造園施工管理技士は、造園工事の施工を管理する技術者の国家資格です。令和6年度に変わった1級・2級の受け方、令和8年度の日程と合格率、資格が仕事でどう役に立つかを、1級造園施工管理技士でもある樹木医が、東京の造園会社の現場の目線でまとめました。
造園の仕事に関わる資格には、木を診る樹木医、手の技を確かめる造園技能士、そして工事の施工を管理する造園施工管理技士などがあります。この記事では、そのうちの造園施工管理技士について、試験の情報を全国建設研修センターと国土交通省の公表資料で確かめながら書きます。数字は2026年10月15日に確認したものです。
造園施工管理技士とは ― 造園工事の施工を管理する国家資格
造園施工管理技士は、建設業法第27条に基づく技術検定「造園施工管理技術検定」に合格した人が名乗れる資格です。試験は、国土交通大臣の指定を受けた一般財団法人全国建設研修センターが行っています。
検定は第一次検定と第二次検定に分かれています。第一次検定に合格すると「造園施工管理技士補」、第二次検定に合格すると「造園施工管理技士」と称することができます。1級と2級それぞれに技士補と技士があるので、名乗れる称号は4つです。
確かめられるのは、木を植える・剪定する・石を据えるといった手の技術ではありません。1級の受検の手引きの「検定基準」では、造園工事の施工計画の作成方法と、工程管理・品質管理・安全管理などの管理の方法に関する知識と応用能力が求められています。段取りと安全を受け持つための資格です。
造園の仕事に関わる主な資格の役目を、表にまとめました。私自身は、樹木医、1級造園施工管理技士、1級造園技能士を持っています。
| 資格 | 主に確かめるもの | 根拠・認定するところ |
|---|---|---|
| 造園施工管理技士(1級・2級) | 造園工事の施工計画と、工程・品質・安全の管理 | 建設業法の技術検定(全国建設研修センターが実施) |
| 造園技能士(1級・2級・3級) | 植栽・竹垣・石組み・敷石などの手の技能 | 職業能力開発促進法の技能検定(都道府県職業能力開発協会が実施) |
| 樹木医 | 樹木の診断・治療と、保護・育成・管理 | 一般財団法人日本緑化センターの認定 |
| 街路樹・都市樹木診断士 | 街路樹・都市の樹木の健全度の診断 | 一般社団法人 街路樹・都市樹木診断協会の認定 |
1級と2級の受け方 ― 令和6年度に変わった受検資格
令和6年度から、施工管理技術検定の受検資格が大きく変わりました。第一次検定は、学歴や実務経験を問わず、年齢だけで受けられます。1級は19歳以上、2級は17歳以上です(いずれも受検する年度の末日の時点)。
第二次検定は、第一次検定に合格した後の実務経験で受けます。国土交通省の資料をもとに、新しい受検資格をまとめると次のとおりです。
| 区分 | 第一次検定 | 第二次検定(新受検資格) |
|---|---|---|
| 2級 | 17歳以上 | 2級第一次検定の合格後、実務経験3年以上/1級第一次検定の合格後、実務経験1年以上 |
| 1級 | 19歳以上 | 1級第一次検定の合格後、実務経験5年以上、特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上、監理技術者補佐としての実務経験1年以上のいずれか/2級第二次検定の合格後、実務経験5年以上か、特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上(1級第一次検定の合格者に限る) |
出典: 国土交通省「令和6年度より施工管理技術検定の受検資格が変わります」(令和5年11月9日版)

造園施工管理技士の受け方(国土交通省「令和6年度より施工管理技術検定の受検資格が変わります」、全国建設研修センター「受検の手引」をもとに当社作図)
特定実務経験とは、請負金額4,500万円以上の建設工事で、監理技術者・主任技術者の指導の下で、または自らその立場で施工を管理した経験のことです(令和8年度の1級の受検の手引き)。
実務経験として数えられるのは、原則として造園工事業の工事です。経験は工事ごとに証明が要り、証明できるのは、工事を請け負った会社の代表者や、その工事の監理技術者・主任技術者などです。令和6年4月1日以降に着工した工事は、実際にその工事に携わっていたときの所属先の代表者などの証明だけが有効とされています。どの会社で、どの工事の経験を積んだかが、そのまま受検資格になる仕組みです。
なお、令和6年度から令和10年度までは経過措置として、第二次検定を改正前の受検資格(学歴ごとの卒業後の実務経験)で受けることもできます。
年齢だけで第一次検定を受けられるようになったことで、現場に出て間もない時期から1級の技士補を目指せるようになりました。令和8年度の1級第一次検定の合格者のうち、24歳以下は8.2%でした(第一次検定のみを新規で受けた人の内訳)。
令和8年度の日程・費用と、試験の中身
令和8年度の日程と受検手数料は、次のとおりです。2級の第一次検定は年に2回(前期・後期)あり、後期は第二次検定と同じ日に行われます。
| 区分 | 申込期間 | 試験日 | 合格発表 |
|---|---|---|---|
| 2級 第一次検定(前期) | 3月4日〜3月18日 | 6月7日 | 7月7日 |
| 2級 第一次検定(後期)・第二次検定 | 7月14日〜7月28日 | 11月15日 | 第一次検定 令和9年1月5日/第二次検定 令和9年3月3日 |
| 1級 第一次検定 | 5月7日〜5月21日 | 9月6日 | 10月8日 |
| 1級 第二次検定 | 5月7日〜5月21日 | 12月6日 | 令和9年3月3日 |
受検手数料は、1級が第一次検定・第二次検定とも各17,200円、2級は第一次検定のみ・第二次検定のみが各8,600円、両方を続けて受ける申込みが17,200円です(いずれも非課税。インターネット申込みは別に事務手続手数料250円)。試験地は、1級が札幌・仙台・東京・新潟・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・那覇の10地区です。出典: 全国建設研修センター「1級造園施工管理技術検定」「2級造園施工管理技術検定」(令和8年度)
来年度以降の日程は、毎年、全国建設研修センターから公表されます。申込期間を過ぎると理由を問わず申し込めないので、早めの確認が欠かせません。
第一次検定はマークシート、第二次検定は記述式
1級の第一次検定はマークシート方式で、科目は「土木工学等」「施工管理法」「法規」です。土木工学等には、園芸学・建築学・電気工学なども含まれ、設計図書に関する知識も問われます。第二次検定は記述式で、監理技術者として施工計画を作成し、実施する応用能力が問われます。
| 区分 | 形式 | 合格基準 |
|---|---|---|
| 1級 第一次検定 | マークシート(65問) | 65問中39問以上(60%以上)の正解で、かつ施工管理法(応用能力)6問中2問以上の正解 |
| 1級 第二次検定 | 記述式 | 得点が60%以上 |
| 2級 第一次検定 | マークシート(40問) | 40問中24問以上(60%以上)の正解 |
| 2級 第二次検定 | 記述式 | 得点が60%以上 |
出典: 全国建設研修センター 合格者の発表資料(1級第一次検定 令和8年10月8日、2級第一次検定(前期) 令和8年7月7日、第二次検定 令和8年3月4日)、1級の受検の手引き(令和8年度)
試験問題は、試験の翌日から1年間、全国建設研修センターの試験問題の公表ページで公開されます。第一次検定は正答番号も公表されますが、第二次検定の解答は公表されません。
合格率を数字で読む ― 合格者の5人に1人は女性
全国建設研修センターの発表資料から、直近の受検者数と合格率を並べました。
| 区分 | 年度 | 受検者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 1級 第一次検定 | 令和8年度 | 3,299人 | 1,629人 | 49.4% |
| 1級 第一次検定 | 令和7年度 | 3,290人 | 1,713人 | 52.1% |
| 1級 第二次検定 | 令和7年度 | 1,979人 | 890人 | 45.0% |
| 1級 第二次検定 | 令和6年度 | 1,696人 | 678人 | 40.0% |
| 2級 第一次検定(前期) | 令和8年度 | 1,566人 | 967人 | 61.7% |
| 2級 第一次検定(前期) | 令和7年度 | 1,526人 | 868人 | 56.9% |
| 2級 第二次検定 | 令和7年度 | 2,300人 | 1,160人 | 50.4% |
| 2級 第二次検定 | 令和6年度 | 2,326人 | 1,146人 | 49.3% |
出典: 全国建設研修センター 合格者の発表資料(令和8年3月4日・7月7日・10月8日)

造園施工管理技術検定の合格率(全国建設研修センター 合格者の発表資料をもとに当社作図)
1級は第一次検定・第二次検定とも、およそ半分が合格しています。2級の第一次検定(前期)は6割前後です。
ほかの種目と比べて目立つのは、女性の合格者の割合です。令和8年度の1級第一次検定では、合格者1,629人のうち352人、21.6%が女性でした。同じ日に行われた1級管工事施工管理技術検定の第一次検定では12.7%、1級電気通信工事施工管理技術検定では6.3%です。令和7年度の2級第二次検定でも、合格者の22.0%が女性でした。
合格者の勤務先では、「知事許可 造園工事業」がいちばん多く、令和8年度の1級第一次検定で37.3%、令和7年度の1級第二次検定で41.6%、2級第二次検定で50.1%を占めています。都道府県知事の許可で造園工事を営む会社、つまり地域の造園会社で働く人が、多く受けている試験だと読めます。
もうひとつ、令和7年度の1級第二次検定の合格者のうち、46.2%は2級の合格者でした。2級から段階を踏んで1級へ進む人が、半分近くいることになります。
資格が仕事で役に立つところ ― 現場の技術者、会社の許可、入札
現場に置く技術者になれる
建設業者は、請け負った工事の現場に、施工の技術上の管理をする主任技術者を置かなければなりません。2級造園施工管理技士は、造園工事の主任技術者になれる資格です。
発注者から直接請け負った工事で、下請に出す代金の合計が5,000万円以上(令和7年2月1日から)になる場合は、主任技術者に代えて監理技術者を置きます。造園工事業は、建設業法で「指定建設業」の7業種に入っていて、監理技術者になれるのは1級造園施工管理技士などの国家資格者に限られます。実務経験だけでは監理技術者になれない業種です。
1級の第一次検定に合格した1級造園施工管理技士補は、主任技術者の要件も満たしていれば、監理技術者補佐として現場に置くことができます。
会社の建設業の許可を支える
建設業の許可を受けるには、営業所ごとに技術者(営業所技術者)を置く必要があります。特定建設業の許可では、この要件がさらに重くなります。造園工事業のような指定建設業では、特定建設業の許可に必要な技術者は、1級の国家資格者などに限られます。
当社は2026年7月8日付で、造園工事業をはじめとする10業種で、東京都知事の特定建設業許可を受けました。こうした許可も、資格を持つ技術者がいてはじめて受けられるものです。
公共工事の入札で会社の評価に関わる
公共工事の入札に参加する建設業者が受ける経営事項審査(経審)では、技術職員の資格が点数になります。
| 技術職員の区分 | 1人あたりの点数 |
|---|---|
| 1級の国家資格者で、監理技術者資格者証を持ち、監理技術者講習を受けた人 | 6点 |
| 1級の国家資格者(上を除く) | 5点 |
| 1級技士補で、監理技術者補佐の要件を満たす人 | 4点 |
| 2級の国家資格者 | 2点 |
出典: 国土交通省 関東地方整備局「技術職員数(Z1)に係る改正(監理技術者補佐)について」
資格は個人のものですが、その一人ひとりの資格が、会社として受けられる工事の幅と、入札での評価につながっています。
造園会社の現場から ― 私が1級を受けたときのこと

当社の植栽工事の現場。幹巻きをした若木を植え付ける
私が1級造園施工管理技士を取ったのは、創業してから法人にするまでの間です。現場の責任者として工事を任されるのに、この資格が必要でした。
勉強は、市販の過去問題集を使った独学です。いちばん苦労したのは、第二次検定の施工経験記述でした。自分が関わった工事について、何を課題と考え、どんな対策をとったかを、筋道立てて文章にする問題です。
取ってから変わったことは、いくつもあります。任される工事の幅が広がりました。会社の建設業の許可や入札で、技術者として数えられるようになりました。工程・品質・安全を組み立てて段取りを考える見方が身につきました。そして、お客様や元請の方から寄せていただく信頼も、資格を持つ前とは違ってきました。
当社で働く人と資格
株式会社トシ・ランドスケープには、1級造園施工管理技士が在籍しています。当社は、診断・計画・施工・管理を、自社のチームで一貫して担っています。造園工事の施工を管理する力は、その流れの中の欠かせない一つです。
資格を取った社員には、資格手当があります。第一次検定は年齢だけで受けられるので、入社して早い時期から技士補を目指すこともできます。当社の現場で積んだ造園工事の経験は、第二次検定の受検資格となる実務経験として、当社が工事ごとに証明します。
造園の仕事に関心のある方からのご応募を、採用情報のページでお待ちしています。
よくある質問(Q&A)
Q1. 造園施工管理技士とはどんな資格ですか?
A. 造園工事の施工計画と、工程・品質・安全の管理を受け持つ技術者の国家資格です。建設業法に基づく技術検定で、全国建設研修センターが試験を行っています。第一次検定に合格すると技士補、第二次検定に合格すると技士と称することができ、1級と2級があります。
Q2. 実務経験がなくても受けられますか?
A. 第一次検定は受けられます。令和6年度から、1級は19歳以上、2級は17歳以上であれば、学歴や実務経験を問わず受検できます。第二次検定は、第一次検定に合格した後の実務経験が必要で、2級は2級第一次検定の合格後3年以上などが条件です。
Q3. 1級と2級は、どちらから受けるのがよいですか?
A. 制度の上では、1級の第一次検定から受けることもできます。1級第一次検定に合格すれば、実務経験1年以上で2級の第二次検定を受けられます。いっぽうで、令和7年度の1級第二次検定の合格者のうち46.2%は2級の合格者で、2級から段階を踏む人も半分近くいます。
Q4. 造園施工管理技士の合格率はどのくらいですか?
A. 令和8年度の1級第一次検定は49.4%、令和7年度の1級第二次検定は45.0%でした。2級は、令和8年度の第一次検定(前期)が61.7%、令和7年度の第二次検定が50.4%です。合格基準は、どの区分も得点の60%以上が目安です。
Q5. 造園施工管理技士と樹木医は、どう違いますか?
A. 造園施工管理技士は、造園工事の施工を管理する国家資格です。樹木医は、樹木の診断・治療などを通して、樹木の保護・育成・管理や、落枝・倒木による被害の抑制を行う専門家で、一般財団法人日本緑化センターが認定しています。工事の段取りと安全を受け持つのが造園施工管理技士、木を診るのが樹木医です。
Q6. 過去の試験問題はどこで見られますか?
A. 全国建設研修センターのホームページで、試験の翌日から1年間公表されています。第一次検定は正答番号も公表されますが、第二次検定の解答は公表されません。
株式会社トシ・ランドスケープ
樹木医 中村雅俊
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出典・参考情報
- 一般財団法人全国建設研修センター「1級造園施工管理技術検定」「2級造園施工管理技術検定」(令和8年度。2026年10月15日に確認)
- 一般財団法人全国建設研修センター「受検の手引(1級第一次検定・第二次検定)新受検資格」(令和8年度)
- 一般財団法人全国建設研修センター「令和8年度 1級 管工事・電気通信工事・造園 施工管理技術検定「第一次検定」の合格者の発表について」(令和8年10月8日)
- 一般財団法人全国建設研修センター「令和8年度 2級 土木・管工事・電気通信工事・造園 施工管理技術検定「第一次検定(前期)」の合格者の発表について」(令和8年7月7日)
- 一般財団法人全国建設研修センター「令和7年度 1級 管工事・電気通信工事・造園 施工管理技術検定「第二次検定」の合格者の発表について」「令和7年度 2級 … 「第二次検定」の合格者の発表について」(令和8年3月4日)
- 国土交通省「令和6年度より施工管理技術検定の受検資格が変わります」(令和5年11月9日版)
- 国土交通省「建設業の各種金額要件や技術検定の受検手数料を見直します」
- 国土交通省「建設業の許可とは」
- 国土交通省 関東地方整備局「技術職員数(Z1)に係る改正(監理技術者補佐)について」




















