前回の記事では植栽基盤調査とは?という内容でご紹介しました。
今回は実際に現場で行っている調査とは具体的にどんなものなのかを
一般の方向けにわかりやすくご紹介したいと思います。

採った土の試料に電極を差し、pH・EC測定器で土のpH(酸度)とEC(電気伝導度)を測る

透水試験器を地面に据え、土の水はけを測る
採った土を土色帳と見比べ、土の色を調べる

土の pH などを測る測定器と、洗浄瓶・試料の容器
試掘した穴に入り、スケールを立てて土の断面を調べる
1 土壌の硬さの調査
土壌が硬く締まりすぎている場合には根が正常に伸びることが出来ません。
適度な硬さになるよう耕うんを行ったり、土壌改良資材の投入を検討します。
2 土壌の透水性・排水性(水はけ)の良さの調査
水はけが悪い状態ですと、根が腐ってしまう根腐れの問題があります。
また水が良くはけすぎるのも乾燥による問題が起きる可能性があります。
排水層の確保や暗渠排水、保水性の改善などの対策を検討します。
3 土壌のpH・ECなどの成分
pHは、簡単に言うと酸性・アルカリ性を示し、肥料の効き方に影響を及ぼします。
ECは、電気伝導度の事で、土に溶けている肥料分や塩分などの塩類の濃さを示し、塩類障害の有無や施肥の必要性を判断する目安になります。
を主に調査します。
1〜3の調査を、測り方と、問題があるときに起きること、検討する対策で並べると次のとおりです。
| 調べること | 測り方(器具) | 問題があると起きること | 検討する対策の例 |
|---|---|---|---|
| 土の硬さ | 長谷川式土壌貫入計、山中式土壌硬度計 | 硬すぎると根が伸びない | 耕うん、土壌改良資材の投入 |
| 透水性・排水性(水はけ) | 長谷川式簡易現場透水試験器 | はけないと根腐れ、はけすぎると乾燥 | 暗渠排水などの排水工、保水性を高める資材 |
| pH・EC | 採った土に水を加えた液を、pH計とECメーターで測る | pHの異常や塩類の濃さの異常で、養分や水分を吸いにくくなる | 土壌酸度中和剤、施肥の加減 |
出典: 国土技術政策総合研究所「街路樹の倒伏対策の手引き 第2版」(2019年)p.1-57 表-2.6、東京都建設局「令和3年度 街路樹診断等マニュアル」p.69(土壌改良の処置)・p.79〜81(表Ⅳ-1・4 土壌調査方法、表Ⅳ-1・5 土壌改良材の種類)、国土技術政策総合研究所「景観重要樹木の保全対策の手引き」(2010年)p.121 表3-17・p.171 表4-9
器具ごとの測り方と判定の目安は、連載「土壌調査と土壌改良」の「硬度調査」「透水調査」「土層調査」で説明しています。
各々の調査結果も重要ですが、
調査結果+環境要因や樹種の特性など複合的に判断する能力が必要となります。

イメージ写真。Photo by Lukas on Pexels.com
また近年樹木の調子が悪いのでと調査依頼があり調査を行うと
水が湧いてきてしまったり
建設ガラが山ほど出てきたり
pHが極端なアルカリ性を示していたり
と都心部の植栽地には大きな問題を抱えていることも多くあります。


掘った植穴の底にたまった水


掘り上げた土に混じる石やガラ

しっかりと整備された植栽基盤があってこそ植物は健全に生育することが出来ます。
植栽して数年経つのになかなか樹木が生育しない、もしくは枯れてしまう樹木が増えているといった問題を抱えてらっしゃる場合は一度植栽基盤の調査をお勧めいたします。
株式会社トシ・ランドスケープ
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