急に冬のような寒さの1日ですね。フランス人スタッフの加藤バンジャマンが現場での気づきをお伝えします。
今年から植栽の年間管理契約をいただいた新宿区のマンションの植栽管理作業に入っています。
先に答え
センペルセコイアは、北アメリカの太平洋沿岸、カリフォルニア州北西部からオレゴン州南西部の霧の多い地域に自生する常緑の針葉樹で、英語ではコースト・レッドウッド(coast redwood)と呼ばれます。知られている最も高い木は115.85mで、世界で最も樹高が高くなる樹木の一つです。根は深く入らず横に広がる性質があるため、都市の植栽地で大きくなった木は、足元の根と頭上の枝の両方を見ながら管理します。
- センペルセコイアの学名はSequoia sempervirensです。sempervirensはラテン語で「いつも緑」を意味し、「常緑のセコイア」という名前です。
- 北アメリカのオレゴン州南西部からカリフォルニア州北西部の、霧の多い海沿いに自生します。知られている最も高い木は115.85mです(The Gymnosperm Database)。
- メタセコイアは、1941年に三木茂博士が植物化石を研究して名付けた別の木で、「メタ」は「あとの」「変わった」という意味です。センペルセコイアと違い、落葉樹です。
- 新宿区のマンションでは、樹高20mを超えるセンペルセコイアを、ツリークライミング・ロープワークで剪定しました。
名前が似ている2つの木の違いを表にしました。
| 項目 | センペルセコイア | メタセコイア |
|---|---|---|
| 学名(属) | Sequoia sempervirens(セコイア属) | Metasequoia(メタセコイア属) |
| 名前の意味 | sempervirens はラテン語で「いつも緑」 | 「メタ」は「あとの」「変わった」、それにセコイアを合わせた名前 |
| 名付け | はじめは落葉樹の属 Taxodium に入れられ、1847年にエンドリッヒャーがセコイア属にした | 1941年、三木茂博士が、セコイアとされていた植物化石を研究して名付けた |
| 常緑か落葉か | 常緑 | 小枝ごと葉を落とす落葉樹 |
| 葉のつき方 | 互生 | 二列対生 |
| 自生地 | 北アメリカ、オレゴン州南西部からカリフォルニア州北西部の、霧の多い沿岸部 | 中国、1946年に四川省で生きた木が確かめられた |
出典: The Gymnosperm Database「Sequoia sempervirens」(2026年6月21日更新)、八王子市「生きている植物化石 メタセコイア」、三重県総合博物館「メタセコイア(化石)」
よくある質問
Q1. センペルセコイアの名前には、どんな意味がありますか。
学名はSequoia sempervirensで、ラテン語のsemperは「いつも」、virensは「緑」を意味します。つまり「いつも緑のセコイア」、常緑のセコイアという名前です。日本語で言い換えれば「常盤セコイア」になります。
Q2. なぜ「いつも緑」という名前が付いたのですか。
The Gymnosperm Databaseによると、この種はもともと、落葉樹の属であるTaxodium(ラクウショウの仲間)に入れられていました。そのため、常緑であることを表すsempervirensという名前が付けられたと説明されています。
Q3. センペルセコイアは、どこに自生し、どのくらい大きくなりますか。
北アメリカのオレゴン州南西部からカリフォルニア州北西部にかけて、海から60km以内の霧の多い沿岸部に自生します。The Gymnosperm Databaseでは樹高60〜100mとされ、知られている最も高い木はレッドウッド国立公園の115.85mです。
Q4. メタセコイアとは、何が違いますか。
メタセコイアは、1941年に植物学者の三木茂博士が、セコイアとされていた植物化石を研究して名付けた別の木です。「メタ」は「あとの」「変わった」という意味です。センペルセコイアは常緑ですが、メタセコイアは小枝ごと葉を落とす落葉樹です。
Q5. この記事の現場では、どのように剪定しましたか。
2023年から植栽の年間管理契約をいただいた新宿区のマンションで、樹高20mを超えるセンペルセコイアを、ツリークライミング・ロープワークで剪定しました。マンションの植栽としては珍しく、都内ではなかなか見ないサイズの木です。
Q6. センペルセコイアとは、どんな木ですか。
北アメリカの太平洋沿岸、カリフォルニア州北西部からオレゴン州南西部の霧の多い地域に自生する常緑の針葉樹で、英語ではコースト・レッドウッドと呼ばれます。知られている最も高い木は115.85mで、世界で最も樹高が高くなる樹木の一つです。
Q7. 「セコイア」という属名は、何に由来しますか。
由来には諸説あります。The Gymnosperm Databaseは、チェロキー文字を考案したセクォイヤ(Sequoyah)にちなむとする説が広く知られている一方、植物学者のエイサ・グレイが、ラテン語で「続く」を意味するsequiに由来すると提案したことも紹介しています。
Q8. センペルセコイアの根は、どのように広がりますか。
米国国立公園局によると、レッドウッドには主根がなく、根は20〜27mほど横に広がります。主根がないため、風で倒れやすい木でもあるとされています。
Q9. センペルセコイアは、強く剪定してもよいですか。
強く切ることは勧められていません。東京都建設局のマニュアルは、強剪定などの不適切な処置がかえって樹勢を弱めるとし、樹冠を縮小するときも、目標樹形を定めて数年かけて計画的に行うことを求めています。
Q10. 根上がりが起きたら、どうしますか。
東京都建設局のマニュアルは、防根シートや縁石で根の伸びる範囲を制御する方法、根を切除して縁石や舗装を補修する方法などを挙げています。根上がりは、多くの場合、樹勢の良い木が生育環境のキャパシティを超えて成長したときに見られ、続く場合は更新も検討するとしています。
Q11. 大きくなったセンペルセコイアは、どこを点検しますか。
東京都建設局のマニュアルの樹木点検は、建築限界を越える枝、道路施設との競合、支柱の直し・撤去、太い枝の枯れ・折れ、根上がりと舗装のクラックの6項目(建築限界は車道側と歩道側で別の項目)です。街路樹向けの項目ですが、枝の落下は大きな被害につながるため、太い枝は丁寧に確認します。
- センペルセコイア 剪定 高木 ツリークライミング ロープワーク 植栽管理 保存樹木 保護樹木
- センペルセコイア 剪定 高木 ツリークライミング ロープワーク 植栽管理 保存樹木 保護樹木
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マンションの植栽としては珍しく、樹高20mを超える都内ではなかなか見ないサイズのセンペルセコイアを
ツリークライミング・ロープワークで剪定を行いました。
- センペルセコイア 剪定 高木 ツリークライミング ロープワーク 植栽管理 保存樹木 保護樹木
- センペルセコイア 剪定 高木 ツリークライミング ロープワーク 植栽管理 保存樹木 保護樹木
「センペルセコイアってどういう意味か分かる?」と後輩に聞いたら、分からないというので説明しました。
センペルセコイアの学名は
Sequoia sempervirensですが、
ラテン語ではSemper =いつも
(スペイン語だと siempre なので近いです)
Virens = 緑
(フランス語だとVert スペイン語、
イタリア語だとverdeなので、まぁまぁ近いです)
常緑のセコイアですね。
言い換えれば常盤セコイア。
調べればもちろんすぐ分かるのですが、改めて言葉の豊富さとそれぞれの言語が持つ文脈に感動しました。
こういう場面でこそ、中学校の時にラテン語を勉強したことが役に立ちました。
ご依頼いただきありがとうございます。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
株式会社トシ・ランドスケープ
加藤バンジャマン正拓
センペルセコイア
北アメリカ西部の湿った山地に自生するヒノキ科(旧分類ではスギ科)の常緑高木です。ユーカリとともに世界で最も樹高が高くなる樹木の一つです。現地に自生するものは樹高60〜100mに育つそうです。
日本でも近年は都内のマンションや商業施設のシンボルツリーとして植栽されていることを目にすることがあります。
セコイアといえば、 「メタセコイア」のイメージが強いのではと思いますが、 メタセコイアは、ギリシア語の、「~の後に」の意味の meta とセコイアに由来し、 化石植物としてしばしばセコイアと混同されていたのを、 後に区別したため、「メタセコイア」とつけられたそうです。メタセコイアは落葉樹で紅葉が楽しめます。
センペルセコイアの特徴 ― 自生地の環境から考える
センペルセコイアの自生地は、海から60km以内の、霧の影響を強く受ける沿岸部で、標高は0〜300mです(The Gymnosperm Database)。米国国立公園局は、霧がレッドウッドの水分摂取の約40%を占めるとしています。東京の植栽地は、この自生地とは環境が異なります。
- 樹高: 知られている最も高い木は115.85mです(The Gymnosperm Database)。米国国立公園局は、高さ112m(367フィート)に達することがあるとしています。
- 寿命: 米国国立公園局は、2,000年に達することがあり、600年に達する木は珍しくないとしています。
- 樹皮: 厚い樹皮と、地面から高いところにある葉が、最も激しい火災を除いて、木を火災から守るとされています(米国国立公園局)。
- 再生: 切り株や倒れた木の根から、クローンとして新しい芽が出ます。根元のこぶ(バール)から新しい木が育つこともあります(米国国立公園局)。
再生の力は、自生地での木の性質についての記述です。都市の植栽で、強く切ってよいという意味ではありません。

都市で大きくなるセンペルセコイアの管理の考え方
マンションの敷地や公園で樹高が20mを超える木になると、管理の難しさは、剪定の作業そのものだけでなく、根と周囲の環境にも広がります。以下は、東京都建設局の「街路樹診断等マニュアル」(令和3年度)と国総研の手引きに書かれている考え方のうち、大きな木の管理に当てはまるものです。
根は主根がなく、横に広がります
米国国立公園局によると、レッドウッドには主根(直根)がなく、根は20〜27m(60〜80フィート)ほど横に広がります。同じ資料は、主根がないため、風で倒れやすい木であるとも述べています。

根が大きく広がる木は、植栽地の広さや、周りの舗装・縁石との関係が問題になりやすくなります。東京都のマニュアルは、根上がりについて、多くの場合は樹勢の良い健全な樹木が、生育環境のキャパシティを超えて成長したときに見られるとしています。根上がりが続く場合は、更新(植え替え)も検討する必要があるとしています。

根上がりへの処置の例として、同マニュアルは、防根シートや、通常より鉛直方向に長い縁石で根の伸びる範囲を制御する方法、根を切除して縁石や舗装を補修する方法などを挙げています。サクラの根上がりで植樹桝を修繕・拡張した工事は「サクラ根上がり 植樹桝修繕・拡張工事」に、植栽基盤の考え方は「植栽基盤調査とは?」にまとめています。
剪定は、樹勢・樹形・周りの環境を見て、切る量と時期を決めます
東京都のマニュアルは、根の張り具合に対して樹冠が大きい場合に、倒木の危険があるとしています。その対策として、切返し剪定による樹冠の縮小や、枝抜き剪定による込み合った枝の間引きを挙げたうえで、いきなり強剪定で樹冠を詰めるのではなく、目標樹形を定め、数年かけて計画的に樹高や枝張りを縮小していくことを求めています。目標樹形を決めるときは、高所作業車で剪定できる高さも考えて、後の年の維持管理に配慮するとしています。
同じマニュアルは、診断後の街路樹に、強剪定などの不適切な処置が行われ、かえって樹勢を弱める例が少なくなかったと述べています。国総研の「街路樹再生の手引き」も、強剪定が樹勢の衰退につながる可能性があるとしています。今回の現場では、ツリークライミング・ロープワークで剪定しました。冬の剪定の考え方は「植栽管理で失敗しない考え方 冬季の落葉樹剪定と中長期計画」に、「抜いて整える」剪定の考え方は「透かし剪定とは|日本の庭師が「抜いて整える」剪定の考え方」にまとめています。
大きくなった木は、定期的に点検します
東京都のマニュアルの樹木点検では、日常の管理で対応が必要な項目として、次の6項目(建築限界は車道側と歩道側で別の項目)を確かめます。街路樹向けの項目ですが、マンションや公園の高木を見るときの目安にもなります。
- 建築限界を越える枝(車道側・歩道側)
- 信号、標識、照明などの道路施設との競合
- 支柱の直し・撤去(活着した後も支柱が残っていないか、揺らぎがないか)
- 太い枝の枯れ・折れ
- 根上がり、舗装のクラック
6項目それぞれで確かめることを表にしました。
| 項目 | 確かめること |
|---|---|
| 建築限界越え 車道側 | 幹や枝葉が車道側の建築限界(高さ4.5m、重要物流道路は4.8m)の内に収まっているか、接触痕は無いか |
| 建築限界越え 歩道側 | 幹や枝葉が歩道側の建築限界(高さ2.5m)の内に収まっているか |
| 道路施設との競合 | 信号・標識・照明・電柱・バス停などと競合していないか、道路の安全性を損なっていないか |
| 支柱直し・撤去 | 活着した木に支柱が残っていないか(撤去)、支柱が壊れていないか(補修)、支柱が無く揺らぎや倒木の危険がないか(再設置) |
| 太枝枯れ・折れ | 大枝・中枝の枯れや折れが無いか(小枝の枯れは書かない) |
| 根上がり・舗装クラック | 舗装や縁石の持ち上げ・クラック、縁石の押し出し、根の乗り上げ、樹木保護盤の持ち上げ、つまずきなどの通行障害が無いか |
結果は「異常なし」か「異常あり」の2段階で、1つでも異常があれば、その項目の処置を速やかに行う。街路樹向けの項目で、マンションや公園の高木を見るときは目安として使う。出典: 東京都建設局「令和3年度 街路樹診断等マニュアル」(2021年) 第Ⅱ章 樹木点検について p.6〜8
樹木点検の残りの9項目(樹木の健全状態)は「樹木医は街路樹診断で何を見ているか(前編)」にまとめています。
同マニュアルは、枝の落下は歩行者や車両への大きな被害につながる可能性があるため、太い枝の枯れ・折れは丁寧に確認するとしています。点検の結果、診断が必要な場合は、外観診断や機器診断に進みます。
マンション・施設の高木管理は、「マンション・施設の植栽管理」と「高木の剪定・特殊伐採・ケーブリング」で、樹木の状態の確認は「樹木診断(外観診断・機器診断)」で行っています。業者の選び方は「マンション植栽管理の造園業者・植木屋を選ぶには」に、敷地に合う樹種の考え方は「マンション外構植栽の樹種の選び方」にまとめています。
出典・参考情報
- The Gymnosperm Database「Sequoia sempervirens」(Christopher J. Earle 編、2026年6月21日更新)
- 八王子市「生きている植物化石 メタセコイア」
- 三重県総合博物館「メタセコイア(化石)」
いずれも2026年9月27日に内容を確認しました。
加筆にあたり、次の資料を確認しました(2026年10月3日)。
- 米国国立公園局 レッドウッド国立・州立公園「About the Trees」
- 東京都建設局「街路樹診断等マニュアル」(令和3年度) 第Ⅰ章(p.3)、第Ⅱ章 樹木点検(p.6〜8)、第Ⅳ章(p.69、p.73)
- 国土技術政策総合研究所「街路樹再生の手引き」(国総研資料第885号、2016年3月) 第1章 1.1(p.1-1〜1-2)
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