樹木医学会 第30回大会 参加報告 都市樹木管理の未来を考える


1|基礎研究の深化と、診断技術の高度化

東京農業大学で開催された「樹木医学会 第30回大会」に参加し、最新の研究成果から現場課題、気候変動によるリスク、地域ごとの特性、そして都市樹木管理の未来像について、多くの学びを得ました。本記事では、研究と実務の接続という観点から、私たちの取り組みや今後の展望までまとめています。

今年の大会では、
・病害の起点となる微生物の同定
・発病メカニズムの解析
・病原体の侵入条件の解明

といった基礎研究の充実を強く感じました。
症状 → 要因 → メカニズムへと丁寧に追う科学的姿勢は、私たち現場の樹木医にとって非常に示唆に富む内容でした。

一方で、研究成果が現場の診断・管理に十分落とし込まれていない現状も共有され、研究と現場のギャップを改めて実感する場面もありました。

樹木医学会 樹木医

樹木医学会 樹木医


2|温暖化が引き起こす新たなリスクと地域固有の課題

発表の中でも特に印象深かったのが、沖縄県久米島での天然記念物マツの枯死事例です。

  • 亜熱帯気候により マツノマダラカミキリの飛翔期間が長期化

  • 枯死木への シロアリの発生が早期化

  • 限られた予算の中で危険木対応が優先され、予防策が十分に打てない状況

これらは、温暖化の進行により今後本州でも十分起こり得る問題であると感じました。

また、全国の樹木管理者の話からは、

  • 松枯れが深刻な地域

  • ナラ枯れの拡大地域

  • 土壌劣化が顕著な都市部

など地域固有のリスクが浮かび上がり、それぞれが異なる現実と向き合っていることが共有されました。


3|「木は必ずサインを出している」──樹木医の使命

大会全体を通して改めて感じたのは、
「木は必ずサインを出している」
という診断の根幹にある確信です。

どれほど技術が進歩しても、木と向き合う際に求められるのは、

  • 科学的な裏付け

  • 木が発する微細な変化を読み取る観察力

の両軸です。

研究で得られる知識と、現場で培われる観察眼を統合することこそが、樹木医の使命であると再認識しました。

樹木医 樹木診断 機器診断 アーボソニック3D 多点式音響波

樹木医 樹木診断 機器診断 アーボソニック3D 多点式音響波


4|地域・行政・社会を巻き込み、都市の樹木文化を未来へ

温暖化リスク、外来生物、病害虫の拡大など、自治体が抱える課題は年々増加しています。

これらに対処するには、

  • 科学データに基づく診断

  • 地域への正しい情報伝達

  • 行政・管理者との連携

  • 予算確保に向けた社会発信

といった多層的な取り組みが欠かせません。

現場技術だけでなく、
「危機を正しく伝え、行動につなげるコミュニケーション力」
の重要性を強く実感しました。


5|Toshi Landscape Inc.としての展望

職人 × 科学 × 社会を統合する樹木管理へ

今回の学会で得た知見は、当社が掲げる理念と深く重なります。

私たちは、

  • RESI(レジストグラフ)

  • Arbosonic 3D(アーボソニック3D)

  • PiCUS(ピカス)

などの科学的診断を活用しながら、剪定・伐採・植栽など現場の判断を往復し、都市の最前線から得られるデータを社会へ還元する企業を目指しています。

また、

  • 早期診断・早期対策

  • 土壌改善

  • 外来生物対策

  • 天然記念物・御神木・寺社林の保全

  • マンション植栽の長期管理

など、持続可能な都市樹木管理体系の構築に引き続き力を入れてまいります。

樹木医学会 樹木医

樹木医学会 樹木医


6|学会参加を通じて──感謝と未来への決意

今回の学会では、同期生や諸先輩方と再会し、多くの励ましやご指導をいただきました。この場を借りて改めて感謝申し上げます。

研究者・行政・技術者が向き合う課題の大きさを実感しつつ、
「都市景観に付加価値を 人と都市をグリーンでつなぐ」
という理念のもと、これからも科学的で人間的な樹木管理を追求していきます。

樹木医学会 樹木医

樹木医学会 樹木医


株式会社トシ・ランドスケープ
樹木医・街路樹診断士 中村雅俊

弊社ウェブサイト内にも樹木医診断や過去の事例について
詳しく情報を公開しています。
コンサルティング業務・樹木医診断・治療 施工実績一例をご紹介いたします。

・「大型化・老木化」時代の樹木医・街路樹診断士による東京型・街路樹や公園樹木のマネジメント
・都市部の街路樹・公園樹における老齢化と樹木医による樹木診断の重要性
・歩道の切り下げ工事に伴う樹木移植適性度診断(移植可否診断) 東京都
・樹木医がイギリスの樹木診断に学ぶ ― 都市の樹木を守るための対話と発見
・庭園樹のアカマツ 樹木医による樹勢回復、病虫害防除薬剤散布
・藍染と庭師の装い 青と緑が語る文化の物語
・日本の植木職人を支える伝統の履物「足袋」の魅力
・南アフリカの薬用多肉と都市の未来:ハオルシア由来
・マンションの植栽管理に関する考え方について
・植栽管理に関するコンサルティング業務
・マンションにおける中長期の植栽管理提案・コンサルティング マスタープラン策定 神奈川県横浜市
・学校施設 ケヤキなど樹木医診断 東京都
・公園樹木診断 樹木医による機器診断・根株診断(レジストグラフ) 東京都
・街路樹の移植可否診断(移植適性度診断) 東京都
・マンションの雑草管理(ケミカルコントロール)について 神奈川県横須賀市
・東京実業高等学校様 樹木医によるクスノキの樹勢回復作業 東京都大田区蒲田
マンション内のイチョウ(銀杏) 樹木医診断(機器診断) 東京都大田区
・ベッコウタケによるサクラ倒木 緊急対応 東京都杉並区
・公園のサクラ(桜) 樹木医 樹木診断(機器診断) 東京都
・サクラ並木 樹木医 土壌改良・エアレーション 東京都
・いばらき樹木医会研修会 茨城県つくば市
・桜 ソメイヨシノ 樹木医診断~伐採工事
・樹木医診断 腐朽樹木・伐採工事 神奈川県川崎市
・学校施設内 桜(サクラ)樹木医診断 東京都
・銀杏岡八幡神社 台東区浅草橋 樹木医診断
・ナラ枯れ コナラ 樹木医診断・処置
・サクラ 樹木医診断(機器診断・レジストグラフ)
・樹木医診断 植栽基盤調査(土壌調査)
・樹木医診断 アカマツ
・ケヤキ・不定根発根治療 樹木医
・樹木医診断 レジストグラフ過去マンション事例
・腐朽樹木 樹木医診断・伐採工事
・腐朽樹木 樹木医診断~伐採工事 東京都目黒区
・クスベニヒラタカスミカメ クスノキの害虫 診断処置
・掘削工事 樹木医立会い診断
・中長期の植栽管理マスタープラン 神奈川県横浜市

インスタグラム トシランドスケープ公式ページ
フェイスブック トシランドスケープ公式ページ
宜しければSNSのページもご覧になってください。

人気の記事
最新の記事
おすすめ記事
  1. レッドロビン(ベニカナメモチ)の「ごま色斑点病」対策 東京都杉並区

  2. 木漏れ日 日本語とフランス語 言葉としての表現について

  3. ベッコウタケによるサクラ倒木 緊急対応 東京都杉並区

  4. サクラ並木 樹木医 土壌改良・エアレーション 東京都

  5. 松の伝統技術「短葉仕立て」とは|剪定・芽切り・病害虫管理まで徹底解説

  6. クスベニヒラタカスミカメ クスノキの害虫 東京都杉並区・保護樹木剪定

  7. マンション植栽管理の造園業者・植木屋を選ぶには

  8. 公園樹木診断 樹木医による機器診断・根株診断(レジストグラフ) 東京都

  9. 樹木にやさしいブランチカラーを意識した剪定

  10. 植栽管理に関するコンサルティング業務

  1. 恵比寿どろんこ山プレーパーク 受賞を機に始まる改修と、私たちの植栽改修 渋谷区恵比寿

  2. 2026年 インターンシップ、会社説明会の実施のご案内

  3. 樹木診断機器 IML社製 RESI PD について

  4. 【ツリーケア最前線】樹木医が語るRESI診断とロープワークの統合 相模原市での樹木診断レポート

  5. 【江戸川区・寿昌院】200年の時を超える「臥竜の松」 古地図と地名が語る土地の記憶

  6. 【焼杉板の外壁】機能美と植栽との深い関係 「経年優化」する風景をつくるために

  7. 樹木模擬診断研修会を終えて 人の眼 × 機械の眼が拓く、新しい都市樹木管理のかたち

  8. 枯死後のナラ枯れ木が抱える見えない危険  倒木リスクの科学的検証と、これからの管理のあり方

  9. 樹木医学会 第30回大会 参加報告 都市樹木管理の未来を考える

  10. 「大型化・老木化」時代の樹木医・街路樹診断士による東京型・街路樹や公園樹木のマネジメント

  1. 登録されている記事はございません。

関連記事

Translate »