国内で買える樹木のケーブリング資材(コブラ、モンキーテール、鋼製ワイヤーロープ)と、植えた木を支えるワイヤー支柱・地下支柱を、破断荷重・適用する木の大きさ・点検のしやすさで比べました。販売元の資料と国の手引きをもとに、樹木医がグラフと図で整理します。
先日の記事(コブラ・ツリーケーブリングとは)で、コブラという資材の仕組みを書きました。書き終えてから、お客様や同業の方から「ほかの資材と比べてどうなのか」「ワイヤーで引く支柱とは何が違うのか」という質問をいただくことが続きました。資材ごとの数字を一度、同じ土俵に並べておきたいと思います。

左が樹冠の中で幹どうしを結ぶケーブリング、右が地面のアンカーからワイヤーで引くワイヤー支柱。支える場所も目的も違う
ケーブリングとワイヤー支柱は、支える場所が違う
言葉が似ているので、最初に分けておきます。ケーブリングは、大きく育った木の樹冠の中で、幹と幹、幹と枝をロープやワイヤーでつなぎ、枝折れや幹裂けの危険を下げる方法です。地面には何も立ちません。一方のワイヤー支柱は、植えたばかりの木が根づくまで、幹から地面のアンカーへワイヤーを張って倒れないようにする支柱の一種です。竹や丸太の鳥居支柱や八ツ掛支柱と同じ仲間で、材料がワイヤーになったものと考えると分かりやすいと思います。
国土技術政策総合研究所(国総研)の「街路樹の倒伏対策の手引 第2版」は、支柱を「樹木が活着して根系を十分に伸長させ樹体を支持することができるまでの仮設物」と位置づけ、主な支柱の種類として鳥居型・添木型・八ッ掛け型と並べてワイヤー型を図示しています。ケーブリングについては別の章で、幹裂けや枝裂けを防ぐために「保護対象となる幹や枝をワイヤー等で連結する」ものとし、弱点を根本から解消するものではないので将来の剪定や伐採の検討が要る、と書いています。
この記事では前半でケーブリングの資材を、後半でワイヤー支柱と地下支柱を比べ、最後にどれをいつ選ぶかを整理します。
国内で買えるケーブリング資材──3つの系統
2026年10月の時点で、国内の販売元から買えるケーブリングの資材は、大きく3つの系統に分かれます。
| 系統 | 製品の例 | 材質 | 木への付け方 | 国内の販売元(確認日 2026年10月7日) |
|---|---|---|---|---|
| 樹脂製の中空ロープ(金具なし) | コブラ・ツリーケーブリングシステム(ミニ・2t・4t・8t・ウルトラスタティック) | ポリプロピレン(ウルトラスタティックは超高強力ポリエチレン繊維) | 幹に巻き、ロープの端を自分のロープの中に通して留める、ホースとインサート板で樹皮を守る | レイ・ソーラデザイン株式会社(オンラインストア kiricoya) |
| ポリエステル製のケーブリング用ロープ | モンキーテール(Monkey Tail)12mm・19mm | ポリエステル | 幹に巻いて留める(金具を使わない) | 株式会社ツリークライミングワールド(TREEPRO ブランド、製造は Atlantic Braids Limited、カナダ) |
| 鋼製ワイヤーロープ | JIS G 3525 のワイヤーロープ(6×24 など)+ターンバックル・ワイヤークリップ | 亜鉛めっき鋼など | 幹に当て板やホースをあて、ワイヤーを巻いてクリップで留め、ターンバックルで張る | 金物店・建設資材店 |
コブラ・ツリーケーブリングシステム──樹脂製で、金具を使わない
ドイツで1993年から使われている、ポリプロピレン製の中空ロープのシステムです。ロープ、インサート板、コブラホース、ショックアブソーバー、エンドキャップの5つの部材でできていて、ボルトや金具を一切使いません。仕組みと3つの使い分け(ダイナミック・スタティック・重量サポート)は、前回の記事に詳しく書きましたので、ここでは数字だけを並べます。販売元のマニュアル(2025年版)の諸元では、初期引張強度はミニ 600daN、2t 3,400daN、4t 5,340daN、8t 9,860daN、ウルトラスタティック 7,640daN、適用年数は8年以上とされています。

当社で使うコブラ 8t の部材。ロープ、インサート板、コブラホース、ショックアブソーバー、エンドキャップ
モンキーテール──ポリエステル製のケーブリング用ロープ
当社が2019年の都内のイチョウと、2023年の区の保存樹木のイチョウで、大枝の落枝を防ぐために使った資材です。国内では株式会社ツリークライミングワールドが TREEPRO ブランドで販売していて、商品ページの表示では、製造は Atlantic Braids Limited(カナダ)、材質はポリエステル、12mm(90m巻)が破断荷重2,770kg、19mm(90m巻)が4,630kg です。
ただ、商品ページには耐用年数の記載がなく、ホースやショックアブソーバーのような専用の部材もありません。ロープだけを買って、取り付けの仕方は施工する側が組み立てることになります。私の感覚では、コブラとの違いは資材の優劣ではなく、「どこまでがセットになっているか」の差でもあります。

都内のイチョウの樹上。右の幹に巻いた黒いロープがモンキーテール(2019年10月)
鋼製ワイヤーロープ──当て板とターンバックルで張る、従来の方法
国総研の手引きの写真や、国総研「景観重要樹木の保全対策の手引き」のケーブリングの写真に写っているのは、この方法です。幹に細長い木の板(当て板)を並べてあて、その上からワイヤーロープを巻いて、ターンバックルで張ります。ワイヤーロープは JIS G 3525 の規格品が一般的で、たとえば 6×24 の9mm なら切断荷重4.07t(メーカーの安全荷重表の値)です。資材そのものは金物店で手に入ります。
弱点は、取り付けた後の調整がしにくく、木が太ると当て板ごと樹皮に食い込みやすいこと、金属なので錆びること、そして重いことです。コブラのカタログの比較では、直径12mmの被覆ワイヤーロープが100mあたり38.3kgなのに対し、同じくらいの強さのコブラ 4t のロープは12.0kgです。樹上に担ぎ上げる資材の重さは、作業の安全に直接つながります。

鋼製ワイヤーロープのケーブリングの取り付け部。当て板を並べた上からワイヤーを巻き、ターンバックルで張る。点線の円が樹皮に当たる所
比べる1──強さと太さ
まず、破断荷重(引っ張って切れる力)を同じ単位 kN で並べます。1kN はおよそ100kg の重さにかかる力です。コブラはメーカーの初期引張強度、モンキーテールは販売元が表示する破断荷重、鋼製ワイヤーロープは 6×24 A種 の切断荷重で、測り方は製品ごとに違います。目安として見てください。

国内で買えるケーブリング資材の破断荷重(kN)。製品ごとに測り方が異なる目安
グラフから分かるのは、強さだけならどの系統でも同じくらいの値を選べる、ということです。コブラ 4t(53.4kN)とモンキーテール19mm(45.4kN)と鋼製ワイヤー 9mm(39.9kN)は、同じ太さの枝を守る候補になります。違いは強さより、太さと伸び方にあります。鋼製ワイヤーは細くて伸びないので、同じ強さを細い線で得られますが、突風の衝撃をそのまま木に伝えます。コブラはショックアブソーバーを入れて衝撃をやわらげる前提で、ロープは太くなります。
もう1つ、コブラのウルトラスタティック(10mm で76.4kN)は、伸びがほとんど無いロープで、亀裂の広がりを止める用途だけに使うものです。強い数字だけを見て選ぶと、使い方を間違えます。
比べる2──木への当たり方と、付けた後の調整
ケーブリングは付けたら終わりではなく、木は毎年太ります。国総研の手引きは、ケーブリングの結束材が緩んだまま放置された場合や、保護材が木に食い込んだ場合を、腐朽や病虫害につながる原因として挙げ、定期的に確かめて調整するよう求めています。
この点で、系統ごとの差ははっきりしています。コブラは、幹に巻いた部分に余剰輪があり、木が太った分だけ後から緩めることができます。ロープの外側のホースが樹皮との摩擦を受け持ちます。鋼製ワイヤーは、当て板をあてても、ワイヤーそのものの長さを変えるにはターンバックルを緩めるか、クリップを付け直すしかなく、木に登ってやり直す作業になります。モンキーテールのようなロープだけの製品は、取り付け方しだいです。
現場での経験から言うと、ケーブリングで困るのは、何年も前に誰かが付けたワイヤーが幹に食い込んでいて、外すこともできない状態です。付けるときに、何年後に誰がどう調整するかまで決めておけるかどうかが、資材の選び方より大事なところだと思っています。
比べる3──守れる枝の太さの目安
コブラのマニュアルには、規格ごとに「守れる枝・幹の直径」の目安があります。ダイナミック(枝折れ防止)は 2t で直径40cmまで、4t で60cmまで、8t で80cmまで。亀裂の広がりを抑えるスタティックは、同じ規格でも一段小さい直径までです。亀裂のある木には、より大きな強度を見込むという考え方です。

コブラの規格と、守れる枝・幹の太さ(メーカー推奨の適用範囲)
モンキーテールと鋼製ワイヤーには、こうした「この太さまで」という目安が、国内の販売元の資料にはありません。施工する側が、枝の太さと重さ、風の当たり方から、必要な強度を見積もることになります。目安が公開されているかどうかも、資材を比べるときの大事な項目だと思います。
比べる4──耐用年数と点検
| 項目 | コブラ | モンキーテール | 鋼製ワイヤーロープ |
|---|---|---|---|
| 耐用年数(販売元の表示) | 8年以上 | 記載なし | 記載なし(錆・食い込みで判断) |
| 付けた年の見分け | エンドキャップの色が年ごとに変わる | なし | なし |
| 太った木への調整 | 余剰輪で緩められる | 取り付け方しだい | ターンバックルの範囲内、超えると付け直し |
| 地上からの点検 | 双眼鏡でロープの緩み・ホースのずれ・枝との接触を見る | 同左 | 同左に加え、錆と当て板の食い込み |
| 更新時の処分 | 金具なし、ポリプロピレンはリサイクルできる | ロープのみ | 金物の分別が要る |
点検の間隔は、国総研の手引きが「定期的に」としているだけで、年数は書かれていません。参考までに、米国のパデュー大学の普及資料(2017年)は、地上からの点検を毎年、木に登っての点検を3年ごとに、としています。当社では、年間管理に入っている木は作業のたびに地上から見て、気になる所は登って確かめるようにしています。
ワイヤー支柱──地上に張る型と、地下に隠す型
ここからは、植えた木を支えるワイヤー支柱です。国総研の手引きの表「支柱の適用条件の例」では、ワイヤー型は幹周30cm以上の木に使うものとされ、樹高でいうとおよそ4m以上の帯になっています。竹や丸太の支柱では支えきれない大きさの木、つまり高木を移植したときの支柱という位置づけです。

支柱の形式と適用する木の大きさ。国総研「街路樹の倒伏対策の手引 第2版」表-2.9の帯を読み取ったもの。ワイヤー型は幹周30cm以上
国土交通省の「公園緑地工事共通仕様書」(令和8年6月)には、ワイヤロープ支柱材は設計図書によるが、示されていない場合は JIS G 3525 の規格品を使うこと、ワイヤロープで控えを取る場合は幹の結束部に保護材を付け、指定の本数を効果的な方向と角度に取って止め杭に結束し、末端はワイヤクリップで止め、ターンバックルの有無にかかわらず緩みなく張ること、と書かれています。横浜市の公園緑地施設標準図集の手引きは、支柱材の耐用年数を真竹で1〜3年、杉丸太で2〜4年程度としたうえで、特に耐久性を要する場合は鋼製品等を、景観演出を心掛ける場合は地下支柱を検討する、としています。
地上ワイヤー張り支柱
幹や大枝の、根元から樹高のおよそ3分の2の高さに、保護ホースをかぶせたワイヤーを一周巻き、幹のすぐ外側でワイヤークリップ(締結金具)で留めます。そこから3方向(大きな木では4方向)にワイヤーを張り下ろし、途中のターンバックルで張りを調整して、シャックルで地面に打ち込んだアンカーにつなぎます。メーカーの図では、ワイヤーと地面の角度は60度が設置の目安です。

ワイヤー型支柱。保護ホースをかぶせたワイヤーを幹に一周巻いてクリップで留め、3方向に張り下ろしてターンバックルで張りを調整し、地面のアンカーにつなぐ
国内には、電柱の支線の技術を応用した打ち込み式のアンカーに、ビニール被覆のワイヤー、ターンバックル、シャックル、保護ホース、ワイヤークリップを組み合わせた製品があり、目安樹高3m から16m まで、木の大きさに応じた規格が用意されています(支線は3本が標準。メーカーの製品ページによる)。
ワイヤー支柱の強みは、支えられる木の大きさです。公益財団法人都市緑化機構のサイトに掲載された論文「樹木用支柱が高木の耐風性に及ぼす影響」(橘・直木・今井、2020年)は、クスノキ・オオシマザクラ・シラカシ7本の引き倒し試験で、樹高10mを超える移植木でも、ワイヤ支柱を使うと移植していない木と同じくらいの倒伏最大モーメントを確保できたと報告し、耐風性の改善効果は「ワイヤ>地上>地下の順」としています。抗力係数0.2で計算した根返り風速は、ワイヤ支柱の木で45.2〜69.3m/s、地下支柱と八ツ掛支柱のサクラで30.7m/s と28.4m/s でした。なお、この試験のワイヤはポリプロピレン製の中空ロープで、アンカーは打ち込み式でした。
弱みは、地面に斜めのワイヤーが張られることです。人が通る場所ではつまずきや引っかかりの元になり、芝刈りや清掃の邪魔にもなります。一周巻いたワイヤーは、保護ホースをかぶせていても幹が太ると食い込みますし、ターンバックルの緩みを放っておくと支柱としての意味がなくなります。国総研の手引きが挙げる「通行の障害になる場所での使用は、なるべく避ける」という注意は、四脚八ッ掛型についてのものですが、ワイヤー型にも同じことが言えると思います。

ワイヤー支柱の点検。ターンバックルの緩みと、幹に一周巻いたワイヤーと保護ホースの食い込み(点線の円)を確かめる
地下支柱──根鉢を地中で固定する
地上に何も出さず、根鉢を地中で固定するのが地下支柱です。国総研の手引きは、景観や通行に配慮する必要がある場合の選択肢として、鋼管などを使う「鋼製型支柱」と、根鉢を地中で支える「地下型支柱」を挙げています。同時に、地下型は維持管理で劣化を確認しにくいこと、成長後の根が固定器具へ食い込むのを避けるため結束材が分解性であることを確かめるよう、注意も書いています。

打ち込み杭式の地下支柱の断面。根鉢の上に穴あきの固定板を置き、地中に打ち込んだ鋼製の杭とワイヤーで押さえる。地上には何も出ない
国内の製品には、鋼製の杭を地中に打ち込んで、穴あきの固定板とワイヤーで根鉢を押さえる打込式(目安樹高2.5m から14m まで)と、根鉢の下に置いたベース板とメッシュをラチェットベルトで締める設置式(2m から12m まで)があります(メーカーの製品ページによる)。打込式は乱されていない粘性土が前提で、地盤改良した所には使えません。ほかに、打ち込むと土中で向きを変えて効くダックビル・アースアンカーを使った根鉢固定キット(株式会社日本ランテック)もあります。
メーカーのカタログで目を引いたのは、水極めの後と引き渡しの前、それに台風の前(7月頃)と後(9月末頃)に増し締めをするよう求めている点です。地下に隠れていても、点検と調整が要らなくなるわけではありません。
使い分けの整理──どれをいつ選ぶか
| 場面 | 向いている方法 | 理由 |
|---|---|---|
| 大きく育った木の二又・大枝の枝折れを防ぎたい | ケーブリング(ダイナミック、コブラなど) | 地上に支柱を立てずに済む、ショックアブソーバーで突風の衝撃をやわらげ、余剰輪で後から調整できる |
| すでに亀裂が入った又の広がりを止めたい | ケーブリング(スタティック、ウルトラスタティックなど) | 伸びの少ないロープで固定する、強度を一段大きく見込む |
| 短期間だけ支えたい | 鋼製ワイヤーのケーブリング | 資材が金物店で手に入る、食い込みと錆の点検を前提に |
| 樹高10mを超える高木を移植した | 地上ワイヤー張り支柱 | 引き倒し試験で移植無の木に近い耐風性、竹や丸太では支えきれない |
| 通路・広場・駐車場で支柱を見せたくない | 地下支柱 | 地上に何も出ない、地中の劣化が見えにくいので、増し締めの時期を決めておく |
| 樹高8m以下の木を普通の植栽地に植えた | 竹・丸太の鳥居支柱、八ツ掛支柱 | 3〜5年で外す仮設物として十分(日本の樹木支柱の種類と歴史) |
どの方法でも共通するのは、国総研の手引きにある次の一文です。支柱やケーブリングの設置位置が不適切だと、かえって幹折れや枝折れにつながることがあるため、支持が確実にできることと、設置する位置の近くに腐朽部が無いことを確かめること。資材を選ぶ前に、その木のどこが弱いのかを診断で確かめる順番は変わりません。
当社の現場から
当社では、目黒区のマンションのスダジイで8t のコブラ(高木樹木へのケーブリング支柱 東京都目黒区)、2019年の都内のイチョウと2023年の区の保存樹木のイチョウでモンキーテール(保存樹木イチョウ 樹木医・ケーブリング支柱施工)と、木と部位に合わせて資材を使い分けてきました。根を切られて二又の揺れを抑える必要があったスダジイには部材のそろったコブラを、大枝の落枝防止が目的だったイチョウにはモンキーテールを、という使い分けです。
植栽工事の支柱は、当社の現場では竹や丸太の支柱が中心です。ワイヤー支柱や地下支柱は、設計図書で指定されることが多く、メーカーの規格表と地盤の条件を見て選ぶことになります。

都内のイチョウの樹上で、モンキーテールのロープを取り付けているところ(2019年10月)
当社では、樹木診断で弱点の場所と程度を確かめたうえで、高木・特殊伐採&ケーブリングの作業として、資材の選定からケーブリングの取り付け、その後の点検までを行っています。残したい木の支え方でお困りのことがあれば、お問い合わせページからご相談ください。
よくある質問(Q&A)
Q1. ケーブリングとワイヤー支柱は何が違いますか?
A. ケーブリングは、大きく育った木の樹冠の中で幹と幹、幹と枝をロープやワイヤーでつなぎ、枝折れや幹裂けを防ぐ方法で、地面には何も立てません。ワイヤー支柱は、植えたばかりの木が根づくまで、幹から地面のアンカーへワイヤーを張って倒れないようにする支柱の一種です。支える場所も目的も違います。
Q2. 国内で買えるケーブリングの資材にはどんなものがありますか?
A. 2026年10月の時点では、樹脂製の中空ロープで金具を使わないコブラ・ツリーケーブリングシステム、ポリエステル製のケーブリング用ロープであるモンキーテール、そして金物店で手に入る鋼製ワイヤーロープとターンバックル・ワイヤークリップの組み合わせの3つの系統があります。
Q3. コブラと鋼製ワイヤーのケーブリングでは、何が違いますか?
A. 強さだけなら同じくらいの値を選べますが、太さと伸び方、木への当たり方が違います。鋼製ワイヤーは細くて伸びないので突風の衝撃をそのまま木に伝え、取り付けた後の調整がしにくく、木が太ると当て板ごと食い込みやすく、錆びます。コブラはショックアブソーバーで衝撃をやわらげ、ホースで樹皮を守り、余剰輪で後から緩められます。重さも、同じくらいの強さで比べるとコブラの方が軽く、樹上に担ぎ上げる負担が小さくなります。
Q4. ワイヤー支柱はどんな木に使いますか?
A. 国総研の手引きの適用条件の例では、ワイヤー型は幹周30cm以上の木に使うものとされ、樹高でいうとおよそ4m以上の帯になっています。竹や丸太の支柱では支えきれない大きさの木、特に樹高10mを超える高木を移植したときに使われます。引き倒し試験の研究では、ワイヤ支柱の耐風性の改善効果は地上支柱・地下支柱より大きいと報告されています。
Q5. 地下支柱を使うときの注意点は?
A. 地上に何も出ないので景観や通行の邪魔になりませんが、国総研の手引きは、地下型支柱は維持管理で劣化を確認しにくいこと、成長後の根が固定器具へ食い込むのを避けるため結束材が分解性であることを確かめるよう注意しています。メーカーのカタログも、水極めの後と引き渡しの前、台風の前と後に増し締めをするよう求めています。隠れていても点検と調整は要ります。
出典・参考情報
- レイ・ソーラデザイン株式会社「コブラ ツリーケーブリング システム」マニュアル(2025年版)p.7 諸元・設置の目安。オンラインストア kiricoya のコブラのページ(2026年10月7日確認)
- 樹木サポート協会「コブラツリーケーブリングシステム 樹脂製樹木サポートシステム」カタログ(2019年6月)p.2 重さの例
- 株式会社ツリークライミングワールド 商品ページ TREEPRO ロープ(モンキーテール)φ12mm 90m、同 径19mm 90m(2026年10月7日確認)
- 株式会社ミルコン「ワイヤーロープ安全荷重表」(6×24 裸 A種 JIS規格品)PDF
- 国土技術政策総合研究所「街路樹の倒伏対策の手引 第2版」(国総研資料 第1059号、2019年2月)第2章 Ⅱ/1-63〜64(支柱の種類と適用条件の例、鋼製型・地下型支柱)、第3章 Ⅱ/1-89〜90(支柱の撤去時期、ケーブリング)、第5章 Ⅱ/1-123〜124(樹体保護)第5章 PDF
- 国土技術政策総合研究所「景観重要樹木の保全対策の手引き」(国総研資料 第565号、2010年1月)p.229〜231 保護材等の整備(支柱・ケーブリング)
- 国土交通省 都市局 公園緑地・景観課「公園緑地工事共通仕様書」(令和8年6月)2章 植栽 材料(ワイヤロープ支柱材・地下埋設型支柱材)、2-3-3 高木植栽工 PDF
- 横浜市「公園緑地施設標準図集 使用の手引き」2 植栽 共通事項(支柱材の耐用年数、鋼製品・地下支柱の検討)横浜市の設計基準・資料のページ
- 橘大介・直木哲・今井一隆「樹木用支柱が高木の耐風性に及ぼす影響」(2020年。公益財団法人都市緑化機構のサイトに掲載)PDF
- 株式会社日本ランテック ダックビル・アースアンカー(2026年10月7日確認)
- Purdue University Extension, FNR-550-W “Large Tree Cabling and Bracing”(2017年9月)PDF(点検の間隔)
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- 高木樹木へのケーブリング支柱 東京都目黒区
- 保存樹木イチョウ 樹木医・ケーブリング支柱施工
株式会社トシ・ランドスケープ
樹木医 中村雅俊
































