樹木は枝葉の成長だけでなく地中部の根系の広がり方や土壌との関係、その他周辺の立地環境などを正しく理解しないと、倒木リスクや周囲のインフラへの影響が懸念されます。
先に答え
- 根系調査は、地表下の根の分布、根の健康状態、埋設物や障害物との関係を把握する調査です。
- 根の広がり方や土壌との関係、周辺の立地環境を理解しないと、倒木リスクや周囲のインフラへの影響が懸念されます。
- 当社は、圧縮空気で土壌を吹き飛ばしながら、根を極力傷つけずに露出させて調べています。国総研の「街路樹の倒伏対策の手引き 第2版」(2019年)の別冊も、この方法(エアースコップ)が多く用いられているとしています。
- 記事では、レーザー光の反射で対象物の距離や形状を捉えるLiDARを使った、3D解析も紹介しています。
圧縮空気を利用して土壌を吹き飛ばしながら、根を極力傷つけずに露出させています。
地表下の根の分布を明らかにしつつ、根の健康状態、埋設物や障害物との関係を正確に把握することができます。
樹木の健康を診断し、適切な管理を施す樹木医にとって、根系の状態を把握することは重要です。
しかし、地中に広がる根の全容を可視化することは容易ではなく、従来の掘削調査や推測に頼らざるを得ませんでした。
近年注目されているのがLiDAR(Light Detection and Ranging)技術を用いた3D解析です。
LiDARは、レーザー光を照射し、その反射時間を測定することで、対象物の距離や形状を高精度に捉える技術です。
この手法を、圧縮空気で土を取り除いて露出させた根に用いることで、根の構造や広がりを立体的に記録し、整理できます。
根系の成長がインフラに及ぼす影響を解析し、都市部の樹木管理や街路樹の適切な剪定計画に役立てることができるかもしれません。
LiDAR技術は日々進化を続けており、ドローンやAI解析技術と組み合わせることで、
より精緻な根系のモデリングが可能になると期待されています。樹木医の知見と最新技術を融合させることで、
より科学的で持続可能な樹木管理が実現し、都市緑化や森林保全の分野に大きな貢献を果たすことが可能です。
LiDARによる3D根系解析は、樹木医にとって新たな視点をもたらし、
樹木の生命をより深く理解するための強力なツールとなり、今後、さらなる技術革新が進むことで、
より精密な樹木診断が可能となり、緑豊かな環境の維持に寄与することが期待されます。
株式会社トシ・ランドスケープ
樹木医 中村雅俊
よくある質問
Q1. 樹木の根系調査では、何がわかりますか。
地表下の根の分布と、根の健康状態、埋設物や障害物との関係を把握できます。樹木は枝葉だけでなく、根の広がり方や土壌との関係、周辺の立地環境を理解しないと、倒木リスクや周囲のインフラへの影響が懸念されます。
Q2. 根を傷つけずに掘るには、どうしますか。
当社では、圧縮空気で土壌を吹き飛ばしながら、根を極力傷つけずに露出させています。国総研の手引き第2版の別冊「街路樹の点検・診断」も、掘削時に根を傷つけない注意が必要とし、この方法(エアースコップ)が多く用いられているとしています。
Q3. 根系の詳しい調査は、どんなときに行いますか。
国総研の手引き第2版の別冊では、外観調査で根系に重大な弱点があると推測された場合に、根株の周り(地表面から30cm程度の深さ)を掘って根の状態を詳しく調べるとしています。腐朽が疑わしい主根は、貫入抵抗値測定機などで健全材の厚さを測るとしています。
Q4. LiDARとは何ですか。
Light Detection and Rangingの略で、レーザー光を照射し、その反射時間を測ることで、対象物の距離や形状を高い精度で捉える技術です。記事では、LiDARを根系調査に応用する3D解析を紹介しています。
Q5. LiDARの3D解析は、何に役立ちますか。
記事では、根の成長がインフラに及ぼす影響の解析や、都市部の樹木管理、街路樹の剪定計画に役立てられる可能性がある技術として紹介しています。ドローンやAI解析と組み合わせた、より精緻な根系のモデリングも期待されています。
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出典・参考情報
・街路樹の倒伏対策の手引き 第2版(国総研資料 第1059号、2019年2月、国土交通省 国土技術政策総合研究所) 別冊「街路樹の点検・診断」の「4.健全度調査 (3)根系診断」(1-59ページ)。根株周りの掘削、掘削時に根を傷つけない注意、圧縮空気で土壌を吹き飛ばす方法(エアースコップ)、主根の健全材の厚さの測定は、この資料の記載によるもので、街路樹を対象とした手引きです。






















