木が倒れた、枝が折れたときは、けが人がいれば119番が先です。そのうえで最初にすることは、人を近づけないこと、電線に近づかないこと、安全な場所から写真を撮ることの3つです。連載の第12回では、緊急対応の流れと、ご相談で伝えると早いこと、所有者が考えておくこと、台風の前の点検を樹木医が解説します。
前回の第11回では、伐採の費用が何で決まるかを書きました。最終回の第12回は、当社の高木・特殊伐採&ケーブリングのページに「倒木や落枝など急ぎのご相談は、可能な範囲で速やかに対応します」と書いている、その急ぎの場面です。倒れた原因と管理者の責任はマンション・施設の倒木対策と国土交通省の全国倒木調査の読み解きで書いたので、この回は「倒れた直後」と「台風の前の備え」に絞ります。

マンションの敷地で倒れた木(当社の写真)。建物のすぐそばの駐車場に、幹と枝が広がっている
倒れた直後の最初の行動
木が倒れたとき、現場にいる方が最初にすることは、木を片づけることではなく、人を危険から離すことです。倒れた木や折れた幹は、倒れ切ったように見えても、ほかの枝や地面の上で不安定に残っていることがあります。国土技術政策総合研究所(国総研)の『街路樹の倒伏対策の手引き 第2版』も、台風などのときの応急作業では、新たな倒木の下敷きや伐採木の跳ね返りといった二次災害に巻き込まれるおそれがあり、十分な安全対策が必要としています。
状況ごとの最初の行動を、図にまとめました。

図: 倒れた直後の最初の行動(当社の整理。119番は消防庁「119番の正しいかけ方」、110番と道路の管理者は国土交通省「道路緊急ダイヤル(#9910)」のページ、電線は東京電力パワーグリッド株式会社「台風・降雪のとき」の案内による。#9910 のページに倒木が対象とは明記されていない)
けが人がいるとき、道路をふさいでいるとき
けがをした方がいるときは、救急の119番が先です。消防庁の「119番の正しいかけ方」は、火事か救急かを伝え、住所と、近くの目印を伝えるよう案内しています。倒れた木に人が巻き込まれたときも、119番が先です。車が巻き込まれたなどの事故は、警察の110番です。国土交通省の道路緊急ダイヤルのページも、事故情報は警察へ連絡するとしています。
倒れた木が道路や歩道をふさいでいるときは、その道路の管理者にも知らせます。国土交通省の道路緊急ダイヤル(#9910)は、道路の穴ぼこや落下物など道路の異状を24時間・無料で受け付けていますが、ページに倒木が対象とは明記されておらず、都道府県などが管理する道路は、夜間や土日祝日に早急に対応できない場合もあるとされています。国道・都道・区道のどれかは現地で分かりにくいので、区役所の道路の担当など、身近な窓口にも確かめるのが確実だと考えています。
人を近づけない範囲を決める
敷地の中だけに倒れた場合でも、倒れた木のまわりには人が入らないようにします。現場での経験から言えば、折れて別の枝に引っかかった枝や、途中で裂けた幹は、少しの風やわずかな振動で落ちることがあります。国土交通省の「都市公園の樹木の点検・診断に関する指針(案)」(令和8年3月30日改訂)も、差し迫った危険を取り除く応急的な措置・対策の例として、ぶら下がり枝の撤去や立入禁止の措置を挙げています。

根返りで倒れた木のまわりを、コーンとトラテープで囲った例(当社の写真)。人が根元や幹に近づけない範囲を決める

折れてぶら下がった枝のある木の周りを、コーンと縞のバー、立入禁止の看板で囲み、囲いの外から確かめる(イラスト)
写真を撮る
写真は、安全な場所から撮ります。何を撮るかは次の節の図に、撮り方は樹木の写真の撮り方にまとめました。車道に出る、隣の敷地に入る、枯れ枝が落ちてきそうな木の真下に長く立つことは避ける、というその記事の注意が、倒れたあとはいっそう大切になります。
ご自身で切ったり、動かしたりしない
倒れた幹や、引っかかった枝を、ご自身でチェーンソーやロープを使って片づけることは、おすすめしていません。力のかかった幹は、切った瞬間に思わぬ向きへ動くことがあるためです(当社の考え)。チェーンソーで木を伐る作業は、仕事として行う人には特別教育が義務づけられています(労働安全衛生規則 第36条第8号。第2回で書きました)。
電線に触れているときは、近づかずに電力会社へ
台風のあとの倒木で、最も注意が要るのは電線です。東京電力パワーグリッドは、台風などの強風で樹木や看板などの飛来物が電線を傷つけ、断線することがあるとして、切れて垂れ下がっている電線には絶対に手を触れず、近くで見つけたら絶対に近づかずに連絡するよう案内しています。電線に樹木や看板、アンテナなどが接触している場合も非常に危険だとして、すぐの連絡を求めています(2026年10月11日に公式ページを確認)。
電線に触れた木は、感電のおそれがあるだけでなく、動かした拍子に電線が傷つく危険もあると考えています。倒れた木が電線に触れていたり、電線の近くにあったりするときは、木や枝に触れず、引いたり切ったりもせずに、電力会社の対応を待ちます。東京電力パワーグリッドの案内は同社の供給地域のもので、ほかの地域では、その地域の電力会社の案内を確かめます。
同じページは、2019年の台風15号・19号のときの電柱の損壊事故は原因の大半が倒木や飛来物による二次被害だったとして、台風が近づく前に、傾斜などで倒れそうな樹木は伐採されているかを確かめるよう呼びかけています。
ご相談で伝えると早いこと
倒れた直後でも、当社への最初のご連絡は、お問い合わせフォームかメールです。フォームには写真を3枚まで添付できます(JPG・PNG・GIF)。4枚以上のときや、うまく添付できないときは、メール(info@toshilandscape.co.jp)に添付していただいています。次の内容を伝えていただくと、現地に伺う前に、人数と道具、車両の段取りを組みやすくなります。

図: ご相談で伝えること(当社の整理)。高さは建物の何階くらいかの目安で構いません。車両の入り方は、道の幅、敷地の出入口の高さ、車両を置ける場所です。写真の撮り方は当社の記事「樹木の写真の撮り方」
車両の入り方は、倒れた木の片づけでも決め手になります。杉並区でサクラが倒れた現場の追加の作業では、駐車場の出入口の天井高の問題でラフタークレーンやトラッククレーンを置けず、カニクレーンで抜根しました(ベッコウタケは駆除できるのか)。クレーンの種類と置き場所は第4回(クレーンと高所作業車を使う伐採)で書きました。

倒れた木の状態を確認する当社の者(当社の写真。後ろ姿)。幹の根元と枝の広がりを、近くで確かめている
当社で対応した倒木の事例
当社が公開している記事のうち、倒木を受けて対応した例を、表にまとめました。
| 記事 | 状況 | 当社の対応 |
|---|---|---|
| ベッコウタケとは(2024年3月公開)・ベッコウタケは駆除できるのか(同年5月公開) | 東京都杉並区で、サクラが倒れたと連絡を受けた 人的な被害はなかった |
緊急対応で伐採 根元にベッコウタケの発生痕があり、太い根はスポンジ状で腐朽がかなり進んでいた 後日、根を抜く作業に伺った |
| 台風倒木のカキノキ 支柱復旧作業(2019年4月公開) | 2018年10月の台風で、カキノキが倒れた | 現場調査をして復旧が可能と伝え、丸太の八掛け支柱で起こして固定 根の痛みが激しく不安定だったが、安定させた |
| 台風倒木被害 生垣植え替え工事(2019年11月公開) | 10月の台風で、港区西麻布のマンションの外周の生垣(カイヅカイブキ)が根こそぎ倒れた | 依頼後すぐに現地の下見と打合せに伺った 復旧が困難なため植え替えを提案し、壁を養生して根を掘り取り、シラカシ(高さ2.0m)を植えた |
杉並区のサクラは、倒れる前の年の写真では葉がしっかりついていて、危険な兆候は感じにくい状態でしたが、外から見えない根や幹の中で腐朽が進んでいました。倒れる前に気づくための診断は第5回(伐るか、残すか)、伐ったあとの断面で診断が合っていたかを確かめることは第7回(切り株は答え合わせ)で書きました。

倒れた木の幹の折れた所と、建物に沿って広がる枝(当社の写真)
倒れた木は、立て起こせるのか、伐るのか
倒れた木を残せるかどうかは、根がどれだけ残っているか、腐朽がないかで決まります。国総研の手引きは、街路樹の台風被害への応急処置の例を、次のように示しています。
| 被害の状態 | 応急処置の例 | ただし |
|---|---|---|
| 根返り | 切断・撤去 | 根が多く残り、活着が見込める場合は、立て起こして仮の支柱で固定 |
| 傾倒 | 立て起こして仮の支柱で固定 | 多くの根が切れ、活着が見込まれない場合は、切断・撤去 |
| 幹折れ | 除伐・撤去 | 被害が先端部で、生育や樹形に大きな被害がない場合は、折れた所をきれいに切って殺菌剤を塗る |
| 枝折れ | 剪定・撤去 | なし |
出典: 国土技術政策総合研究所「街路樹の倒伏対策の手引き 第2版」(国総研資料 第1059号、2019年)Ⅱ 1-108 表-3.3「襲来時の応急措置の例」。街路樹の管理者向けの表で、敷地の樹木にそのまま当てはめるものではありません。

傾いた木を立て起こし、仮の支柱で固定する仕組み(イラスト)。根が多く残り、活着が見込めるときの考え方を示した模式で、作業の手順や支柱の組み方を示す図ではない
同じ手引きは、その後の本格的な対応として、根返りで根の3分の1以上が腐朽している場合は、回復の可能性を検討し、見込みがないと判断したときは伐採して植え直すとしています(表-3.4)。街路樹は交通の障害になりやすいので、根返りや傾倒は、わずかな傾きなどの場合を除き、伐採・再植栽が基本、という考え方です。敷地の木でも、倒れた木を起こせるかどうかは、根の残り方と腐朽の有無を、樹木医が現地で見て判断します。

倒れた木の根元の状態を確かめる樹木医(イラスト)。根の残り方と腐朽の有無を、現地で見て判断する
所有者・管理者が、倒れる前と後に考えておくこと
倒れた木で他人に損害が出たときの責任は、民法第717条が定めています。第1項は、土地の工作物の設置や保存に瑕疵があって他人に損害が生じたときは、占有者が賠償の責任を負い、占有者が損害の発生を防ぐのに必要な注意をしたときは所有者が賠償する、としています。第2項はこれを「竹木の栽植又は支持に瑕疵がある場合」に準用し、第3項は、損害の原因について他に責任を負う者への求償を定めています(e-Gov 法令検索で2026年10月11日に原文を確認)。
実際に責任が生じるかどうかは、個別の事情で判断されるもので、当社が答えられることではありません。条文との関係は、マンション・施設の倒木対策にも書いています。倒れたあとに迷われたときは、弁護士や、ご加入の保険会社、管理会社の窓口に確かめていただくのがよいと考えています。保険の補償の範囲は、契約によって異なります。
当社の考えとして、倒れた直後に残しておくとよい記録は、次のとおりです。
- 倒れたことに気づいた日時と、そのときの様子(安全な場所から撮った写真)
- 連絡した先と時刻(電力会社、警察、道路の管理者、管理会社、保険会社など)
- 倒れる前の点検や診断の記録(いつ、誰が、どの木を見て、どう判断したか)
倒れた木は、危険を取り除く応急の作業を先に行い、保存樹木などの指定の有無は、区の窓口に確かめます。ここでいう応急の作業は、上に書いた立入禁止の囲いや、ぶら下がった枝の撤去のようなもので、切る作業はご自身ではなく、専門の者が行います。届け出の決まりは区ごとに違い、第10回(庭や敷地の木を伐る前の届け出)で書きました。道路に車両を止めたり、道路で作業したりする場合は、道路使用許可が要ります(第9回 ご近所と通行と生きものへの配慮)。費用の決まり方は第11回に書きました。
台風の前に見ておくこと
台風の前に、まず風の強さと木の様子の関係を見ておきます。気象庁の「風の強さと吹き方」の表から図にしました。

図: 風の強さと、木の様子(出典: 気象庁「風の強さと吹き方」〈平成29年9月一部改正〉の表から、樹木と電線の記述を抜き出した。「高所での作業はきわめて危険」は「人への影響」の欄。予報用語の「非常に強い風」は20〜30m/s、「猛烈な風」は30m/s以上。平均風速は10分間の平均で、瞬間風速は平均風速の1.5倍程度になることが多い)
同じ表の「強い風」(15m/s以上20m/s未満)には、「高所での作業はきわめて危険」とあります。当社も、強風や大雨で危険が予想されるときは、伐木の作業をしません(労働安全衛生規則 第483条。第8回で書きました)。台風が近づいてからでは、点検も作業も組みにくくなるというのが、現場での経験から言えることです。
風は、倒木等の要因の1つです。国土交通省の調査で、国・都道府県・市町村が管理する道路の樹木の事故801件(令和3年4月〜令和6年11月)の要因を見ると、「不明」を除けば「腐朽・病害」が最も多く、「台風」と「その他強風」を合わせた風によるものは235件(29%)でした。

図: 道路の樹木の倒木等の事故801件の要因(出典: 国土交通省「倒木等による事故に関する全国調査について」。国・都道府県・市町村が管理する道路、令和3年4月1日〜令和6年11月7日。件数は p.4 の総計、割合は p.2 のとおり。風によるもの235件は台風とその他強風を当社が合計した)
都市公園の931件でも、マンション・施設の倒木対策に書いたとおり「腐朽・病害」が最も多くなっています。風は倒れるきっかけで、腐朽や根の弱りが背景にあることが多い、というのが私の読み方です。
台風への備えは、国総研の手引きが、襲来前・襲来時・襲来後の3段階で整理しています。襲来前は、異状が多い木や倒伏・落枝の危険が高い木を中心に再点検する、としています。

図: 台風への備えと対応の3段階(出典: 国土技術政策総合研究所「街路樹の倒伏対策の手引き 第2版」〈国総研資料 第1059号〉Ⅱ 1-107 図-3.5・1-107〜1-108。街路樹の管理者向けの整理を短い言葉で並べ直した。敷地の樹木では、管理者を所有者・管理組合に読み替えて考える)

台風のあとの点検で、折れて引っかかった枝を確かめる(イラスト)
国土交通省の「都市公園の樹木の点検・診断に関する指針(案)」も、台風や降雪が多発するシーズンの前に点検を実施することが考えられるとし、キノコの発生は梅雨や秋雨の時期に多くなる傾向があるとしています。台風の前に、敷地の木で見ておく所を、表にまとめました(支柱と枝葉の偏りは上の図の「被害防止対策」)。
| 見る所 | 見方 | 出どころ |
|---|---|---|
| 幹や根元のキノコ | ベッコウタケやコフキタケが出ていれば、根株や幹は著しく腐朽していると考える | 東京都「街路樹診断等マニュアル」(令和3年度)第Ⅶ章 参考資料 |
| 開口空洞、樹皮の欠け、大枝の腐朽 | 幹折れや落枝のサイン | 当社記事 14562(東京都のマニュアルによる) |
| 根元の周りの工事 | 掘削、舗装、盛土や転圧で根が傷む | 当社記事 14562(東京都のマニュアルによる) |
| 根元の傾き、土の盛り上がり、舗装の割れ | 根返りの前触れかどうかを見る | 当社記事 13048 |
| 電線や建物に触れる枝、倒れそうな木 | 飛来物や倒木が電線を傷つけ、長い停電の原因になる | 東京電力パワーグリッド「台風・降雪のとき」 |
外から見えない幹や根の中は、外観診断と機器診断で確かめます。残せる木で、枝の裂けや落枝が心配なときの手立ては、第6回(伐らずに支える ケーブリングを選ぶとき)で書きました。
東京以外・遠方からのご相談
当社の対応地域は、東京23区を中心に、東京都の狛江市・調布市・三鷹市・武蔵野市、神奈川県の川崎市・横浜市・鎌倉市・横須賀市、埼玉県のさいたま市・川口市・越谷市・川越市、千葉県の浦安市・習志野市・船橋市・千葉市です。樹木医診断・高木管理・特殊伐採は、全国からのご相談を承っています。倒木や落枝など急ぎのご相談は、可能な範囲で速やかに対応します。
遠方の現場へは、泊まりがけで伺うことがあります。埼玉県秩父市では、高低差があり電線が張り巡らされた現場で、橋脚に面した高木を3泊4日の出張で伐採しました(橋脚沿い特殊伐採 埼玉県秩父市)。
個人のお客様・法人のお客様とも、伐採の現地調査とお見積りは無料です。樹木診断は有償で、現地を確認してお見積りします。マンションや学校、社寺、公共の施設、住宅地の高木の倒木や落枝のご相談をお待ちしています。
この連載は、今回で最終回です。第1回(都市の高木は、なぜ手入れできなくなるのか)から順に、高木を手入れし、伐る方法と、そのときの決まり、伐る前後の診断、費用や届け出までを書いてきました。高木・特殊伐採のご相談は、サービスのページからお問い合わせフォームかメールで承ります。
株式会社トシ・ランドスケープ
樹木医 中村雅俊
よくある質問(倒木・落枝のときについて)
Q1. 木が倒れたとき、最初に何をすればよいですか?
A. けがをした方や巻き込まれた方がいれば、119番が先です。車が巻き込まれた事故は110番に連絡します。そのうえで、人を近づけないこと、電線に近づかないこと、安全な場所から写真を撮ることです。倒れた木や、折れて引っかかった枝の下には入らず、ご自身で切ったり動かしたりすることは避けます。
Q2. 倒れた木が電線に触れているときは、どうすればよいですか?
A. 近づかず、倒れた木や枝にも触れずに、電力会社に連絡します。東京電力パワーグリッドは、切れて垂れ下がっている電線には絶対に手を触れないこと、電線に樹木や看板などが接触している場合も非常に危険なので、見つけたらすぐ連絡することを案内しています。
Q3. 倒木の相談で、何を伝えると早いですか?
A. 場所、樹種と高さの目安、倒れ方(根元から倒れた・幹が折れた・枝が折れた)、何に当たっているか、連絡済みの先、車両の入り方です。木の全体・根元・折れた所・周りの様子の写真があると、伺う前に準備を進められます。お問い合わせフォームには3枚まで添付できます。
Q4. 倒れた木は、立て起こして残せますか?
A. 根が多く残って活着が見込めれば、立て起こして支柱で固定できる場合があります。国総研の手引きは、街路樹の台風被害への応急処置として、そのような考え方を示しています。残せるかどうかは、根の残り方と腐朽の有無を、樹木医が現地で確かめて判断します。
Q5. 敷地の木が倒れて他人に損害が出たら、管理者の責任になりますか?
A. 民法第717条は、土地の工作物の占有者・所有者の責任を、竹木の栽植または支持に瑕疵がある場合にも準用しています。責任が生じるかどうかは、個別の事情で判断されます。弁護士や、ご加入の保険会社、管理会社の窓口に確かめるのがよいと考えています。
Q6. 台風の前に、木で見ておくことはありますか?
A. 幹や根元のキノコ、開口空洞や樹皮の欠け、根元の傾きや土の盛り上がり、支柱の腐朽や結束の劣化、枝葉の偏り、電線や建物に触れる枝を見ておきます。気象庁の表では、平均風速20m/s以上で、細い木の幹が折れたり、根の張っていない木が倒れ始めたりするとされています。
出典・参考情報
- 民法 第717条(e-Gov 法令検索。2026年10月11日に原文を確認)
- 東京電力パワーグリッド株式会社「台風・降雪のとき」(2026年10月11日に確認)
- 国土交通省「道路緊急ダイヤル(#9910)」(2026年10月11日に確認)
- 消防庁「119番の正しいかけ方」(2026年10月11日に確認)
- 気象庁「風の強さと吹き方」(平成29年9月一部改正の表。2026年10月11日に確認)
- 国土技術政策総合研究所「街路樹の倒伏対策の手引き 第2版」(国総研資料 第1059号、2019年2月)Ⅱ 1-105〜1-108(気象害対策、図-3.5、表-3.3、表-3.4)
- 国土交通省「倒木等による事故に関する全国調査について」(調査期間 令和3年4月1日〜令和6年11月7日)p.2・p.4
- 国土交通省「都市公園の樹木の点検・診断に関する指針(案)」(令和8年3月30日改訂)p.10・p.13
- 東京都建設局「街路樹診断等マニュアル」(令和3年度)
伐採・特殊伐採の記事
- マンション・施設の倒木対策──管理者の責任、倒れる原因、点検と診断の進め方を樹木医が解説
- 樹木の写真の撮り方──「全体・根元・周りの様子」を送っていただくコツ
- ベッコウタケとは──サクラの根を腐らせるキノコと倒木、見つけたときの診断
- ベッコウタケは駆除できるのか──杉並区のサクラ倒木の伐根作業
- 台風倒木のカキノキ 支柱復旧作業
- 台風倒木被害 生垣植え替え工事
- 橋脚沿い特殊伐採 埼玉県秩父市
- 伐採の費用は何で決まるのか|高木・特殊伐採とケーブリング 第11回
連載「高木・特殊伐採とケーブリング」のすべての回は、連載の一覧からご覧いただけます。

































