1月5日〜約1週間ほど、弊社加藤バンジャマン(フランス生まれ育ち)と髙尾親方(樹木医)、
そして弊社でお世話になっている工務店の株式会社水雅の社長さんと、
フランスとイギリスに行くことになりました。
2023年1月5日から約1週間、フランスとイギリスへ渡航したときのお知らせです。渡航のきっかけ、写真に写る日本の庭の要素(石灯籠・つくばい・竹垣)、そして渡航のあとに書いた記事を、用語辞典と当社の記録をもとにまとめます。
渡航のきっかけ──フランスからの植栽デザインのご依頼
昨年の春から、フランスの国際的なブランドから
植栽デザインについてのご依頼をいただいたのは主なきっかけです。
同じ時期、加藤バンジャマンは、パリで開かれたホテルとレストランの内装デザインの国際的な展示会「EQUIP HOTEL」で、前職の親方(宮大工)が樹木一本から作るオーダーメイドのフローリング「応樹織床」を出展した際の通訳を務めました(「応樹織床 EQUIP HOTEL」)。樹木医がやむを得ず伐採すべきと判断した樹木を、宮大工が加工して後世に残る形に変えていく。そうした樹木の命をつなぐ物語があると、加藤はその記事に書いています。
写真の日本の庭──石灯籠・つくばい・竹垣
上の写真には、門と竹垣、石灯籠、苔むしたつくばいと筧など、日本の庭を形づくる要素が写っています。日本建築・美術の用語辞典 JAANUS の説明をもとに、それぞれの由来を並べると次のとおりです。
| 要素 | JAANUS の説明の要点 |
|---|---|
| 石灯籠 | はじめは寺社の献灯として使われ、のちに境内を照らす灯りになった、16世紀に茶人が茶室を囲む庭に使い、寺社の外でも使われるようになった、形で約9の系統、75を超える型がある |
| つくばい(蹲踞) | 茶庭に置く低い手水鉢で、かがんで使うことからこの名がある、茶室に入る前に客が手を洗い口をすすぐ、近くに灯籠を置き、まわりに役石を組むことが多い |
| 建仁寺垣 | 京都の建仁寺で初めて使われたことに名が由来する竹垣、竹垣の組み方の基本ともされ、江戸時代以降に広まった |
出典: JAANUS(Japanese Architecture and Art Net Users System)「tourou」「tsukubai」「kenninjigaki」
石灯籠もつくばいも、もとは寺社や茶の湯の場で使われていたものが、庭の要素として受け継がれてきました。海外のお客様と庭の話をするとき、こうした由来を言葉で伝えられることも、空間づくりの一部だと考えています。
イギリスにある日本の庭──ロンドンの京都ガーデン
渡航先のイギリスにも、日本の庭があります。ロンドンのホランド・パークにある「京都ガーデン」は、1991年に京都商工会議所から寄贈された庭で、ケンジントン・アンド・チェルシー王立区と京都商工会議所の共同の事業として、日本の庭園家とそのチームが設計・施工したと、区の公式ページは案内しています。海の向こうで日本の庭が受け継がれていることも、海外の方と日本の空間を考えるときの手がかりになります。
現地のランドスケープデザイナー・ガーデナーとの交流
同行するのは、樹木医の髙尾と、フランスで生まれ育った加藤です。加藤はパリの展示会で通訳を務めたこともあり、現地の方とはフランス語で直接やり取りができます。
今回の滞在中には海外で活躍されている
ランドスケープデザイナーや、ガーデナーさんとアポイントをとっています。
海外との交流を更に深めて、海外の方のライフスタイルや
国際感覚と合致する日本のアイデンティティを持つ空間づくりとは何か
について今回の渡航を機に、更に深掘りできればと思っています。
- 竹垣 建仁寺垣 穂垣
- 竹垣 建仁寺垣 穂垣
- 竹垣 建仁寺垣 穂垣
- 竹垣 建仁寺垣 穂垣
上の5枚は、当社が個人邸で再設置した竹垣の写真です。道路側が建仁寺垣、お庭側が竹の小枝を使った穂垣で、既存の仕様とデザインを変えずに再現しました(「竹垣工事 建仁寺垣 穂垣」)。JAANUS によると、建仁寺垣は柱の間に丸竹の押縁を4〜5段渡し、幅3cmほどの割竹をすき間なく縦に並べて、シュロ縄で結び付けて作ります。また、竹で作る垣の総称が竹垣で、竹の穂(小枝)で作る垣は竹穂垣と呼ばれます。お庭側の穂垣は、この竹穂垣にあたります。
渡航のあとに書いた記事
この渡航と、その後の海外との交流から生まれた記事を並べると、次のとおりです。
| 公開 | 記事 | 内容 |
|---|---|---|
| 2023年1月9日 | 応樹織床 EQUIP HOTEL | パリの展示会で加藤が通訳を務めた記録 |
| 2023年1月24日 | ロワイヨモン修道院 フランス | パリの北にある修道院で見た、セイヨウコリヤナギの枝を編み込んだ生垣 |
| 2026年1月21日 | 良い技術は国境を越える | イタリアのアーボリストから届いたヨーロッパの樹木管理の基準書 |
| 2026年3月23日 | ヨーロッパの街路樹管理から考える | スペインのプラタナスの並木と、フランスの萌芽更新の仕立て「トローニュ」 |
今後ともよろしくお願いいたします。
株式会社トシ・ランドスケープ
よくある質問
Q1. つくばい(蹲踞)とは何ですか。
茶庭に置く低い手水鉢です。かがんで使うことからこの名があり、茶室に入る前に客が手を洗い口をすすぐのに使います。近くに灯籠を置き、まわりに役石を組むことが多いとされています(JAANUS)。
Q2. 建仁寺垣とは、どんな竹垣ですか。
京都の建仁寺で初めて使われたことに名が由来する竹垣で、柱の間に丸竹の押縁を渡し、幅3cmほどの割竹をすき間なく縦に並べて縄で結びます。竹垣の組み方の基本ともされています(JAANUS)。
Q3. 穂垣とは、どんな竹垣ですか。
竹の穂(小枝)で作る垣で、竹穂垣とも呼ばれます(JAANUS)。この記事の写真の現場では、道路側を建仁寺垣、お庭側を竹の小枝を使った穂垣にしています。
出典・参考情報
・JAANUS(Japanese Architecture and Art Net Users System)「tourou」「tsukubai」「kenninjigaki」「takegaki」
・The Royal Borough of Kensington and Chelsea「Holland Park」(京都ガーデン)
・当社の記事 8164・8140・8185・10440・10554(渡航と竹垣の記録)
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