水圧穿孔法とは──背負式動噴とポアノズルで根の張った土をほぐす土壌改良を樹木医が解説

水圧穿孔法 背負式動噴 ポアノズル 土壌改良 樹木医

水圧穿孔法(水圧穿孔土壌改良法)は、土に差し込んだノズルの先から、背負式動噴(背負い式の動力噴霧機)で圧力をかけた水を噴き出させ、固く締まった土をほぐす土壌改良です。当社では、根が張ってスコップが入りにくい場所で、割竹挿入法と組み合わせて行っています。仕組み、割竹挿入法との使い分け、向く現場と向かない現場、当社の事例と限界を、樹木医の立場からまとめました。

先に答え

  • 水圧穿孔法は、背負式動噴とポアノズル(土に差し込んで使うノズル)を使い、水圧の力で固く締まった土をほぐして、土の中に空気と水の通り道をつくる土壌改良です。当社の現場では、水に液体肥料を混ぜて施工しています。
  • 縦穴を掘らずにノズルを差し込んで行うため、根が張ってスコップが入りにくい場所や、掘って土壌改良をするだけのスペースがない場所で使っています。
  • ダブルスコップで縦穴を掘って割竹を挿す割竹挿入法とは、同じ日に場所を分けて組み合わせることが多い方法です。
  • 水圧穿孔法は、堀大才氏(NPO法人樹木生態研究会 最高顧問)が、割竹挿入縦穴式土壌改良法とともに推奨している方法です。ただし、効果を数値で示した資料は、確認した範囲では見つかっていません。水はけの悪い土では水が抜けないという課題もあるため、土の状態を調べてから選びます。

水圧穿孔法の仕組み

背負式動噴で圧力をかけた水をホースでノズルへ送り、土に差し込んだノズルの先から噴き出させます。水圧で周りの土が掘りほぐされ、土の中に空間ができます。当社の土壌調査・土壌改良のページでは、ノズルを土壌に差し込み、先端から十字に噴射させること、80cmほどの深さまで注入できることを紹介しています。当社の現場での目安として、ノズルはおおむね40〜80cmの深さの範囲で使っています。

水圧穿孔法 ポアノズル 背負式動噴 サクラ 根 土壌改良 樹木医

水圧穿孔法。土に差し込んだノズルの先から水が噴き出し、まわりの固い土がほぐれます(点線の円。イラストは当社作成)

水圧穿孔法の由来

NPO法人樹木生態研究会のサイトに掲載された堀大才氏の文章「土壌改良の考え方と基本」(2025年10月)によると、きっかけは、鳥取県倉吉市の会社が、衰退した樹木の樹勢回復のために、果樹園などで使われる土壌殺菌用の土壌灌注機で液体を根元に注入していたのを見たことでした。堀氏は、水だけでもよい結果が得られるのではないか、小型の農薬散布用の弱い水圧でも硬い土に穴をあけられるので誰でも実行できるのではないか、水圧は強くないので根を傷めることはないだろう、と考えたと書いています。そのアイデアを聞いた兵庫県の樹木医研修の受講者が、灌注機のノズルを開発するなどして実行したのが始まりとされています。

同じ文章で堀氏は、既存の木があって土が固結している場所では、根元近くでの耕耘や有機物の撹拌混入は根を切って傷める可能性が高いとして、通気透水性を改善する方法に割竹挿入縦穴式土壌改良法と水圧穿孔法を推奨しています。近年は、水圧穿孔であけた狭い穴に、節を叩き潰したヤダケのような細い篠竹を挿す方法も推奨しているとのことです。当社でも、水圧穿孔法であけた穴に、節を叩き潰した細い篠竹を挿す方法を行っています。圧力・深さ・水量の数値は、この文章には書かれていません。なお、当社代表の中村雅俊は樹木生態研究会の会員です。

使う道具

道具は、背負式動噴と、土に差し込むポアノズルの2つです。当社の現場で使っているものは次のとおりです。

  • 背負式動噴: 丸山製作所の背負動力噴霧機「霧王」(MS5910D-20-1)。メーカーの仕様では、最高圧力3.0MPa(6段切替)、吸水量は毎分7.5L、液剤タンク20L、質量8.4kgで、スイングタンクとWユニフローポンプを備えています。
  • ポアノズル: 永田製作所製。ホースの先に付け、土に差し込んで使います。

当社の現場では、硬く締まった土や根の張った箇所をほぐすために、状況に応じて2〜3MPaで使っています。スコップが入らない場所でも、ノズルを差し込めれば土の中に空気と水の通り道をつくれる、というのがこの道具を使う理由です。堀氏の文章は「小型の農薬散布用の弱い水圧」でも穴をあけられるとしており、当社が状況に応じて2〜3MPaで使うのは、土の硬さや根の張り方に合わせた当社の現場での判断です。

当社では、この水に液体肥料を混ぜて施工しています。土をほぐすのと同時に、根のある深さへ直接、養分を届けるためです。あわせて行う土壌改良では、完熟たい肥、竹炭、緩効性肥料なども、その年の木の状態を見て使い分けています。なお、堀氏は、根元近くで高い濃度の肥料を与えると細根を傷めるとしています。当社の現場での目安として、液肥は1000倍前後に薄めて使っています。

背負動力噴霧機 背負式動噴 水圧穿孔法 土壌改良

背負動力噴霧機。タンクの水を下のポンプで送り出し、ホースからノズルへ届けます(イラストは当社作成)

ポアノズル 水圧穿孔法 土に差し込むノズル 土壌改良

ポアノズル。丸い円盤を地面に当てて差し込み、先端から水を噴き出させます(イラストは当社作成)

なぜ固い土をほぐすのか

国土技術政策総合研究所(国総研)の「景観重要樹木の保全対策の手引き」は、堅密な土壌では根が伸びにくく、通気性や透水性が悪いため生理的な障害を受けやすいとしています。公園などでは踏圧で表土が堅くなると、透水不良で土が乾燥したり、通気性が悪く根の呼吸が阻害されたりして、樹勢の衰えにつながります。

すでに木が育っている場所では、根を傷めずに土を入れ替えることはできません。そこで、根の間の土を部分的にほぐし、空気と水の通り道をつくる方法を選びます。水圧穿孔法は、そのための方法の一つです。

資料では、どう書かれているか

「水圧穿孔法」という名前の項目は、当社が確認した国総研の手引き・事例集と、東京都建設局の「街路樹診断等マニュアル」には見つかりませんでした。名前が出てくるのは樹木生態研究会の資料で、公的な資料には近い考え方が次のように出てきます。

資料 書いてあること
国総研「景観重要樹木の保全対策の手引き」表3-12(p.102) 過去の簡易な土壌改良の例として、人力による表層耕耘、縦孔の掘削、割竹や通気管の設置などと並べて「液肥の注入」を挙げている
同 表4-9(p.171) 部分的な土壌改良の方法として、部分的な耕耘、改良資材の混合や、土壌を掘削せずに耕耘の効果が期待できる圧入装置等によるエアレーション等を挙げている
東京都建設局「街路樹診断等マニュアル」表Ⅳ-1・2(p.69) 土壌改良の内容として、堆肥や土壌改良資材を投入しての耕耘とあわせて、土壌潅注器による液肥や活力促進剤の土壌混入を挙げている
国総研「巨樹・老樹の保全対策事例集」(p.104) 静岡県下田市のビャクシンの事例で、ウォータージェットで径16cm、深さ1m以上の孔を掘削し、牛糞堆肥と炭を20箇所程度スポット的に施用している
広島県 西部農業技術指導所(2019年12月10日掲載) ハウスレモンの周辺に、土壌改良用の穴を高水圧で掘削してバーク堆肥を投入する実証を行っている
堀大才「土壌改良の考え方と基本」(NPO法人樹木生態研究会のサイト、2025年10月1日掲載) 既存木があって土が固結している場所の通気透水性の改善に、割竹挿入縦穴式土壌改良法と水圧穿孔法を推奨/水圧穿孔法の由来(土壌灌注機による注入から、水だけ・弱い水圧で穴をあける発想へ)
堀大才「林試移植法の想いで」(同、2025年3月14日掲載) 根回しの技法として、現在は水圧穿孔法や割竹挿入法と組み合わせた技法を推奨している
「第88回 樹木の学校 報告」(同、2025年8月31日開催) 神宮外苑のイチョウ並木の樹勢衰退への対策の一つとして、水圧穿孔による土壌改良が実施されていると報告

公的な資料の例は、当社の水圧穿孔法と同じ道具・同じ手順ではありません。水や圧力で土に孔をあける、あるいは土を掘らずに液肥を土に入れる、という点で近い例として挙げました。樹木生態研究会の資料にも、圧力や深さの数値、効果の数値は書かれていません。

割竹挿入法との使い分け

割竹挿入法(割竹挿入縦穴式土壌改良法)は、ダブルスコップで縦穴を掘り、縦に割って節を除いた竹と土壌改良資材を入れて埋め戻す方法です。当社の記事では60〜80cm程の深さまで掘っています。堀大才氏の同じ文章によると、この方法も堀氏が考えたもので、樹木生態研究会の仲間が個人邸の樹木で実行したのが始まりとされています。穴を掘る方法なので、太い根が張っている場所ではスコップが入りません。

そうした場所に、水圧穿孔法を使います。練馬区の個人邸では「スコップでは掘りにくい箇所」に、屋上テラスのサクラでは「根が張って掘りにくい場所」に、水圧穿孔法を行いました。掘れる場所は割竹挿入法、掘りにくい場所は水圧穿孔法と、同じ現場の中で場所を分けて組み合わせています。

水圧穿孔法 割竹挿入法 使い分け 根 平面図 土壌改良

1本の木の根元での使い分け(上から見た模式図。当社作成)

割竹挿入法 水圧穿孔法 エアレーション法
土に孔をあける力 人の力(ダブルスコップで縦穴を掘る) 水圧(背負式動噴とポアノズル) 圧搾空気
入れるもの 割竹と、完熟堆肥・炭・パーライト・緩効性肥料などを配合した土 液体肥料を混ぜた水/あけた穴に、節を叩き潰した細い篠竹を挿すこともある 孔に肥料や土壌改良資材を入れることもできる
当社で使う場所 スコップで掘れる場所/毎年少しずつ場所を変える 根が張ってスコップが入りにくい場所、掘るスペースがない場所 植栽帯が狭い場所など/広い面積は不得意
当社の記事・投稿での説明 竹は2〜3年で朽ちて筒状になり、空気と水の通り道になる 根を傷めずに、硬くなった土に空気と水の通り道を確保できる(当社の現場での説明) 掘削より根を傷めにくい
詳しい記事 割竹挿入法とは この記事 サクラ並木の土壌改良・エアレーション

記事で紹介した当社の3件は、いずれも割竹挿入法と同じ日に水圧穿孔法を行っています。冬場は、毎年場所を変えて割竹挿入法を続けている現場もあります。

水圧穿孔法が向く現場、向かない現場

向く現場

  • 樹木の周りの土が固く締まり、樹勢が衰えている
  • 根が張っていて、スコップが入りにくい
  • 掘って土壌改良をするだけのスペースがない

当社が施工した現場には、屋上テラスの人工地盤のサクラ、マンションの保存樹木のサクラ、公園の桜の名所、寺院の天然記念物のマツ、個人邸の庭などがあります。

向かない現場、ほかの方法を考える現場

  • 水が抜けない土: 広島県の高水圧による穴掘りの実証では、「水が抜けない」という課題が残ったと報告されています。国総研の「巨樹・老樹の保全対策事例集」は、過湿や排水不良で透水性が不良な場合の方法として、開渠排水工・暗渠排水工・縦穴排水工を挙げています。
  • 土が酸性やアルカリ性に偏っている: 同じ事例集は、中和剤を混合して土壌酸度(pH)を調整する方法を、別に挙げています。
  • 土以外が主な原因: 東京都建設局のマニュアルは、腐朽菌以外に樹勢不良となる原因として、締め固めによる根系の発達不良、透水性不良による根腐れ、pHや塩類濃度の異常、植栽基盤の狭さを挙げ、改良の方法を検討するために必要に応じて土壌調査を行うとしています。
土の状態 考える方法(資料による)
固く締まっている(踏圧など) 部分的な耕耘、割竹挿入、圧入装置などによるエアレーション/当社では水圧穿孔法も
水が抜けない(過湿・排水不良) 開渠排水工、暗渠排水工、縦穴排水工
酸度が偏っている 中和剤の混合による pH の調整
広い範囲・深い層まで悪い 根系の露出を伴う広範囲かつ深層までの大規模な土壌改良

土が固いのか、水が抜けないのか。当社では、土壌調査の数字を見てから方法を選んでいます。

固く締まった土 水が抜けない土 根 断面 土壌改良 樹木医

左は踏み固められて固く締まった土、右は粘土の層の上に水がたまって抜けない土(イラストは当社作成)

水圧穿孔法はいつ行うか

水圧穿孔法そのものは、当社の現場での経験から、1年中行えます。国総研の「景観重要樹木の保全対策の手引き」も、植栽基盤の整備は、根をあまり露出したり傷めたりする可能性の少ない場合はいつ実施してもよく、根の大部分を露出したり傷める可能性が高い場合は、休眠期の12〜2月頃に実施するのが樹木への影響が少ないとしています。

水に液体肥料を混ぜる場合は、葉が出ている時期が好ましいと考えています。冬の休眠期に液肥を入れても効果が薄い、というのが当社の現場での経験です。参考として、岡山県農林水産総合センター農業研究所がブドウ(ピオーネ)のポット樹で行った試験では、施肥した窒素の利用率は、落葉後(11月中旬)の施肥では低く、春も発芽前(2月下旬)から発芽期(3月下旬)は22〜34%と低く、養分転換期(4月下旬)から開花期(5月中旬)では61%と高かったと報告されています。地温が15℃以上で吸収効率が上がると考えられる、とも書かれています。果樹の試験なので、街路樹や庭木で同じ数字になるとは限りません。

方法 時期の考え方 根拠
水圧穿孔法(水だけ) 1年中行える 当社の現場での経験/国総研の手引き(根をあまり傷めない植栽基盤の整備はいつ実施してもよい)
水圧穿孔法(液肥を混ぜる) 葉が出ている時期が好ましい/冬の休眠期は効果が薄い 当社の現場での経験/参考に岡山県のブドウの試験(落葉後・発芽前の施肥は窒素の利用率が低い)
割竹挿入法 当社では冬場に、毎年場所を変えて続けている現場がある 当社の投稿/国総研の手引きの例は12〜2月・年1回

水圧穿孔法を行った当社の事例

当社の記事と Instagram の投稿に書いた内容を、表にまとめました。

現場 行ったこと
江戸川区・寿昌院の「臥竜の松」(江戸川区登録天然記念物) 割竹挿入法、水圧穿孔法、施肥による土壌改良/毎年施工箇所をローテーションしながら、継続して樹勢の維持・向上の施工を行っている
屋上テラスの人工地盤のサクラ 位置を変えて割竹挿入法と緩効性肥料による施肥を行い、あわせて背負式動噴とポアノズルを使った水圧穿孔法で、根が張って掘りにくい場所も水圧の力で土をほぐした
練馬区の個人邸 場所を変えながら継続している土壌改良と施肥で割竹挿入法を行い、あわせてスコップでは掘りにくい箇所に、背負式動噴とポアノズルを使った水圧穿孔法を行った
台東区のマンションの保存樹木のサクラ(当社の Instagram 投稿) 5年目の土壌改良として水圧穿孔土壌改良法を採用/水に液体肥料を混ぜて施工した/冬場は毎年場所を変えて割竹挿入法も続けている
横浜市の公園の桜の名所(当社の Instagram 投稿) 巨木になり、枝先の弱りが出ているサクラに、根の環境を整える土壌改良として水圧穿孔土壌改良法を行った/現場の環境によっては割竹挿入法も行い、その年の状態を見て資材を調整している

屋上テラスのサクラでは、2年前に施工した割竹の上部が朽ちて筒状になり、筒の中にサクラの細かい根が集まっていました。台東区のサクラでも、数年前の竹が朽ちて筒状になり、内部に細根が集まっていました。これは割竹挿入法の部分の観察です。

水圧穿孔法の限界

  • 水圧穿孔法で土がどれだけ改善するか、樹勢がどれだけ回復するかを数値で示した資料は、当社が確認した範囲では見つかっていません。堀氏の文章も「良い成績」と書くだけで、数値は示していません。
  • 根への影響も、測って確かめた資料は見つかっていません。堀氏の「根系を傷めることはないであろう」も、弱い水圧を前提にした見込みとして書かれています。
  • 孔をあけて資材を入れても、樹勢が戻るとは限りません。国総研の事例集にある静岡県下田市のビャクシンでは、ウォータージェットで孔を掘って牛糞堆肥と炭を施用しましたが、平成18年の調査で、新梢の伸びがあまり見られず、土壌改良の効果は認められないと評価されています。事例集の考察は、植栽地を拡幅して根の伸びる範囲を守ることや、有機質系の堆肥の施用など、中・長期的な対策も検討する必要があるとしています。
  • 水はけの悪い土では、入れた水が抜けないおそれがあります(広島県の実証で残った課題)。
  • 土は、ほぐしても再び固まります。国総研の「街路樹の倒伏対策の手引き 第2版」は、植栽地の多くは植栽後に次第に固結し、特にマサ土や粘土は耕耘しても再び固結する性質があるとしています。踏圧が続く場所では、東京都建設局のマニュアルが示すような、樹木保護盤や植樹保護柵、地被類・低木の植栽といった踏圧防止の対策もあわせて考えます。
  • 1回で終わる方法ではありません。当社は、毎年場所を変えながら続けています。

屋上テラスのサクラでは、土壌改良を続けるなかで、お客様から花つきが良くなったというお言葉をいただきました。ただ、これは剪定、割竹挿入法、施肥と組み合わせた管理全体へのお言葉で、水圧穿孔法だけの効果を示すものではありません。

効果の確かめ方

  • 土の硬さ: 国総研の手引きは、山中式土壌硬度計で15mm程度を超えると根の発育に少しずつ影響があらわれ、25mm以上ではほぼ完全に根の成育が阻害されるとしています。
  • 樹勢: 東京都建設局のマニュアルは、枝の伸び、梢や枝先の枯れ、葉の大きさと色などで樹勢を評価し、周りの同じ樹種の状況も参考にするとしています。
  • 経過: 当社では、毎年同じ木を手入れしながら、枝先の様子や根の入り方を見て、翌年の場所と資材を決めています。
土壌改良 ローテーション 割竹挿入法 水圧穿孔法 毎年

年ごとに場所を変えて続けます(上から見た模式図。当社作成)

よくある質問

Q1. 水圧穿孔法とは、どのような方法ですか。

背負式動噴とポアノズルを使い、土に差し込んだノズルの先から圧力をかけた水を噴き出させて、固く締まった土をほぐす土壌改良です。土の中に空気と水の通り道をつくります。当社の現場では、水に液体肥料を混ぜて施工しています。

Q2. 割竹挿入法とは、何が違いますか。

割竹挿入法は、ダブルスコップで縦穴を掘り、割竹と土壌改良資材を入れて埋め戻す方法です。水圧穿孔法は穴を掘らずにノズルを差し込むため、根が張ってスコップが入りにくい場所で使います。当社では、同じ日に場所を分けて組み合わせることが多くあります。

Q3. どのような場所に向いていますか。

土が固く締まって樹勢が衰えている場所、根が張ってスコップが入りにくい場所、掘って土壌改良をするだけのスペースがない場所です。水が抜けない土や、酸度が偏っている土では、排水工や中和など別の方法を検討します。

Q4. 水だけを入れるのですか。

当社の現場では、水に液体肥料を混ぜて施工しています。土をほぐすのと同時に、根のある深さへ直接養分を届けるためです。あわせて行う土壌改良では、完熟たい肥、竹炭、緩効性肥料なども、その年の木の状態を見て使い分けています。

Q5. 水圧で根を傷めませんか。

水圧穿孔法は、土に差し込んだノズルの先から噴き出す水圧で、周りの土を掘りほぐす方法です。当社の現場では、おおむね40〜80cmの深さで、スコップで掘るよりも根を傷めずに空気と水の通り道をつくれる方法として使っています。根への影響を数値で確かめた資料は見つかっていません。

Q6. 一度行えば、土はよくなりますか。

一度で終わる方法ではありません。土は再び固まる性質があり、踏まれる場所ではなおさらです。当社では、毎年場所を変えながら続け、木の様子を見て翌年の方法を決めています。踏圧が続く場所では、踏み固めを防ぐ対策もあわせて考えます。

Q7. 水圧穿孔法は、いつ行いますか。

水圧穿孔法そのものは、当社の現場での経験から1年中行えます。水に液体肥料を混ぜる場合は、葉が出ている時期が好ましいと考えています。冬の休眠期に液肥を入れても効果が薄い、というのが当社の現場での経験です。

出典・参考情報

この記事の説明にあたり、次の資料を確認しました(2026年10月11日)。

当社の施工に関する記述は、当社の記事と Instagram の投稿に書いた内容に限っています。各資料の事例は、当社の水圧穿孔法と道具や手順が異なります。

割竹挿入法の手順と向く現場は「割竹挿入縦穴式土壌改良法とは」、樹木が育つ土の条件は「植栽基盤の4つの条件」で説明しています。

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株式会社トシ・ランドスケープ
樹木医 中村雅俊

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