渋谷区恵比寿南のマンションのエントランスに植栽されている
シンボルツリーのケヤキ2本の剪定を行いました。
渋谷区恵比寿南のマンションで、エントランスのシンボルツリーのケヤキ2本を、ロープワーク(ツリークライミング)で剪定した記録です。高所作業車が入らない場所での樹上の作業と、ケヤキらしい樹形を保つ自然風剪定の考え方を、行政の剪定マニュアルをもとに書き添えます。
高所作業車が入らない場所で、ロープワークで剪定する
高所作業車が入らないような都市部の環境でも、
ツリークライミングによるロープワーク技術により
このような細い枝先まで剪定が可能になります。

ケヤキの樹上で細い枝先を剪定する作業員。右奥にもう1人
高い木の上の枝を切る方法は、大きく分けて2つあります。車両の作業床に乗って枝に近づく高所作業車と、作業員がロープとハーネスで木に登るロープワークです。法令では、作業床の高さが2m以上の車両が高所作業車にあたり、作業床の高さが10m以上の高所作業車の運転には技能講習の修了が、10m未満の運転には特別教育が求められています。車両を使うには、木の近くに車両を据える場所が必要です。
マンションのエントランスのように、建物や植え込み、人の出入りに囲まれた場所では、その場所がとれないことがあります。ロープワークなら、木そのものを足場にして樹冠の中へ入れるので、車両の届かない枝先まで手が届きます。
| 比べるところ | 高所作業車 | ロープワーク(ツリークライミング) |
|---|---|---|
| 枝に近づく方法 | 車両の作業床に乗って近づく | ロープとハーネスで木に登り、樹冠の中を移動する |
| 使える場所 | 木の近くに車両を据えられる場所 | 車両が入れない中庭・エントランス・建物の間でも作業できる |
| 法令の決まり | 作業床の高さ10m以上は技能講習、10m未満は特別教育を受けた人が運転する | 高さ2m以上の作業では、墜落を防ぐ措置をとる |
出典: 労働安全衛生法施行令 第10条第7号・第20条第15号、労働安全衛生規則 第36条第10号の5・第518条(e-Gov 法令検索)。当社のサービスページ「高木・特殊伐採&ケーブリング」の説明をもとに作成
樹上で切る人と、地上で樹下の安全を見る人が組になって作業するのが、ロープワークの基本の形です。樹上の作業員の一日と地上の役割は「樹上作業の一日」で、樹上で働く人の仕事は「アーボリストとは」で紹介しています。

樹下を立入禁止にし、地上の職人が合図と片付けを受け持つ(イラスト)
マンションの顔になる、シンボルツリーの高木
こちらのマンションではこのケヤキの他に、
東西南北の角にクスノキやサクラなどシンボルツリーとなる高木が植栽されています。
遠目から見たときにでもこれら高木類の樹木が、
マンションの顔となるようなサイズ感と剪定の質にこだわっています。
自然風剪定によりケヤキらしい枝ぶりでエントランスをシンボルツリーとして彩ります。
ケヤキらしい樹形を保つ自然風剪定
ケヤキは、幹の上のほうから太い枝が四方へ分かれ、盃(さかずき)のように上へ開いた樹形になります。埼玉県の「街路樹剪定マニュアル」は、ケヤキ・イチョウ・プラタナスのように樹種ごとに「その木らしさ」を感じさせる樹形があるとし、その樹形を意識した剪定を心がけるよう書いています。自然風剪定は、この「その木らしさ」を残しながら大きさと枝の混み具合を整える剪定です。
同じマニュアルは、大きくなりすぎた木を小さくするときも、頂部を切り取ったり枝を途中で切り詰めたりするのではなく、自然の整った樹形を相似形に縮小する心構えで行うとしています。ケヤキのように枝が四方に広がる樹種では、縮小の目途を決め、主枝から分かれた枝のうち目途の大きさに都合のよい短い枝へ切り替えます。古い枝の途中でぶつ切りにしないことも書かれています。

外側の点線が今の樹冠、内側の点線が目指す樹冠。はみ出した長い枝先を、分かれ目の短い枝先に切り替えて(破線)、ひとまわり小さな同じ形に整える(イラスト)
落葉樹のケヤキは、葉の落ちた冬に剪定する
同じマニュアルは、落葉樹の剪定は休眠している冬期に行い、枝のバランスを見ながら木全体の骨格をつくるとしています。春の若葉が開く時期の剪定や、夏の強い剪定、秋の早すぎる剪定は避けるべきものとして挙げられています。
| 時期 | マニュアルにある落葉樹の扱い |
|---|---|
| 冬(休眠期) | 基本の剪定の時期、枝のバランスを見て骨格をつくる(整枝剪定) |
| 夏 | 冬に切ったあとに伸びた枝の密度を整える程度、切る量は全体の3分の1以下 |
| 春の若葉の展開期 | 避ける |
| 秋の早い時期 | 避ける(葉にためた養分を蓄えられない) |
出典: 埼玉県県土整備部道路環境課「街路樹剪定マニュアル」(令和2年12月)p.3-7・5-2・5-3・5-4・5-15。表はマニュアルの文をもとに当社でまとめたもの
シンボルツリーにメリハリをつけた植栽管理
マンションだからといって単一的に管理会社や造園業者任せに植栽管理をするのではなく、
今回のようにシンボルツリーには特に管理の質を上げるなどメリハリをつけて管理すると、
マンションのイメージや景観、雰囲気が良くなります
これからの植栽管理は限られた年間の管理予算の中で
いかに植栽を魅力的に管理できるかのノウハウは非常に重要だと
弊社では考えております。
まとめ
渋谷区恵比寿南のマンションで、エントランスのシンボルツリーのケヤキ2本を剪定しました。高所作業車が入らない環境でも、ツリークライミングによるロープワークで細い枝先まで手を入れ、自然風剪定でケヤキらしい枝ぶりに整えています。このマンションには東西南北の角にもクスノキやサクラなどの高木があり、シンボルツリーには特に管理の質を上げるなど、メリハリをつけた管理をしています。
よくある質問
Q1. 高所作業車が入らない場所でも、高い木の剪定はできますか。
できます。作業員がロープとハーネスで木に登るロープワーク(ツリークライミング)なら、車両を据える場所がなくても樹冠の中に入れます。この記事のケヤキも、この方法で細い枝先まで剪定しました。
Q2. ケヤキの剪定は、いつ行うのがよいですか。
落葉樹のケヤキは、休眠している冬に剪定するのが基本です。埼玉県の街路樹剪定マニュアルは、春の若葉が開く時期の剪定や、夏の強い剪定、秋の早すぎる剪定を避けるよう書いています。
高木の剪定や伐採作業の施工実績 一例
■東京都内 御神木剪定
■聖公会神学院様 世田谷区用賀
■オオシマザクラ 剪定・土壌改良 大田区中央
■保存樹木クスノキ 剪定作業 板橋区
■東京アメリカンクラブ様 エントランス高木剪定 港区麻布台
■銀杏岡八幡神社様 樹木伐採 東京都台東区
■大田区多摩川 マンション・集合住宅 保存樹木伐採
■渋谷区恵比寿 個人邸 高木サクラ剪定
■世田谷区北烏山 マンション・集合住宅 高木樹木伐採
出典・参考情報
・埼玉県県土整備部道路環境課「街路樹剪定マニュアル」(令和2年12月)
・労働安全衛生法施行令 第10条・第20条、労働安全衛生規則 第36条・第518条(e-Gov 法令検索)
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※ 「ツリークライミング」は、株式会社ツリークライミングワールドの登録商標です。当社の記事では、ロープとハーネスで樹木に登って作業する技術を指す言葉として使っています。
※ 「アーボリスト」は、株式会社ツリークライミングワールドの登録商標です。当社の記事では、樹木の手入れを専門とする職業(英語の arborist)を指す言葉として使っています。






















