渋谷区の新築住宅の花壇工事のご依頼を頂きました。
花壇の基礎となるブロック積みから施工行います。
渋谷区恵比寿の新築住宅で、ブロック積みから左官仕上げ、表面の塗装までを行った花壇の新設工事の記録です。工程ごとの写真と、モルタルとは何か、仕上げに使った「ランデックスコートWS疎水剤」のしくみ、コンクリートの中性化を、メーカーや研究機関の資料とあわせて紹介します。
花壇の基礎になるブロック積み
写真のとおり、建物の際の敷石に沿った細長い場所に、コンクリートブロックの穴に鉄筋を通して、モルタルで1段ずつ積み上げています。突き出た鉄筋の先には、黄色いキャップを付けています。
モルタルは、セメントと水と砂を練り混ぜたものです。一般社団法人セメント協会は、セメントと水だけのものをセメントペースト、砂を加えたものをモルタル、さらに砂利を加えたものをコンクリートと呼び分け、モルタルを壁や床の仕上げ、レンガやタイルのつなぎに使うと説明しています。セメントは乾いて固まるのではなく、水と反応して(水和反応)固まります。
| 呼び名 | 材料 | 主な使い道 |
|---|---|---|
| セメントペースト | セメント+水 | 表面の仕上げ、ひび割れの補修 |
| モルタル | セメント+水+砂 | 壁や床の仕上げ、レンガやタイルのつなぎ |
| コンクリート | セメント+水+砂+砂利 | 建物・橋・ダム・トンネルなど |
出典: 一般社団法人セメント協会「コンクリートってどんなもの?」
左官仕上げ
ブロックの積み上がり後、左官仕上げを行います。
積み上がったブロックの表面に、こてでモルタルを塗って、花壇の正面・側面・天端(上の面)を平らに整えました。ブロックの目地が見えない、ひとつながりの面になっています。
表面の塗装──ランデックスコートWS疎水剤
改めて数日後に表面の塗装を行いました。
写真のとおり、塗る前に花壇と敷石の境目に養生テープを貼り(マスキング)、花壇の表面に疎水剤を塗っています。花壇の内側の底には、砕石が入っているのが写っています。
「ランデックスコートWS疎水剤」
という持続性がある資材で、
コンクリートの打放し素地の良さを
生かしながら超疎水性にすることで
コンクリートの風化を防止してくれます。
WS疎水剤の特長
メーカーの大日技研工業様ウェブサイトより一部引用
・コンクリートの打放し素地の良さを生かしながら
超疎水性にすることでコンクリートの風化を防止します。
・水性のため無公害で、また静電気を帯びにくく耐汚染性に優れています。
塗膜全体が完全な疎水性を持っており、樹脂に撥水剤を添加したものとは異なって、
塗膜のある限り長期間持続する性能を有します。
疎水剤の塗膜のしくみ
大日技研工業株式会社の製品のページによると、WS疎水剤は水性・一液型の無機質系の塗材です。主な成分は、シロキサン結合を持つ無機質のケイ酸系の結合材に、特殊なシリコン基を組み合わせたもので、塗膜に並んだ疎水基が外からの水滴を弾き、シロキサン結合でできた網目の構造は、コンクリートの中の水分を水蒸気として外へ逃がします。打放しの風合いを生かすため、下地が透ける半透明の色付けもできるとしています。同じページの塗膜性能の表には、付着強さ・透湿性・撥水性・耐水性・耐塩水性・耐酸性・耐アルカリ性などを、JIS の試験方法で確かめた結果が載っています。

図: 疎水剤の塗膜のしくみ(断面の模式図。出典: 大日技研工業株式会社「WS疎水剤」の製品のページ)
コンクリートの中性化とは
メーカーは、この塗材が水のしみ込みによる中性化を防ぐと説明しています。土木研究所の研究者による用語の解説では、コンクリートはセメントの水和物(水酸化カルシウムなど)によって pH12〜13 の強いアルカリ性を持ち、この水酸化カルシウムが二酸化炭素の作用で炭酸カルシウムに変わって pH が下がる現象を、一般に中性化と呼んでいます。
植栽はオージープランツなどで
植栽はネイティブプランツ、オージープランツなどで、
たくさんの緑が入るイメージでご提案させていただきます。
オーストラリアの植物には、ほかの土地には無い種が多く、オーストラリア国立植物園(ANBG)の統計では、維管束植物の約2万1,600種のうち91.8%が固有種です。ANBG は、ヤマモガシ科やマメ科など一部の在来植物はリンに弱く、リンをほとんど含まない肥料を使うと説明しています。オージープランツを植えた別の現場の記録は、「オージープランツ植栽 東京都世田谷区」にまとめています。
ご依頼いただきありがとうございました。
引き続きよろしくお願いします。
まとめ
渋谷区の新築住宅の花壇は、基礎となるブロック積みから始め、ブロックに鉄筋を通してモルタルで積み、左官仕上げで表面を整えました。数日後に、コンクリートの打放し素地の良さを生かしながら水を弾く「ランデックスコートWS疎水剤」で表面を塗装しています。塗る前には花壇と敷石の境目に養生テープを貼り、塗料が敷石に付かないようにしました。植栽は、ネイティブプランツ、オージープランツなどで、たくさんの緑が入るイメージでご提案しました。
よくある質問
Q1. モルタルとコンクリートは、どう違いますか。
セメント協会の説明では、セメントと水と砂を練り混ぜたものがモルタル、さらに砂利を加えたものがコンクリートです。モルタルは壁や床の仕上げ、レンガやタイルのつなぎに使われます。
Q2. 疎水剤を塗ると、どうなりますか。
メーカーの説明では、塗膜に並んだ疎水基が外からの水滴を弾き、網目の構造がコンクリートの中の水分を水蒸気として外へ逃がします。水のしみ込みによる中性化を防ぐとしています。
Q3. コンクリートの中性化とは何ですか。
コンクリートは pH12〜13 の強いアルカリ性ですが、セメントの水和物の水酸化カルシウムが二酸化炭素の作用で炭酸カルシウムに変わり、pH が下がる現象を一般に中性化と呼びます。
出典・参考情報
・大日技研工業株式会社「WS疎水剤」(製品のページ、2026年10月12日に確認)
・一般社団法人セメント協会「コンクリートってどんなもの?」
・松沢政和「中性化による塩分濃縮」(土木技術資料の用語解説、土木研究所 構造物メンテナンス研究センター)
・Australian National Botanic Gardens「Australian flora statistics」「Fertilising」
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