team TOSHI HORTUS
TOSHI LANDSCAPE × DOMUS HORTUS
イギリスから来日した庭師のマイケルさんと、当社のお客様の現場でご一緒した日の記録です。話題になった剪定の考え方と道具について、イギリス・ヨーロッパ・日本の剪定の基準、日本の庭師が使う2つの鋏、チームの名にある「Hortus」の意味を、規格・メーカー・辞書の資料をもとに書き添えます。
イギリスの庭師と、お客様の現場で
イギリスから来日されて弊社のお客様の現場にいらしてくださった
イギリス人庭師のマイケルさんです。
※インスタグラムへのリンクとなります。
- イギリス人庭師
実際に現場で庭木の手入れ作業をご一緒しながら、
□植物への考え方
□剪定の手法
□道具の使い方
□お庭の管理の考え方
など様々なお話をすることができました。
お庭とお客様への想いは世界共通だということを再認識する一日でした。
剪定の手法──国ごとにある「共通のものさし」
剪定の考え方や手法は、国や地域ごとに基準としてまとめられています。マイケルさんの国イギリスには英国規格協会(BSI)の規格 BS 3998 があり、ヨーロッパでは各国の樹木の専門家が作った剪定の基準も公開されています。日本では、自治体が街路樹の剪定のマニュアルを定めています。例を並べると次のとおりです。
| 地域 | 基準・資料の例 | 発行 |
|---|---|---|
| イギリス | BS 3998:2010 Tree work – Recommendations(樹木の作業の推奨) | 英国規格協会(BSI)、2010年 |
| ヨーロッパ | European Tree Pruning Standard(EAS 01:2021) | 作業部会 TeST(Technical Standards in Treework)、2021年6月 第1版 |
| 日本(例) | 街路樹剪定マニュアル(枝透かし・切返し剪定など) | 埼玉県 県土整備部、令和2年12月 |
出典: BSI「Tree work. Recommendations」、TeST「European Tree Pruning Standard」(2021年6月 第1版)、埼玉県「街路樹剪定マニュアル」(令和2年12月)。ヨーロッパの基準書は「良い技術は国境を越える」で紹介しています。
言葉や道具が違っても、枝をどこで切り、木にどれだけ残すかという問いは共通です。国ごとの基準を知っておくと、現場での話がかみ合いやすくなります。
- 和風庭園 砂利
- 和風庭園 砂利
- 枝垂れモミジ
- 枝垂れモミジ
日本の庭師道具──竹屋さんと木鋏
マイケルさんは日本の庭師道具についても大変興味をお持ちとのことでしたので、
いつもお世話になっている、品川区の竹屋「山十」さんへご一緒しました。
様々な商品を見学され、花吹雪の木鋏を購入されました。
木鋏(植木鋏)は、日本の庭師が腰に差して使う鋏です。大きな輪の形をした2つの持ち手と、短く先のとがった刃を持ち、バネは付いていません。指を輪にかけて手で開け閉めするので、込み合った枝の間に刃先を差し込み、狙った1本だけを切ることができます。もう一つの鋏、剪定鋏は、半月形の「切り刃」と三日月形の「受け刃」が交差して枝を切り、持ち手の内側のバネが開閉を助けます。元々はヨーロッパで果樹の剪定用に開発されたものが、明治期に日本に伝わったとメーカーは説明しています。
| 項目 | 木鋏(植木鋏) | 剪定鋏 |
|---|---|---|
| 持ち手 | 大きな輪の形、指をかけて開け閉めする | 握り込む持ち手、内側にバネ |
| 刃 | 短く幅があり、刃先が細くとがる | 半月形の切り刃と三日月形の受け刃 |
| 得意な枝 | 込んだ所の細い小枝 | 植木鋏では刃が負ける硬い枝 |
出典: 剪定鋏の構造と由来は株式会社アルスコーポレーション「剪定ばさみの選び方」、木鋏の形と得意な枝は当社で使っている鋏と当社の現場での使い方

植木鋏(左)と剪定鋏(右)。刃の長さと厚み、持ち手の形が違う(当社イラスト)
2つの鋏の使い分けと、切り口を守る刃の向きは「植木鋏と剪定鋏の使い分け」で図解しています。
- 国際交流 庭師 ガーデナー
- 国際交流 庭師 ガーデナー
- 国際交流 庭師 ガーデナー
次はイギリスでご一緒出来るのを楽しみにしております。
よろしくお願いします!
ありがとうございました。
Hortusはラテン語で「庭」という意味です。
ラテン語の辞書(Lewis & Short)は、hortus を「庭」とし、楽しむための庭、果樹の庭、菜園などを指す言葉として説明しています。
弊社では積極的に海外の庭師・ガーデナーや、アーボリストなどとの
交流や情報交換を行っております。
翌年の2023年1月には、フランスとイギリスへの渡航もありました(「海外進出 フランス、イギリスへの渡航」)。
株式会社トシ・ランドスケープ
植栽管理作業の施工実績 一例
■マンション植栽 高木の樹勢確認とケーブリング支柱点検 目黒区自由が丘
■銀杏岡八幡神社様 御神木剪定 東京都台東区浅草橋
■聖公会神学院様 世田谷区用賀
■オオシマザクラ 剪定・土壌改良 大田区中央
■保存樹木クスノキ 剪定作業 板橋区
■東京アメリカンクラブ様 エントランス高木剪定 港区麻布台
■銀杏岡八幡神社様 樹木伐採 東京都台東区
■大田区マンション 特殊伐採
■渋谷区恵比寿の個人邸 高木のサクラをロープワークで剪定──屋根に張り出した枝の吊り下ろしと、樹上と地上をつなぐ Bluetooth
■世田谷区北烏山 マンション・集合住宅 高木樹木伐採
よくある質問
Q1. 木鋏(植木鋏)と剪定鋏は、どう違いますか。
木鋏は輪の形の持ち手で、バネが無く、刃先が細くとがっていて、込んだ所の細い小枝を1本ずつ切るのに向きます。剪定鋏は半月形の切り刃と三日月形の受け刃が交差し、バネの付いた鋏で、硬い枝を切るのに向きます。
Q2. 「Hortus」とは、どういう意味ですか。
ラテン語で「庭」という意味です。ラテン語の辞書(Lewis & Short)は、楽しむための庭、果樹の庭、菜園などを指す言葉として説明しています。
出典・参考情報
・The British Standards Institution「BS 3998:2010 Tree work. Recommendations」
・Working group Technical Standards in Treework(TeST)「European Tree Pruning Standard」EAS 01:2021(2021年6月 第1版)
・埼玉県 県土整備部 道路環境課「街路樹剪定マニュアル」(令和2年12月)
・株式会社アルスコーポレーション「剪定ばさみの選び方」
・Charlton T. Lewis, Charles Short「A Latin Dictionary」hortus(Perseus Digital Library)
関連記事
・ヨーロッパの街路樹管理から考える──フランス・スペイン、そして東京へ(このテーマのまとめ)
・植木鋏と剪定鋏の使い分け──2つの鋏の形と役割、切り口を守る刃の向き
・海外進出 フランス、イギリスへの渡航
※ 「アーボリスト」は、株式会社ツリークライミングワールドの登録商標です。当社の記事では、樹木の手入れを専門とする職業(英語の arborist)を指す言葉として使っています。
※ 「ツリークライミング」は、株式会社ツリークライミングワールドの登録商標です。当社の記事では、ロープとハーネスで樹木に登って作業する技術を指す言葉として使っています。









































