アーボソニック3D(ArborSonic 3D)の仕組みと得られる結果──センサーの数、測れる太さ、断面画像と安全率の読み方を樹木医が解説

アーボソニック3D ArborSonic 3D 音響トモグラフ センサー アンプボックス 樹木診断 樹木医

アーボソニック3D(ArborSonic 3D)は、幹に打ったセンサーの間を音が伝わる時間から、幹の断面を画像にするファコップ社の音響トモグラフです。構成と仕様、センサーの数と測れる太さ、断面画像と安全率の読み方、研究が示す確かさを、この機器を使う樹木医が解説します。

ハンガリーのファコップ(Fakopp)社の樹木診断機器をひとつずつ取り上げる連載の第2回です。第1回で会社と製品の全体像を紹介しました。今回は、当社が2025年に導入して使っている、アーボソニック3Dを取り上げます。現場での測り方や断面画像の色の凡例はアーボソニック3Dの使い方に、一般の方向けの仕組みの説明はアーボソニック3Dとは何かにまとめてありますので、この回は製品の構成と、得られる結果をどう読むかに絞ります。音の伝わる時間から断面を描く考え方は、IML連載の第4回で扱ったピカスと同じ系統です。

先に答え

  • アーボソニック3Dは、幹の周りに打ったセンサーを順にたたき、音が他のすべてのセンサーへ届く時間から、断面の中の音の速さの分布を画像にする機器です。2006年に発売されました。
  • センサーの数はメーカーの仕様で10〜32個です。数を増やすほど音の通り道が増え、32個では496本になります。
  • キャリパーの届く距離より太い幹は、各センサーから3つ先まで距離を測る方式で測れます。2mのキャリパーなら、センサー32個で直径約6.7mまでです。
  • 断面画像は、健全さではなく「音の速さ」を表します。腐朽と関係することが多いものの、目回りや入り皮でも速さは下がります。
  • ソフトは断面画像から幹の安全率も計算します。外壁が健全な筒形の幹を前提とした、測った高さだけの値で、ほかの診断と合わせて読むものです。
アーボソニック3D 音響トモグラフ 原理 音の回り込み 空洞 伝わる時間 遅れ 模式図

健全な断面では音はまっすぐ届く。空洞があると回り込むぶん、反対側のセンサーに届くのが遅れる(模式図。当社作成)

 

アーボソニック3Dとは──音の遅れから断面を描く

メーカーの取扱説明書(2026年9月版)は、測定の原理を次のように説明しています。幹の周りに複数のセンサーを置き、鋼の釘で木に密着させます。センサーをひとつずつハンマーでたたき、たたいたセンサーから他のすべてのセンサーまで、音の波が伝わる時間を測ります。中に穴があると、音は穴を回り込むので、反対側のセンサーに届くまでの時間が長くなります。ソフトはこの時間とセンサーの位置から、断面の中の音の速さの分布を計算して画像にします。

ファコップ社の年表によると、アーボソニック3Dは2006年に発売されました。2000年から出していた「Fakopp 2D」を発展させ、逆解析の計算と3次元の表示を加えたものです。2020年には、たたくだけの専用の釘「Ludwigセンサー」が加わりました。

構成と仕様

取扱説明書と製品ページによると、アーボソニック3Dは次の部品でできています。

アーボソニック3D 構成 センサー アンプボックス バッテリーボックス 接続ケーブル ノートパソコン Bluetooth 図解

アーボソニック3Dの構成。幹に打ったセンサーにアンプボックスをつなぎ、アンプボックスを一列に連ねて、端のバッテリーボックスからパソコンへ送る(イラストは当社作成)

部品 役割
センサー(SD02 圧電センサー) 先の釘を樹皮の下の材まで打ち込み、音を受ける。たたくと音を出す側にもなる
アンプボックス センサーの信号を増幅する。番号が大事で、ケーブルを交差させない
バッテリーボックス(灰色) 9Vの電池と Bluetooth の送信機が入っている。どのアンプボックスにもつなげる
接続ケーブル アンプボックスどうしと、バッテリーボックスをつなぐ
鋼製のハンマーとゴムのハンマー ゴムでセンサーを打ち込み、鋼でたたいて測る
センサー抜き取り具、巻尺 片付けと、幹周・位置の測定
キャリパー(別売) センサーどうしの距離を測り、ソフトへ送る
長い釘のセンサー(オプション) 樹皮の厚い樹種用。釘はふつう6cm、長い釘は12cm

製品ページの仕様は次のとおりです。

項目 メーカーの仕様
時間の精度 ±2マイクロ秒
センサーの数 10〜32個
電源 9Vの充電池。電池1個で約2時間
パソコンとの接続 USB か Bluetooth
重さ 約6kg(パソコンを除き、ケース・ハンマー・センサー10個を含む)
1断面の測定時間 約20分(センサー10個、組み立てと片付けを含む)
使用温度 0〜40℃

パソコンのソフトは Windows 用で、無料の Android アプリでも測定と断面画像の下見ができます。安全率の計算や報告書づくりはパソコンで行います。2026年9月版の説明書では、最近の機器は Bluetooth Low Energy でつながり、2025年より前に販売された機器はパソコンとのペアリングが要る、と書き分けられています。

アーボソニック3D センサー 釘 貫入深さ PD 樹皮の厚さ BT 健全材 断面 模式図

釘は樹皮を貫いて健全な材まで入れる。ソフトには樹皮の表面から釘先までの深さ(PD)と樹皮の厚さ(BT)を入れ、PD は BT より大きくなる(模式図。当社作成)

センサーの数と、測れる太さ

アーボソニック3Dは、ひとつのセンサーをたたくと、残りのすべてのセンサーで時間を測ります。全部のセンサーをたたけば、2個の組み合わせの数だけ音の通り道が測れます。センサーの数と通り道の本数は、次のように増えます。

センサーの数 音の通り道(2個の組み合わせ)
10個 45本
12個 66本
16個 120本
24個 276本
32個 496本
アーボソニック3D センサーの数 10個 16個 24個 32個 音の通り道 45本 120本 276本 496本 図解

センサーを増やすほど、断面を横切る音の通り道は急に増える。10個で45本、32個で496本(2個の組み合わせの数。計算して描いた当社作成の図)

台湾の研究者が、ナンヨウスギの仲間5本をアーボソニック3Dで、センサー8・12・16・20個に変えて測った研究があります(Lin ほか 2025)。センサーを増やすと画像の細かさは上がりましたが、要旨では、センサーの数による平均の音の速さの差は統計上認められなかったとしています。ただし結果の章では、画像を細かい区画に分けて木ごとに比べると、5本とも8個より20個の方が平均の速さが低く(どの木も統計上の差あり)、数を増やすと速さが全体として下がる傾向が示されています(表3、p.9)。腐朽や空洞のある木では、どの数でも速さの傾向がよくそろい、8個でも腐朽と空洞を見つけられた、と結論しています。ただ、この研究は5本の結果で、いまの製品の仕様は10個からです。

測れる太さは、センサーの数と、距離を測るキャリパーの長さで決まります。キャリパーで届かない太い幹のために、2026年9月版の説明書は「Irregular 3」という入力の方式を載せています。各センサーから3つ先のセンサーまで(1→2、1→3、1→4、2→3…)の距離を測る方法で、3つ先までの距離がキャリパーで測れれば、キャリパーより太い幹も入力できます。説明書の表を、センサーの数ごとに抜き出しました(円に近い形で、センサーを等間隔に並べた場合)。

センサーの数 2mのキャリパー 1.1mのキャリパー
12個 直径2.74m 直径1.51m
16個 直径3.49m 直径1.92m
24個 直径5.07m 直径2.79m
32個 直径6.68m 直径3.68m
アーボソニック3D Irregular 3 最大幹径 センサーの数 2mキャリパー 1.1mキャリパー グラフ

「Irregular 3」で測れる最大の直径。センサーの数が増えるほど、太い幹まで入力できる(取扱説明書 2026年9月版 p.19 の表をもとに当社作成)

アーボソニック3D Irregular 3 センサー 3つ先まで 距離 キャリパー 測り方 上から見た図

「Irregular 3」では、各センサーから3つ先までの距離を測る。1番なら2番・3番・4番まで(上から見た図。当社作成)

行政の資料では、東京都の「令和3年度 街路樹診断等マニュアル」が、アーボソニック3Dで測れる幹周を9.6mとしています(センサー間30cmで32個を設置する想定の、経験からの値)。センサーは「6〜32個可能」、参考資料の測定方法の説明では標準10個とされています。

測り方の要点──外観で選んだ高さに、一周させる

測り方の手順はアーボソニック3Dの使い方に9段階で書きましたので、ここでは結果の確かさに関わる要点だけを挙げます。いずれも2026年9月版の説明書によります。

  • 測る高さ: 外観診断で最も弱そうに見える高さ(キノコの子実体、機械的な傷、見える腐朽など)を選びます。高さを変えて何段か測るときは、どの断面も違う高さにします。
  • センサーの付け方: 釘は樹皮を貫いて健全な材まで入れ、幹の中心へ向けます。指3本で頭を回して回らなければ、密着は良好です。腐朽した材に打つと、測った時間が狂います。
  • 形の入力: 断面がほぼ正確に円か楕円のときだけその方式で、それ以外は不規則形でセンサーどうしの距離を測って入れます。当社では、測る木では毎回、この距離をブルートゥースキャリパーで測ってソフトへ送っています。
  • たたく回数: 各センサーを最低3回、あとでデータを直せるよう5回たたくことが勧められています。巻尺は外してからたたきます(付けたままだと音が巻尺を伝わります)。

アーボソニック3D 根元 キノコ 子実体 サクラ センサー アンプボックス バッテリーボックス 樹木診断

測る高さは、外観診断で最も弱そうに見える所を選ぶ。キノコの出ている根元なら、地際に近い高さで測る(イラストは当社作成)

結果の読み方──断面画像は「音の速さの地図」

2026年9月版の説明書は、断面画像(トモグラム)について、大事な注意を書いています。トモグラムは測った断面の健全さを示すのではなく、音の波の速さを示すだけで、速さは健全さと関係することが多いものの、目回りや入り皮も速さを下げる、というものです。画像の遅い色の部分は「腐朽があるかもしれない所」であって、腐朽そのものの写真ではありません。

アーボソニック3D トモグラム 音の速さの地図 腐朽 目回り 入り皮 速さが下がる 模式図

断面画像が表すのは音の速さ。腐朽だけでなく、目回りや入り皮でも音は遅くなる(模式図。色は説明のための例。当社作成)

画像の色の幅にも注意が要ります。複数の高さを重ねた3D表示では、各断面がそれぞれの速さの範囲で色分けされるので、同じ色でも断面が違えば速さが違うことがあります。健全な材でも、地際と胸の高さで平均の速さが変わるのは珍しくない、と説明書は書いています。また、表面から入った亀裂の深さを推し量る表示(Cracks)はありますが、内部の亀裂は見つけられません。

アーボソニック3D 多層表示 3D 断面ごとの速さの範囲 同じ色 違う速さ 地際 胸高 模式図

3D表示では、断面ごとに色の基準が違う。地際と胸の高さで同じ緑でも、速さは同じとは限らない(模式図。数値は説明のための例。当社作成)

色の濃さと強さの関係も、そのまま比例するわけではありません。白色腐朽のソメイヨシノの材を調べた研究では、測った値から求めた関係式で計算すると、密度が半分に下がったとき、音の速さは0.6倍あまりにしか下がらないのに、圧縮の強さは0.2倍以下まで下がりました(山下ほか 2025)。音の速さの低下が小さく見えても、強さはそれ以上に落ちている、と考えて読む必要があります。

幹の安全率──バイオメカニクスの考え方

ソフトには、断面画像から強風時の幹の折れにくさを見積もる「バイオメカニクス」の機能があります。説明書によると、計算の考え方は次のとおりです。

  1. 樹冠の大きさ(写真に輪郭を描くか、寸法を入れる)と樹高、傾きから、風が樹冠を押す力と、その力がかかる高さを見積もります。
  2. 測った断面の高さで、その力が生む曲げの力(曲げモーメント)を求めます。
  3. 断面画像で荷重を支えられる部分を取り出し、その断面に生じる最大の応力を計算します。風の向きは5°ごとに全方向を調べます。
  4. 樹種のデータベースにある材の強さ(降伏強度)を、最大の応力で割った値が安全率です。いちばん弱い断面の値が、その木の安全率として示されます。
アーボソニック3D バイオメカニクス 安全率 風の力 樹冠 作用点の高さ 測った断面 曲げモーメント 降伏強度 最大応力 図解

風が樹冠を押す力と、その力がかかる高さから、測った断面に生じる曲げの力を求める。安全率は「材の強さ ÷ 断面に生じる最大の応力」(当社作成の図)

風の見積もり方は2通りです。高さによらず同じ風が当たるとみなす「Uniform」と、欧州の構造物の風荷重の規格(EN 1991-1-4)を樹木に当てはめ、周りの地表のようすを考える「EN1991」です。説明書は、樹木への風荷重の見積もり方に業界共通の基準は今のところ無い、と書いています。Uniform の風速は、その地域の過去50年の気象データで最も強い風を入れるよう求め、典型的な値を33m/sとし、海岸や山地では45m/sのように、さらに高いこともある、としています。安全率の区分は次のとおりです。

安全率 ソフトの表示(リスク評価)
150%を超える 低い(Low Risk)。過大な見積もりに備えて50%を上乗せし、安全とみなしうる(緑)
100〜150% 中程度(Moderate Risk)。幹の健全さがはっきりしない(黄)
50〜100% 高い(High Risk)。安全でないとみなす(赤)
50%未満 極めて高い(Extreme Risk)。安全でないとみなす(赤)

前提も、説明書にはっきり書かれています。モデルは外側の壁が健全な筒形の幹を前提にしていて、割れた幹や開いた幹には当てはまりません。測った高さの断面しか使わないので、ほかの幹の部分や根、周りの環境は計算に入りません。Uniform は孤立して風を全部受ける木とみなすので、建物や他の木に守られた木では安全率が低めに、風の通り道では高めに出ることがあります。そして説明書の冒頭と同じ章の警告で、この機器は評価のただ一つの根拠にはできず、経験と訓練に基づく判断と合わせて使う道具だ、と念を押しています。

研究と行政資料から見る、確かさと限界

アーボソニック3Dで測り、伐った木や人工の空洞で答え合わせをした国内の研究を、いくつか挙げます。

研究 対象 分かったこと
二階堂ほか 2020 ケヤキ材に人工の空洞(三日月形と十字形。センサー10個) 三日月形の空洞は、空洞率28%以上で実際に近い値。20%以下では大きく出すぎた。十字形では28%と8%で小さく出た。著者は、危険な木を小さく見積もるおそれは低いと結論
服部ほか 2025 倒木の後に残るソメイヨシノ12本 外観と機器の診断で6本に異常。2本は腐朽空洞率60%以上で、伐倒などの対策が急ぎ必要と判断
服部ほか 2026 上の6本を伐って木口で検証 6本すべての内部の異常を検出。一方、腐朽空洞率は木によって実際と大きく離れた
山下ほか 2025 白色腐朽のソメイヨシノの材 腐朽で音の速さが下がる割合より、強さが下がる割合の方がずっと大きい

これらの研究に共通するのは、「異常があるかどうか」はよく捉える一方で、「どれだけ傷んでいるか」の数字には、空洞の形や大きさで幅が出る、という点です。

東京都の街路樹診断マニュアルは、アーボソニック3Dを「多点式応力波速度測定器」として、使用可能な機器の表に挙げています(本編 p.53)。機器診断は貫入抵抗測定器(レジ)を基本としつつ、目的に応じて機器を選ぶとしており、参考資料にはアーボソニックの単断面と多断面の腐朽診断カルテの様式(様式5・様式6)もあります。

当社の考え方

当社は、アーボソニック3Dを2025年に導入し、ブルートゥースキャリパーと組み合わせて使っています。測る木では毎回、センサーどうしの距離をキャリパーで測って幹の形を入れます。外観診断で内部の異常が疑われた木について、まずアーボソニック3Dで断面全体を画像にし、気になる範囲にレジを通して確かめる、という順番が基本です。面で当たりをつけ、線で確かめる、という考え方です。

断面画像は音の速さの地図で、安全率は前提つきの計算です。どちらも判断の材料であって、答えそのものではありません。画像の数字だけで決めず、樹種、樹勢、根元のようす、亀裂や開口の有無、立っている場所を重ねて、総合して判定することを大切にしています。

株式会社トシ・ランドスケープのツリーリスクアセスメント(樹木診断)部門では、樹木医が外観診断から機器診断、報告書の作成、その後の管理計画までを一貫して担当しています。幹や根元の内部が気になる樹木がありましたら、樹木診断のサービスページをご覧のうえ、お問い合わせフォームからのご相談をお待ちしています。

次回は、同じファコップ社の、電気の通りやすさで断面を描く機器、アーボエレクトロ(ArborElectro)を取り上げます。

 

株式会社トシ・ランドスケープ
樹木医 中村雅俊

 

よくあるご質問(アーボソニック3D ArborSonic 3D について)

Q1. アーボソニック3Dは何を測る機器ですか?

A. 幹の周りに打ったセンサーをたたき、音が他のセンサーへ届く時間を測る機器です。時間とセンサーの位置から、断面の中の音の速さの分布を計算し、画像(トモグラム)にします。空洞や腐朽があると音が遅れて届くので、その範囲が遅い色で表れます。

Q2. センサーは何個使いますか?

A. メーカーの仕様では10〜32個です。東京都のマニュアルは「6〜32個可能」、測定方法の説明では標準10個としています。センサーを増やすほど音の通り道が増え、10個で45本、32個で496本になります。

Q3. どのくらい太い幹まで測れますか?

A. 東京都のマニュアルは幹周9.6mまでとしています。2026年9月版の取扱説明書の「Irregular 3」という方式では、ほぼ円い幹にセンサーを等間隔に付けた場合、2mのキャリパーとセンサー32個で直径6.68mまで入力できる、という表が載っています。

Q4. 断面画像の色は、腐朽の程度そのものですか?

A. いいえ。色が表すのは音の速さです。速さは腐朽と関係することが多いものの、目回りや入り皮でも下がります。また、腐朽した材では、音の速さの低下よりも強さの低下の方がずっと大きいという研究もあります。外観診断やレジと合わせて読みます。

Q5. 安全率は何を表していますか?

A. 樹種の材の強さを、強風のときに測った断面に生じる最大の応力で割った値です。150%を超えると低いリスク、100%未満は安全でないとみなす表示になります。外壁が健全な筒形の幹を前提とし、割れた幹・開いた幹や根の状態には当てはまりません。

Q6. センサーの数を減らすと、精度は落ちますか?

A. センサー8〜20個で比べた研究では、数を増やすと画像は細かくなりました。要旨では平均の音の速さに統計上の差は無いとしつつ、木ごとに区画で比べると、5本とも8個より20個の方が速さが低く、統計上の差も出ています。腐朽や空洞のある木では8個でも見つけられたと報告されています。ただし5本の木の結果で、いまの製品の仕様は10個からです。

Q7. 東京都の街路樹診断で使えますか?

A. 東京都の「令和3年度 街路樹診断等マニュアル」は、アーボソニック3Dを「多点式応力波速度測定器」として、使用可能な機器の表に挙げています。機器診断は貫入抵抗測定器(レジ)を基本とし、目的に応じて機器を選ぶとしています。参考資料には、アーボソニック専用の腐朽診断カルテの様式もあります。

 

出典・参考情報

メーカーの資料(いずれも2026年10月に確認)

・Fakopp Kft.「ArborSonic 3D Manual」2026年9月7日版(PDF・英語) 原理(p.2)、構成(p.3)、組み立て(p.4)、センサーの扱いと測る高さ(p.5)、電池(p.7)、接続(p.10〜11)、樹種のデータベース(p.13)、形の入力と Irregular 3(p.16〜19)、たたく回数(p.23)、断面画像は速さを示す(p.25)、亀裂の表示(p.29)、多層表示(p.30)、バイオメカニクス(p.32〜40)、報告書(p.41)、Android アプリ(p.42)、長い釘(p.73)、Ludwigセンサー(p.76〜80)
・Fakopp Enterprise「ArborSonic 3D User’s Manual」v6.5(2020年6月3日、英語)
・Fakopp「ArborSonic 3D」製品ページ(英語) 仕様、セットの内容
・Fakopp「About Us」(英語) 製品の年表

研究

・Lin, C.-J., Peng, P.-H. & Lin, P.-H. (2025) The Impact of the Number of Sensors on Stress Wave Velocity in 2D Acoustic Tomography of Araucaria cunninghamii Sweet. Forests 16(9): 1439
・二階堂由紀・樋口裕仁・秋元信二・細野哲央 (2020) ケヤキ材人工空洞に対する4種の腐朽診断機器の検出誤差. 樹木医学研究 24(4): 195–203
・山下香菜ほか (2025) 白色腐朽による‘染井吉野’樹幹材の音速と圧縮強度の低下率. 樹木医学研究 29(2): 100–111
・服部友香子ほか (2025) 森林総合研究所 第二樹木園に植栽されたソメイヨシノの腐朽診断. 森林総合研究所研究報告 24(4): 275–279
・服部友香子・服部力・升屋勇人・山下香菜 (2026) 第二樹木園内の伐採されたソメイヨシノの実腐朽空洞率と腐朽に関わる菌類. 森林総合研究所研究報告 25(3): 153–159(要旨を確認)

制度

・東京都建設局「令和3年度 街路樹診断等マニュアル」 機器診断の基本(本編 p.52)、使用可能な主な樹木診断機器とその特性(表Ⅲ-3・1、本編 p.53)、アーボソニック3Dの測定方法(第Ⅶ章 参考資料 p.108)、腐朽診断カルテの様式5・様式6(参考資料 p.139・141)

 

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・銀杏岡八幡神社 台東区浅草橋 樹木医診断
・樹木医 サクラ樹木診断(機器診断・レジ)
・樹木医がマンション植栽の危険木調査を行いました

サービス

・樹木診断(ツリーリスクアセスメント部門)
・GREEN MANAGEMENT

 

※ 「レジストグラフ」は、穿孔抵抗測定器を指す通称として、日本の樹木診断の現場で広く使われています。ただし、RESISTOGRAPH® は Frank Rinn 氏(ドイツ)の登録商標(製品は RINNTECH 社)で、当社が使用している「レジ(Resi PD)」は IML 社(ドイツ)の製品です。両者は製造しているメーカーが異なります。ArborSonic 3D(アーボソニック3D)、ArborElectro(アーボエレクトロ)、PiCUS(ピカス)などの製品名は、各社の商標または登録商標です。

※ この記事の製品名(ArborSonic 3D、ArborElectro、PiCUS、IML-RESI、Resi PD)は、各社の商標または登録商標です。Bluetooth は Bluetooth SIG, Inc. の登録商標、Android は Google LLC の商標です。

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