度の試験問題では、3級が10本、2級が15本、1級が20本の枝葉を見て樹種名を答える形でした。範囲は試験問題の「樹種名一覧」で前もって示され、3級は60種、2級は115種、1級は161種(1級だけの46種と、2級と同じ115種)です。試験時間は1級10分、2級7分30秒、3級5分で、1本の判定時間はどれも30秒です。

 

株式会社トシ・ランドスケープ
樹木医 中村雅俊

 

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