渋谷区恵比寿の渋谷同胞幼稚園様の園庭でケヤキの植樹式を行いました。
渋谷区恵比寿の幼稚園で、腐朽のため伐採したケヤキの跡に、年長さんたちと新しいケヤキの苗木を植えた植樹式の記録です。伐採から植樹までの経過と、苗木を植えるときに気をつけること、ケヤキという木について、行政の資料をもとに書き添えます。
伐採したケヤキの跡に、新しいケヤキを植える
今年2022年の初めに元々この植樹を行う場所で育っていたケヤキが、
腐れによる倒木倒伏の危険がありやむなく伐採(過去ブログあり)をしました。
伐採したケヤキは、渋谷区の保存樹木でした。根元には2015年頃からベッコウタケが出ており、2017年には樹木医による外観診断とレジによる機器診断を行い、透かし剪定をしながら経過を見てきました。園に通うこどもたちの安全を最優先に考えて伐採したあと、根元の中心が空洞とスポンジ状になっていたことを確かめています。
伐採の日には、在園児や卒園児など地域のこどもたちにロープワークでの伐採を見学してもらい、伐ったあとにはスポンジ状になった幹や根に触れてもらいました。木が腐って分解され、土に戻っていく自然の循環を、目と手で知ってもらう機会になりました。春に苗木を植える計画も、このときから園と進めていたものです。

図: 園庭のケヤキの経過(記事「幼稚園 渋谷区保存樹木・ケヤキ伐採」とこの記事の当社の記録から作成)
渋谷区は、幹の周囲が1.2m以上の樹木などを「渋谷区みどりの確保に関する条例」にもとづく保存樹木に指定しています。区のページは、保存樹木をやむを得ず伐採する場合には、樹木の移植または同じ数以上の樹木の植栽を行うよう求めています。この園庭では、伐採した木と同じ場所に、同じケヤキの苗木を植えることになりました。
年長さんたちと苗木を植える
今回はその切り株の空洞部分に新たなケヤキの苗木を植える事となり、
年長さんたちの力を借りて一緒にケヤキの木を植えました。
- 幼稚園 植樹式
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こどもたちが一生懸命、土を運び、樹木を植え、水をあげてくれました。
- 幼稚園 植樹体験
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苗木を植えるときに気をつけること
植えたばかりの苗木は、まだ根が周りの土に伸びていません。国土技術政策総合研究所の「街路樹の倒伏対策の手引き」は、植え付けで気をつけることとして、次のような点を挙げています。
| 気をつけること | 手引きにあること |
|---|---|
| 植える深さ | 根鉢の上面が土に隠れる程度に高さを合わせ、深植えは避ける(根の呼吸を妨げ、衰弱のもとになる) |
| 植え付け後の水 | 水ぎめで水を与えるだけでなく、葉のしおれなどを見ながら水やりをする |
| 支柱 | 根付くまでの根返りや傾きを防ぎ、根の揺れを抑えて活着を助ける |
| 根元の保護 | 踏み固めから根元を守る板や、草を抑えて水分を保つマルチングがある |
出典: 国土技術政策総合研究所「街路樹の倒伏対策の手引き 第2版」(国総研資料 第1059号、2019年2月)Ⅱ p.1-61・1-72。表は手引きの文をもとに当社でまとめたもの
植え穴に水を注ぎ、泥にした土で根と土の隙間を埋める方法を「水極め(みずぎめ)」といいます。幹のまわりに土手をつくって水をためる「水鉢」とあわせて、植樹のときによく行われる作法です。

図: 植え付けの作法 水極めと水鉢(東京都建設局「街路樹等維持標準仕様書 緑地管理編」、国総研「街路樹の倒伏対策の手引き 第2版」p.1-72 をもとにした一般的な方法の模式図)
ケヤキは、どんな木に育つのか
ケヤキは渋谷区の「区の木」です。区のページでは、ニレ科の落葉高木で、関東各地で防風林として多く植えられ、武蔵野の面影を伝える代表的な樹木と紹介されています。区内では代々木公園や表参道のケヤキ並木が知られています。
大きく育つと、幹の上のほうから枝が四方へ広がる盃(さかずき)のような樹形になります。根は比較的浅いところを広がる「浅根性」の樹種とされ、国総研の手引きは、浅根性の樹種の完成した樹形での根の広がりの目安を、水平方向に4m、深さ方向に1.2mとしています。園庭の苗木も、年月をかけて枝と根を広げていくことになります。
植えたあとの見守り
同じ手引きは、植えたあとの木を傷める原因として、成長した幹に支柱が食い込むこと、草刈り機の刃で根元の幹が傷つき、そこから木材腐朽菌が入ることなどを挙げています。木の成長を見込んで支柱の大きさを決め、あとで取り外せる形にしておくこと、根元にマルチングを敷いて草刈り機を近づけずに済むようにすることがすすめられています。手引きは、踏み固めから根元を守る踏圧防止板も挙げています。人の出入りの多い園庭では、根元の土を踏み固めないことも、苗木が根を張るための見守りの一つです。
植物の生命が新たな土地で育っていく喜びを感じてもらい、
こどもたちが大人になった時に自分たちで植えたことを
覚えていてくれたら嬉しいです。
ケヤキが大きく育っていきながら、
こどもたちの成長も見守ってくれますように。

幼稚園 ケヤキ 植樹
ご相談いただきありがとうございました。
これからもよろしくお願いいたします。
よくある質問
Q1. 苗木を植えるとき、深く植えたほうがしっかりしますか。
深植えは避けます。国総研の「街路樹の倒伏対策の手引き」は、根鉢の上面が土に隠れる程度に高さを合わせるとし、深植えは根の呼吸を妨げて衰弱のもとになるとしています。
Q2. 植えたあとの支柱は、ずっと付けたままでよいですか。
根付くまでの傾きを防ぐためのものなので、木の成長に合わせて見直します。国総研の手引きは、成長した幹に支柱が食い込むと傷のもとになるとして、あとで取り外せる形にしておくことをすすめています。
Q3. ケヤキはどんな木ですか。
ニレ科の落葉高木で、渋谷区の区の木です。大きく育つと枝が四方へ広がる樹形になり、根は比較的浅いところを広がる浅根性の樹種とされています。
出典・参考情報
・国土技術政策総合研究所「街路樹の倒伏対策の手引き 第2版」(国総研資料 第1059号、2019年2月)
・渋谷区「区の花と区の木」「樹木等の保護」(渋谷区のサイト)
・埼玉県県土整備部道路環境課「街路樹剪定マニュアル」(令和2年12月)p.3-7
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