緑地管理における芝生用除草剤・発芽抑制剤の散布

除草剤・発芽抑制剤散布

都内湾岸地域の緑地年間管理での芝生用除草剤・発芽抑制剤散布を行いました。

 

先に答え

芝生に使える除草剤は、農薬登録のある製品のうち、ラベルの適用表の作物名に、植えている芝の種類が書かれているものです。発芽抑制剤(土壌処理剤)は雑草が芽を出す前に土に散布し、茎葉処理剤はすでに生えている雑草に散布します。散布は、当社の現場での目安として3月と10月頃の年2回を基本にし、ラベルの使用時期と使用回数の範囲で決めています。この記事は、都内湾岸地域の緑地で行った散布の記録です。

除草剤は主に下記の種類に分かれます。

▪️茎葉処理剤
生えている雑草の茎や葉に
散布する除草剤

▪️発芽抑制剤
(土壌処理剤)
雑草が生える前に土に散布し、
これから芽を出す雑草を抑える除草剤

当社の現場での目安として、散布は3月(春夏の雑草)と10月頃(秋冬の雑草)の年2回を基本にしています。この現場でも、年2回の散布で雑草の量が大きく減りました。

土壌処理剤(発芽抑制剤)と茎葉処理剤の違いを表にまとめると、次のとおりです。

項目 土壌処理剤(発芽抑制剤) 茎葉処理剤
散布する所 土の表面 生えている雑草の茎や葉
散布の時期 雑草が芽を出す前、大きく育った雑草には向かない 雑草が生えてから
効き方 土の表層に薬剤の層をつくり、芽を出した雑草の芽や根が触れて枯れる 茎や葉にかけた薬剤で、生えている雑草を枯らす
当社での使い方 当社の現場での目安として、3月ごろと10月ごろの年2回 すでに生えている雑草に使い分ける

出典: 公益財団法人 日本植物調節剤研究協会「除草剤って何だろう?」、沖縄県 宮古農林水産振興センター農業改良普及課「雑草対策は「予防」から」(土壌処理剤の効き方)、当社での使い方は当社の現場での目安

発芽抑制剤 土壌処理剤 散布の時期 3月ごろ 春から夏の雑草 10月ごろ 秋から冬の雑草 年2回 当社の現場での目安
図: 発芽抑制剤の散布の時期(当社の現場での目安。実際の時期と回数は製品のラベルの範囲で決める)

芝生に使う除草剤は、ラベルの「作物名」で選ぶ

農薬取締法では、樹木なども含めて「農作物等」と呼び、その病害虫や雑草の防除に使う薬剤を農薬としています。農林水産省も、芝・樹木・花などの栽培や管理に使う除草剤は、農薬登録のある除草剤だと案内しています。容器や包装に「農林水産省登録第○○号」と書かれているのが、農薬登録のある除草剤です。

一方で、道路や駐車場などに使う、農薬として登録されていない除草剤もあります。これを芝・樹木・花などの栽培や管理に使うことは、法律で禁止されています。「非農耕地専用」という表示から、公園や緑地の植栽管理なら使えると誤解される例があるとして、農林水産省は注意を呼びかけています。

2つの除草剤の違いを表にまとめると、次のとおりです。

項目 農薬登録のある除草剤 農薬登録の無い除草剤
使う場面 農作物や、樹木・芝・花きなどの栽培・管理(家庭菜園やガーデニングも含む) 道路、駐車場、グラウンドなど、栽培・管理の目的以外
容器・包装の表示 「農林水産省登録第○○○○○号」 「農薬として使用することができない」旨(店頭にも表示する決まり)
芝生・植栽地に使えるか ラベルの作物名に植えている芝や樹木があれば、使用方法を守って使う 使えない(公園・緑地の植栽管理も同じ)、使った人は罰せられる
国の確認 国が人の健康や環境への影響を評価して登録している 農薬としての登録は無い

出典: 農林水産省「除草剤の販売・使用について」、農林水産省 北海道農政事務所「農薬として使用することができない除草剤について」、「農薬取締法」第24条(e-Gov 法令検索、2026年10月11日に確認)

同じ芝でも、使える製品が違う

農薬登録のある除草剤でも、どの芝に使えるかは製品ごとに決まっています。例として、農林水産省の農薬登録情報提供システムで、芝などに登録のある除草剤のひとつ(フラザスルフロン水和剤、登録番号22150)の適用表を見ると、作物名は日本芝、西洋芝(バーミューダグラス)、センチピードグラスなどで、西洋芝はバーミューダグラスに限られています。この製品は、ベントグラスなどほかの西洋芝には登録がありません。ここでの例はラベルの読み方を示すためのもので、この現場で使った薬剤を示すものではありません。

ラベルの使用時期と、3月・10月の目安

同じ適用表では、使用時期が「雑草発生初期」「秋冬期雑草発生前」「春夏期雑草発生初期」のように、季節と雑草の育ち具合で書き分けられています。上に書いた3月(春夏の雑草)と10月頃(秋冬の雑草)の年2回は当社の現場での目安で、実際の時期と回数は、使う製品のラベルの使用時期と使用回数の範囲で決めます。

農薬のラベルの適用表の読み方 作物名 使用時期 薬量 希釈水量 使用回数 登録番号22150 フラザスルフロン水和剤 日本芝 西洋芝 バーミューダグラス
図: ラベルの適用表の読み方(出典: 農林水産省「農薬登録情報提供システム」登録番号22150 の適用表の一部。読み方の例で、この現場で使った薬剤ではない)

散布の当日に守ること

写真は、散布の前に薬剤を水で希釈しているところです。薬量と希釈に使う水の量は、ラベルの適用表に面積あたりの量で書かれています(例に挙げた製品では、10aあたりの薬量と希釈水量)。

芝生や樹木のように食べない植物に使う場合も、ラベルに書かれた適用の範囲と使用方法、使用上の注意事項に従って使うよう努めることが、農薬取締法に基づく省令で定められています。住宅、学校、保育所、病院、公園など、人が住んだり頻繁に訪れたりする場所とその近くでは、農薬が飛散しないよう必要な措置に努めることも求められています。

農林水産省は、除草剤の散布は無風か風が弱いときなど周りに影響の少ない天候・時間帯に行い、使用の目的・散布日時・除草剤の種類・連絡先を、余裕をもって周りの方へ知らせるよう案内しています。使った年月日、場所、植物、農薬の名称、使用量または希釈倍数は、帳簿に記録するよう努めることとされています。

散布の前と当日に確かめることを並べると、次のとおりです。

  • ラベル: 作物名に植えている芝や樹木があるか、使用時期・薬量と希釈水量・使用回数・使用上の注意事項
  • 周知: 使用の目的、散布日時、除草剤の種類、連絡先を、時間に余裕をもって周りの方へ知らせてあるか
  • 天候と時間帯: 無風か風の弱いときなど、周りに影響の少ない天候・時間帯か
  • 飛散: 住宅・学校・保育所・病院・公園など、人が住んだり頻繁に訪れたりする場所とその近くでは、飛散を防ぐ措置をとる
  • 立入り: 立て看板や立入制限の範囲を決め、散布中と散布直後に人が入らないようにする
  • 記録: 使った年月日、場所、植物、農薬の名称、単位面積あたりの使用量か希釈倍数を帳簿に記録して保管する

出典: 農林水産省「除草剤の販売・使用について」、「農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省令」第2条第2項・第6条・第9条(e-Gov 法令検索)、農林水産省・環境省「住宅地等における農薬使用について」(平成25年4月26日)別紙1(7)(8)

除草剤や発芽抑制剤をご提案する場面(手作業の除草や車の養生に手間と費用がかかる現場)、農薬登録のしくみ、

マンションや住宅地での周知のしかた、「普通物」の意味など、安全性の考え方は「除草剤、発芽抑制剤の使用・安全性について」にまとめています。

 

適切な薬剤の選択や使用できる環境など
今後の植栽管理作業について検討されていらっしゃる場合には
ご相談をお待ちしています。

株式会社トシ・ランドスケープ

 

よくある質問

Q1. 芝生に使う除草剤は、どう選べばよいですか。

容器や包装に「農林水産省登録第○○号」の表示がある、農薬登録のある除草剤を選びます。そのうえで、ラベルの適用表の作物名に、植えている芝の種類が書かれているかを確かめます。同じ西洋芝でも、登録のある芝の種類が限られている製品があります。

Q2. 農薬登録のない除草剤を、芝生に使ってもよいですか。

使えません。農薬として登録されていない除草剤を、芝・樹木・花などの栽培や管理に使うことは、農薬取締法で禁止されています。容器や包装に「農薬として使用することができない」旨が書かれている除草剤がこれにあたります。「非農耕地専用」という表示から公園や緑地なら使えると誤解される例があるとして、農林水産省は注意を呼びかけています。

Q3. 芝生の発芽抑制剤は、いつ散布しますか。

雑草が芽を出す前が基本です。当社の現場での目安として、春夏の雑草に向けては3月、秋冬の雑草に向けては10月頃の年2回を基本にしています。実際の時期と回数は、ラベルに書かれた使用時期と使用回数の範囲で決めます。

出典・参考情報

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当社は、マンション・施設・社寺・行政の植栽管理の中で、病害虫の調査と対策を行っています。大きく育った樹木の診断や、高木の剪定もあわせてご相談いただけます。

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